2021年10月6日 メシアン『峡谷から星たちへ…』 読響・サントリーホール
サントリーホール
2階 RB 1列11番
指 揮 :鈴木 優人
オーケストラ : 読売日本交響楽団
ピアノ : 児玉 桃
第2部と第3部の間に15分の途中休憩を挟んで、2時間を要するメシアンの大曲。2017年11月の歌劇『アッシジの聖フランチェスコ』(私は、びわ湖ホールで鑑賞)の成功を讃えての第49回サントリー音楽賞受賞の記念コンサート。読売日本交響楽団にとって、本年度の最重要エベントだったはず。シルヴィン・カンブルランに代った鈴木優人の指揮のもと、独奏者、オーケストラ揃って最高レベルの演奏だった。この演奏のためにわざわざ帰国したピアニスト児玉桃も含め、この趙難曲に対して、いったいどれたけの時間を準備と練習に費やしたのだろうか。その成功を一緒に体験できたことを、一音楽ファンとして感謝したい。
日ごろ、ゲンタイオンガクはダメダメを明言しているけど、改めてメシアンは例外であることを認識。巨大編成で演奏に5時間半かかる『アッシジの聖フランチェスコ』と、弦群を3+3+3+2+2に圧縮した(ただし、管群は拡大3管編成、打楽器群は総勢7名)今作品と、オケの規模はまったく違うのに、ホール空間に鳴るサウンドはどちらもまったく同質なのに驚いた。不協和音…不協音でも不純な音の塊りではない…から、圧倒的で明るく透明な協和音の響きが支配する世界への転換は、メシアンを聴く醍醐味。
コロナ禍で、さらに指揮者交代も少なからず影響しただろうか、あまりにも寂しい客の入り。せいぜい2~3百人程度だろうか。開演2時間前にチケットぴあで購入できた席は、なんとRB 1列11番。しかも最前列は私1人。ホールを俯瞰すると、1階中央を含め、所々で横一列に席が埋まっている以外は、ほとんどまばら。終演後、ブロックごとに退場させるコロナ禍ルーティンをするなら、あの部分的な蜜状態の客(恐らく関係者・招待客)に理由を説明して、席を空けてもらえばよろしかろうに、と思う。