あーと屋のほぼ大阪クラシック演奏会気まま日記

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2020717日 関西フィルハーモニー管弦楽団 第312回定期 

ザ・シンフォニーホール

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指揮                    : 藤岡 幸夫

ヴァイオリン           : 岩谷 祐之 

 

チャイコフスキー       : 弦楽セレナーデ

シベリウス             : ヴァイオリン協奏曲

 

当初予定の貴志康一の交響曲が取りやめ(開演前のプレトークで、‟いつか必ずやります”と指揮者の藤岡幸夫が語ったので、期間未定の順延…ですね)になり、シベリウスの‟レンミンカイネンの帰郷”がチャイコフスキーの弦楽セレナーデに差し替え。弦楽セレナーデの後に20分間休憩を置いて、シベリウスのヴァイオリン協奏曲をメイン扱いとしたフルコンサート。終演は840分。

 

ゲンダイオンガク作品は“お金を払って聴きたいと思わない”というか、まったく興味の対象外ながら、いつもの廉価席ならば…ということでコロナ禍の前にWEBサイトを通じて買っていたチケット。オーケストラ事務局から曲目変更の知らせとともに ‟来ていただけるなら、座席変更したチケットを郵送する”旨の丁寧な電話をいただいたことで、先週の日本センチュリーの時のように、曲目変更も知らずに会場入りするといったドジなことは無し。

 

10 + 8 + 6 + 6 + 4で演奏された弦楽セレナーデが、胸を熱くするような演奏。3ヵ月あまり生演奏ご無沙汰だったことによる新鮮さもあったかもしれないけど、ステージ真横の3階バルコニーで聴いていると、この編成でよくぞ!と唸ってしまうほどの音圧とともに、熱気に満ちた音楽が眼下のステージから湧き上がってくるようで、なんだか胸が熱くなった。なお、休憩の後のコンチェルトは開始早々に完全寝落ち。さすがにこの数日の寝不足がきいた。

 

《閑話休題》

前日になんばバークスシネマで、メットライブビューイングのゲルギエフ指揮『さまよえるオランダ人』を鑑賞。本来の収録予定日公演がキャンセルになったため、数日前の公演を収録したものらしく、いつものメットライブビューイングのクオリティではない。演奏内容はあえて横においても、全体に引きで撮った画像が多いし(特に第2幕)、PAの音もFM放送クオリティ。ただし、これはいつものエグゼクティブシートのシアターでなかったからかも。

 

ライブビューイングお馴染みの歌手のインタビューシーンも無し。本来だったら藤村美穂子が、インタビュー最後に『日本でご覧の皆さ~ん・・・』って日本語での呼びかけがきけただろうのに、残念。

 
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20200717_関西フィル_312

20200718_メット_さまよえるオランダ人

2020228日 関西フィルハーモニー管弦楽団 第307回定期 

ザ・シンフォニーホール

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指揮                    : ゴロー・ベルク

ピアノ                 : ダナエ・デルケン

 

シューマン             :序曲、スケルツォとフィナーレ 作品52

クララ・シューマン     :ピアノ協奏曲 イ短調 作品7

―― アンコール  ブラームス :間奏曲 変ロ長調 作品764

ブラームス             :交響曲第4番 ホ短調

 

たった今しがた(37日 午後1時)神々の黄昏(びわ湖ホール)のライブストリーミング放送(YOUTUBE)が始まった。無観客公演・ライブストリーミング実施という英断にいちワグネリアンとして感謝の限り。今日、そして明日の両日、視聴します。

 

なんだか、神々の黄昏の公演中止を知ってから、まったくブログ記事アップに気がいかなかった大阪フィルと関西フィルの2演奏会について備忘として、簡単にアップします。

 

 

実際の演奏が始まるまで、てっきりローベルト・シューマンのイ短調が演奏されるものだと思い込んでいた。耳に聞こえる曲がまったく異なるので、慌てて足元に投げ置いていたプログラムをこっそり拾い上げて確認してビックリ。なんとクララ・シューマンのピアノ協奏曲だった。こりゃまた大変珍しい作品が聴けたものだ。ソリストアンコールでブラームスの間奏曲が演奏されたので、ローベルト・シューマン=クララ・シューマン=ブラームスと見事にプログラムがつながったことになる。ただ珍しい作品であっても、歴史に埋もれているのも致し方なし、かな。

 

ブラームスのシンフォニーでの指揮にはちょっと首を傾げるところあり。各フレーズの終わりを点で止めず、そのまま流すように音を残すので、音楽が弛緩してしまったし、弦が不揃いで音が濁る。

 

さてと、大阪フィルと関西フィルの定期演奏会のブロブ記事をアップしたので、神々の黄昏(びわ湖ホール)のライブストリーミングをじっくり鑑賞します。。。

―― 今、ジークフリートとグンターが血の誓いの盃を交わしてる・・・いよいよ、ハーゲンの見張りの歌が始まる。。。これからワーグナーの毒に浸ります。

 

 
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20191129日 関西フィルハーモニー管弦楽団 第306回定期演奏会

 

大阪ザ・シンフォニーホール

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指揮            :オーギュスタン・デュメイ

ピアノ          :上田 晴子

 

R・シュトラウス         : ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 作品18

R・シュトラウス         : メタモルフォーゼン ~23の独奏楽器のための~

メンデルスゾーン       : 交響曲第3番 イ短調『スコットランド』

 

 

一曲目、R・シュトラウスのヴァイオリン・ソナタは、1週間前にザ・フェニックスホールで聴いたオータム・スペシャルコンサートと同じく上田晴子によるピアノ演奏。やはり、デュメイのヴァイオリニストとしての凄さはシンフォニーホールのような大きな空間では半分も伝わらない。先週のザ・フェニックスホールの演奏を聴いていて本当に良かった。

 

指揮者としてのデュメイについて、これまで関西フィルを指揮したベートーヴェン、シューベルトといった古典作品では、どれも〝これを聴かせたい・・・”といった思いが感じられない、わざわざディメイでなくても、と思わせる退屈なものだった。それが、この日の〝スコットランド”は、ロマンティシズムを徹底して追及するアプローチが明確だったし、なにより音楽の新鮮さと生演奏を聴く楽しみを味合わせてくれた。シューマンやブラームスあたりをもっと聴いてみたい。

 

メタモルフォーゼンでは、直接音がはっきり耳に届く3階バルコニー前列では、関フィルの弦の実力が露になってしまった。これはデュメイの指揮力とは別次元のこと。

 

 
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20191129_関西フィル_ 1

20191121日 オーギュスタン・デュメイ オータム・スペシャルコンサート

 

ザ・フェニックスホール

1階B列4

 

シューマン      3つのロマンス 作品94

ブラームス      :ヴァイオリンソナタ第2

ブラームス      :ピアノ5重奏曲 ヘ短調 作品34

 

オーギュスタン・デュメイ

上田 晴子            :ピアノ

ギオルギ・バブアゼ     :ヴァイオリン

中島 悦子             :ヴィオラ

チェロ                 :ルドヴィート・カンタ

 

オーギュスタン・デュメイ&関西フィルハーモニー オータム・スペシャルコンサート。デュメイ&関西フィルと題されたところがミソで、春や秋に手ごろなチケット価格でデュメイのソロや関西フィルのメンバーとの室内楽を聴かせるもの。この日は、ヴァイオリンとヴィオラが関西フィルの首席で、チェロと(当然ながら)ピアノは関西フィルとは無縁の奏者。

 

関西フィルの音楽監督就任以来、大きなホールでデュメイのソロ演奏を幾度も聴いているけど、今夜のようにザ・フェニックスホールの最前列で聴くのはやはり格別(A1-4番席を取り払って広めのステージを確保したことで、私の座ったB4番は事実上の最前列)。関西フィルの紹介プロフィール“ヨーロッパの偉大な伝統の伝承者であり、今世紀最高のヴァイオリニストのひとりである”とあるが、“偉大な伝統の伝承者”は、何分にも知識不足でよくわからないけど、〝今世紀最高のひとり”については、なるほどそうに違いない、と素人ながら納得してしまう。音の芯がはっきりしていて、とてつもなく骨太、そしてとても男性的な雄弁さに満ちている。

 

休憩後のピアノ5重奏も、大君デュメイの存在が強烈。他の奏者は、出しゃばらず・逆らわずといった感じで、最後までデュメイ一色のコンサート。関西フィルフルサポートのデュメイ、オータム・コンサート、といったところだろうか。

 
20191121_デュメイ_スペシャルコンサート

2019年10月16日 関西フィルハーモニー管弦楽団 第305回定期演奏会

 

大阪ザ・シンフォニーホール

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指揮            :藤岡幸夫

ヴァイオリン    :神尾 真由子

 

ウォルトン             :ヴァイオリン協奏曲

ハチャトゥリアン       :交響曲第2番 ホ短調『鐘』

 

在阪プロオケの中で群を抜いて挑戦的な関西フィルの今シーズン定期ラインナップのなかで、最も尖っている今夜のプログラム。普段、関西フィルを聴くときはオルガン席か3階バルコニー席と決めているものの、今回は一階S席を一般券発売開始早々に購入。関西フィルを平土間で聴くのは、3年前のトリスタンとイゾルデ第3幕以来ではないか。

 

それにしてもサブタイトル “轟音警鐘・・・阿鼻叫喚の音楽絵巻、壮絶無比の野心作” には、またもや見事につられてしまった。阿鼻叫喚だの壮絶無比だのとくれば、例えばショスタコーヴィチの戦争シンフォニーのごとく、金管や打楽器が大暴れしながら麻痺させるような轟音につつまれるかのような曲イメージが刷り込まれてしまう。毎度のこと、関西フィルのこうした釣り文句はいかがなものかと思いつつも、補助席販売までするほどの集客力を発揮したのだからマネジメントとしては大成功に違いない。サポート企業の招待客らしきスーツ姿の男性も多く、私の周りにはいくつも連続で空席が目立ったのは、完売公演だけに気持ちとしては微妙なところでもある。

 

いつもの通り復習を兼ねて、唯一の手持ち音源であるチェクナヴォリアン&アルメニア・フィルのボックスセット(この曲に限らずの爆演ばかり)でハチャトゥリアンの“鐘”を聴き直し。剛腕チェクナヴォリアンのCD40分ほどの快速に対し、関西フィルの演奏は45分以上かけていたことからも明らかなように、壮絶な展開の終楽章などでも無謀な煽りやハイテンポで突っ走るといったことなどなく、節度を保った演奏だった。もっとも基本爆演系の指揮者である藤岡幸夫(だと、私は日頃から思っているのだけど)にしてみれば、もっと豪胆・奔放にやりたくても、オーケストラ側の能力が限界だったのかもしれない。実際、弦パートなどで、ちょっと厳しいところも散見された。いずれにせよ、よくぞこの難曲をプログラムに載せてくれたものだ。藤岡幸夫と関西フィルに感謝。

 

そう、初めて聴いたウォルトンのコンチェルトについても記しておかないと。数年前まで、実演を聴くたびにいささか首を傾げてしまっていた神尾真由子は、3月のいずみシンフォニエッタとのリゲティの協奏曲に引き続きこの日も安定感が抜群。彼女の演奏については、メン・チャイなどよりこうした近・現代の作品のほうがしっくりくる。いつものようにソロ・アンコールは無し。

 
20191016_関西フィル定期


2019107  七吹神喇叭倶楽部演奏会 其の六 大阪フィルハーモニー会館

 

 

大阪フィルハーモニー会館

 

徳永洋明             :祝祭ファンファーレ ~令和を記念して~

追栄祥               4本のトランペットのための3つの小品

ムチンスキー         :トランペット三重奏 作品11-1

プレスティ           5本のトランペットのための組曲

団伊玖磨             :祝典行進曲 (D. シロズヴィッチ編)

津堅直弘             :胃腸薬の主題による4つの変奏曲

ロッシーニ           :猫の二重奏

ガーシュウィン       :パリのアメリカ人(山崎恒太朗編)

 ―― アンコール

       ひょっこりひょうたん島

       宝島

 

篠崎 孝      大阪フィル

小曲 俊之    日本センチュリー

白水 大介    関西フィル 

徳田 友希    大阪交響楽団

西馬 健史    京都交響楽団

稲垣 路子    京都交響楽団

神代 修      大阪教育大学

 

中桐 綾奈    ピアノ

 

年一回のペースで開催の関西プロオケのトランペット奏者を中心としたアンサンブルで、会場は大阪フィルの拠点である大阪フィルハーモニー会館。ここを訪れるのは20172月の『世界における我が国オーケストラのポジション』以来の2度目。

 

メンバーが所属するオーケストラ演奏会で盛んにチラシが折り込まれていた割には、チケットが購入できるのは梅田の楽器店2か所のみ。私のような大阪非在住の一音楽ファンには全く困ったもので、西梅田の勤務先から楽器店まで徒歩で往復1時間以上もかけてチケットをやっとで購入。あんなにチラシをバラまいて宣伝するなら、もう少しチケット購入のハードルさげてくれないかなぁ、と思いつつ会場の大阪フィルハーモニー会館へ向かうと、まあネ、ある程度予想はしていたけど、観客は大阪市内のブラバンの生徒がほとんどで、しかも当日券での入場が余裕で可能だったみたい。

 

少々期待を持ちすぎたのかもしれないけど、全体に余暇的アンサンブルの延長のような演奏。前半の4曲は聴き進むうちに飽きてくるし、ピアノ伴奏を加えた後半のメイン曲“パリのアメリカ人”も、特段にスリリングさもなく、達者なオケメンバーによる、クラシック音楽流儀の型にハマった演奏、っといった感じ。せっかくだから、自由にジャジーにやればきっともっと面白いのに…。

本来、チューバやユーホニウム・ホルンが担う中低音域をピアノが請け負った上に、ちょっとしたオブリガードまで右手がこなしてしまうと、7本のラッパの音が厚いばかりで(勿論ピッコロとバストランペットを加えて音域を広げるにしても)面白みがそがれたのではと思うのだけど、どうだろう。

アンコール2曲目で演奏された宝島が一番面白かったかな。

 

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2019712日 関西フィルハーモニー管弦楽団 第303回定期演奏会

 

大阪ザ・シンフォニーホール

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メンデルスゾーン :オラトリオ『エリア』作品70

 

指揮            : 飯守 泰次郎

ソプラノ        : 石橋 栄実

あると          : 福原 寿美枝

テノール        : 畑 儀文

ソプラノ        : 田中 めぐみ

アルト          : 村井 優美

テノール        : 総毛 創

バス            : 武久 竜也

合唱            : 関西フィルハーモニー合唱団

 

いつものごとく、この週末は復習を兼ねて唯一の手持ちCDであるフリューベック・ブルゴス盤(EMI1968年録音盤)を3回連続で聴いて、さらにYouTubeにアップされた複数の音源をながら聴き。とうとう“エリア”に完全にはまってしまった。途中休憩でお会いした友人が、“やっぱり冒頭の合唱(第一曲)はドイツ語Hilf, Herrよりも英語でHelp Lordと歌われたほうが迫力がありますね”とおっしゃってたけど(その時、えっ?英語テキストって誰かの翻訳版ですか?などと、今思えば頓珍漢なことを言ってしまった)、英語テキストで歌われたブルゴス盤を聴くと確かにHelp Lordのほうが、インパクトが強烈。さらにいえば、英語テキストは聴いていても何となく意味が取れる箇所が多いので、確かに聴きなじみ易い。

 

こうして週末(連休3日間)に総じて6回ほど“エリア”を聴き通した後、改めて飯守泰次郎・関西フィルの演奏を思い返すと、“実演に勝るものなし”と思いつつも…≪汗≫…というところ。如何せん、ブルゴス盤は歌手陣がゴージャスすぎる。いずれにせよ、CD20年も前に購入しながら、いつか聴くだろ…と未開封で埃をかぶったままだったのだから、やはりこうした実演の機会を得られたのが何よりありがたい。4年前の“聖パウロ”に続き大曲に挑戦した関西フィルと合唱団に喝采を送りたい。

 

関西フィルは日本人近代作曲家3名の作品で定期プログラムを組んだり(先月第302回)、秋にはハチャトゥリアンの“鐘”をラインナップしたりと、在阪プロオケでも、なかなかに尖がっている。

 

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2019614日 関西フィルハーモニー管弦楽団 第302回定期演奏会

 

大阪ザ・シンフォニーホール

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指揮            : 鈴木 優人

ピアノ          : 小菅 優

 

黛 敏郎       : シンフォニック・ムード

矢代 秋雄     : ピアノ協奏曲

  ― アンコール  矢代 秋雄: “夢の舟”(指揮者との連弾)

芥川 也寸志   : 交響曲第1

 

1950年代から60年代に書かれた日本人作曲家の作品を、小品・コンチェルト・交響曲と敢えて定型プログラミング。もっともシンフォニック・ムードも決して小品などではないし、前半が終わった時点で開演から1時間を経過するなど、たいへん内容の濃い演奏会。大概は満席になる関西フィルも、こうした曲目だとざっと6割ほどの入り。

 

演奏会プログラム(冊子)にある栫大也《かこいまさや》氏の、単に作品紹介ではなく、三人の作曲者とその時代背景の考察に各1頁を割いたプログラム・ノートは、とても内容深く貴重なもの。いつもはさっと目を通して、そのままホールのごみ箱送りだけど、今回のものは私にとって永久保存版の価値あり。毎度のこと、週末にコンサートの復習でプログラム曲のCDを探してみたら、なんとNAXOSの “日本作曲家選輯~片山杜秀エディション” に芥川也寸志の交響曲第1番が含まれていなかった。残念、もう一度振り返りで聴いてみたい。

 

それぞれについての戯言

シンフォニック・ムード

2部の狂乱状態の大音量のなか、チェロがひたすら超高速のパッセージを弾いている(LLD席なので正面に見える)けど、音は完全に埋没してしまって聴こえない。ありゃ、きっと奏者はたまんないだろうな、と思いながら聴いていた。

 

ピアノ協奏曲

ピアノソロは暗譜。もし一瞬でも記憶がとんだら、どうなるんだろうと思いハラハラしながら聴いていた。

 

交響曲

管弦打、各セクションが混とんとすることなく耳にとどく。オーケストレーションに無理が無い、ということだろうか。それでも、6本のホルンは金管合奏での中音域の厚みをもたす役割に終始しているなど、聴き映えはもうすこし。ホルン奏者、つまんないだろうな。

 

〝欧和饗宴_鈴木&小菅が三大巨人に挑む衝撃の日本プログラム”とは、相変わらずのインパクト抜群のコンサートサブタイトル。10月のハチャトゥリアンの交響曲第2番『鐘』といい、今期の定期ラインナップでの関西フィルの攻めの姿勢は在阪オケ随一。ちなみに10月定期のタイトルは〝轟音警鐘…阿鼻感興の音楽絵巻、壮絶無比の野心作《鐘》、ついに上演”だ。指揮者は爆演系がお好きな藤岡幸夫なので、否が応でも期待してします。今週木曜日、いよいよチケット発売だ。

 

関西フィル‗定期‗20190614
 

2019517日 関西フィルハーモニー管弦楽団 第301回定期演奏会

 

大阪ザ・シンフォニーホール

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ハイドン               :交響曲第49 『受難』

メンデルスゾーン       :ピアノ協奏曲第1番 ト短調

―アンコール リスト :〝ラ・カンパネラ”

ベートーベン    :交響曲第4番 変ロ長調

 

指揮            :オーギュスタン・デュメイ

ピアノ          :広瀬 悦子

 

コンサートサブタイトルは、ハイドンにしては珍しい暗い気分が全曲を覆う『受難』や、ピアノ協奏曲開始楽章の曲調を思えば、いつものようにクエスチョンマーク付き。それでも〝軽妙洒脱”や〝ウィット”は横においても、コンチェルト終楽章で爽快で華やかなソロ・ピアノは聴いていて、とても楽しい。

 

〝軽妙洒脱…ウィットに富んだ逸品が縦横無尽に駆け巡る”とは、恐らくベートーベンの交響曲を念頭に事務局がひねり出したワーディングだろうけど、指揮者デュメイが求める音楽は、しゃくり上げるようなフレーズの処理に特徴があるもの、かつて一世を風靡したピリオド風のアプローチや、バロックティンパニを用いた明るく乾燥した音色を目指すようなこともなく、いたって中庸。

 

 
関西フィル‗定期‗20190517

2019420日 4オケ・スペシャル ~佐渡裕&4楽団合同オーケストラ~  『大阪4大オーケストラの饗宴』特別企画

 

フェスティバルホール

2階1列15番

 

指揮                    :佐渡 裕

オーケストラ            4楽団合同オーケストラ

                          大阪交響楽団

                          大阪フィルハーモニー管弦楽団

                          関西フィルハーモニー管弦楽団

                          日本センチュリー交響楽団

 

ホルスト               :組曲『惑星』

                         コンサートマスター 森下幸路

R・シュトラウス       :アルプス交響曲

                         コンサートマスター 田野倉雅秋

                         

プレイベンド

團伊玖磨        :大阪国際フェスティバルホール開幕式のためのファンファーレ

                  ブラス・アンサンブル

サン=サーンス  :死の舞踏(エドガー・ガーティン編)

                  森下幸路、岩谷祐之、林七奈、須山鴨大

 

4年前の第一回を聴いた以降プログラミングに魅力がなくなったこともあり、まったく興味を引かれなくなったこの大阪らしいイベントも、今年は聴き逃せない。例年この週末明けから長期出張が入るので、出張準備のための週末大阪滞在を見越して、発売早々にチケットを購入していた。フェスティバルホール2階最前列で聴く巨大オーケストラは壮観で、音圧も物凄く、演奏を十分に楽しんだ。アルプスシンフォニーの “頂上にて”直前の1番トランペットの跳躍音型や、"終末”のオルガンコーラルに重なる1番ホルン(さすが大阪フィルの高橋将純)など、金管の超難所もすべて見事に決まり、痛快な限り。

 

エンディングにしたがってホール後方に尾を引くように消えていく海王星の合唱は、てっきりPAを使っていると思って聴いていた。舞台袖ではなく客席後方のロビーで歌い、ドアの開け閉めのタイミングを調整して効果を高めたのだそうだ。お見事! 一方で、アルプスシンフォニーでバンダをステージ袖に登場させて吹かせたのは、残念。これは指定通り舞台袖から聞こえてほしい。

 

惑星もアルプスシンフォニーも弦18型。どうせなら惑星は16型でよいからアルプスシンフォニーを20型、いやいや22型でやってほしかった。18型までなら東京でも時々あるけど、さすがに22型(2220181614)となるとサントリーホールでは無理で、体育館のようなNHKホールでしかできない。“他では絶対に聴けない・大阪だからこそ”のイベントとなり、クラシック音楽文化の中心東京に向けたインパクトも強烈だっただろうのに、実にもったいないこと。実際、すでに弦は人数合わせでエキストラを加えて18型を二つ編成しているのだし、フェスティバルホールはフル編成110人でもまだまだ余裕の舞台スペース。

 

4つのオーケストラと適度な距離感を持ち、両曲が振れて、かつチケット販売につながる指揮者は佐渡裕くらいか。残念ながら佐渡裕の指揮は惑星もアルプスシンフォニーも写術性に乏しくつまらなかった。やはりこのようなスペクタクル曲なら大植英次だな、と面白みもなく進んでいく音楽を聴きながら思っていた。佐渡裕は3日後(23日火曜日)に、トヨタ・マスター・プレイヤーズ・ウィーンのメンバーと名古屋フィルの合同演奏(愛知芸術劇場)で同じアルプスシンフォニーを振るらしい。そういえば、今日、体調不良で当初予定の新井英治から急遽コンサートマスターを請け負った田野倉雅秋が終演後すぐにステージを降りたのも、名古屋にとんぼ返りしたからだろうか。

 
4オケスペシャル_20190420

2019331日 関西フィルハーモニー管弦楽団 第299回定期演奏会

 

大阪ザ・シンフォニーホール

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モーツァルト    :ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調K.219“トルコ風”

   ―アンコール プロコフィエフ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ アンダンテと変奏曲

ブルックナー    :交響曲第9 ニ短調〈ノヴァーク版〉

 

指揮            :飯守 泰次郎

ヴァイオリン    :ヴェロニカ・エーベルレ

 

私にとってブルックナー晩年の8番と9番は特別な作品。40年以上もの長きに渡って大事に聴き続けていると、演奏に対して“こうあるべき”ものが存在していて、指揮者には“作為の無い”音楽を求めるし、オーケストラ演奏は "完全” (演奏キズの無い "完璧な"ではない) でないといけない。8番の終楽章コーダで無用なアッチェレランドなどしようものなら、それまでどんなに感動的な演奏であってもその一瞬で醒めてしまうし、未完の9番はどんな熱演も、けっして名演にはなり得ない。この2曲に関しては、私はとても頑迷でメンドクサイのです。

 

飯守泰次郎ブルックナー・ティクルス最終回としての人気はかなりのようで、チケットは当日券(補助席?)も含めて完売。ヴェロニカ・エーベルレ好演のコンチェルトが終わったあとのホワイエは、メイン曲への期待感と高揚感が入り混じったような独特な雰囲気に満ちていた。

 

シンフォニーの演奏開始からしばらくしは、そうした"期待感と高揚感”を共有できていたものの、それも第1楽章の始まりとともに少しずつ薄くなってしまい、弦がフォルティシモのトゥッティで階段を踏みしめるように上がるところ(練習番号Lの直前)あたりで完全に萎んでしまった。コンサート・サブタイトルは"彼岸の美”だけど…う~ん、それはないな。

 

関西フィル‗299回‗20190331

20181122日 関西フィルハーモニー管弦楽団 第297回定期演奏会

 

大阪ザ・シンフォニーホール

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フォーレ             : 組曲『ドリー』 作品56

フランク             : 交響的変奏曲(ピアノとオーケストラのための)

    ――アンコール    ドビュッシー: 亜麻色の髪の乙女

                                                  ドビュッシー: 12の練習曲より第6

サン=サーンス              : 交響曲第3番 “オルガン付き”

 

指揮   : オーギュスタン・デュメイ

ピアノ : 児玉 桃

 

フランクの交響的変奏曲がソロ・ピアノをフィーチャーした作品ということで、前回296回定期とおなじく3階バルコニー席を選択。後になって思うと最廉価のオルガン席に座って、パイプオルガンの音をダイレクトに浴びたほうが面白かったかも。それにしても関西フィルの演奏する音楽を聴いて、ときに厄介な現代曲に挑戦し、その熱演に拍手喝采を送ったことは幾度もあるものの、耳に聞こえる演奏に心震わさせるような感興を覚えたり、背筋がぞくぞくするような興奮を覚えたりといった経験が一度も無いのは何故なんだろう。

 

ところで、今回のコンサート副題 “梢を揺らす銀色の風・・・フレンチ・アンソロジー” って、フランクの交響的変奏曲や、オルガン・シンフォニーの作品イメージとはいささか外れてません?そもそも副題って、コンサートに足を運ぶ人にとって意味あるものなのかな?. 壮絶なる第九” とか “純粋な音楽美を極限まで追求・・・◯◯が鋭く切り込む《第九》” と副タイトルをつけて、 “壮絶な第九” がピリオド奏法による演奏だったり、 “純粋な音楽美を極限まで追求” のはずが、実際は爆演だったりしたら、やっぱいかんでしょ。…などと言っておきながら、来年10月の第305回定期 “轟音警鐘・・・阿鼻叫喚の音楽絵巻、壮絶無比の野心作、ハチャトゥリアンの《鐘》” 楽しみにしてますよ。座布団3枚!素晴らしい副題だぁ。

 

 
関西フィル_定期第297回_20181122




20181012日 関西フィルハーモニー管弦楽団 第296回定期演奏会

 

大阪ザ・シンフォニーホール

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ボロディン           : 交響詩『中央アジアの草原にて』

チャイコフスキー     : ロココの主題による変奏曲イ長調

  ――アンコール     バッハ: 無伴奏チェロ組曲第一番プレリュード

チャイコフスキー     : 交響曲第6番 “悲愴”

 

指揮   : アンドレイ・フェーヘル

チェロ : 北村 陽

 

関西フィルを聴くときは、大概の場合最廉価のオルガン席選択なのだけど、今回のようなコンチェルトを聴くときだけは躊躇してしまう。ピアノコンチェルトは論外として、弦楽器の場合でもヴァイオリンはまだしもチェロなどは、楽器特性からいってピアノ以上に分が悪い。ましてやコンチェルト・ソリストが、15歳のチェリスト北村陽ということで、チケット・カテゴリーが一つ上の3階上手バルコニー前列席を選択。

 

いつも大阪フィルや日本センチュリーを聴く中央上手寄りの平土間席とは音響的条件が異なっているので、アップル・トゥ・アップルではないにしても、やはり中低域弦群、そして木管楽器の実力差を感じてしまう。“悲愴” 終楽章終結部のチェロとベースの不安定さなどは、目の前のRRD席で聴いていると顕著で、“おいおい、最後まで集中して” と思ってしまう。もっとも、これについては指揮者の統率力の問題なのかも。

 

この日、是非とも聴いておきたかったのは、平成14年生まれのチェリスト北村陽。兵庫県西宮生まれの彼は、どうやら関西の音楽関係者から強力なサポートを得ているようだ。首席指揮者の藤岡幸夫ではなく、招聘した海外指揮者による定期演奏会でのコンチェルトソロの機会を持つことで、さらなる経験を積ませたいとの強い意志がマネージメントにあったに違いない。

自席が指揮者の右真横バルコニーで、北村陽の幼さの残るニコニコ顔の演奏姿が指揮者の陰に隠れて見えないこともあり、あえてじっと目を閉じて演奏を聴いていた。正確な音程、自発的で豊かな音楽を表現するに十分なテクニックはすでに得ている。チェロという楽器で15歳がこのレベルに達することは驚くべきことなのだろう。これから体の成長とともに、ソロ・チェリストとして何処まで伸びていくのだろうか。エンター・ザ・ミュージックで見たときに比べても、すでにかなり背丈も大きくなっていた。いずれ、遠くないうちにエルガーのコンチェルトを聴けるとき来るだろうか。

 

関西フィル_定期第296回_20181012


2018
910日 大阪クラシック2018 第22公演 Zepp Nanba

 

Zepp Nanba 

1H2

 

チャイコフスキー: 弦楽セレナード ハ長調 作品48
 

オーケストラ合同弦楽合奏

1stVn: 田野倉雅秋、里屋幸、三瀬麻起子、友永健二

2ndVn:  増永花恵、永嶺貴洋、横山恵理

Vl:  岩井秀樹、米田舞、飛田千寿子

Vc:  大田雄一、大町剛

Cb:  大槻健太郎

 

昨年の大阪クラシック第34公演で一度経験したZepp Nanba。とにかく日頃、まったく無縁のZeppに入ること自体、なかなかの体験。昨年と同様、“モッシュ・ダイブ・ジャンプ禁止の表示”をちゃっかり撮影。

 

昨年のパーカッション・アンサンブルではまったく気にならない箱鳴り状態の響きも、弦楽合奏となると“演奏を楽しむ場”としてはかなり厳しい。なんだか20代のころ、学生仲間が手作りしたチープなバックロード型ホーンスピーカーでSP復刻版の音を聞いているよう。(なにせ、座席が最前列の左端2番目で、間四角な空間の隅っこ)。

 

演奏前に大植監督の『コンマスの田野倉氏に、自分に振らせろと頼んだのに、ダメだしをされた』とのジョークを交えたスピーチあり。アンコールで “一番有名なメロディーをもう一度…”との紹介で終楽章コーダを演奏して、終演。

 

大阪クラシック2018 第22公演

大阪クラシック2018 第22公演_1

大阪クラシック2018 第22公演_2



2018621日 関西フィルハーモニー管弦楽団 第293回定期演奏会

 

大阪ザ・シンフォニーホール

オルガン席Z29

 

大島ミチル: オーケストラと合唱のための組曲『アウグストゥス』

      ~ヘルマン・ヘッセの短編集“メルヒェン』より~

大島ミチル: 《塵JIN 》&《輪RIN

          ~クラリネット・マリンバ・オーケストラのための2つのラプソディー

シベリウス:交響曲第1番 ホ短調 作品39

 

指揮: 藤岡 幸夫

クラリネット: リチャード・ストルツマン

マリンバ: ミカ・ストルツマン

合唱: 大阪府立夕陽丘高等学校音楽科

 

関西フィルは、定期会員になっている大阪フィル、日本センチュリーとともに、都合が許す限り是非とも聴きに出かけたいオーケストラ。スポンサー企業を得て、ある程度資金的余裕があるから(・・・だろうか、会場使用料が割高でも集客が見込める?)週末土日公演が多く、私にとっては“残念ながら”見送りのコンサートが多い。ブログを遡って確認してみると、関西フィルの定期を聴くのは昨年9月の第286回定期以来のこと。いつもながらお気に入りのオルガン席最後列からホール内を見渡すと、ほぼ満席。

 

今回の演奏の感想については、あえて一切のコメントを控えることにしようと思う。前半2曲が終わった時点ですでに8時を過ぎるほどの、てんこ盛りのプログラミングを存分に楽しんだことは間違いありません。

 
関西フィル_20180621_第293回定期

2018418日 ザ・シンフォニーホール・チェンバー・オーケストラ Vol.4

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1R35

 

モーツアルト  : ディベルティメント 変ロ長調K137

ヴィヴァルディ       : 2本のフルートと弦楽合奏とチェンバロのための協奏曲 ハ長調

ヴィヴァルディ       : 2本のオーボエと弦楽合奏と通奏低音のための協奏曲 ニ短調

アレンスキー  : チャイコフスキーの主題による変奏曲 Po35a

ヴィヴァルディ : 4つのヴァイオリンのための協奏曲 ロ短調 Op3-10

ホルスト      : セントポール組曲 OP29-2

 

  アンコール      ジャック・カステード:『笛吹きの休日』

                     エンリオ・モリコーネ『ニュー・シネマ・パラダイス』

 

最終曲セントポール組曲は、在阪オーケストラのコアメンバー(といっても大阪フィルからは、なぜか参加していない)らいしく、鮮やかな演奏。一方でヴィヴァルディの演奏はどの曲も凡庸でつまらない。特にフルートで演奏された4つのヴァイオリンのための協奏曲など、フルートの楽器特性からいっても、イル・ジャルディーノ・アルモニコやビオンディの演奏を聴いたときのような奏者の自発性と精気に満ち溢れた音楽とは無縁になってしまう。

 

それでも、京都在住の奏者によるチェンバロがバロック音楽の骨格を堅持していた。そのみごとな演奏を聴いて、またも“もう二度とお金を払って聴きにいくことなどしない”と心に決めた某在阪オケの不愉快極まり無い思い出が蘇ってしまった。本当にトラウマになってしまっている。

 

ホールの響きとしてはまったく遜色の無いB席なら2,000円なのに、同じ座付きの弦楽4重奏、弦楽5重奏よりもすくないせいぜい300人程度の入りか。

 
シンフォニーホール_チェンバー_20180418

2017920日 関西フィルハーモニー管弦楽団 第286回定期演奏会

 

大阪ザ・シンフォニーホール

オルガン席Z

 

ブラームス: ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 作品102

ブラームス: 交響曲第1番 ハ短調 作品68

 

指揮: ロッセン・ゲルゴフ

ヴァイオリン: 岩谷 裕之  関西フィルコンサートマスター

チェロ:パヴェル・ゴムツィアコフ

 

大阪クラシック、そして個人的にはレミゼに浮かれた一週間が去り、台風一過とともにいよいよ大阪にも秋の到来。この日のプログラムは、そんな時期にぴったりのブラームス2曲。VnVcの二重協奏曲、好きなんですよね。とくに無骨さを残しつつも壮麗さと適度な難渋さを同時に感じさえてくれる両端楽章での管弦楽部分が大好き。

 

急遽デュメイの代わりを務めたロッセン・ゲルゴフの後半シンフォニーでのインテンポで押し切った演奏スタイルは、彼の解釈の意図するところなのか、それとも無理せずそつなく代役を務めたということだったのだろうか。残念ながら弦はいつもながら艶に乏しく硬いし、管セクションもニュアンス豊かとはいえない。

 

演奏前の事務局による『デュメイ氏は、来日直前にブリュッセルでの思いがけない事故(トラブル?…良く聞き取れなかった)のため、急遽来日を取りやめ・・・』とのアナウンスあり。関西フィルのHPを覗いてみると、どうやら“肋骨の負傷”なのだそうだ。音楽愛好家のひとりとして、早いご回復と関西フィル指揮台への再登場ができますことをお祈りしております。もっとも残念ながら、今後予定されている11月のいずみホールはシンフォニーホールの大阪フィルと、そして第288回定期はカンブルラン・読響のメシアンとバッティングしており、どちらも聴きに出かけることはできないのだけど。

 

 
関西フィル_第286回定期_20170920



2017
810日 関西フィルハーモニー Meet The Classic Vol.35 いずみホール

 

いずみホール

1J31番 

 

ルロイ・アンダーソン:舞踏会の美女

林 そよか: 弦楽と他楽器のための“Fantasia

J.S.バッハ: ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 BWV.1052

チャイコフスキー: 交響曲第6番 ロ長調『悲愴』

 

指揮: 藤岡 幸夫

ピアノ: 小川 理子

 

昨年10月に指揮者・演奏者への敬称をとりやめたのだけど(関西フィル第278回定期のブログ)、この日のピアニスト小川理子さんについては、同じビジネス・パースンとして(勿論、私などとは比べものにならないご経歴をお持ちの方です)尊敬の念を込めて“さん”付けで記させていただきます。

 

演奏会は常々 “万難を排して” ではあるけど、さすがにオーバーナイト便で関空到着後、そのままオフィスで仕事をした後のコンサートは体力的に少々きつい。でも強引に都合をつけて聴きに出かけるに十分見合った価値ある演奏会だった。

 

本日のピアノストであるパナソニック執行役員小川理子さんのお名前は、以前よりいくつかのビジネス誌を通じて存じていて、特に自らが部門責任者としてご活躍されている“テクニクス”ブランド復活のストーリーは若き頃の高級オーディオへの憧れを呼び覚ましてくれたもの。プレジデント誌の記事で玄人はだしのジャズピアニストであることは知性に溢れた笑顔のお写真とともに存じており、この日は是非ともその小川理子さんの弾くバッハを聴きたかった。

 

ピアノの音は一粒々々が均一ではなく、厳しく評したら正当なバッハ演奏ではなかったかもしれない。でもそんなことなど彼方に押しやってしまうほどのパッションと、ピアニストの豊かな人間性すら感じさせる心のこもった演奏だったのではないか。両端楽章の独奏箇所での均整を保った中でのシンコペーションを効かせたジャジーな味付けの素敵なこと。ピアノに向かっているときの凛とした佇まい、そして終演後の笑顔のたいそう素敵なこと。

 

開演前にキャンセルチケット待ちの列がホール前に出来るほどの満員御礼となったのも、小川理子さんのバッハとともに、地元出身の若手作曲家による新作初演がなされたことが大きかったはず。Fantasia” と題されたその作品は、東京芸大大学院首席で卒業の20代作曲家(私の斜め前にお座りで、妙齢の女性だった)にとって、初めて本格的作曲の機会を得た秀作というところか。弦楽5部と打楽器からなる作品は、5声部が常に和声的に重なり合ったり、追いかけたりといった “オーケストレーション頑張ってます” 状態が延々と続き、どんな作品だろうかと興味深々でいる当方は聴いていて(実演を見ていて)とても疲れてしまう。シンプルにそぎ落とされた瞬間があれば印象が違っていたかもしれないけど。オーケストレーションもパーカッションの扱いは特に挑戦的・実験的アプローチもなく、またはっとさせられる瞬間もない。

 

15分の休憩を挟んでのチャイコフスキーのシンフォニーを聞くと、冒頭部分のオーケストレーションの巧みさに改めて驚く。長く聴き続けられる作品なのだと改めて認識させられる。ただし演奏は凡演。最後は盛り上がって終わる4番、5番の交響曲なら、どんな演奏でもそれなりに興奮させられて終わるものだけど、6番となると特に終楽章の弦楽合奏のクオリティーが演奏の成否を決める。翌日の同ホールで、すばらしい日本センチュリーの演奏を聴いた後では、やはり大きな違いを感じざるを得ない。弦 に艶が無いし合奏が荒すぎる。"熱演、爆演" で押し切れる曲では無い。
 

 
関西フィル_MeetTheClasic35_20170810

2017622日 関西フィルハーモニー管弦楽団 第284回定期演奏会

 

大阪ザ・シンフォニーホール

オルガン席Z

 

ブラームス :悲劇的序曲 作品81

ブラームス :ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77

― アンコール :J.S.バッハ 無伴奏パルティータ第1番 

 

シューベルト :交響曲第5番 変ロ長調

― アンコール  ビゼー:アルルの女第1組曲“アダージェット”

 

指揮   :オーギュスタン・デュメイ

ヴァイオリン : 郷古 康

 

廉価なオルガン席も、かつてはX列真正面から指揮姿を眺めるのが楽しくてたまらなかったけど、最近はもっぱらZ列がお気に入り。特にこの日のシューベルトにように金管が入らず木管セクション7人(うちHr. 2)と弦楽5部のシンプルな編成の曲を聴くときは、管楽奏者からもかなり距離ができてサウンド的には申し分ない。デュメイの息づかいがそのまま奏者に伝わっていくのが直に感じられる。ただしコンチェルトを聴くには不適な場所。音がマスクされたように聞えるピアノほどではないにしろヴァイオリンソロのニュアンスまでは感じられない。

 

実のところ、デュメイが振るコンサートは演奏される作品の時代性に関係なく、いつも無理の無い自然体の音楽作りで、聴いていて“疲れない”。では心地よい感動に満たされるか、というとこれまたそうした経験もない。恐らくコンチェルトが一番の聴きものだったはずだけど、尖ったところも、指揮者とソリストの丁々発止の掛け合いといった趣を感じることが無い。ただし、きっとそれはオーケストラ後ろのオルガン席だったからなのだろう。

 
アンコールは、デュメイが振るときの定番、アルルの女のアダージェット。

それにしても席が良く埋まっている。2回席後方から周囲のバルコニー席まで含めてほぼ9割近い入り。


関西フィル_第284回定期_20170622

2017517日 関西フィルハーモニー管弦楽団 第283回定期演奏会

 

大阪ザ・シンフォニーホール

オルガン席

 

ラヴェル     :ラ・ヴァルス

ラヴェル     :ピアノ協奏曲 ト短調

   ――― ピアニスト アンコール  フランス風即興曲

 

ヴォーン・ウィリアムズ :交響曲第5番 ニ長調

 

指揮   :  藤岡 幸夫

ピアノ  :  シブリアン・カツァリス

 

 

またまた演奏会の記録(ブログ)更新をサボってしまった。5.月に聴いた7つの演奏会(ダニエル・シュー・リサイタル、大阪フィル第508回定期、シンフィニーホール・ビッグバンドVol.5, 関西フィル第283回定期、松江クラシック、タンペレ・フィル、日本センチュリーいずみ第35回定期の記録を一気にアップします。

 

 

自宅のオーディオではあまり熱心にピアノを聴くこともないけど、カツァリスのベートーベン交響曲全集だけは例外。ベートーベンの交響曲が聴きたくなったとき、無数にあるオーケストラ演奏CDをさけてなぜかカツァリスのピアノ演奏を選んで聴いている。それほどに私にとっては超メジャーなカツァリスをついに聴くことができた。それで演奏はというと、コンチェルトについては特に記することができない。ラ・ヴァルスしかり、“左手”にしてもこの“両手”にしてもさっぱり面白みを感じないのだから致し方なし。どうもにも作曲家ラベルはいつまで経っても私の感性に合わない。ラ・マルセイエーズから始まり、シェルブールの雨傘やら枯葉といったシャンソンをラプソディー風に惹き連ねていくアンコールの即興?演奏が素敵だった。

 

RVWはもっと定期演奏会で取り上げられるべき作曲家だとおもう。尾高忠明さん、大阪フィルの音楽監督に就任したらエルガーばかりじゃなくRVWのシンフォニー・ツィクルス、やってくんないかなぁ。とくに第6番は、ぜひとも大フィルで聴きたい曲なのだけど。

関西フィル_定期第283回_20170517


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