あーと屋のほぼ大阪クラシック演奏会気まま日記

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2020
79日 日本センチュリー交響楽団 第247回定期 

ザ・シンフォニーホール

1L列 (定期会員席からの振り替え)

 

指揮                    : 秋山和慶

チェロ                 : 佐藤晴真

 

ウェーバー                     :歌劇『オベロン』序曲

ショスタコーヴィチ             :チェロ協奏曲 第2番 ト長調

―― アンコール                 カタロニア民謡《鳥の歌》

メンデルスゾーン               :交響曲第3番 『スコットランド』

 

4か月ぶりのコンサートは、日本センチュリーの魅力を堪能できるプログラム。金管群のコントロールされた音量、柔らかな木管群と弦とのバランスの見事なこと。やはり日本センチュリーは抜群に上手い! バルコニー席にお座りの耳の肥えた友人のブログ記事によると、ウェーバーでブラスが大きくて弦をかき消してしまってた、とのこと。私の席(1L列)では完璧に聴こえたのだとすれば、やはりホールの持つ特性を認識したうえで、ホール中央位置で最良の響きとなるように調整された演奏だったということか。日本センチュリーの高機能オケの本領発揮、というところなのだろう。

 

演奏会開始にあたり事務局から “曲目変更のお詫び” のアナウンスがあってもピンとこなかったけど、あとでその友人からメールで教えてもらったところでは、後プロがチャイコフスキーの4番から変更された、とのこと。お金払ってまで聴きに行きたいとは思わない最右翼からスコットランドへの変更とは、まったくラッキーの一言、知らないまま演奏会に臨んで良かったぁ。それにしても、パンフレットの曲目紹介も差し替えされていたし、ホール入り口では新しいチラシのカラーコピーが配布されていたりと、事務局も大変な手間を要した御様子。パンフレット記載の定期会員一覧からなぜか自分の名前が消えていたのはご愛敬。

 

ただし(最後に辛口…ですよ)、そのスコットランドの演奏は特段に刺激的でもロマン派としての魅力を垣間見せることもなく、淡々として凡庸で退屈だった。ソロ・アンコールの鳥の歌、よかったなあ。冒頭のピアノ伴奏での右手のトリルのところ、ぞくっときました。

《閑話休題》

本ブログをご覧の皆様へー

コンサート中止・延期となった4ヶ月もの間、勤務先の社員全員にリモートワークを命じた上で、オフィスで1人、仕事をしながら朝から夜遅くまでアクティブスピーカー音量マックスでクラシック音楽(ほぼ、ワーグナーの楽劇ばかり)を聴き続けていましたが《笑》、いよいよコンサート鑑賞の再開です。

3月27日以降、ブログ記事を全くアップしないにもかかわらず、時に100を超えるページ閲覧をいただく日もあり、大変恐縮です。ブログタイトル通り、気ままに (でも、聴いた演奏会は漏れなく) やってまいりますので、どうかご贔屓にお願いいたします。 

 
20200709_日本センチュリー_247回_ 1

20200709_日本センチュリー_247回

2020130日 日本センチュリー交響楽団 第242回定期

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1階定期会員席

 

指揮            :小泉 和裕

 

シューマン      :交響曲第1番 変ロ長調 作品38『春』

フランク        :交響曲 ニ短調 

 

小泉和裕の指揮するシューマンと言えば、一昨年11月の大阪フィル第523回定期の第2での各パートの音量・音色に神経をいきわたらせた全体に抑制のきいた演奏だったと記憶している。それ故に今回の“春”も同様な音楽を想像し期待していたものの、あに図らんや、オーケストラを開放的に鳴らした演奏。日ごろ、この210型のオーケストラが後期ロマン派のオーケストラ作品を演奏するときのようなパワー全開のいつものサウンドで、私が期待していたシューマン像とちょっと違うな、と思いながら聴いていいた。

 

一方で後プロのフランクは、そうしたアプローチが見事にハマった、快演。このオーケストラの特徴である明るめの音で、いつもながら思いっきり鳴りながらもしっかりと均整が保たれていてうるさくならない。フランクのニ短調交響曲って、ほんと何時ぶりだろう。こんな魅力的な曲だったっけ。

 

 
20200130_日本センチュリー定期

20200130_日本センチュリー定期_1

20191122日 日本センチュリー交響楽団 いずみ定期第43

 

いずみホール

1階 定期会員席

 

ハイドン        : 交響曲第28番 ホ長調

ハイドン        : 交響曲第51番 イ長調

アルチェニアン  : トランペット協奏曲

  ―― アンコール  武満徹 :径

 

 

指揮               : 飯森 範親

トランペット      : ラインホルト・フリードリッヒ

 

5月の第41回がデュトアの大阪フィル定期2日目と、そして8月の第42回が阪神・広島戦(京セラ・ドーム)と重なったことで定期チケットを友人に譲っていたので、実に1年ぶりのハイドンマラソン。トランペットの神様が登場するこの日は、絶対に聴かなければならない。ラインホルト・フリードリッヒの見た目の貫禄は、2年前のルツェルン祝祭の京都公演の時以上で、その音は変わらずの神々しい。いとも軽々と自然に吹く姿にずっと見とれていた。

 

そんなトランペットの神様を迎えたコンサートだけに、第51番でホルンの超難度フレーズをトランペット(コルネット?)に吹かせたのは、全曲録音に挑んでいるだけに残念。前後のフレーズとの連続性が失われて、しかもその箇所だけ音色が明らかに変わってしまう。録音では後からどうにでも調整できるのだろうか。

 

会食の予定があり、最後の91番を聴かずに会場を後にした。

 
20191122_日本センチュリー_ハイドン



20191024日 日本センチュリー交響楽団 第239回定期

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1階定期会員席

 

指揮            :飯森 範親

ソプラノ        :石橋 栄実

バス・バリトン  :平野 平

合唱            :ザ・カレッジ・オペラハウス合唱団、日本センチュリー合唱団

 

団 伊玖磨      :飛天繚乱

ブラームス      ;ドイツ・レクイエム 作品45

 

ウィーンからこの演奏会のために招聘した平野平の歌唱は良しとして、ソプラノ・ソロは高音部ばかりが強調されたスキャットかパレストリーナを聴いているみたい。またプロ・アマ混成の合唱は声が濁りすぎていただけない。各パート10名のザ・カレッジ・オペラハウス合唱団に対して、ソプラノ14名に対してバスがわずか4名のアマチュアが混ざった状態で完成度を追求するのは無理がある。通常、合唱付きオケ作品を振るとき巧みにオーケストラと合唱とで指揮を振り分けるものだけど(たとえば東混の正指揮者でもある山田和樹など、指揮をする後ろ姿を観ていてもその巧みさにほれぼれする)、どうも飯森範親はオケも合唱も同じにように振っている(ように見える)。そんなこんなで合唱がオケに合わないし、3楽章のフーガでは、もうあたふたしてしまい聴いていて辛くなってきた。

 

日本センチュリーはコアメンバーによる210型の中型オケとして古典派からロマン派初期の作品を演奏するときにこそ、その実力を発揮できると常々思っている(毎度、同じことをブログに書いてますね)。でも、実際はブルックナー・マーラーから、今夜のようにドイツ・レクイエムといった合唱付き作品まで定期プログラムに置いてくる。すべて飯森範親の指揮であることを思えば、きっとご本人の強い意向なのだろう。プレトークで、ドイツ語歌詞・発音の蘊蓄とか、“この作品はドイツで何度も振った…”といった自慢話にすぎる話を聞かされるより、一切のバイアス無しで演奏に向かいたいもの(こちらも、毎度同じことをブログに書いてますね)。

 
20191024_日本センチュリー定期‗

2019107  七吹神喇叭倶楽部演奏会 其の六 大阪フィルハーモニー会館

 

 

大阪フィルハーモニー会館

 

徳永洋明             :祝祭ファンファーレ ~令和を記念して~

追栄祥               4本のトランペットのための3つの小品

ムチンスキー         :トランペット三重奏 作品11-1

プレスティ           5本のトランペットのための組曲

団伊玖磨             :祝典行進曲 (D. シロズヴィッチ編)

津堅直弘             :胃腸薬の主題による4つの変奏曲

ロッシーニ           :猫の二重奏

ガーシュウィン       :パリのアメリカ人(山崎恒太朗編)

 ―― アンコール

       ひょっこりひょうたん島

       宝島

 

篠崎 孝      大阪フィル

小曲 俊之    日本センチュリー

白水 大介    関西フィル 

徳田 友希    大阪交響楽団

西馬 健史    京都交響楽団

稲垣 路子    京都交響楽団

神代 修      大阪教育大学

 

中桐 綾奈    ピアノ

 

年一回のペースで開催の関西プロオケのトランペット奏者を中心としたアンサンブルで、会場は大阪フィルの拠点である大阪フィルハーモニー会館。ここを訪れるのは20172月の『世界における我が国オーケストラのポジション』以来の2度目。

 

メンバーが所属するオーケストラ演奏会で盛んにチラシが折り込まれていた割には、チケットが購入できるのは梅田の楽器店2か所のみ。私のような大阪非在住の一音楽ファンには全く困ったもので、西梅田の勤務先から楽器店まで徒歩で往復1時間以上もかけてチケットをやっとで購入。あんなにチラシをバラまいて宣伝するなら、もう少しチケット購入のハードルさげてくれないかなぁ、と思いつつ会場の大阪フィルハーモニー会館へ向かうと、まあネ、ある程度予想はしていたけど、観客は大阪市内のブラバンの生徒がほとんどで、しかも当日券での入場が余裕で可能だったみたい。

 

少々期待を持ちすぎたのかもしれないけど、全体に余暇的アンサンブルの延長のような演奏。前半の4曲は聴き進むうちに飽きてくるし、ピアノ伴奏を加えた後半のメイン曲“パリのアメリカ人”も、特段にスリリングさもなく、達者なオケメンバーによる、クラシック音楽流儀の型にハマった演奏、っといった感じ。せっかくだから、自由にジャジーにやればきっともっと面白いのに…。

本来、チューバやユーホニウム・ホルンが担う中低音域をピアノが請け負った上に、ちょっとしたオブリガードまで右手がこなしてしまうと、7本のラッパの音が厚いばかりで(勿論ピッコロとバストランペットを加えて音域を広げるにしても)面白みがそがれたのではと思うのだけど、どうだろう。

アンコール2曲目で演奏された宝島が一番面白かったかな。

 

 20191007_七吹神

2019926日 日本センチュリー交響楽団 第238回定期

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1階定期会員席

 

ピアノと指揮          :シュテファン・ヴラダー

 

バルトーク      :喜歌劇『詩人と農夫』序曲

モーツァルト    :ピアノ協奏曲第23番 イ長調K488

  --- アンコール  リスト :コンソレーション第3番『慰め』変二長調

ベートーベン    :交響曲第7番 イ長調 作品92

 

今年初め、定期会員の継続申し込み期限ぎりぎりまで悩ませたのが、今回のプログラム。日本センチュリーなら当日の会場販売でも良席が購入できるし、よりによって秋シーズン開幕の9月定期にまるで実家のある地方都市の巡業公演のような集客最優先のようなプログラムをもってこなくても、といささか憤慨したもの。結局、シュテファン・ヴラダーのモーツァルト弾きぶりが聴けることで、納得して会員継続した。

 

当然ながら、お目当てはシュテファン・ヴラダーのピアノ。これはほんと絶品だった。第1楽章の途中、指揮に意識が向いすぎてソロ・ピアノのパッセージ最後が一瞬、ほんの僅かだけ緊張を欠いたように感じられたことを除けば、弾き振りをすることでピアノソロとオーケストラの意思統一がダイレクトにできることを示す、お手本のような演奏だった。

 

オッたまげたのはあとプロのベートーベン。強烈なパッションをつぎ込んだまま、疾風のように突き進んだ演奏。第1楽章の繰り返しをしたうえで第2楽章が終わった時点で20分経過だったので、やはりかなりハイテンポだったはず。それでもオーケストラが全くバタつくどころか、余裕さえ感じさせるのはたいしたもの。シュテファン・ヴラダーとの契約・曲目選定の時点で、事務局に“このテンポで振りたいけどオタク、こなせます?”と事前確認があったりして。もし練習に際して、日本センチュリーにその実力が伴わない、となったらどうなっていたんだろう…。

 

毎度書くけど、日本センチュリーはチェンバーオーケストラに徹してほしな。ブルックナーやマーラーではなく、コアメンバー(2菅10型)で今日のような演奏をこれからも聴きたい。

 

20190926_日本センチュリー定期_


2019731  ザ・シンフォニーホール・ストリング・クインテット  ワキタ コルディアホール

 

ワキタ コルディアホール(旧 イシハラホール)

A9

 

モーツァルト    :アイネクライネナハトムジーク ト長調 K525

貴志康一        :『日本組曲』より“花見”、"月”、"竹取物語”(恩地孝幸編)

渡邊崇          Color Singing 〔委託作品〕

ドヴォルザーク  : 弦楽5重奏曲 第2番 ト長調 作品77

 

――アンコール  モーツァルト :ディベルティメント第1" アンダンテ

 

クインテットメンバー

1stVn   田野倉 雅秋   大阪フィル首席コンマス

2ndVn   岡本 伸一郎   大阪交響楽団アソシエイトコンマス

Va      木下 雄介      大阪フィル首席奏者

Vc      北口 大輔      日本センチュリー首席奏者

Cb      村田 和幸    日本センチュリー首席奏者

 

開演に先立ち、今年春からホールオーナーとなった企業のオーナー社長、クインテットの生みの親であるザ・シンフォニーホールのゼネラル・マネージャー、そして田野倉雅秋による鼎談あり。毎度のこと、コンサート前のおしゃべりはいいから早く演奏を音楽聴かせてよ”と思う。これから演奏される曲とは関係ない話しが20分ほど続いて開演時間を10分ほど経過し、この日をもって大阪フィルと名フィルとのコンマス契約を終え日フィルのコンマスに就任した以降の活動に話題が移ったところで、プレトーク打ち切り。

 

要の田野倉さんが大阪を離れたら、他のザ・シンフォニーホール座付き弦楽アンサンブル、弦楽4四重奏と同様、こちらも自然消滅かな。鼎談のなかでザ・シンフォニーホールのゼネラル・マネージャーから“これからも大学の後輩の貴殿と・・・”と盛んに秋波を送っていたように思えたのだけど、どうなんでしょう。過去5回、終演時に必ずステージ上から田野倉さん自らマイクを持って次回コンサートの案内を行ってきたものの、この日はそれも無し。特殊な編成故の手探り状態の第1回から、この日のように充実した演奏を聴かせてくれるまでになったのに、まったくもって残念な限り。アンコールの後、全員が舞台に引っ込む際に田野倉さんが他メンバー4人と握手を交わしたのを見て、少々感傷的になってしまった。

 

1回 2017621

2回 2017928

3回 201831

第4回 901893

5回 2019318

 
20190731_ ザ・シンフォニーホール・ストリング・カ

 20190731_ ザ・シンフォニーホール・ストリング・カル



2019618日 松浦奈々 ベートーベン ヴァイオリンソナタ全曲ツィクルス 第3回 

 

ザ・フェニックスホール

1階C19

 

ヴァイオリン           :松浦 奈々

ピアノ                 :須関 裕子

 

ベートーベン          ヴァイオリンソナタ第4番 イ短調

                       ヴァイオリンソナタ第9番 イ長調 『クロイツェル』

                       ヴァイオリンソナタ第10番 ト長調            

  ―  アンコール            ロンド

 

大変満足度の高いコンサートだった。特に休憩を挟んで演奏された最後の10番ソナタの集中度はすばらしい。松浦奈々の音程が終始、おどろくほど正確である。そして二人の奏者の呼吸が見事に一致していた。収録用のマイクがステージ中央の高い位置に置かれていたので、録音のバランス取りの都合だったのだろうか、松浦奈々がピアニストの真横に立って演奏したことも良かったのかもしれない。

 

実のところ過去2回の演奏会を通じて、特段に個性的な音色や過度なダイナミズムをもたせることなく、また古典主義を追求するとか、ロマンティシズムを過度に表に出すといった表現の振幅を感じさせない中庸な演奏スタイルを、ついつい凡庸と捉えてしまっていた。特に、2回最後に聴いたアンコール曲〝ロマンス”でのピアノ伴奏のキマジメさがそれを印象付けてしまっていた。

 

中期の傑作〝クロイツェル”と唯一の後期作品10番をプログラムしたこの日のツィクルス最終第3回がどのようなものになるのか、すこし身構えて臨んだ演奏会だったけど、結果は冒頭に記したとおり。充実の最終回で見事ツィクルスを終えた松浦奈々に大きな拍手!


松浦奈々_バッハ無伴奏_20190204

 

2019613日 日本センチュリー交響楽団 第236回定期

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1階定期会員席

 

指揮          :ヤーノシュ・コヴァーチュ

ピアノ          :ガーボル・ファルカシュ

 

バルトーク      :舞踏組曲 BB86a

リスト          :ハンガリー狂詩曲 第2 S.244

リスト          :ハンガリー幻想曲 S,123

  --- アンコール  ショパン :〝春”ト短調Op74-2

バルトーク      :弦楽器、打楽器、チェレスタのための音楽 BB 114

 

日ごろこのブログに書いているとおり、ゲンダイオンガクはからっきしで、音楽史において鑑賞の対象として捉えられるのはバルトークあたりまでが限界。いささか名曲演奏会のようなラインナップが続く今期の日本センチュリー定期で、この日は滅多に生演奏を聴けない〝弦チェレ”※をメインに据えた魅力的なプログラミングで、とても楽しみにしていた。

 

ヤーノシュ・コヴァーチュの演奏解釈は意外なほど中庸で、中間2曲のリストはもっと民族色豊かなコテコテのお国もの演奏を想像していただけに、少々拍子抜けしたというのが正直なところ。他方で、バルトークの〝弦チェレ”※ は最初にこの曲を知ったカラヤン・ベルリンフィルのLP盤の醒めた厳しい曲のイメージからは離れ、ほのかな暖かみを感じさせる不思議な音楽体験だった。

 

※ 日ごろからマラ6やらシベ2などといった珍妙な曲名の省略は〝私クラシック音楽マニアです”とのスノッブ臭を感じてしまい、どうにも好きになれない。でも、さすがにこの曲名は語るに長すぎる。

 

 
日本センチュリー‗定期‗20190613


2019516日 日本センチュリー交響楽団 第235回定期

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1階定期会員席

 

指揮          :高関 健

ヴァイオリン    :竹添 恭子

 

藤倉 大               :シークレット・フォレスト

バーバー               :ヴァイオリン協奏曲

  ― アンコール J.S.バッハ : 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番 

                                  ガボット

ドヴォルジャーク       :交響曲第6番 ニ長調

 

この一月ほどは、いつにも増しての〝東へ西へ”状態で、毎朝目覚める度に〝え~っと、俺は今どこにいるんだっけ?”とベッドのなかで天井を見つめながら居所確認をするのが日課のようになっている。特にこの1週間は東奔西走だったので、ワークライフバランスのためにもこの日の演奏会を心待ちにしていた。精神バランスを維持するには音楽の生演奏を聴くのが一番。ああっ、それなのに…。

 

〝ゲンダイオンガク”なるジャンルは基本的に馴染めない。それでも先月の大阪フィル定期で聴いた藤倉大の作品が予想に反して面白かったし、題名からヒーリング音楽的なイメージを勝手に抱いていた。ところが開始早々から耳に聞こえてきたのは生理的にまったく受け付けない不快極まりない音の塊り。日本センチュリーの奏者には、誠に申し訳のないことだけど、私には20分もの時間は精神的苦痛でしかなかった。許されることなら無礼を承知で席を立って逃げ出したかった。さすがにファゴットソロの傍から、席を立って外に出るわけにはいかない。やはり、どうにも現代音楽は生理的に受けつけない。(〝音楽”とは呼びたくない)

 

精神的なリハビリテーションの時間を持つことなく聴いた次のヴァイオリン・コンチェルトも、心理的に両耳に蓋を被せたままだったのでなんの印象もなし。こちらもまたソリストとオーケストラ奏者に申し訳の無い限り。兎に角、ひたすら途中休憩を待ちわびていた。後半のドヴォルジャークのシンフォニーについても、感想はパス。1曲目の精神的ストレスはかなりのもので休憩時間20分は足りなかったみたい。今思うと、意を決して〝聞かない選択”をしてホールを出ればよかったかもしれない。

 

 
日本センチュリー‗定期‗パネル‗20190516


日本センチュリー‗定期‗20190516

2019年4月22日 松浦奈々 ベートーベン ヴァイオリンソナタ全曲ツィクルス 第2回 

 

ザ・フェニックスホール

1階C

 

ヴァイオリン           :松浦 奈々

ピアノ                 :須関 裕子

 

ベートーベン          ヴァイオリンソナタ第6番 イ長調

                       ヴァイオリンソナタ第7番 ハ短調

                       ヴァイオリンソナタ第8番 ト長調             

  ―  アンコール            ロマンス第2番 へ長調

 

日本センチュリー交響楽団のコンサートミストレス、松浦奈々のヴァイオリンソナタ全曲ツィクルス第2回目。ほぼ完売だった前回に比べ、今回は6割ほどの入り。ベートーベンの作品といえば日ごろコンサートでよく聞く九つの交響曲と五つのピアノ(あとヴァイオリンも…か)協奏曲くらいで、その他の作品はまず積極的に聴くことがない。こうしてヴァイオリンソナタ全曲を順に聴き通していける機会はなかなかありがたいもの。

 

松浦奈々のヴァイオリンはとても中庸で、特段に美音であったり個性的な音色ではなく、またダイナミズムや技巧的といったソロ・ヴァイオリニストのような強い個性を発散させることがない。大概、オーケストラのコンマスによるソロリサイタルを聴くとき、ここぞとばかりにヴァイオリニストとしての個性を猛烈に主張してくるものだけど、松浦奈々に関しては、前回の第1回、そして今回とほとんど感じさせない。勿論、それは好悪でなないのだけど、少なくとも演奏を聴いていて〝疲れる”ことはない。

 

日本センチュリーの定期会員として、是非応援したい気持ちも兼ねてツィクルス全3回を聴く予定。果して傑作"クロイツェル・ソナタ”の演奏はどうなのだろうか。前回、今回と通じて、共通に感じるところがあるけど、それは最終第3回の演奏を聴いてからにしようと思う。

 
松浦奈々_バッハ無伴奏_20190204

2019420日 4オケ・スペシャル ~佐渡裕&4楽団合同オーケストラ~  『大阪4大オーケストラの饗宴』特別企画

 

フェスティバルホール

2階1列15番

 

指揮                    :佐渡 裕

オーケストラ            4楽団合同オーケストラ

                          大阪交響楽団

                          大阪フィルハーモニー管弦楽団

                          関西フィルハーモニー管弦楽団

                          日本センチュリー交響楽団

 

ホルスト               :組曲『惑星』

                         コンサートマスター 森下幸路

R・シュトラウス       :アルプス交響曲

                         コンサートマスター 田野倉雅秋

                         

プレイベンド

團伊玖磨        :大阪国際フェスティバルホール開幕式のためのファンファーレ

                  ブラス・アンサンブル

サン=サーンス  :死の舞踏(エドガー・ガーティン編)

                  森下幸路、岩谷祐之、林七奈、須山鴨大

 

4年前の第一回を聴いた以降プログラミングに魅力がなくなったこともあり、まったく興味を引かれなくなったこの大阪らしいイベントも、今年は聴き逃せない。例年この週末明けから長期出張が入るので、出張準備のための週末大阪滞在を見越して、発売早々にチケットを購入していた。フェスティバルホール2階最前列で聴く巨大オーケストラは壮観で、音圧も物凄く、演奏を十分に楽しんだ。アルプスシンフォニーの “頂上にて”直前の1番トランペットの跳躍音型や、"終末”のオルガンコーラルに重なる1番ホルン(さすが大阪フィルの高橋将純)など、金管の超難所もすべて見事に決まり、痛快な限り。

 

エンディングにしたがってホール後方に尾を引くように消えていく海王星の合唱は、てっきりPAを使っていると思って聴いていた。舞台袖ではなく客席後方のロビーで歌い、ドアの開け閉めのタイミングを調整して効果を高めたのだそうだ。お見事! 一方で、アルプスシンフォニーでバンダをステージ袖に登場させて吹かせたのは、残念。これは指定通り舞台袖から聞こえてほしい。

 

惑星もアルプスシンフォニーも弦18型。どうせなら惑星は16型でよいからアルプスシンフォニーを20型、いやいや22型でやってほしかった。18型までなら東京でも時々あるけど、さすがに22型(2220181614)となるとサントリーホールでは無理で、体育館のようなNHKホールでしかできない。“他では絶対に聴けない・大阪だからこそ”のイベントとなり、クラシック音楽文化の中心東京に向けたインパクトも強烈だっただろうのに、実にもったいないこと。実際、すでに弦は人数合わせでエキストラを加えて18型を二つ編成しているのだし、フェスティバルホールはフル編成110人でもまだまだ余裕の舞台スペース。

 

4つのオーケストラと適度な距離感を持ち、両曲が振れて、かつチケット販売につながる指揮者は佐渡裕くらいか。残念ながら佐渡裕の指揮は惑星もアルプスシンフォニーも写術性に乏しくつまらなかった。やはりこのようなスペクタクル曲なら大植英次だな、と面白みもなく進んでいく音楽を聴きながら思っていた。佐渡裕は3日後(23日火曜日)に、トヨタ・マスター・プレイヤーズ・ウィーンのメンバーと名古屋フィルの合同演奏(愛知芸術劇場)で同じアルプスシンフォニーを振るらしい。そういえば、今日、体調不良で当初予定の新井英治から急遽コンサートマスターを請け負った田野倉雅秋が終演後すぐにステージを降りたのも、名古屋にとんぼ返りしたからだろうか。

 
4オケスペシャル_20190420

2019411日 日本センチュリー交響楽団 第234回定期

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1階定期会員席

 

指揮          :飯森 範親

 

ワーグナー      : 交響曲 ホ長調 第1楽章

ブルックナー    : 交響曲第9番 ニ短調 コールス改訂版

 

平日の演奏会の後は、大概オフィスに戻ってやり残しの仕事を片付けるか、将又、西成のクラシック音楽バーに直行するかなので、演奏会の当日にブログ記事を書きとめることはまずしない(できない)。時間の経過とともに演奏の詳細が記憶から徐々に薄れていくのと引き換えに、演奏に対する自分なりの捉え方が整理されていくもので、大概はそれで良いのだけど、その翌日に強烈な音楽的体験をしてしまうと少々困った事になる。

 

昨年11月の日本センチュリー230回定期が良い例で、翌日の土曜日に封切り早々のボヘミアン・ラプソディーを観たおかげで、記憶に留めておいた演奏の印象が完全に吹っ飛んでしまった。同じように翌日の尾高忠明・大阪フィルのマーラー9番のあまりに鮮烈な演奏を聴いてしまった今、前日の日本センチュリーの内容を振り返られないでいる。このブログ記事を書くにあたり当日の演奏を辿りあれこれと思い出すことにより、マーラー9番の奇跡的な演奏の記憶の詳細をかき消してしまうのではないか、と心配でたまらない。

 

ブルックナーは “完全” には至らないものの、なかなかの秀演。終楽章の最後の最後、ワーグナー・チューバがバテてしまったのが残念。得心がいかないのはプログラミング。ブルックナーの前にワーグナー未完のホ長調交響曲の第1楽章を、休憩を挟まずに連続して演奏する意図は何なんだろう? 唯一完全な形で残された第1楽章はもっとハツラツと軽快であってほしいのに、重くシンフォニックに演奏をしてしまってまで、ブルックナーの9番につなげる必然が私には感じられない。せっかくなら断章となった4分半ほどの2楽章アダージオ・カンタービレまで演奏したうえで休憩を挟み、気持ちを切り替えてからブルックナー9番を聴かせてほしかった。

 

コールス改定は、通常耳にする版と、どのような違いがあるあるのだろう。第1楽章第2主題提示直前の和音やら、第2楽章中間部での木管のパッセージなど、おやっと思ったところなど…おっと、ここまで。これ以上続けると、昨日のマーラー9番の記憶が忘却の彼方に…。



 日本センチュリー‗定期‗20190411

2019321日 ラフマニノフ$サン=サーンス 第3番 日本センチュリー交響楽団Xザ・シンフォニーホール

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1M9

 

指揮          :飯森 範親

ピアノ          :上原 彩子

 

ラフマニノフ           :ピアノ協奏曲第3

  ― アンコール  モーツァルト : ピアノソナタ第10番 K330 第2楽章

サン=サーンス           :交響曲第3番 ハ短調『オルガン付き』

  ― アンコール  バッハ : 小フーガト短調 BMV578(パイプオルガン独奏)

 

この演奏会の夜、いつものごとく向かった西成のクラシック音楽バーでお話した古楽ファンの方によると、この日のパイプオルガン奏者富田一樹は新進気鋭の注目オルガニストとのこと。私はこのオルガニストについて全く存じておらず、氏から“オルガンはあの富田さんでしょ?”と問われても答えられなかった(苦笑)。

 

富田一樹のバッハ演奏のスタイルなどをお聞きして、アンコールで演奏された小フーガが当にそのようであったことで、富田一樹に対してではなく、この方(この日はいずみホールのバッハオルガン作品全曲演奏会をお聴きになられたとのこと)の古楽への深い知識と思いに感嘆することしきり。ブリュッヘンのリコーダー演奏スタイルの変遷や、最近始めることになったパイプオルガンのレッスンのことなどなど、とにかくお話を聞いていて楽しい。それにしても、かなりの音量のケーゲルやらムラビンスキーの録音をBGMに、酒を飲みながら大声で好き勝手にクラシック音楽を語れるなんて、まったくもって面白いお店なこと。

 

さて、当日の演奏について。ラフマニノフのピアノコンチェルトは、上原彩子が貫禄のピアノソロ。飯森範親の巧みなオーケストラコントロールはいつもながら、さすがの一言。弦は、コンチェルトもシンフォニーも10+8+6+6+4で(自席からは全体を俯瞰できないので、間違ってるかも)、さすがにサン=サーンスではヴィオラ・チェロと渾身の熱演でも音が薄くなって、聴いて辛いものがある。

 

 
日本センチュリ_ラフマニノフ3番とサンサーンス3番_20190321


ココルーム2


ココルーム

2019318日 ザ・シンフォニーホール・ストリング・クインテット Vol.5

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1K6

 

レスピーギ    :リュートのための古風な舞曲とアリア 第3組曲

タルティーニ   :悪魔のトリル(弦楽5重奏版) 恩地孝幸編

チャイコフスキー :弦楽のためのエレジー『イワン・サマーリンの栄誉のために』

ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第8

――アンコール  貴志康 :“月” 

 

クインテットメンバー

1stVn   田野倉 雅秋   大阪フィル首席コンマス

2ndVn   岡本 伸一郎   大阪交響楽団アソシエイトコンマス

Va      木下 雄介      大阪フィル首席奏者

Vc      北口 大輔      日本センチュリー首席奏者

Cb      村田 和幸    日本センチュリー首席奏者

 

3年ほど前にシンフォニーホール座付きの室内楽団体として弦楽アンサンブル、弦楽四重奏、そしてこの弦楽五重奏と、三つの団体が活動を開始したものの、弦楽アンサンブル、弦楽四重奏ともにどうやら尻すぼみ状態。在版オケメンバーの余暇的活動ではやはり継続は厳しいのかな。弦楽四重奏での企画倒れのプログラムなどひどいものだった。それに対してVn2+Va+Vc+Cbの珍しい編成のこの弦楽五重奏団だけは、毎回個性を際立だせたプログラミング内容で充実している。

 

レスピーギの終楽章コーダで原曲が複数パートで演奏されるところでヴィルトゥオーソな効果を聴かせたり、タルティーニのヴァイオリンソロパートを担った田野倉が技巧を駆使した演奏を繰り広げるのに対して、ピアノパートを担った他4名がノンビブラートで対比させたりと、今夜の演奏もアイディアと卓越した演奏で大いに楽しんだ。特に面白いアイディアだと感心したのは、5弦ダブルベースでチェロのオクターブ下の音を重ねて演奏したショスタコーヴィチ。例のD-S-C-Hのテーマがオクターブで演奏される効果はなかなかのもの。ただし日ごろ室内楽演奏を常としていないメンバーの集まり故か、エッジの効かぬ “生ぬるさ” が漂い、冷酷さ、絶望的な厳しさといった作品の本質に迫るような演奏にまで至らないのは残念なところ。

 

1回から第4回まで破格の2,000円だったものが今回ついに3,000円になり、次回はなんと場所を旧イシハラホール(ワキタコルディアホールと改称)に移し、しかも4,500円と大幅な値上げとなる。演奏曲目も委託作品の初演を含むものの、メインは第1回公演と同じアイネクライネナハトムジークやらドヴォルジャークの弦楽5重奏曲第2番を演奏するらしい。この編成としてのプログラミングの限界を見た、ということだろうか。この日の演奏会は1階席がほぼ埋まるほどにチケットが捌けているのに、もう“座付き”ではなくなるようで寂しい限り。それこそ、ショスタコーヴィチの弦楽4重奏曲をこの編成で全曲演奏、といった尖がった企画をやってくれると面白いのに……などと、好き勝手なことを書きながら、ちゃっかり731日のワキタコルディアホールのチケット、会場での先行販売で購入済みです。


 シンフォニーホール弦楽5重奏_20190318

201937日 日本センチュリー交響楽団 第233回定期

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1階定期会員席

 

指揮          :ミシェル・タバシュニク

ヴァイオリン    :アレクサンドラ・スム

 

ラロ                    :スペイン交響曲 作品21

  ―― アンコール  テレマン :ファンタジア第7番第1楽章

モーツァルト            :交響曲第36番 ハ長調『リンツ』K425

ストラヴィンスキー     :バレエ組曲『火の鳥』 1919年版

 

閑話休題ならぬ、のっけから演奏会とは別の話題を・・・

今日(39日)早朝6時から大阪朝日放送で放送された “題名のない音楽会” にゲスト出演された浜松国際ピアノコンクール審査委員長でもある、ピアニスト小川典子さんの国際音楽コンクールに関するお話がとても興味深かった。因みにテレビ朝日の放送は朝10時からなので、系列局の大阪朝日放送を通じて真っ先に観れたことになる。

 

権威あるコンクール

800あるピアノ国際コンクールのうち、権威あるコンクールとされるのは世界連盟に加盟する121のコンクール

 

国際コンクールの目的

若手音楽家が世界に羽ばたくきっかけを提供することであり、音楽家にとっては非常に厳しい就職試験のようなもの。副賞としての演奏会の機会を得られることが重要であり、その演奏会の質が最も大切である。

 

年齢制限について

『演奏家は一つの売りものなのです。なので、活きのいいときにデビューしてもらうのが大切』(小川典子さんの言葉のまま)

 

審査について

審査員それぞれの主観で審査する(浜松国際ピアノコンクールの審査委員は11人)。審査員同士のディスカッションはしない。審査のポイントは、その演奏が好きか嫌いか、このピアニストは売れるか、このピアニストをもう一回聴くためにチケットを買いたいと思うか。

(番組司会者の “そこって大きいですね” 、とのフリに答えて)『だって、プロのピアニストになるためにみんな参加しているのですから((小川典子さんの言葉のまま)』

 

さて、本題の日本センチュリー第233回定期について

 

ちょうど2年前にフェスティバルホール読響大阪定期で同じソリスト、アレクサンドラ・スムの演奏するモーツアルトの協奏曲を聴いている。その時のブログ記事を読み直しても、メイン曲のブルックナー7番についてばかりでコンチェルトについてはなにも書き残していないし、いま思い出そうとしても全く印象に残っていない。誠に不遜なことに、線の細い所謂ビジュアル系ヴァイオリニストと決め込んでいた。なんせ、フェスでモーツァルトを聴いたのですから、許して。

 

まったくもって大いに反省。こりゃ凄いわ。技巧も十分、華奢な体格からは想像つかないほどのダイナミズム、そしてラロのスペイン協奏曲のもつラテン的気質を見事に表現した音楽性(さすがフランス人、と思ってプロファイルを確認したらロシア生まれでした)。久しぶりに、このままずっとこの音楽を聴いていたい、と思わせてくれました。指揮者ミシェル・タバシュニクも日本センチュリーを思いっきり開放的に鳴らしたことで、オーケストラの音がとても明るくラロのスペイン協奏曲にうまく合っていた。

 

日本センチュリーがここまで開放的に鳴ったのを聴いたのは初めてかもしれない。でも、後半2曲までも同じ調子なのはダメでしょう。モーツァルトの交響曲では、弦は透明感を失うし、“火の鳥”では、子守歌のような静かな音楽のところでも明るい響きのままで音量も大きく感じられ、結果的にフィナーレが大団円とならず、組曲としてのメリハリが薄れて全体に一本調子になってしまった。

 

日本センチュリ_第233回定期_20190307


2019
215日 日本センチュリー交響楽団 第232回定期

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1階定期会員席

 

指揮          飯森 範親

オーボエ        オルテガ・ケロ

 

R・シュトラウス : メタモルフォーゼン(23の独奏弦楽器のための習作)

R・シュトラウス : オーボエ協奏曲

  ―ソリストアンコール J.S.バッハ    :無伴奏パルティータBWV1013よりブーレ

無伴奏チェロ組曲第2番ジーグ

R・シュトラウス : 歌劇『インテルメッツォ』より“4つの交響的間奏曲”

 

この日は、いま何かとかまびすしいテオドール・クルレンティス率いるムジカ・エテルナのフェスティバルホールでの大阪公演あり。もし今日の日本センチュリー定期の曲目がマーラーかブルックナーのシンフォニーだったら、チケットを誰かに譲ってムジカ・エテルナを聴きに行っていたかもしれないなあ。

 

今日のプログラムは、今期10回の定期演奏会のなかで最も魅力的なものではないか。無彩色でありながら繊細で微妙な明暗の変化を23人の弦楽器奏者で聴かせるメタモルフォーゼン、ソロ・オーボエと若干の管楽器を加えたオーケストラにより淡い色彩を基調とした柔らかなオーボエ協奏曲、そして最後にフル編成オーケストラの魅力満載の交響作品という、同じ作曲家の個性の全く異なる3作品を、それぞれに10分、15分の休憩を置いての演奏。自席(1階平土間ほぼ中央)からステージに向かっていると、無色のキャンパスに陰鬱なモノトーンの、でも大ステージいっぱいに描かれた絵画:1曲目、パステルカラーの、なぜか1曲目よりもずっと小さなキャンパスに描かれた長閑な色彩画:2曲目、そしてとても複雑でごちゃごちゃした(実際、第2曲と終曲は演奏もかなり大変そうだ)構造作品の展示:3曲目、を順に鑑賞しているかのよう。

 

通常と異なり1曲目と2曲目の間にも10分間の休憩を置いたのは、こうしたプログラミングの妙をはっきりと感じさせるものでとても良い。でも15 分の2度目の休憩の後、3曲目の演奏に先立って指揮者がマイクを持って“プログラムに書いて無い補足説明”と称して喋るのは、勘弁してほしい。ましてや実施に演奏される作品の内容にはほとんど関係ない歌劇『インテルメッツォ』のストーリーをダラダラとお話にならなくてもよいでしょう。日頃より演奏前のプレトーク・解説は極力避けたいのだけど、今回のように着席を促された後に強制的に聴かされると逃げようがない。

 

 
日本センチュリ_第232回定期_20190214




2019年2月4日 松浦奈々 ベートーベン ヴァイオリンソナタ全曲ツィクルス 第1回 

 

ザ・フェニックスホール

1階C4

 

ヴァイオリン           :松浦 奈々

ピアノ                 :須関 裕子

 

ベートーベン          ヴァイオリンソナタ第1番 ニ長調

                       ヴァイオリンソナタ第2番 イ長調

                       ヴァイオリンソナタ第3番 変ホ長調

                       ヴァイオリンソナタ第5番 へ長調「スプリング」               

  ―  アンコール    クライスラー:ベートーベンの主題によるロンディーノ

 

日本センチュリー交響楽団のコンサートミストレス、松浦奈々のヴァイオリンソナタ全曲ツィクルス第1回目。“チケットぴあ”の発売開始早々の購入だったのでシート番号は毎度のようにC4番。ということで図らずしも一カ月前のフォルクハント・シュトイデに続いて、いつもの位置でのヴァイオリンソロの定点鑑賞。特に1,2,3番の初期3部作は、連続して聴くという“体験”には価値を感じるものの、まだヴァイオリンとピアノが対等の立場で音楽を作り上げていく過程の作品だけに、あまり面白みのある作品群ではない。特にピアノが古典的様式から少し離れてもう少しロマン的な味わいを持たせてくれたら、作品への印象も変わっていたかもしれない。

 

今後、中期作品678番のVol.2、クロイツエルと最終10番(加えて4番)を演奏するVol.3。どちらも大いに期待しましょう。チケット購入済みです。

 

 
松浦奈々_バッハ無伴奏_20190204

2019125日 日本センチュリー交響楽団 いずみ定期第40

 

いずみホール

1階 定期会員席

 

ハイドン       : 交響曲第12番 ホ長調

ハイドン       : 交響曲第65番 イ長調

野村 誠       : ボーコン ヴァイオリンとポータブル打楽器のための協奏曲

ハイドン       : 交響曲第94番 ト長調『驚愕』

 

指揮               飯森 範親

 

過去2回のいずみ定期を都合がつかず聴き逃したので、半年間のホール閉館期間もあって、実に一昨年12月の第37回以来のハイドンマラソン。常々思うけど、このイベント企画、ハイドン・シンフォニーだけをたっぷり2時間聴いていたい。ヴァイオリンと打楽器3名による後半最初の小品、たしかに面白かったですよ。でも、”ハイドン連続演奏会”の一夜に入れ込むのはどうでしょう? 別のもう少しライトな企画もので、といった捻くれた気持ちがほんの少々。ハイドン聴きたさにいずみ定期会員になったのだから、どうぞ関係者の皆様“そういった意見もあり”ということでご容赦を。

 

それにしても、久方に聞く日本センチュリーのハイ・クオリティーなハイドンを楽しみしていたのに、前半2曲はなんとも残念な仕上がり。ゲスト・コンサートマスターとトップサイドの息が合わず1stVn全体に一体感が失われ、向かい合った2nd Vnとのバランスもチグハグに。“ポーコン”でソロを弾いた松浦奈々にチェンジしてから終曲『驚愕』で本来のセンチュリー・クオリティーを取り戻した。

 

日本センチュリー いずみ定期_20190125

201916日 3大協奏曲 ~次世代を担う未来の巨匠たち~ ザ・シンフォニーホール

 

ザ・シンフォニーホール

25

 

指揮           : 山下 一史

オーケストラ    : 日本センチュリー交響楽団

ヴァイオリン    : 川久保 賜紀

チェロ         : 横坂 源

ピアノ         : 関本 昌平

 

ハイドン               : チェロ協奏曲 第1番 ハ長調

チャイコフスキー       : ヴァイオリン協奏曲 ニ長調

ラフマニノフ           : ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調

 

ソリストは3人とも既に30代なわけで、今更に“~次世代を担う未来の巨匠たち~”とは思えないけど、まあ、正月休み中のクラシック演奏会として集客効果はあったのだろう。ほぼ完売のようで、また普段のオーケストラコンサートと違って、小さな子供を連れたお母さんやら中高校生も多く、ホールは華やいだ雰囲気。私と同じLD最前列に座った小学生(12年生かな)、ほんといいお行事で2時間の演奏会を聴いていた。成人してもクラシック音楽好きでいてもらいたいものです。

 

演奏は、残念ながら前半と後半でクオリティーに差がついたかな。ラフマニノフを弾いたピアニストは、この曲をまだ自身のレパートリーとはしていないのではないか。冒頭、鐘を模した和音の重み・深みの無さに加えて、オーケストラがバタついたこともあり、出だしからラフマニノフの音楽を聴くことのできないまま。特に緩徐部分でのロマンティックなメロディーの処理にもっと神経がいきわたっていたら、と思う。それに対しヴァイオリン・コンチェルトの痛快なこと。奔放に歌うソロ・ヴァイオリンに指揮者が真剣勝負で食らいつく、まさにコンチェルトを聴く醍醐味を味わった。

 

ところで・・・・実演に接した演奏会の感想をブログ記録に書きとめておくことの意義を痛感。ブログ管理画面で、今回のソリスト名をワード検索すると、川久保賜紀のヴァイオリンをこの3年で2度ほど、聴いていた。昨年の広響福山定期でベートーベンのコンチェルトを、そしてなんと今年の5月の大阪フィル・ソアレコンサートVol.11でこの日と同じチャイコフスキーのコンチェルト。そのソアレコンサートのブログ記事を読み返してみると、こんなことを書いている。

 

~~当夜のチャイコフスキーの演奏、どうにも私の趣味に合わない。一貫して遅めのテンポで、溶けた粗目砂糖にまみれたスイーツのような印象の演奏が延々と続く第1楽章には、ちょっと辟易。~~

 

そう、たしかに今年5月に同じザ・シンフォニーホールで聴いた演奏は、この記事の通りだった(今でもはっきり覚えている)。それに比べこの日の演奏の痛快なこと。指揮者との相性だろうか、とにかくこの日の演奏は、のりにのっていた。

 

 
3大協奏曲_20190106

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