あーと屋のほぼ大阪クラシック演奏会気まま日記

タグ:日本センチュリー

2021730日 日本センチュリー交響楽団 ハイドンマラソン第24 

ザ・シンフォニーホール

 

定期会員席 

 

指揮    : 飯森 範親

 

ハイドン       :交響曲第56番 ハ長調

千原英喜       :ピアノと7楽器のためのコンチェルティーノ(世界初演)

ハイドン       :交響曲第46番 ロ短調

ハイドン       :交響曲第45番 嬰へ短調『告別』

 

またまた、思いっきりのビハインド。84日と7日のマイスタージンガー(上野文化会館)の直前の公演中止で一気に萎えてしまってました。両日とも、前泊で空港に向かう直前の中止連絡は堪えた~。ということで、またまたいつもの通り、薄れた記憶を頼りに

 

楽団が新作を委託しその初演を果たす(当然ながら世界初演)という文化的意義は完全に横に置いて・・・こうしたイベントはシンフォニー定期など、別の機会にしていただけたら…と思う。いつも同じことを書くけど《ハイドンマラソン》と銘打った演奏会、ハイドンだけを聴きたい。当初の〝いずみホールで聴くハイドン”というコンセプトも一昨年に捨て去ったわけだし・・・

なお新作は…ノーコメント。

 

この日の呼び物『告別』といえば、その曲目を耳にしただけで ~日本センチュリーさんには全く無関係で本当に申し訳ないのだけど~ 似非チェンバロ奏者をステージに上げた某オーケストラの不愉快な体験がフラッシュバックしてしまう。(当該記事のリンクは張らないでおきます)。過去、チケット代を払って不愉快な気持ちにさせられた演奏会はこのときが唯一。まったく迷惑なことです。

 

事情を承知しつつハイドン自身が指揮をしていた史実を思えば、奏者が気の利いた子芝居をしながら次々にステージを去っていくのを指揮者が引き留めようとするのはちょっとやり過ぎ? 笑。同じシンフォニーでの5年前の某オケのほうが自然な演出…あっ、また触れてしまった 苦

 

 

20210730‗ハイドンマラソン

 202178日 第20回ハイドン大學  日本センチュリー_ハイドンマラソンを楽しむための音楽講座 

 

京阪電車なにわ橋駅 アートエリアB1

 

受講料500円、定員15名の夕方7時から1時間半ほどのイベント。日本センチュリーのハイドン交響曲連続演奏会(ハイドン・マラソン)に合わせて始まったこのレクチャー(?)も最初の頃は参加費用4,000円だったはず。当初は、ちょっとアカデミックというかスノッビーな印象が無きにしも非ずだったけど、いまやワンコインで、しかもネット配信もされている。

 

受講料500円だし、ボランティア・スタッフによる手弁当感のある雰囲気の良いイベントだったけど、大半はヴィオラ・ダ・ガンバの楽器紹介とフレンチ・バロックの作曲家マラン・マレの『膀胱結石手術図』の紹介…う~ん、なんだか登壇者の趣味の延長になってない…? ハイドンマラソンを楽しむための音楽講座『ハイドン大學』として期待していたのとは、ちょっと違うんだよなぁ。

 

改めて、2年前のフェニックスホールのヴィオラ・ダ・ガンバ2丁とクラブサンによる『究極のフレンチ・バロック』と題された演奏会が、いかに貴重なものだったかを図らずしも再認識。

 

20210708_ハイドン大學



20191023_究極のフレンチバロック

2021422日 日本センチュリー交響楽団 ハイドンマラソン第23 

ザ・シンフォニーホール

定期会員席 

 

指揮    : 飯森 範親

ピアノ  : 美原 未紗子

 

オール・ハイドン

交響曲第3番 ト長調

ピアノ協奏曲 ニ長調

交響曲第15番 ニ長調

交響曲第5番 イ長調

 

わぁっと、ブログタイトルの‶きままに…”どころではない。またもブログ更新、思いっきりビハインド。ブッフビンダー(いずみホール)と小山美知恵(ムラタホール)のベートーベン・ソナタリサイタルが再延期になったのは残念ながら、とりあえずコンサートが延期・中止になっているこの隙に…

 

《ハイドンマラソン》と銘打った演奏会、いつもの《交響曲以外の作品で味変するのは良いけど、ハイドン以外の作品はダメよ~ん》との思いが通じた…な訳ないかぁ。そしてこの日の白眉は前半2曲目のピアノ協奏曲。これだけで大満足。もう前半だけで会場を後にしても後悔ないくらい(そんなこと、絶対にしませんけどね)。

 

古楽界で名のある5名の奏者がフォルテピアノを用いてCD2枚ずつ分担したピアノソナタ全集(CD10枚セット)を愛聴していて、よく週末の午前中にそのちょっと硬質で軽快なフォルテピアノの音色を楽しんでいるのだけど、なんと協奏曲が始まったとたんスタンウエイから、その聴きなじんだフォルテピアノの音が聴こえてオッたまげた。えっえっどうして…、タッチとペダリング…?う~ん、上手いもんだなあ〜。さすがプロですね。ということで、ハイドンマラソンはオール・ハイドンに限る。

 

閑話休題

5月の大阪フィル定期中止決定とのこと。デュトワから代った井上道義によるマーラー7番という大フィル、意地を見せたプログラム、《コロナに負けるな》の気合とともに…とはいかなかったかぁ。

 
IMG_E5461

2021417日 4オケの4大シンフォニー2021  〜大阪国際フェスティバル2021

フェスティバルホール

21列54番

 

ベートーベン: 交響曲第8番    久石 譲指揮  日本センチュリー交響楽団

ショスタコーヴィチ:交響曲第5番  尾高 忠明指揮 大阪フィルハーモニー管弦楽団

メンデルスゾーン:交響曲第4番   外山 雄三指揮 大阪交響楽団

シベリウス:交響曲第2番      飯守 泰次郎指揮関西フィルハーモニー管弦楽団 

 
わぁっと、ブログタイトルの‶きままに…”どころではない。またもブログ更新、思いっきりビハインド。ブッフビンダー(いずみホール)と小山美知恵(ムラタホール)のベートーベン・ソナタリサイタルが再延期になったのは残念ながら、とりあえずコンサートが延期・中止になっているこの隙に…

とにかく体力的にもお疲れさんの演奏会。ホール利用料にからむ時間制約でもあったのだろうか、ベートーベンとショスタコーヴィチのシンフォニーを2曲聴いた後の途中休憩がわずか20分。カフェも休業中だし、休憩時間はトイレに行くくらいで、まったくリフレッシュにならない。

 

日本センチュリーのベートーベンはチェロ奏者以外全員が立っての立奏。初めて聴く久石譲の指揮は、かつて一世を風靡したジンマン・チューリッヒトーンハレなみのキレのいい演奏。でもエッジが効いた…までではないんだよね。今年の定期でのベートーベン7番もおなじ演奏スタイルでいくのかなぁ。立奏だからなのか、弦も管も元気よく鳴りすぎて、中・低声部が一緒になって騒ぎすぎた感じがしないでもなく、ちょっと疲れた…。

 

続いて16型大阪フィルによるショスタコーヴィチの重量級の演奏を聴き終わったところで、すでに通常のコンサート並みの疲労感。次の団体はいつもの通りコメントパス…そして最後のシベリウスは、2楽章あたりから“早く終楽章になんないかな~”と願いながら、ただ修行のごとく“聞いて”いただけ。ああ、飯守泰次郎の指揮なのに、なんとももったいないことか。終楽章のコーダ手前(途中)あたりでTP2小節ほどフライングしたくらいしか記憶がない。

 

 20210417_4オケスペシャル

202149日 日本センチュリー交響楽団 第254回定期 

ザ・シンフォニーホール

前半            :定期会員席

後半            3RRC1

 

指揮    : 秋山 和慶

ソプラノ: 高橋 維

 

モーツァルト    :モテット『踊れ、喜べ、幸いなる魂よ』 K.165

マーラー        :交響曲第4番 ト長調

 

わぁっと、ブログタイトルの‶きままに…”どころではない。またもブログ更新、思いっきりビハインド。ブッフビンダー(いずみホール)と小山美知恵(ムラタホール)のベートーベン・ソナタリサイタルが再延期になったのは残念ながら、とりあえずコンサートが延期・中止になっているこの隙に…

 

今期の定期会員、更新しないつもりでいた。マーラーやらブルックナーを日本センチュリーで聴きたいとは、はなっから思ってないけど、定期会員になった2017年度以降、なんだか迷走したかのようなラインナップが続いているし(今期なんか、豊中名曲シリーズのほうがずっと魅力的なんだよなぁ…)、そもそも木曜日、金曜日、土曜日と公演曜日が固定しないなんて、もはや定期演奏会じゃないしねぇ…。ということで、聴きたいコンサートだけ単発でってことで、3階バルコニー席を買ってました。

 

ところが、年度末の331日に事務局から会員継続のお誘いの電話をいただいたんですよね~。なんだか恐縮しちゃって、‶もう4月定期のチケットと単独で買っちゃったんですけど…”と言いつつも、結局更新することになりました。てなわけで、定期会員として日本センチュリーを引き続き応援させていただくことにします。

 

結果チケット2枚持ちとなったことで知人を誘って出かけた演奏会、せっかくだからホール音響の違いも楽しめるように、モーツァルトはソプラノソロが直接耳に届く平土間中央の定期会員席で、マーラーの4番交響曲は3階バルコニー席に移動。モテットはなんとなく予感した通り、歌手の声が小さすぎて平土間中央の席でも、コロラトゥーラの妙技を楽しむには程遠かった。私と交代でRRC列に座っていた知人は、オーケストラに埋もれて声がまったく聞こえなかったとのこと。

 

マーラー4番も平土間で聴きたかったなぁ。マーラーの中で、大地の歌とこの4番は、舞台上の各楽器が溶け合わずにあちらこちらで鳴っていて響きのまとまりが得られない作品で、ホールと席に恵まれないとまず楽しめない。ザ・シンフォニーホールは正解なんだけど、バルコニー席(それとオルガン席も)は、まったく不向きですね。

 

20210409_センチュリ定期

20210409_日本センチュリー定期‗

2021318日 日本センチュリー交響楽団 第253回定期 

ザ・シンフォニーホール

定期会員席 

 

指揮    : 佐渡 裕

ピアノ  : 清水 和音

 

ベートーベン    :ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 『皇帝』

  アンコール   ショパン :英雄ポロネーズ

ラフマニノフ    :交響曲第2番 ホ短調

 

指揮者とピアニストが当初予定のジョナサン・ブロックスハムとブルーノ=レオナルド・ゲルバーから佐渡裕と清水和音に変更。今年の東京ハルサイの目玉公演の一つとして招聘のブルーノ=レオナルド・ゲルバーを大阪で、しかも皇帝コンチェルトが聴けるという絶好の機会は叶わず。

 

会場は、普段の定期では観客の頭数を簡単に数えられる程度の入りの日本センチュリーにして、なんと満席に近い入り。左右バルコニーが頭上に被さり、おそらくザ・シンフォニーホールで唯一音響に不満を感じる平土間1,2列、と3940列までもギッシリと埋まるとは、まあ噂に聞いていたけど指揮者の人気度の凄いこと。

 

ピアニストが冒頭から最後の最後まで、徹底的に剛腕一直線で弾ききった皇帝協奏曲は ‟暴”の一言。アンコールの英雄ポロネーズとともに会場は沸きに沸いたけど、私にはどちらも感性の許容限度を突き抜けてしまってる。ここは清水和音のアプローチに沿って演奏した指揮者とオーケストラを賞賛すべきか…う~ん、どう捉えようか悩ましい。でもコンチェルトは爆演の一言で括れるにして、アンコールのショパンは、今も思い出したくない…。

 

後プロのラフマニノフは感性の振幅最大限でラフマニノフ節ムンムンの超ロマンティシズムで、日本センチュリーの完成度の高い演奏もあり大満足(そもそもこの曲、大好きなんですね)。まあ、とにかく久々に疲労感の残った演奏会。

20210318_日本センチュリー定期_1

 

202133日 4オケの4大シンフォニー2020 ベートーベン生誕250 

ザ・フェスティバルホール

2L37番 

 

オール・ベートーベン

        交響曲第3    井上道義指揮  大阪フィルハーモニー管弦楽団   

        交響曲第5    藤岡幸夫指揮   関西フィルハーモニー管弦楽団   

        交響曲第6    飯森範親指揮   日本センチュリー交響楽団

        交響曲第7    外山雄三指揮   大阪交響楽団

 

昨年4月の振替公演。33日は祭日だから大丈夫…って勘違いしてチケットを買ってしまうという、我ながらいつものようにドジ全開。仕事の調整はどうにかなるものの、この日はフェニックスホールのチェロリサイタルを早々に買っていた。こちらは夕方7時からのなので余裕だろう…と思いきや、4オケの終演が夕方6時(開演は2時)。新地を西から東に通り抜けての移動は丁度いいリフレッシュにはなったかな。それにしても、コロナ禍の新地は閑散としている…。

 

さて、演奏…

当初予定の尾高忠明からバトンを(タクトを)受けた井上道義指揮の大阪フィルの英雄交響曲、無理に力まずゆったりしたテンポで通した演奏は、安定の横綱相撲といったところか。この日の4団体で一番のクオリティーではあるが、かつての様なオーケストラコントロールは出来ずじまいな感もあり。3番ホルンにアシスタントを加えた弦16型。

 

オーギュスタン・ディメイから代った藤岡幸夫指揮の関西フィルの運命は、冒頭から低弦ゴリゴリで、こちらも一貫した主張があって面白い。弦14型でも、音量・音圧は大阪フィルに負けず劣らずのパッションに満ちた力演。

 

飯森範親指揮の日本センチュリーの田園は、10+8+6+6+4(たぶん)と刈り込んだ上で、ベース4本を指揮者正面の最後列に横並びに配置。金管とピッコロ、ティンパニ奏者を嵐の場面からステージにあげるパフォーマンスは、このような祝祭的な場には悪くないアイディア。演奏も繊細さの表現に徹した前半2楽章から激しい嵐の音楽を経て、祝福の音楽に至るストーリーを明確にしたもので、指揮者のセンスを感じさせる。ちなみに終演後の抽選会前のトークで、井上道義から『嵐のシーンでの合流は僕のアイディアなんだけど、ピッコロも金管と一緒に下手におかなきゃ…』とのツッコミあり。

 

最後の第7交響曲… この団体、かつての似非チェンバロ奏者の件以来、お金を払って聴きには行かないことにしているのだけど… 冒頭からエンディングにいたるまで徹底して音楽が躍動しない。終楽章に至っても高揚感ゼロ。『舞踏の聖化』への強烈なるアンチテーゼ? トランペット4本の意味はなに?

 
20210303_4オケスペシャル

2021219日 日本センチュリー交響楽団 ハイドンマラソン第22 

ザ・シンフォニーホール

定期会員席 

 

指揮    : 飯森 範親

 

オール・ハイドン

歌劇『薬剤師』序曲

交響曲第75番 ニ長調

交響曲第79番 へ長調

交響曲第83番 ト短調 『めんどり』

 

3月に入り、いよいよコンサートの予定がギッシリと…なのに、またまた1月末から2月の演奏会を書き溜め。とにかく、備忘メモとして…。

 

上質な演奏でハイドンばかりを聴くことができた満足の一夜。プログラムのすべてにハイドン作品を置くって、これまでハイドンマラソンと銘打った演奏会でも数えるほどしかなかったはず。オープニングに序曲を置くには勿論のこと大歓迎だけど、通常はハイドン以外の作曲家のコンチェルトが途中に置かれていると、なんというのか弦楽合奏を主にしたウィットに富んだ曲の様相を楽しむ、いうなれば“ハイドン耳”のようなものがいったんリセットされてしまう。ハイドンに浸るという、ちょっと贅沢な時間を中断させてしまうようでもったいない気がしてしまう。(まして何時ぞやのようにゲンダイオンガクを聞かされるのはゴカンベン)。

20210219_日本センチュリー‗ハイドンマラソン

20210219_ハイドンマラソン_1

2021121日 日本センチュリー交響楽団 第252回定期

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1階定期会員席

 

指揮                    :飯森 範親
ヴァイオリン      :イザベル・ファウスト

 

リゲティ               :ルーマニア協奏曲

バルトーク             :ヴァイオリン協奏曲第2番 

  ――ソリストアンコール  N.マティス:パッサージオ・ロット

J.シュトラウスⅡ       :ワルツ・ポルカ集

『ハンガリー万歳』

『観光列車』

『オーストラリアからの挨拶』

『皇帝円舞曲』

『シャンペン・ポルカ』

『狩』

『雷鳴と電光』

『ドナウのほとりから』

『美しく青きドナウ』

    〜アンコール

『ラデツキー行進曲』

 

第一曲、リゲティから完璧に仕上げてきて ‟さすが日本センチュリー”と唸らせる演奏だったけど、なにより白眉はイザベル・ファウストのヴァイオリン。このソリストを聴くのは、2年前のハーディング・パリ管の来日で、ベートーベンのヴァイオリン協奏曲(サントリーホール)ベルクのヴァイオリン・コンチェルト(ザ・シンフォニーホール)以来2年ぶり。

 

その時のブログを読み返してみると、こんなことを書いている…『イザベル・ファウストの独奏は、どちらかと言うと温かみよりも少々醒めたような音色で、神経質なまでに意識をいきわたらせた終始張り詰めた演奏』…あれ、これベルクじゃなくてベートーベンでの感想なんだけど、今回とだいぶ違うぞ・・・。けっして醒めた音色じゃないし、神経質な音作りなどではまったくない。(記事には書いてないけど)とても線の細い音だったと記憶しているけど、いやいや違うぞ…芯のしっかりした厚みと熱量を感じさせる音だった。う~ん、印象って、まったく変わるもんですね。

 

それにしても難曲に違いない曲を、まったく‟難曲”に感じさせないテクニックは凄い。第2楽章途中の高低2声の掛け合いの箇所、見事に上声から独立した低声音型が舞台後方のオルガン席下の壁に反射しホール空間を伝わって聞こえてくる。2声が完全に独立して耳の届くものだから、てっきりだれかオケのVn奏者が低声部を弾いてるもんだと、ステージの奏者探しをしてしまった(それだけホール音響が優れているということでもある)。

 

2年前の来日と同じ、ちょっと個性的なドレス(?)でステージに登場した時から、もうオーラが出まくり。(たまたま今、手に取っているレコ芸20195月号巻頭に掲載されている当時の来日公演の写真も同じドレスを着ているので間違いなさそう)。イザベラ・ファウストと言えば、このドレス姿といったすり込みができちゃった。

 

ところで後半は・・・・定期ですよ、どうしたいの…って言いたい。なんでワルツやポルカを…とまでは言わないけど、指揮者が衣装着替えたり、小道具持ったり、本場のニューイヤーコンサートをまねしてアンコールで客に手拍子を求めたり…って ≪以下。無言≫

 

20210121_日本センチュリー

20210121_日本センチュリー定期


202117日日本センチュリー交響楽団 豊中名曲シリーズ Vol 14

 

豊中市立文化芸術センター 第ホール

1O35

 

R・シュトラウス        :13管楽器のためのセレナード 変ホ長調

R・シュトラウス        :ホルン協奏曲第1番 変ホ長調

 ―― ソリスト・アンコール  フランツ・シュトラウス:ノクターン

ドヴォルザーク         :交響曲第8番 ト長調

 

指揮            :栗辻 聡

ホルン          :日高 剛

 

あれれ~、年を跨いで7つも書き溜め。小菅優ピアノリサイタル、大フィル_チャイセレⅢ、大フィル_新春名曲、日本センチュリー_豊中名曲、石田泰尚ヴァイオリンリサイタル、日本センチュリー252定期を順次、Evernoteのメモを見ながら備忘禄として・・・

 

新年早々の東京出張から大阪に移動しての今年初のコンサートは、演奏もまだちょっとお屠蘇気分が抜けない感じがしないでもない…。さっとサラって本番ってところ? まっ、大好きなドヴォルザークの8番が今年の聴き始めの曲ということで、難いこと言いっこなし。

20210107_日本センチュリー_豊中シリーズ_1

 

 

20201112日 日本センチュリー交響楽団 第250回定期

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1階定期会員席

 

ベートーヴェン  :歌劇『フィデリオ』 作品72

 

指揮            :飯森 範親

 

フロレスタン    :水野 秀樹

レオノーレ      :木下 美穂子

ロッコ          :山下 浩司

マルテェリーネ  :石橋 栄実

合唱            :日本センチュリー合唱団

 

〜 相変わらずの東奔西走状態が続いており、またもや2週間6公演(ソアレ、ウィーンフィル、横山幸雄、日本センチュリー定期、大阪フィル定期)を書き溜め。関西フィル定期はやむなく行けずじまい。とにかく、備忘メモとしてせめて演奏会の場所・日時と曲名だけは書き留めとかないといけない。あと、散文的にでもなんか書き留めておけば、後々、思い出すことができる…ということで、ほんとザックリと…

 

指揮者もよく全体をコントロールできていたし、オケも好調。第2幕でレオノーレの3番、演奏してほしかったな。歌手では、タイトルロール役が好演。個人的にこのオペラの一番の聴きどころは2幕冒頭、フロレスタンのGott!なんだけど、こちらはちょっと期待が大きすぎたか。

 

ミソをつけたのは、クワイア席に座った囚人の男性合唱。前列上手の一人が、第1幕早々にトイレ(?)に行ってまた戻ってくるなんて、アマチュアといえど‟論外”の一言。ステージマネジャーは、なんでまた彼をクワイア席に戻すんでしょうね?また眼下で歌手が歌い、その真上には字幕が表示されているというのに、数分おきに頭髪に手をやる人がいて、とにかく目障りで感興をそこなうこと著しい。

 

閑話休題

来期の定期は、とうとう名曲コンサートになってしまいましたね。しかも公演日の曜日が固定していないなんて…。残念だけど、定期会員の更新はしないことにしました。

20201112_日本センチュリー_定期_1

20201112_日本センチュリー_定期_2


20201023日 日本センチュリー交響楽団 ハイドンマラソン第21 

ザ・シンフォニーホール

定期会員席 

 

指揮                    : 飯森 範親

トロンボーン           : 玉木 優

 

ハイドン        :交響曲第40番 へ長調

L モーツァルト :トロンボーン協奏曲 ニ長調

  ―- アンコール  バーンスタイン :ミッピー2世のためのエレジー

ハイドン        :交響曲第34番 ニ短調

ハイドン        :交響曲第34番 ニ短調

 

 

ー読響大阪定期、日本センチュリーハイドンマラソン、土井緑ピアノリサイタル、大阪フィルマチネと、いつものようにため込んでしまった。時間作ってサクッと書きます。-

 

編成が小さくなればなるほどコンサートマスターの存在って大きいんだなぁ、ってのが前回8月(第20回)、そして今回と聴いて真っ先に思ったこと。これって、昨年までのいずみホールでは、気づかなかったことかもしれない。トロンボーンのソロ奏者、達者だけど、もうすこし色気というかニュアンスが欲しかったな。

 

それよりもビックニュースが・・・

ウィーンフィルが来日する! 

春に、びわ湖ホールの黄昏の公演中止で浮いたお金で、そのまま4月に購入済み。おおっ、来てくれるか~ぁ。信じられない!

 

=フェスティバルホール ホームページより

【公演開催につきまして】
本公演の招聘元であるサントリーホールから、来日確定の連絡がありました。
これにより116日(金)に予定しています「ワレリー・ゲルギエフ指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」大阪公演の開催が決定いたしましたことをご案内いたします。
開催決定までお待たせしまして、誠に申し訳ございません。
何卒ご理解をたまわりますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

 20201023_日本センチュリー_ハイドンマラソン

20201015日 日本センチュリー交響楽団 第249回定期

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1階定期会員席

 

指揮            :川瀬 健太郎

ヴァイオリン    :郷古 廉

 

ベートーベン    :ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61

  ~アンコール  :イザイ 無伴奏ヴァイオリンソナタ第2   

ドヴォルザーク  :交響曲第9番『新世界より』

 

プラジャークSQのベートーベン後期全曲ティクルス(フェニックスホール)に行く予定だったのに、当然ながら公演キャンセル。当初のいつもながらの名曲コンサート然としたものから、またどうして地方巡業用のプログラムへの変更か?とかなり白け気分だったけど、いやどうして、川瀬健太郎のドヴォルザーク、面白かった。

 

‶新世界より”は8月にサントリーホールで角田鋼亮指揮、読響での演奏を聴いたばかり。その時の角田鋼亮の読響の実力に預けた演奏を思うと、同世代の川瀬健太郎(といっても、川瀬健太郎が頭一つ…以上か…抜きん出てる)の指揮は、ず~っと面白い。若手ならこれくらい徹底的に自己主張に徹しなきゃね。ほんと、至る所で耳慣れた従来演奏と異なった音や響き、そしてアプローチがあり新鮮だったし、終楽章の‶東欧らしく”なんてご託は関係なしに情熱的なまでに突き進む推進力は、川瀬健太郎の魅力そのもの。演奏会直前の白け気分なんなか完全に吹っ飛びましたよ。

 

ただ一つだけ、終楽章のシンバルは8月の読響の勝ち。片方のエッジをもう片方の内側に弧を描くようにあてた出したシャ~~ンの音は今まで聴いた(観た)なかでの最高点。対してこの日は、音に芯が無くシャシャ~~ンで65点。(マレット使ったら0点です《笑》)

 

ベートーベンのコンチェルトは、いつもの通り寝落ち。今回は2楽章冒頭まで持っただけよかったかも。この曲聴くにはシンフォニーホールでもまだ、器が大きすぎる。いずみホールで聴きたい。

20201015_日本センチュリー_定期 プログラム

202087日 日本センチュリー交響楽団 ハイドンマラソン第20 

ザ・シンフォニーホール

F22番  定期会員席からの振り替え

 

指揮                    : 飯森 範親

ファゴット             : 安井 悠陽

 

ハイドン               :交響曲第33番 ハ長調

ジョリヴェ              :ファゴット協奏曲

ハイドン               :交響曲第36番 変ホ長調

ハイドン               :交響曲第48番 ハ長調『マリア・テレージア』

 

前回6月の第19回演奏会を見送ったので、今回が会場をザ・シンフォニーホールに移しての初めてのハイドンマラソン。コロナ禍が収まりをみせないなか、こうして週一度のペースでオーケストラの生演奏を聴けることはとてもありがたいこと。

 

う~ん、でも正直なところちょっと…ガッカリかな。4年間、いずみホールで磨き上げてきたはずの演奏バランスが、この日はなぜか聴けなかった。洒脱なハイドンの音楽を全身で発散させるかのような一貫したアプローチが、1st Vnに限って、まったく感じられない。席は平土間前方のほぼ中央で、この編成での演奏を聴くにはベストな場所のはずなのに。どうにも座りが悪いというか、ハイドンの音楽をいままでのように楽しめない。昨年までの、いずみホールでのハイドンはもう聴けないのだろうか。このまま、あと2回続くようだと、来期の定期会員継続、考えちゃうなぁ。

 

ジョリヴェのファゴット協奏曲は面白い曲ではあったけど、同時に独奏楽器としての限界を感じずにはいられなかった、不遜にも ‟素材や構成はよくできているのだから、もし独奏楽器をチェロに変えたら、ダイナミズムと音色の変化が加わって、より聴き映えのする作品になるんじゃないの" などと思いながら聴いておりました。

 

 20200809_日本センチュリー_ハイドンマラソン!


2020
79日 日本センチュリー交響楽団 第247回定期 

ザ・シンフォニーホール

1L列 (定期会員席からの振り替え)

 

指揮                    : 秋山和慶

チェロ                 : 佐藤晴真

 

ウェーバー                     :歌劇『オベロン』序曲

ショスタコーヴィチ             :チェロ協奏曲 第2番 ト長調

―― アンコール                 カタロニア民謡《鳥の歌》

メンデルスゾーン               :交響曲第3番 『スコットランド』

 

4か月ぶりのコンサートは、日本センチュリーの魅力を堪能できるプログラム。金管群のコントロールされた音量、柔らかな木管群と弦とのバランスの見事なこと。やはり日本センチュリーは抜群に上手い! バルコニー席にお座りの耳の肥えた友人のブログ記事によると、ウェーバーでブラスが大きくて弦をかき消してしまってた、とのこと。私の席(1L列)では完璧に聴こえたのだとすれば、やはりホールの持つ特性を認識したうえで、ホール中央位置で最良の響きとなるように調整された演奏だったということか。日本センチュリーの高機能オケの本領発揮、というところなのだろう。

 

演奏会開始にあたり事務局から “曲目変更のお詫び” のアナウンスがあってもピンとこなかったけど、あとでその友人からメールで教えてもらったところでは、後プロがチャイコフスキーの4番から変更された、とのこと。お金払ってまで聴きに行きたいとは思わない最右翼からスコットランドへの変更とは、まったくラッキーの一言、知らないまま演奏会に臨んで良かったぁ。それにしても、パンフレットの曲目紹介も差し替えされていたし、ホール入り口では新しいチラシのカラーコピーが配布されていたりと、事務局も大変な手間を要した御様子。パンフレット記載の定期会員一覧からなぜか自分の名前が消えていたのはご愛敬。

 

ただし(最後に辛口…ですよ)、そのスコットランドの演奏は特段に刺激的でもロマン派としての魅力を垣間見せることもなく、淡々として凡庸で退屈だった。ソロ・アンコールの鳥の歌、よかったなあ。冒頭のピアノ伴奏での右手のトリルのところ、ぞくっときました。

《閑話休題》

本ブログをご覧の皆様へー

コンサート中止・延期となった4ヶ月もの間、勤務先の社員全員にリモートワークを命じた上で、オフィスで1人、仕事をしながら朝から夜遅くまでアクティブスピーカー音量マックスでクラシック音楽(ほぼ、ワーグナーの楽劇ばかり)を聴き続けていましたが《笑》、いよいよコンサート鑑賞の再開です。

3月27日以降、ブログ記事を全くアップしないにもかかわらず、時に100を超えるページ閲覧をいただく日もあり、大変恐縮です。ブログタイトル通り、気ままに (でも、聴いた演奏会は漏れなく) やってまいりますので、どうかご贔屓にお願いいたします。 

 
20200709_日本センチュリー_247回_ 1

20200709_日本センチュリー_247回

2020130日 日本センチュリー交響楽団 第242回定期

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1階定期会員席

 

指揮            :小泉 和裕

 

シューマン      :交響曲第1番 変ロ長調 作品38『春』

フランク        :交響曲 ニ短調 

 

小泉和裕の指揮するシューマンと言えば、一昨年11月の大阪フィル第523回定期の第2での各パートの音量・音色に神経をいきわたらせた全体に抑制のきいた演奏だったと記憶している。それ故に今回の“春”も同様な音楽を想像し期待していたものの、あに図らんや、オーケストラを開放的に鳴らした演奏。日ごろ、この210型のオーケストラが後期ロマン派のオーケストラ作品を演奏するときのようなパワー全開のいつものサウンドで、私が期待していたシューマン像とちょっと違うな、と思いながら聴いていいた。

 

一方で後プロのフランクは、そうしたアプローチが見事にハマった、快演。このオーケストラの特徴である明るめの音で、いつもながら思いっきり鳴りながらもしっかりと均整が保たれていてうるさくならない。フランクのニ短調交響曲って、ほんと何時ぶりだろう。こんな魅力的な曲だったっけ。

 

 
20200130_日本センチュリー定期

20200130_日本センチュリー定期_1

20191122日 日本センチュリー交響楽団 いずみ定期第43

 

いずみホール

1階 定期会員席

 

ハイドン        : 交響曲第28番 ホ長調

ハイドン        : 交響曲第51番 イ長調

アルチェニアン  : トランペット協奏曲

  ―― アンコール  武満徹 :径

 

 

指揮               : 飯森 範親

トランペット      : ラインホルト・フリードリッヒ

 

5月の第41回がデュトアの大阪フィル定期2日目と、そして8月の第42回が阪神・広島戦(京セラ・ドーム)と重なったことで定期チケットを友人に譲っていたので、実に1年ぶりのハイドンマラソン。トランペットの神様が登場するこの日は、絶対に聴かなければならない。ラインホルト・フリードリッヒの見た目の貫禄は、2年前のルツェルン祝祭の京都公演の時以上で、その音は変わらずの神々しい。いとも軽々と自然に吹く姿にずっと見とれていた。

 

そんなトランペットの神様を迎えたコンサートだけに、第51番でホルンの超難度フレーズをトランペット(コルネット?)に吹かせたのは、全曲録音に挑んでいるだけに残念。前後のフレーズとの連続性が失われて、しかもその箇所だけ音色が明らかに変わってしまう。録音では後からどうにでも調整できるのだろうか。

 

会食の予定があり、最後の91番を聴かずに会場を後にした。

 
20191122_日本センチュリー_ハイドン



20191024日 日本センチュリー交響楽団 第239回定期

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1階定期会員席

 

指揮            :飯森 範親

ソプラノ        :石橋 栄実

バス・バリトン  :平野 平

合唱            :ザ・カレッジ・オペラハウス合唱団、日本センチュリー合唱団

 

団 伊玖磨      :飛天繚乱

ブラームス      ;ドイツ・レクイエム 作品45

 

ウィーンからこの演奏会のために招聘した平野平の歌唱は良しとして、ソプラノ・ソロは高音部ばかりが強調されたスキャットかパレストリーナを聴いているみたい。またプロ・アマ混成の合唱は声が濁りすぎていただけない。各パート10名のザ・カレッジ・オペラハウス合唱団に対して、ソプラノ14名に対してバスがわずか4名のアマチュアが混ざった状態で完成度を追求するのは無理がある。通常、合唱付きオケ作品を振るとき巧みにオーケストラと合唱とで指揮を振り分けるものだけど(たとえば東混の正指揮者でもある山田和樹など、指揮をする後ろ姿を観ていてもその巧みさにほれぼれする)、どうも飯森範親はオケも合唱も同じにように振っている(ように見える)。そんなこんなで合唱がオケに合わないし、3楽章のフーガでは、もうあたふたしてしまい聴いていて辛くなってきた。

 

日本センチュリーはコアメンバーによる210型の中型オケとして古典派からロマン派初期の作品を演奏するときにこそ、その実力を発揮できると常々思っている(毎度、同じことをブログに書いてますね)。でも、実際はブルックナー・マーラーから、今夜のようにドイツ・レクイエムといった合唱付き作品まで定期プログラムに置いてくる。すべて飯森範親の指揮であることを思えば、きっとご本人の強い意向なのだろう。プレトークで、ドイツ語歌詞・発音の蘊蓄とか、“この作品はドイツで何度も振った…”といった自慢話にすぎる話を聞かされるより、一切のバイアス無しで演奏に向かいたいもの(こちらも、毎度同じことをブログに書いてますね)。

 
20191024_日本センチュリー定期‗

2019107  七吹神喇叭倶楽部演奏会 其の六 大阪フィルハーモニー会館

 

 

大阪フィルハーモニー会館

 

徳永洋明             :祝祭ファンファーレ ~令和を記念して~

追栄祥               4本のトランペットのための3つの小品

ムチンスキー         :トランペット三重奏 作品11-1

プレスティ           5本のトランペットのための組曲

団伊玖磨             :祝典行進曲 (D. シロズヴィッチ編)

津堅直弘             :胃腸薬の主題による4つの変奏曲

ロッシーニ           :猫の二重奏

ガーシュウィン       :パリのアメリカ人(山崎恒太朗編)

 ―― アンコール

       ひょっこりひょうたん島

       宝島

 

篠崎 孝      大阪フィル

小曲 俊之    日本センチュリー

白水 大介    関西フィル 

徳田 友希    大阪交響楽団

西馬 健史    京都交響楽団

稲垣 路子    京都交響楽団

神代 修      大阪教育大学

 

中桐 綾奈    ピアノ

 

年一回のペースで開催の関西プロオケのトランペット奏者を中心としたアンサンブルで、会場は大阪フィルの拠点である大阪フィルハーモニー会館。ここを訪れるのは20172月の『世界における我が国オーケストラのポジション』以来の2度目。

 

メンバーが所属するオーケストラ演奏会で盛んにチラシが折り込まれていた割には、チケットが購入できるのは梅田の楽器店2か所のみ。私のような大阪非在住の一音楽ファンには全く困ったもので、西梅田の勤務先から楽器店まで徒歩で往復1時間以上もかけてチケットをやっとで購入。あんなにチラシをバラまいて宣伝するなら、もう少しチケット購入のハードルさげてくれないかなぁ、と思いつつ会場の大阪フィルハーモニー会館へ向かうと、まあネ、ある程度予想はしていたけど、観客は大阪市内のブラバンの生徒がほとんどで、しかも当日券での入場が余裕で可能だったみたい。

 

少々期待を持ちすぎたのかもしれないけど、全体に余暇的アンサンブルの延長のような演奏。前半の4曲は聴き進むうちに飽きてくるし、ピアノ伴奏を加えた後半のメイン曲“パリのアメリカ人”も、特段にスリリングさもなく、達者なオケメンバーによる、クラシック音楽流儀の型にハマった演奏、っといった感じ。せっかくだから、自由にジャジーにやればきっともっと面白いのに…。

本来、チューバやユーホニウム・ホルンが担う中低音域をピアノが請け負った上に、ちょっとしたオブリガードまで右手がこなしてしまうと、7本のラッパの音が厚いばかりで(勿論ピッコロとバストランペットを加えて音域を広げるにしても)面白みがそがれたのではと思うのだけど、どうだろう。

アンコール2曲目で演奏された宝島が一番面白かったかな。

 

 20191007_七吹神

2019926日 日本センチュリー交響楽団 第238回定期

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1階定期会員席

 

ピアノと指揮          :シュテファン・ヴラダー

 

バルトーク      :喜歌劇『詩人と農夫』序曲

モーツァルト    :ピアノ協奏曲第23番 イ長調K488

  --- アンコール  リスト :コンソレーション第3番『慰め』変二長調

ベートーベン    :交響曲第7番 イ長調 作品92

 

今年初め、定期会員の継続申し込み期限ぎりぎりまで悩ませたのが、今回のプログラム。日本センチュリーなら当日の会場販売でも良席が購入できるし、よりによって秋シーズン開幕の9月定期にまるで実家のある地方都市の巡業公演のような集客最優先のようなプログラムをもってこなくても、といささか憤慨したもの。結局、シュテファン・ヴラダーのモーツァルト弾きぶりが聴けることで、納得して会員継続した。

 

当然ながら、お目当てはシュテファン・ヴラダーのピアノ。これはほんと絶品だった。第1楽章の途中、指揮に意識が向いすぎてソロ・ピアノのパッセージ最後が一瞬、ほんの僅かだけ緊張を欠いたように感じられたことを除けば、弾き振りをすることでピアノソロとオーケストラの意思統一がダイレクトにできることを示す、お手本のような演奏だった。

 

オッたまげたのはあとプロのベートーベン。強烈なパッションをつぎ込んだまま、疾風のように突き進んだ演奏。第1楽章の繰り返しをしたうえで第2楽章が終わった時点で20分経過だったので、やはりかなりハイテンポだったはず。それでもオーケストラが全くバタつくどころか、余裕さえ感じさせるのはたいしたもの。シュテファン・ヴラダーとの契約・曲目選定の時点で、事務局に“このテンポで振りたいけどオタク、こなせます?”と事前確認があったりして。もし練習に際して、日本センチュリーにその実力が伴わない、となったらどうなっていたんだろう…。

 

毎度書くけど、日本センチュリーはチェンバーオーケストラに徹してほしな。ブルックナーやマーラーではなく、コアメンバー(2菅10型)で今日のような演奏をこれからも聴きたい。

 

20190926_日本センチュリー定期_


このページのトップヘ