あーと屋のほぼ大阪クラシック演奏会気まま日記

タグ:大阪交響楽団

20191218日 関西弦楽4重奏団&豊崎泰嗣 ブラームス弦楽5重奏曲 全曲演奏会

 

日本センチュリー定期(129日)と読響大阪定期(1224日)は、やんごとなき事情でパス。特に読響は唯一の第九、かつ2019年締めくくりの演奏会とする予定だっただけにとても残念。新年を迎えて、やっとで12月に聴いた演奏会4つを備忘メモとしてアップ。

 

125_ヴェルディ『椿姫』(新国オペラパレス)

126_井上道義・読響のマーラー3番(東京芸術劇場)

127_ウィグルワース・東響の川崎73回定期(ミューザ川崎)

1218_関西弦楽4重奏(ザ・フェニックスホール)

 

 

ザ・フェニックスホール

1階C3

 

関西弦楽4重奏団

豊崎泰嗣 〈ヴィオラ〉

 

ハイドン        :弦楽4重奏曲 ニ短調『五度』

ブラームス      :弦楽5重奏曲 第1番 へ長調

ブラームス      :弦楽5重奏曲 第2番 ト長調

 

豊崎泰嗣をヴィオラ奏者として迎えての弦楽5重奏。全曲演奏といっても2作品のみなので、尺合わせでハイドンの短調作品を前プロに加えた演奏会。ハイドンがなぜか艶やかさを欠いていたように感じられたのは、次に演奏されるブラームスと何らかの関係があったのだろうか。そのブラームス、最初の第1番は第1楽章で各パートが少し溶け合わないように感じたものの、その後は安定した盤石の演奏。やはり、晩秋に聴くブラームスは良いものだ。

 
20191218_ブラームスSQ

2019107  七吹神喇叭倶楽部演奏会 其の六 大阪フィルハーモニー会館

 

 

大阪フィルハーモニー会館

 

徳永洋明             :祝祭ファンファーレ ~令和を記念して~

追栄祥               4本のトランペットのための3つの小品

ムチンスキー         :トランペット三重奏 作品11-1

プレスティ           5本のトランペットのための組曲

団伊玖磨             :祝典行進曲 (D. シロズヴィッチ編)

津堅直弘             :胃腸薬の主題による4つの変奏曲

ロッシーニ           :猫の二重奏

ガーシュウィン       :パリのアメリカ人(山崎恒太朗編)

 ―― アンコール

       ひょっこりひょうたん島

       宝島

 

篠崎 孝      大阪フィル

小曲 俊之    日本センチュリー

白水 大介    関西フィル 

徳田 友希    大阪交響楽団

西馬 健史    京都交響楽団

稲垣 路子    京都交響楽団

神代 修      大阪教育大学

 

中桐 綾奈    ピアノ

 

年一回のペースで開催の関西プロオケのトランペット奏者を中心としたアンサンブルで、会場は大阪フィルの拠点である大阪フィルハーモニー会館。ここを訪れるのは20172月の『世界における我が国オーケストラのポジション』以来の2度目。

 

メンバーが所属するオーケストラ演奏会で盛んにチラシが折り込まれていた割には、チケットが購入できるのは梅田の楽器店2か所のみ。私のような大阪非在住の一音楽ファンには全く困ったもので、西梅田の勤務先から楽器店まで徒歩で往復1時間以上もかけてチケットをやっとで購入。あんなにチラシをバラまいて宣伝するなら、もう少しチケット購入のハードルさげてくれないかなぁ、と思いつつ会場の大阪フィルハーモニー会館へ向かうと、まあネ、ある程度予想はしていたけど、観客は大阪市内のブラバンの生徒がほとんどで、しかも当日券での入場が余裕で可能だったみたい。

 

少々期待を持ちすぎたのかもしれないけど、全体に余暇的アンサンブルの延長のような演奏。前半の4曲は聴き進むうちに飽きてくるし、ピアノ伴奏を加えた後半のメイン曲“パリのアメリカ人”も、特段にスリリングさもなく、達者なオケメンバーによる、クラシック音楽流儀の型にハマった演奏、っといった感じ。せっかくだから、自由にジャジーにやればきっともっと面白いのに…。

本来、チューバやユーホニウム・ホルンが担う中低音域をピアノが請け負った上に、ちょっとしたオブリガードまで右手がこなしてしまうと、7本のラッパの音が厚いばかりで(勿論ピッコロとバストランペットを加えて音域を広げるにしても)面白みがそがれたのではと思うのだけど、どうだろう。

アンコール2曲目で演奏された宝島が一番面白かったかな。

 

 20191007_七吹神

2019913日 大阪クラシック2019 第59公演 能楽師大槻裕一 大阪市中央公会堂 中集会室

 

大阪市中央公会堂 中集会室 

LA6

 

能楽師  :大槻 裕一

TR      :徳田 知希

TB      :矢巻 正輝

ピアノ  :梅田 望実

 

スザート        :ルネッサンス舞曲集より

J.S.バッハ     :主よ、人の望みの喜びよ

プッチーニ      :歌劇『トゥーランドット』より“だれも寝てはならぬ”

フェイン        :映画『慕情』のテーマ

山田耕作        :この道

ビゼー          :歌劇『カルメン』より

チック・コリア  :スペイン

 

昨日は東京からコンサルを迎えてのどうしても避けられない会議をブッキングしたため、大植英次の奇才ぶりを堪能できる第50公演(ベートーヴェン交響曲第5番“運命”3台ピアノ版)をパスしなければならなくなった。平日午後2時からの公演、さすがにチケットの譲り先はないだろうと思いきや、一人いらっしゃったぁ!件のクラシック音楽バーの店長です。夜、お店に顔を出してお聞きするところによると、大植監督は“指揮をするのでピアノは弾かない”と冒頭宣言して、他の3人による演奏だったとのこと。

 

昨日の元を取るべく…ではないけど、今日は午後から仕事を休みにして大阪クラシック三昧に。まずは、午後1時半からの大阪中央公会堂中集会室に本格的な舞台を組んでの能とのコラボレーション企画。

 

能楽師の動きと西洋音楽を合わせるのは無理があるのか。もっとも能楽師がブラスアンサンブルと共演したのはわずか3曲で、しかも事前に合わせたのが開演前の一回きり(終演後のスピーチ)だったらしい。なんだか共同で何かを作り上げる、という意味でのコラボレーションには至らずの企画倒れの感あり。

 
20190913_大阪クラシック第59公演_5

20190913_大阪クラシック第59公演_4

20190913_大阪クラシック第59公演_3

20190913_大阪クラシック第59公演_2

20190913_大阪クラシック第59公演_1

2019731  ザ・シンフォニーホール・ストリング・クインテット  ワキタ コルディアホール

 

ワキタ コルディアホール(旧 イシハラホール)

A9

 

モーツァルト    :アイネクライネナハトムジーク ト長調 K525

貴志康一        :『日本組曲』より“花見”、"月”、"竹取物語”(恩地孝幸編)

渡邊崇          Color Singing 〔委託作品〕

ドヴォルザーク  : 弦楽5重奏曲 第2番 ト長調 作品77

 

――アンコール  モーツァルト :ディベルティメント第1" アンダンテ

 

クインテットメンバー

1stVn   田野倉 雅秋   大阪フィル首席コンマス

2ndVn   岡本 伸一郎   大阪交響楽団アソシエイトコンマス

Va      木下 雄介      大阪フィル首席奏者

Vc      北口 大輔      日本センチュリー首席奏者

Cb      村田 和幸    日本センチュリー首席奏者

 

開演に先立ち、今年春からホールオーナーとなった企業のオーナー社長、クインテットの生みの親であるザ・シンフォニーホールのゼネラル・マネージャー、そして田野倉雅秋による鼎談あり。毎度のこと、コンサート前のおしゃべりはいいから早く演奏を音楽聴かせてよ”と思う。これから演奏される曲とは関係ない話しが20分ほど続いて開演時間を10分ほど経過し、この日をもって大阪フィルと名フィルとのコンマス契約を終え日フィルのコンマスに就任した以降の活動に話題が移ったところで、プレトーク打ち切り。

 

要の田野倉さんが大阪を離れたら、他のザ・シンフォニーホール座付き弦楽アンサンブル、弦楽4四重奏と同様、こちらも自然消滅かな。鼎談のなかでザ・シンフォニーホールのゼネラル・マネージャーから“これからも大学の後輩の貴殿と・・・”と盛んに秋波を送っていたように思えたのだけど、どうなんでしょう。過去5回、終演時に必ずステージ上から田野倉さん自らマイクを持って次回コンサートの案内を行ってきたものの、この日はそれも無し。特殊な編成故の手探り状態の第1回から、この日のように充実した演奏を聴かせてくれるまでになったのに、まったくもって残念な限り。アンコールの後、全員が舞台に引っ込む際に田野倉さんが他メンバー4人と握手を交わしたのを見て、少々感傷的になってしまった。

 

1回 2017621

2回 2017928

3回 201831

第4回 901893

5回 2019318

 
20190731_ ザ・シンフォニーホール・ストリング・カ

 20190731_ ザ・シンフォニーホール・ストリング・カル



2019420日 4オケ・スペシャル ~佐渡裕&4楽団合同オーケストラ~  『大阪4大オーケストラの饗宴』特別企画

 

フェスティバルホール

2階1列15番

 

指揮                    :佐渡 裕

オーケストラ            4楽団合同オーケストラ

                          大阪交響楽団

                          大阪フィルハーモニー管弦楽団

                          関西フィルハーモニー管弦楽団

                          日本センチュリー交響楽団

 

ホルスト               :組曲『惑星』

                         コンサートマスター 森下幸路

R・シュトラウス       :アルプス交響曲

                         コンサートマスター 田野倉雅秋

                         

プレイベンド

團伊玖磨        :大阪国際フェスティバルホール開幕式のためのファンファーレ

                  ブラス・アンサンブル

サン=サーンス  :死の舞踏(エドガー・ガーティン編)

                  森下幸路、岩谷祐之、林七奈、須山鴨大

 

4年前の第一回を聴いた以降プログラミングに魅力がなくなったこともあり、まったく興味を引かれなくなったこの大阪らしいイベントも、今年は聴き逃せない。例年この週末明けから長期出張が入るので、出張準備のための週末大阪滞在を見越して、発売早々にチケットを購入していた。フェスティバルホール2階最前列で聴く巨大オーケストラは壮観で、音圧も物凄く、演奏を十分に楽しんだ。アルプスシンフォニーの “頂上にて”直前の1番トランペットの跳躍音型や、"終末”のオルガンコーラルに重なる1番ホルン(さすが大阪フィルの高橋将純)など、金管の超難所もすべて見事に決まり、痛快な限り。

 

エンディングにしたがってホール後方に尾を引くように消えていく海王星の合唱は、てっきりPAを使っていると思って聴いていた。舞台袖ではなく客席後方のロビーで歌い、ドアの開け閉めのタイミングを調整して効果を高めたのだそうだ。お見事! 一方で、アルプスシンフォニーでバンダをステージ袖に登場させて吹かせたのは、残念。これは指定通り舞台袖から聞こえてほしい。

 

惑星もアルプスシンフォニーも弦18型。どうせなら惑星は16型でよいからアルプスシンフォニーを20型、いやいや22型でやってほしかった。18型までなら東京でも時々あるけど、さすがに22型(2220181614)となるとサントリーホールでは無理で、体育館のようなNHKホールでしかできない。“他では絶対に聴けない・大阪だからこそ”のイベントとなり、クラシック音楽文化の中心東京に向けたインパクトも強烈だっただろうのに、実にもったいないこと。実際、すでに弦は人数合わせでエキストラを加えて18型を二つ編成しているのだし、フェスティバルホールはフル編成110人でもまだまだ余裕の舞台スペース。

 

4つのオーケストラと適度な距離感を持ち、両曲が振れて、かつチケット販売につながる指揮者は佐渡裕くらいか。残念ながら佐渡裕の指揮は惑星もアルプスシンフォニーも写術性に乏しくつまらなかった。やはりこのようなスペクタクル曲なら大植英次だな、と面白みもなく進んでいく音楽を聴きながら思っていた。佐渡裕は3日後(23日火曜日)に、トヨタ・マスター・プレイヤーズ・ウィーンのメンバーと名古屋フィルの合同演奏(愛知芸術劇場)で同じアルプスシンフォニーを振るらしい。そういえば、今日、体調不良で当初予定の新井英治から急遽コンサートマスターを請け負った田野倉雅秋が終演後すぐにステージを降りたのも、名古屋にとんぼ返りしたからだろうか。

 
4オケスペシャル_20190420

2019318日 ザ・シンフォニーホール・ストリング・クインテット Vol.5

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1K6

 

レスピーギ    :リュートのための古風な舞曲とアリア 第3組曲

タルティーニ   :悪魔のトリル(弦楽5重奏版) 恩地孝幸編

チャイコフスキー :弦楽のためのエレジー『イワン・サマーリンの栄誉のために』

ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第8

――アンコール  貴志康 :“月” 

 

クインテットメンバー

1stVn   田野倉 雅秋   大阪フィル首席コンマス

2ndVn   岡本 伸一郎   大阪交響楽団アソシエイトコンマス

Va      木下 雄介      大阪フィル首席奏者

Vc      北口 大輔      日本センチュリー首席奏者

Cb      村田 和幸    日本センチュリー首席奏者

 

3年ほど前にシンフォニーホール座付きの室内楽団体として弦楽アンサンブル、弦楽四重奏、そしてこの弦楽五重奏と、三つの団体が活動を開始したものの、弦楽アンサンブル、弦楽四重奏ともにどうやら尻すぼみ状態。在版オケメンバーの余暇的活動ではやはり継続は厳しいのかな。弦楽四重奏での企画倒れのプログラムなどひどいものだった。それに対してVn2+Va+Vc+Cbの珍しい編成のこの弦楽五重奏団だけは、毎回個性を際立だせたプログラミング内容で充実している。

 

レスピーギの終楽章コーダで原曲が複数パートで演奏されるところでヴィルトゥオーソな効果を聴かせたり、タルティーニのヴァイオリンソロパートを担った田野倉が技巧を駆使した演奏を繰り広げるのに対して、ピアノパートを担った他4名がノンビブラートで対比させたりと、今夜の演奏もアイディアと卓越した演奏で大いに楽しんだ。特に面白いアイディアだと感心したのは、5弦ダブルベースでチェロのオクターブ下の音を重ねて演奏したショスタコーヴィチ。例のD-S-C-Hのテーマがオクターブで演奏される効果はなかなかのもの。ただし日ごろ室内楽演奏を常としていないメンバーの集まり故か、エッジの効かぬ “生ぬるさ” が漂い、冷酷さ、絶望的な厳しさといった作品の本質に迫るような演奏にまで至らないのは残念なところ。

 

1回から第4回まで破格の2,000円だったものが今回ついに3,000円になり、次回はなんと場所を旧イシハラホール(ワキタコルディアホールと改称)に移し、しかも4,500円と大幅な値上げとなる。演奏曲目も委託作品の初演を含むものの、メインは第1回公演と同じアイネクライネナハトムジークやらドヴォルジャークの弦楽5重奏曲第2番を演奏するらしい。この編成としてのプログラミングの限界を見た、ということだろうか。この日の演奏会は1階席がほぼ埋まるほどにチケットが捌けているのに、もう“座付き”ではなくなるようで寂しい限り。それこそ、ショスタコーヴィチの弦楽4重奏曲をこの編成で全曲演奏、といった尖がった企画をやってくれると面白いのに……などと、好き勝手なことを書きながら、ちゃっかり731日のワキタコルディアホールのチケット、会場での先行販売で購入済みです。


 シンフォニーホール弦楽5重奏_20190318


2018
910日 大阪クラシック2018 第22公演 Zepp Nanba

 

Zepp Nanba 

1H2

 

チャイコフスキー: 弦楽セレナード ハ長調 作品48
 

オーケストラ合同弦楽合奏

1stVn: 田野倉雅秋、里屋幸、三瀬麻起子、友永健二

2ndVn:  増永花恵、永嶺貴洋、横山恵理

Vl:  岩井秀樹、米田舞、飛田千寿子

Vc:  大田雄一、大町剛

Cb:  大槻健太郎

 

昨年の大阪クラシック第34公演で一度経験したZepp Nanba。とにかく日頃、まったく無縁のZeppに入ること自体、なかなかの体験。昨年と同様、“モッシュ・ダイブ・ジャンプ禁止の表示”をちゃっかり撮影。

 

昨年のパーカッション・アンサンブルではまったく気にならない箱鳴り状態の響きも、弦楽合奏となると“演奏を楽しむ場”としてはかなり厳しい。なんだか20代のころ、学生仲間が手作りしたチープなバックロード型ホーンスピーカーでSP復刻版の音を聞いているよう。(なにせ、座席が最前列の左端2番目で、間四角な空間の隅っこ)。

 

演奏前に大植監督の『コンマスの田野倉氏に、自分に振らせろと頼んだのに、ダメだしをされた』とのジョークを交えたスピーチあり。アンコールで “一番有名なメロディーをもう一度…”との紹介で終楽章コーダを演奏して、終演。

 

大阪クラシック2018 第22公演

大阪クラシック2018 第22公演_1

大阪クラシック2018 第22公演_2



201893日 ザ・シンフォニーホール・ストリング・クインテット Vol.4

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1H13

 

モーツァルト: ディベルティメント 変ロ長調 K137

ヤナーチェク: 弦楽のための組曲

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番 イ長調『クロイツェル』

               ~作曲者による弦楽5重奏版

 

―アンコール  レスピーギ:古代舞曲とアリア第3組曲 第1楽章“イタリアーノ”

              モーツアルト:ディベルティメント K136 第2楽章アンダンテ

 

クインテットメンバー

1stVn  田野倉 雅秋  大阪フィル首席コンマス

2ndVn  岡本 伸一郎  大阪交響楽団アソシエイトコンマス

Va     木下 雄介     大阪フィル首席奏者

Vc     北口 大輔     日本センチュリー首席奏者

Cb     村田 和幸   日本センチュリー首席奏者

 

クロイツェル・ソナタは、1年前の大阪クラシック201747公演でザ・シンフォニーホール・ストリング・クインテットの1stVn奏者であり、大阪フィルの首席コンサートマスターである田野倉雅秋のヴァイオリン・ソロ、ピアノ菊池裕介の演奏を聴いている。今年3月のVol.3公演で弦楽5重奏版の演奏が告知されてから、“ほとんど協奏曲のように、相競って演奏されるヴァイオリン助奏つきのピアノ・ソナタ(ウィキペディア)”と作曲者自身が称しているこの傑作ソナタが、一体どのように弦楽5重奏にアレンジされているのか興味深々だった。実は演奏会直前まで、ベートーベン本人による編曲だとは知らなかった。作曲者による編曲版が通常の弦楽5重奏であるチェロ2丁なのに対し、チェロとコントラバスによるこの日の演奏では、日本センチュリー首席村田和幸の弾くコントラバスが第2チェロ・パートをオクターブ下げて弾いていたようで、プレスト楽章など、アクロバティックでエキサイティングなことこの上ない。

 

田野倉雅秋の1stVnがオリジナルのヴァイオリン・ソロパートを、そして他の4名がピアノパートを担うのかな、との聴く前の安直な想像はまったくの間違い。ヴァイオリン・ソロのヴァルトゥオーソな一面をひとたび白紙に戻し、曲本来の楽想と綿密に設計された構成をそのままに、新たに弦楽5重奏曲として一から組み上げた、実に聴き応えのある作品だった。勿論、オリジナルを聞き込んできたわけではないけど、編曲版において、その都度に聞こえてくる旋律線が、オリジナルではソロヴァイオリンなのかピアノの右手なのか(案外に左手なのか)を想像しながら、大変面白く聴いていた。

 

ヤナーチェクの演奏も精緻で素晴らしかった。ザ・シンフォニーホール・ストリング・クインテットの公演も今回が4回目。こうした“座付き”ならではの演目を今後も大いに期待したい。もっとも次回(Vol.5)の来場者向けに先行発売をするにあたり、演奏曲目の告知が無いのはいかがなものでしょう。それとチケット代が、ちゃっかり1,000円値上がりしていたのもちょっと残念。

 

903a2ed6
 

2018418日 ザ・シンフォニーホール・チェンバー・オーケストラ Vol.4

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1R35

 

モーツアルト  : ディベルティメント 変ロ長調K137

ヴィヴァルディ       : 2本のフルートと弦楽合奏とチェンバロのための協奏曲 ハ長調

ヴィヴァルディ       : 2本のオーボエと弦楽合奏と通奏低音のための協奏曲 ニ短調

アレンスキー  : チャイコフスキーの主題による変奏曲 Po35a

ヴィヴァルディ : 4つのヴァイオリンのための協奏曲 ロ短調 Op3-10

ホルスト      : セントポール組曲 OP29-2

 

  アンコール      ジャック・カステード:『笛吹きの休日』

                     エンリオ・モリコーネ『ニュー・シネマ・パラダイス』

 

最終曲セントポール組曲は、在阪オーケストラのコアメンバー(といっても大阪フィルからは、なぜか参加していない)らいしく、鮮やかな演奏。一方でヴィヴァルディの演奏はどの曲も凡庸でつまらない。特にフルートで演奏された4つのヴァイオリンのための協奏曲など、フルートの楽器特性からいっても、イル・ジャルディーノ・アルモニコやビオンディの演奏を聴いたときのような奏者の自発性と精気に満ち溢れた音楽とは無縁になってしまう。

 

それでも、京都在住の奏者によるチェンバロがバロック音楽の骨格を堅持していた。そのみごとな演奏を聴いて、またも“もう二度とお金を払って聴きにいくことなどしない”と心に決めた某在阪オケの不愉快極まり無い思い出が蘇ってしまった。本当にトラウマになってしまっている。

 

ホールの響きとしてはまったく遜色の無いB席なら2,000円なのに、同じ座付きの弦楽4重奏、弦楽5重奏よりもすくないせいぜい300人程度の入りか。

 
シンフォニーホール_チェンバー_20180418

201831日 ザ・シンフォニーホール・ストリング・クインテット Vol.3

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1H13

 

ボッケリーニ: 弦楽5重奏曲 ホ長調

ピアソラ : ヴァイオリンとコントラバスのための5つのタンゴ

シューベルト :弦楽3重奏曲第1番 変ロ長調

オンスロウ :弦楽5重奏曲第15番 ハ短調 作品38『弾丸』

 

  アンコール  モーツアルト:ディヴェルティメント 変ロ長調K1372楽章

 

クインテットメンバー

1stVn  田野倉 雅秋  大阪フィル首席コンマス

2ndVn  岡本 伸一郎  大阪交響楽団アソシエイトコンマス

Va     木下 雄介     大阪フィル首席奏者

Vc     北口 大輔     日本センチュリー首席奏者

Cb     村田 和幸   日本センチュリー首席奏者

 

前回Vol.2会場での先行発売でC列を購入済みだったことをみごとに失念しており、昨年末にH列の席も買ってしまった。ということで、C列席を知人に譲って、私はH列に。

 

3楽章“メヌエット”(20代のころ、勤務先事業所工場の始業前のBGMだった)が“次回曲目告知”として前回アンコール演奏されたボッケリーニが、なかなかの佳作。しかも原曲Vc2丁のところを、VcCbとしたことで面白みが増した。ボッケリーニといえば、その“メヌエット”を別とすればギターとの弦楽5重奏を知るのみで、今回Wikipediaで調べてみるとかなりの多作であることにちょっと驚き。

 

Vn2Va+Vc+Cbの編成による埋もれた作品を聴かせてくれる、という意味でオンスロウを紹介してくれたことに感謝。この作曲家もWikipediaによればかなりの多作家らしい。ただし、作品に纏わるエピソードを演奏前に紹介してくれたので面白く聴けたにしても、作品自体は“歴史の埋もれること、然もありなん”ですね。

 

次回のメインはなんと、クロイツェル・ソナタの弦楽5重奏版とのこと。これは聴かなきゃならない。

 
シンフォニーホール弦楽5重奏_20180301

2017928日 ザ・シンフォニーホール・ストリング・クインテット Vol.2

 

大阪ザ・シンフォニーホール

11列目

 

マルティヌー   : 3つのマドリガル H.313

メンデルソーン  : 弦楽のための交響曲 第1番 ハ長調

M・ハイドン    : ディベルティメントMH27 ハ長調

ブリテン       : シンプル・シンフォニー 作品4

  -- アンコール  ボッケリーニ:弦楽5重奏曲 ホ長調“メヌエット”

 

クインテットメンバー

1stVn  田野倉 雅秋  大阪フィル首席コンマス

2ndVn  岡本 伸一郎  大阪交響楽団アソシエイトコンマス

Va     木下 雄介     大阪フィル首席奏者

Vc     北口 大輔     日本センチュリー首席奏者

Cb     村田 和幸   日本センチュリー首席奏者

 

メンバー5名の内、1stVn田野倉とVa木下にとって、一昨日、昨日と所属する大阪フィルの定期で未完成とグレートシンフォニーをそれぞれコンマス、トップ奏者として弾ききった後にもかかわらずの演奏会。とはいっても、なるほど、これならこなせるか、といったプログラミング。マルティヌーはその両名のデュオ曲なので、定期の合間を縫って合わせられるし、ミヒャイル・ハイドンのディベルティメントは今週演奏会のない他2オケ所属3名によるトリオ演奏(Vn+Vc+Cb)なので、あわせる機会は余裕を持て得られたはず。つまり5名全員で演奏するメンデルスゾーンとブリテンを当日昼間にあわせてしまえばよい。ホール付きのクインテットとして本番と同じステージを使用できたとすれば、在阪プロオケの主席奏者5名なので、こまかな調整も含めて完璧にこなせたことだろう。

 

前回のVol.1の会場先行販売で購入したステージ最前列中央席は、この団体の演奏会に限って言えば選択ミス。できる限り聴衆の近くで、との思いはありがたいが、ステージ際まで寄ってきて演奏するので、メンデルスゾーンとブリテンの5重奏は真正面のVcCbの音がVn2丁の音より2倍近く大きく聞える。とくにメンデルスゾーンは曲の大部分をVcCbがオクターブで弾くので、なおさらだった。会場での先行販売された来年3月のVol.3のチケットを購入してしまった。ちょっとだけ反省が効いてC列。改めて思えば、いつもオーケストラを聴くときのL、M列下手あたりにしておけばよかったかもしれない。

 

それにしても、ザ・シンフォニーホールの音は“すばらしい”の一言。私の中では、“日本一”だ。

 
ザ・シンフォニーホール_クインテット_20170928


2017年9月1日 ザ・シンフォニーホール・ストリング・カルテット Vol.1

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1J34

 

バーバー      : 弦楽四重奏曲第1番 第2楽章『アダージョ』

マンシーニ    : ムーンリバー

S・ジョプリン : ラグタイム

ガーシュイン・メロディー

ドヴォルザーク       : 弦楽四重奏曲第12番 へ長調『アメリカ』

   アンコール  チャイコフスキー :アンダンテ・カンタービレ

 

カルテットメンバー

Vn     松浦 奈々   日本センチュリー コンマス

Vn     森下 幸路   大阪交響楽団首席ソロ・コンマス

Va     飯田 隆      日本センチュリー

Vc     北口 大輔     日本センチュリー首席奏者

 

この演奏会も新ホールオーナーによる新機軸のひとつ。メンバーは4名中3名が日本センチュリーのメンバーのため、休憩後のドヴォルザークで松浦奈々が1stを務めると、聴く前から“どうぞ気心のあった仲間で達者な演奏を聴かせてください”といった雰囲気で収まってしまう。その意味では、森下幸路が1stを務めた前半が面白い演奏になりそうなものだったのだけど….

 

前半メインのガーシュインをバックに行われた関西在住の画家によるアートパフォーマンスがいただけない。日本センチュリーのホルン奏者である三村総徹氏がこの日のために趣向を凝らしてアレンジしていたというのに、彼は曲調の変化や、各声部が寄り添ったり重なりあったりといった弦楽4重奏の持つ面白みや醍醐味など見事なまでに無視して、ただメロディーにあわせたような、とりとめのない線をマジックで描いていただけ。

 

それでも最初のうちは、この “画家” がどういったインスピレーションを演奏から得ているのかを探ろうと真剣に眺めていたけど、そのうち “何の共感もインスピレーションも無い” ことに気づいてからは、ひたすらじっと目を閉じて聴いていた。目障りなパフォーマンスを延々と見せつけられるのは迷惑極まりない。氏が “画家” としてどれほどの評価と知名度を得ているかなど皆目存ぜぬし興味もないけど、すくなくともコラボレーション企画としては、完全にミスキャスト。

 

次回は “ロシア” がテーマとのこと。せっかくのホール付き弦楽四重奏なのだから、余計なことはせずに “音楽” を聴かせてくださいね。都合がつけば是非聴きにいきますから。

ザ・シンフォニーホール・ストリング・カルテット_20170901

 


2017
621日 ザ・シンフォニーホール・ストリング・クインテット Vol.1

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1J

 

モーツアルト         : アイネ・クライネ・ナハトムジーク K525

ロッシーニ           : チェロとコントラバスのための2重奏曲 ニ長調

コダーイ             : 2つのヴァイオリンとヴィオラのためのセレナード OP12

ドヴォルザーク       : 弦楽5重奏曲 第2番 ト長調 OP77

    ――アンコール レーガー:叙情的アンダンテ“愛の夢”

 

クインテットメンバー

1stVn  田野倉 雅秋  大阪フィル首席コンサートマスター

2ndVn  岡本 伸一郎  大阪交響楽団アソシエイト・コンサートマスター

Va     木下 雄介     大阪フィル首席奏者

Vc     北口 大輔     日本センチュリー首席奏者

Cb     村田 和幸   日本センチュリー首席奏者

 

呼び込みチラシの裏面に次のように書いてある・・・・

2017年、開館35周年を迎えるザ・シンフィニーホールから新たにThe Symphony Hall String Quintetが始動。クラシック喫茶のように気楽に、でも心から音楽を堪能する至福のひとときをお贈りするとともに、さまざまなコンサートの楽しみ方を追求・提案していきます。 ――中略―― ザ・シンフォニーホールの音響空間を存分に生かした美しい音色、見事に息の合ったアンサンブルはシンプルに音楽の楽しさを感じさせてくれるでしょう。』

 

この演奏会も数年前にホールのオーナーシップが朝日放送から慈慶学園グループに移ってから矢継ぎ早に繰り出される新機軸のうちのひとつ。すでに同じ趣旨で始まった弦楽アンサンブル(The Symphony Chamber Ensemble)、弦楽4重奏(The Symphony String Quartet)は都合がつかなかった・・・と言うより、ありきたりのプログラミングであまり魅力を感じず都合をつけて聴きにいかなかった。対してこの在阪オケのトップ奏者を集めた弦楽5重奏は、2nd.Vaでも2nd.VcでもなくCbを加えたユニークな編成で “何か面白いことをしてくれそう” との期待感を抱かせる。翌木曜日の関西フィル定期、金曜日の大阪フィル定期(準・メルクルがペトルーシュカを振る)、さらには週末をはさんで月曜日に読響の大阪定期(シモーネ・ヤングがアルプス交響曲を振る)とコンサートが続くというのにチケットを買ってしまった。

 

休憩を挟んで2時間20分のコンサートを聴き終えての感想は、“ホール常設の5重奏団としてのコンセプトがまだ定まっていない” ということ。2Vn+Va+Vc+Cbで書かれた作品がほとんど無いなか(今後どんどん歴史に埋もれた無名の作品を掘り起こすなら話は別だけど)、その限られたオリジナル作品を入念に仕上げて聴かせるのか(今日のドヴォルザーク)、それとも極小オーケストラとして演奏するのか(例えばアイネ・クライネ・ナハトムジーク)? 本日のアプローチはどっちつかずなままで、アイネ・クライネ・ナハトムジークは1st Vn田野倉が遠慮し過ぎていて、眠たくなるくらいつまらない演奏。一方でコダーイは(2Vn ,Va3重奏)、逆にその恭謙さが上手くバランスさせて曲の持つ深みを引き出すことに。

 

ドヴォルザークの室内楽はStamits Quartetの全集CD10枚セットをiPadに入れていて日ごろ新幹線で移動のときに良く聴く。有名曲12番に限らず多くの曲はその中間に置かれた暖徐楽章が翳りと郷愁に満ちていて大変魅力的なのだけれど、今日始めて聴いた5重奏曲はポコ・アンダンテの第3楽章が明るく平和で慈愛に満ちており、5名の名手による演奏はこの日の最高の聴き所だった。

 

ロビーで928日のVol.2のチケット先行販売がされたので、後先の都合も考えずに最前列の席を購入してしまった。後で確認したら、大阪フィル9月定期(26日、27日:ユベール・ズダーンがシューベルトの未完成とザ・グレートを振る)の翌日でなないか!。また連荘になってしまった。(ところで、コンマスとVaトップも定期翌日の演奏なんだけど、練習してる時間、あんのかなぁ)

 
シンフォニーホール弦楽5重奏_20170621


2016224日 大阪交響楽団 200回定期演奏会 

 


ザ・シンフォニーホール

1階中央

 


ジークフリート・ワーグナー:交響詩「憧れ」

リヒャルト・ワーグナー:楽劇「ニーベルングの指輪」より抜粋(児玉宏編)

 


指揮:児玉 宏

 


私はワグネリアンです。「ニーベルングの指輪」は大学進学のお祝い3万円を握りしめ下宿近くのレコードショップに駆け込み、棚の最上段に祭るようにおかれたショルティのLP22枚ボックスセット(デリック・クックのライトチーフ集を納めたLP3枚と豪華対訳本付)を買い求めて以来、40年来のお付き合い。 1987年のベルリン・ドイツ・オペラ来日公演の際、東京文化会館ロビーで日本ワーグナー協会に入会してからは、いつかバイロイト詣でを…と願いつつ、毎週末に書斎で「指輪」か「トリスタンとイゾルデ」を大音量でスピーカーから流し“パソコン仕事を捗らせるにはワーグナーが一番”と悦に浸っています。

 


2頁超に及ぶ充実した曲目解説をパンフレットに寄稿されている音楽評論家(当日、東京から駆けつけてお聴きになられたとのこと)がブログに、“もっと頑張っていただかなければならぬ”とお書きになられている(きっとお立場上、中庸な表現をせざるを得ないのでしょう)けど、大阪に縁も所縁もなく、音大出身でもなく、音楽業界などともまったく無縁ゆえ、一切のしがらみなどなく思うことを率直に記すと、本日の「指輪」はプロ演奏家として入場料を得て(S6,000円で大阪では大阪フィル定期と同額)演奏を披露するに値するとはとても思えない。

 


たとえば、ちょっとしたところで音を外した、などといった実演では当然あるだろうキズを取り上げて、演奏そのものを語るような偏狭では決してない。今日の演奏は全く次元の違う話で、パフォーマンスを提供し報酬を得るプロフェショナルとしてはお粗末の一言ということ。たとえばN響首席クラスをエキストラに呼んで欠員の首席パートを任せるまでの覚悟で、ハイドン連続演奏会に毎回臨んでいる日本センチュリーなどとは団体の目指すビジョンが本質的に異なるのでしょう。

 


とにかくアマチュアレベルの友人がたをかき集めてきたかのようなエキストラが半分を占める演奏は、どのパート・セクションも大変頼りなくワーグナーの音楽への敬愛も情熱も感じられない。弦は薄っぺらくピッチのずれもかなりなもの。ラインの波は全くはじけないし、救済の動機は音楽を大団円に至らしめない。最たるのは、槍の動機とともに“Loge, Hor”と歌いだす直前、ヴォータンの重大な決心を示す Vcの聴かせどころ(B -A –Dと最後のクレッシエンドをするところ)で肝心D音が数名、どっぱずれ。不協和音どころでなない、不気味な二重音がホールに鳴り響く。終盤に向かって何となく演奏もまとまってきたかのように聴こえるけど、あくまでも作品自体が充実しているからで、Bass Tr、ConBass Tbも含めた分厚いブラスに埋もれて目立たないだけ。

 


木管はピッチがずれまくりだけど(どうして演奏中にピッチ調整しないのだろう)、さらにひどいのは金管セクション。 舞台下手に2列に並んだ9本のホルンは精々4本分の音量で、開始早々の生成の動機からボロボロ。舞台袖で10人目の奏者が角笛のソロを吹くのだけど、こちらもパッセージを吹ききれない。(ファーフナーを洞窟から呼び起こし戦いを挑む最高難度の箇所ではなく、その後の“森のささやき”前あたりの角笛の動機を少々の間、吹くだけなのだけど)。Trbの運命の動機は各奏者のニュアンスがバラバラで絶望感など皆無。ただBass Trp201412月の第九演奏会の前半に演奏した「ブリュンヒルデの自己犠牲」で素人丸出しだったエキストラ奏者とは別の方だったのがせめての幸い。

 


NHKの収録があり414日のクラシック音楽館で放映予定とパンフレットに記されていたけど、Vcのどっぱずれの箇所など、無残な箇所は編集で調整するのだろうか?きっとプロデューサーも頭を抱えているに違いない。

 


ところで編曲は世に多くある抜粋版とは異なったアプローチで、いわゆるコンサートピースをつなぎ合わせるのではなく、75分を連続したひとつの作品と意識させることを意図されていたと思う。ブリュンヒルデの自己犠牲”までは、あえてドラマティック過ぎないように配慮して曲をつないだことで全体の統一が図られていたとしても、一方その裏返しで、例えば“魔の炎の音楽”など重要な聞きどころが含まれていないことで面白味にかけたのも事実。

 


個人的には、ラインの黄金第2場への移行の場面で、霧がはれてヴァルハラ城が現れる(ヴァルハラの動機が完全な形で示される)シーンを挿入してくれたのはとてもうれしい一方で、死の告知の場面ではモチーフを一回だけの展示でなく、原曲通り執拗なくらいに繰り返すくらいに徹してほしかった。なお、ギービヒ家の群集集合のシーン(第2幕第5場)から連続して、第3場第2場のジークフリートがハーゲンの槍に倒れ、家来達が“Hagen, was tust du?と叫ぶ場面につなげるのは、とてもよいアイディアで、聴いていて“おっ、こう来るか”とちょっとニンマリ。

 


前半のめったに聴くことのできないジークフリートの交響詩を聴くことができたことは大変貴重で有意義なことに違いありません。後期ロマン派そのものといった作風と、表題が想起するいろいろな感性を巧みに表現した曲で、例えば“憧憬”、“思慕”、“雄心”などなどいろいろなイメージを抱きながら聴くことができました。しかしながら、前回定期の“なんちゃってチェンバロ”、そして今回定期と続いたことで決心しました。今後、貴重な時間とお金を消費してまでこの団体の演奏を聴きに行くことはもうないでしょう。

大阪交響楽団_200回定期

2016126日 大阪交響楽団 第199回定期演奏会

 


大阪ザ・シンフォニーホール

オルガン席

 


すべてヨーゼフ・ハイドン

歌劇「無人島」序曲

歌劇「アルミーダ」よりアルミーダのレチタティーヴォとアリア

       “私があなたを愛しているのをわかって~憎しみ、怒り、侮辱、苦しみが”

交響曲第49番「受難」

シェーナ「ベレニーチェ、どうするの?前の愛する人が死ぬというのに」

交響曲第45番「告別」

 


指揮            :園田 隆一郎

ソプラノ        :砂川 涼子

 


“あきれて開いた口がふさがらない”とはこんなことを言うのだろう。私の座ったオルガン席からチェンバロがほぼ真後ろから見えていたのだけれど、“まったく”と言っても過言でないくらい、弾いていない。譜面台に置いた総譜をただひたすらめくり、ほんの時たま、トゥッティの箇所で、恐る恐る鍵盤に指を置いて、目立たないように、オーケストラの音に埋もらせるようにわざと少し遅れて、ちょっとだけ音を出すだけ。

 


交響曲第45番の際にはついに音楽を聴く気にもならず “いったいこの奏者は何回鍵盤に触れるのだろう” と凝視して指折り数えていたら、第1楽章で4回、第2楽章で4回、第3楽章で7回ほどだった。それも、すべてほんの一瞬オーケストラのメロディーラインに合わせて単音を弾いた程度。きっとアマチュアのオフザケに違いないと思ってプログラムに記載された名前をネットで確認したらどうやら職業演奏家さんらしい(敬意を表してプロと記す気にならない)。

 


「告別」のエンディングで奏者が徐々にステージから去っていく演出で、終演後に指揮者の園田隆一郎さんのみステージに戻り観客に向かって挨拶されたけど、もしこの “似非” チェンバロ奏者がステージに戻ってきたら、“ブーイング”しようかと半分真剣に思ってしまった。ちなみに、ホールロビーで真剣に演奏したオーケストラメンバーに交じってこの奏者も観客の見送りをしていたけど、不愉快に感じた。

 


日本センチュリーがハイドンマラソンにいかに真摯に取り組んでいるかを、改めて思い知らされた一夜でした。


大阪交響楽団199回

このページのトップヘ