あーと屋のほぼ大阪クラシック演奏会気まま日記

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2021115日石田泰尚 ヴァイオリンリサイタル2020 ザ・シンフォニーホール

 

ザ・シンフォニーホール

3RRB3

 

ヴァイオリン           石田泰尚

ピアノ                 :山中惇史

 

ドヴォルザーク               ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ

フランク                     ヴァイオリンソナタ イ長調

〜 休憩

クライスラー           :       テンポ・ディ・メヌエット

                              シンコペーション

                              ウィーンの小さな行進曲

ピアソラ                      アディオス・ノニーノ

フラカナーパ

天使のミロンガ

現代のコンサート ~タンゴの歴史より

ル・グラン・タンゴ

―アンコール   ジョン・。ウィリアムス  :映画『シンドラーのリスト』のテーマ

                シュニトケ             :タンゴ

                ロドリゲス             :ラ・クンパルシータ                  

                                                

 

あれれ~、年を跨いで7つも書き溜め。小菅優ピアノリサイタル、大フィル_チャイセレⅢ、大フィル_新春名曲、日本センチュリー_豊中名曲、石田泰尚ヴァイオリンリサイタル、日本センチュリー252定期を順次、Evernoteのメモを見ながら備忘禄として・・・

 

神奈川フィルのソロコンサートマスターで、ハマのカリスマ・ヴァイオリニストのリサイタル。ヴィジュアルとクラシック音楽(ドヴォルザークとフランク)とのギャップが受けるのか、やはり女性のお客さんが多いような(といっても、このコロナ禍で入りは2割ほどだけど)。私もサードアルバム『Pure Violin』、愛聴してます。

石田組での定番アンコール、パープルの『BURN 紫の炎』を期待してたけど~ソロではやってくんないのか、残念。

20210115_石田

20210115_石田_あ

20201125日 小菅優 ピアノリサイタル コンサートシリーズ『Four Elements』第4弾 いずみホール

 

いずみホール

1階E8

 

ベートーベン            :バレエ『森の乙女』のロシア舞曲に主題による変奏曲    

シューベルト           :幻想曲 ハ長調D760 『さすらい人』

ヤナーチェク           :ピアノソナタ『1905101日・街頭にて』

藤倉大                 AKIKO's Diary

ショパン               :ピアノソナタ 第3番ロ短調 op58

 ――アンコール  ショパン:ノクターン第5番 嬰へ長調

 

あれれ~、年を跨いで7つも書き溜め。小菅優ピアノリサイタル、大フィル_チャイセレⅢ、大フィル_新春名曲、日本センチュリー_豊中名曲、石田泰尚ヴァイオリンリサイタル、日本センチュリー252定期を順次、Evernoteのメモを見ながら備忘禄として・・・

 

小菅優のピアノ演奏、これまでオーケストラとのコンチェルト演奏ばかりで、今回が初めてのソロリサイタル。最初のベートーベン開始早々から、正確で緻密、みずみずしさすら感じるタッチに魅了される。壮大で、まるでオーケストラを聴いているかのようにシンフォニックでいろいろな音色が聴こえてきそうなシューベルトのさすらい人幻想曲、そして圧巻のショパンのロ短調ソナタ。もう小菅優の魅力に完全に虜になってしまった。近年聴いた日本人プロピアニストの演奏の記憶が一気に色褪せてしまう。たとえ遠方に足を運んででもリサイタルを聴いてみたい、そう心底から思ったピアニスト。


20201125_小菅優

20201124日 鶴澤寛太郎 文楽三味線の世界 〜大阪倶楽部公開文化サロン 

 

大阪倶楽部ホール

 

三味線  鶴澤 寛太郎  

太夫   竹本 太夫 

 

 

1 ★トーク『文楽三味線の魅力を語りつくす』

ナビゲーター: 藤川貴央(ラジオ大阪アナウンサー)

 

2 ★ 素浄瑠璃『日吉丸稚桜 駒木山城中の間』

 

19歳から10年ほど琴古流尺八を習っていたので、琴や三味線には馴染みがある。だたのクラオタじゃないんだぞ~、って言うか、そもそも日本人たるもの西洋音楽をスノビッシュに語る前に、自国の古典芸術にもっと親しまないと…なんてね。

 

この度の大阪倶楽部4階ホールでの素浄瑠璃は、クラシック音楽でいえば、フェニックスホールで国内トップ・オケのコンマスによるヴァイオリンとピアノの重量級ソナタを聴いたような体験…といったらいいだろうか。徐々に熱を帯びていく太夫に沿うように、始め淡々と合いの手をいれていた三味線のバチ捌きが、どんどんテンションを高めていって、終盤にかけて息詰まるほどの緊張感に至る様は、もう圧巻の一言。

 

なお素浄瑠璃上演に先立って、関西人らしい爆笑のなかにも高いプロ意識を感じさせる素敵なトークも楽しませていただいた。

 

すでに一月以上経過したけど、速記メモを頼りに・・・

 

光があたる太夫に対して、三味線は影の存在でなかなか目立たないが、物語の進行や雰囲気を決定づける鍵を握っている。

太夫の描いた絵に色を付けるのが三味線の役割。水墨画のような濃淡を表現するのか、極彩色にするか…三味線奏者ならではの醍醐味が味わえる。

ジャズ好きの人から文楽三味線は、音の並びがジャズに似てると言われる(邦楽器の音階は、いわゆるヨナ抜き音階で、洋楽のペンタトニック・スケールですね)。また太夫とのコンマ数秒のやり取りにジャズの即興性を感じるのだと思う。

太夫と三味線がお互いに自分の芸をもって主張しながら作品を作り上げている。太夫の語りを聴きそれに沿うように演奏するが、太夫の芸が成立することを大前提に自分の意思を通す場合もある。
それでも、真に芸を極めた太夫の伴奏では、ある定まった一瞬しか音を出すタイミングが存在せず、自分は弾かされている、と感じることがある。

 

 

≪閑話休題≫

終演後に大阪倶楽部の館内見学をさせていただいた。大正元年に創立された本格的な英国風建造物で、普段は会員しか入れないにもかかわらず、なんと写真撮影OKでした。

 

 
20201124_文楽_大阪倶楽部

20201124_文楽_大阪倶楽部_2

20201124_文楽_パンフ

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大阪倶楽部の館内見学会にて
20201124_大阪倶楽部_1

20201124_大阪倶楽部_2

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20201124_大阪倶楽部_6?

20201111日 横山幸雄ピアノリサイタル 京都コンサート

 

京都コンサートホール ムラタホール

11427

 

ピアノ          :横山幸雄

 

ベートーヴェン        ピアノソナタ 第17番『テンペスト』

                        ピアノソナタ 第32番 ハ短調

ショパン              アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ 変ホ長調

                       バラード第1番 ト短調

                       ノクターン第20番 嬰ハ短調

                       幻想即興曲 嬰ハ短調

                       スケルツォ 第3番 嬰ハ短調

                       子守歌 変ニ長調

                       ポロネーズ 第6番『英雄』 変イ長調

  ――アンコール     子犬のワルツ

 

〜 相変わらずの東奔西走状態が続いており、またもや2週間6公演(ソアレ、ウィーンフィル、横山幸雄、日本センチュリー定期、大阪フィル定期)を書き溜め。先週の関西フィル定期はやむなく行けずじまい。とにかく、備忘メモとしてせめて演奏会の場所・日時と曲名だけは書き留めとかないといけない。あと、散文的にでもなんか書き留めておけば、後々、思い出すことができる…ということで、ほんとザックリと…

 

鉄人的ピアニスト、横山幸雄の面目躍如というべきか、すべてをあっさりと弾ききっちゃう。そういえば、今この記事を書いている今この時(12/519時)、東京でソナタ32全曲連続演奏会の終盤を迎えているころのはず。丁寧に仕上げられたベートーヴェンのソナタ2曲に対して、後半のショパンはどれも足早で、勿論ぞんざいに…などではまったくないけれど、最初と最後に置かれた2曲のポロネーズや、幻想即興曲など、あっさりした塩ラーメンを食べたような感じ。

 
20201111_横山幸雄

20201029日 土井 緑 ピアノリサイタル ~パリで煌めく作曲家達 Vol.6

 

ザ・フェニックスホール

 

ピアノ          :土井 緑

 

アルベニス      :カディス 『スペイン組曲』第1集 0p46より

プーランク      :バディナージュ ト長調

大澤壽人        :『小デッサン集』

リスト          :悲しみのゴンドラ第1番 変イ長調

リスト          :オーベルマンの谷 『巡礼の年第1年スイスより』

  休憩

セヴラック      :水の精と不謹慎な牧神

ラヴェル        :『夜のガスパール』

――アンコール

                        知らない曲

        ショパン        :幻想即興曲

               

 

ー読響大阪定期、日本センチュリーハイドンマラソン、土井緑ピアノリサイタル、大阪フィルマチネと、いつものようにため込んでしまった。時間作ってサクッと書きます。-

 

このブログ、実際に接した演奏会は自分でお金を払って聴く以上は、プロ・アマを問わず、たとえ辛口になってでも感じたことを率直な言葉で書き留めることにしている。ただ、この演奏会は、演奏者ご本人(土井緑さん)から同じワーグナー協会員としてのご厚意でいただいた招待券で聴いたので、感想等の記載は一切無し、です。

〜昨年と同じですね…そういえば開催日も1129日で同じ〜

 

と言いながら、一言だけ…

難曲『夜のガスパール』、作曲者ラベルの作品に込められた内容は別にして、私はこの曲を聴くたびにベトナムやタイの高温多湿な街に滞在した時のネットリとした夜を思い出すのだけど、この日の演奏はまさにこのイメージ通りだったなあ。

 

20201029_土井緑_1


2020831日 白井圭 & 伊藤恵のシューベルト&シューマン

 

ザ・フェニックスホール

1階B15

 

ヴァイオリン           :白井 圭

ピアノ                 :伊藤 恵

 

シューベルト           :ソナティネ 第1番 ニ長調

シューマン             :ヴァイオリンソナタ 第2番 ニ短調

  ~休憩~

シューマン             :ヴァイオリンソナタ 第1番 イ短調

シューベルト           :幻想曲 ハ長調

 

いや~、よかったなあ。こんなにも幸福な気持ちに浸らせてくれるなんて、ほんと久方ぶり。シューマンとシューベルトの歌に満ちた4曲を通して、すべての音符に、そして音の鳴っていない休止符までも血の通った、心地よい緊張の連続。

 

白井圭の濁りのない、そして一音も緩むことなく一貫して完璧にコントロールされたヴァイオリンの音は、N響ゲストコンサートマスターの実力通り。そして繊細なタッチで統一された伊藤恵のピアノがまた、素晴らしいの一言。ほんと、このザ・フェニックスホールで室内楽伴奏のピアノを聴くと、ピアニストの実力が(残酷なまでに)はっきり判ってしまうのだけど、う~ん、唸るほどに上手がった。

 

20200831_白井圭

2020827日 松浦奈々 ブラームス ヴァイオリンソナタ全曲演奏会

 

ザ・フェニックスホール

1階B9

 

ヴァイオリン           :松浦 奈々

ピアノ                 :須関 裕子

 

ブラームス            ヴァイオリンソナタ第1番 ト長調 『雨の歌』

                       ヴァイオリンソナタ第2番 イ長調

                       ヴァイオリンソナタ第3番 ニ短調             

  ―  アンコール            曲名不明

 

昨年2月から6月にかけて行われたベートーベンソナタ全曲演奏会の時と同じピアニスト。たしかツィクルスの何回目かの時に、『お互い桐朋の同窓生で…』と紹介していたのを思い出した。日本センチュリーのコンサートミストレス、松浦奈々の安定感はいつもの通り ----- と、ここまで書いたことろでブログ原稿書きを中断して、白井圭&伊藤恵のシューベルトとシューマンの演奏会(同じフェニックホールでの〝ヴァイオリンによるドイツ・ロマンティシズム”と題された2公演セットのコンサート)を聴きに行った(9/1

 

いや~、ヴァイオリニストもピアニストも格が違うわ。この二人でブラームスを聴きたい、って正直思った。ということで、この日の演奏会“楽しみました”と感想一言だけにとどめておきます。

 
20200827_松浦奈々

2020327日 片桐仁美・堅田京子ジョイントリサイタル ザ・フェニックスホール

 

ザ・フェニックスホール

1階B7

 

アルト                  :片桐 仁美

ピアノ                  :堅田 京子

ギター                  :増井 一友

 

リスト                  :楽に寄す D547

                              死と乙女 D531

                              夜 WoO

                              さすらい人の夜の歌 D768

 

リスト                  :ピアノ・ソナタ第18番 ト長調『幻想』 D894

 

       ~ 休憩

ブラームス              :ピアノのための4つの小品集

 

ヨーゼフ・マルクス     :風車

                                         窓辺にて

                                         煙

                                        雨

フーゴ・ヴォルフ       :ミニヨンの4つの歌

  ――アンコール

        ピチカート・ポルカ J・シュトラウスⅡ  ※ 堅田京子

        ウィーン・我が夢の街  ※ 片桐仁美、堅田京子、増井一友

 

今年は日本国内のワーグナー楽劇上演の当たり年だと思っていたら、主要公演は“神々の黄昏”(びわ湖ホール)に続いて“トリスタンとイゾルデ”(東京音楽祭・春)も中止となり、6月の“マイスターマイスタージンガー”だけとなってしまった。こうなってくるとワーグナーというワードに飢えてくる。この日の演奏会はクブファー演出バレンボイム指揮のバイロイト公演でジークルーネを歌った実績を持つ片桐仁美が、音大同級生の堅田京子とのジョイント・リサイタル。

 

都度に書いているとおり、このブログは作品説明は一切しないことをルールとしているけど、最初にシューベルトの有名リート3曲とともに歌われた“夜”(WoO:作品番号なし)については、ネット検索しても情報が得られなかったので、プログラム記事を以下に抜粋。

 

==QUOTE

今回取り上げる曲は、~略~、そして全く無名な「夜」です。この「夜」は長い間プライベートに所属されていたもので、初演は1989年です。ギター伴奏で書かれていて、ピアノ伴奏の楽譜は1990年に作らえて出版されています。今日は増井さん(今日の伴奏者:アート屋)所有の、19世紀前半の三大ギター名工の一人、ルイ・パノルモが1839年に作ったギターで演奏いたします。

==UNQUOTE

 

最初のシューベルトのリート4曲は、もともとピッチの曖昧さが魅力のギター伴奏ということもあったのだろうか、なんだか歌いにくそうで、また中域音程が時に喉に引っかかるようなころとがあって、少々不調気味。それでも後半は持ち直して、最後のヴォルフ“ミニヨンの4つの歌”は、感情をたっぷりとのせた貫禄の歌唱だった。

 

シューマンが形式的にも精神的にも完璧と絶賛したとされるシューベルトの幻想ソナタは、私には冗長に過ぎて、あまりに長すぎる。ワーグナー楽劇の5時間を全く長いなんて感じないのに、幻想ソナタの40分を聴きとおすのは結構キツイ。これを暗譜で弾くなんてプロは凄い。ブラームスのラプソディー“ピアノのための4つの小品集の4曲目”が一番聴いていて面白かった。やはり、ピアノ独奏曲は全般に聴きなれていない。

 
20200328_ジョイントリサイタル_フェニックスホール

 

2020316日 "東京・春・音楽祭2020" ベルリン・フィルのメンバーによる室内楽  ~ピアノ四重奏の夕べ ザ・フェニックスホール

 

ザ・フェニックスホール

1階B18

 

ヴァイオリン    : ガイ・ブラウンシュタイン

ヴィオラ        : アミハイ・グロス

チェロ          : オラフ・マニンガー

ピアノ          : オハッド・ベン=アリ

 

モーツァルト    :ピアノ四重奏曲 第1番ト短調K478

フォーレ        :ピアノ四重奏曲 第1番ハ短調

ドボルジャーク  :ピアノ四重奏曲 第2番変ホ長調

 

"東京・春・音楽祭2020"HP上で、この“いずみホール公演”は実施予定と継続してアナウンスされてはいたものの、直前まで中止発表を覚悟していた。演奏会当日の夜(ちょうど演奏会が行われている頃)、ついにEUの欧州委員会がシェンゲン協定加盟国に対してEU域外から域内への不要不急の移動制限案を提示しており、この公演の決行はメンバー帰国手配を進めながらのギリギリの判断のなかでのことだったのでは、と思う。よくぞ実施してくれたものだ。いちクラシックファンとして感謝の言葉しかない。

 

昨年と同様、演奏に大変感銘を受けた。おそらく大阪で聴くことのできる最も優れた室内楽演奏ではないだろうか。完全な調和の上で、ダイナミックに個を主張していく弦楽器とピアノ。演奏に対する感想は昨年と全く同じ。あれこれ字面をならべるより、昨年のブログ記事を一部再掲。なお、昨年の同団体のいずみホール公演メンバーからヴァイオリンが、ノア・ベンディックス=バルグリーからガイ・ブラウンシュタインに変更となっている。

 

昨年の同団体の演奏会のブログ記事の一部を再掲

~~ 
ピアニストのオハッド・ベン=アリがまた素晴らしかった。同じフェニックスホールのスタンウェイが、過去に聴いてきた室内楽演奏のピアノの音と全く違う。あのような固すぎず音の芯のしっかりした音は、いったいどうやったら出せるのだろう。ピアノの左手がオラフ・マニンガーの弾くチェロと同じ旋律線を奏でるとき、発音の仕組みが全く異なる二つの楽器がどうしてこんなにも調和するのだろうか。ピアノのタッチ、チェロのピッチ、そして奏者の息が完全に一致している。
~~

 

欧州委員会による渡航禁止が発表された時点である程度覚悟はしていたものの、今週半ばに、ついにトリスタンとイゾルデの公演も中止となってしまった。指揮者や歌手が来日できなのではどうにもならない。2日と5日の両方のチケットを押さえていたのに…。

 

 

 

 
20200316_ベルリンフィルのメンバーによる室内楽

20200316_ベルリンフィルのメンバーによる室内楽_1

2020313日 日本・リヒテンシュタイン公国友好101周年記念コンサート 京都コンサートホール アンサンブルホールムラタ

 

京都コンサートホール

アンサンブルホールムラタ

 

ピアノ        津田理子

マティス・べロイター

 

ベートーヴェン  :ピアノソナタ 第14番 ハ短調『月光』 マティス・ベロイター

                 ピアノソナタ  30  ホ長調                -同上―

休憩

                 ピアノソナタ第3番 ハ長調            津田 理子

                 ピアノソナタ第18番 変ホ長調           -同上―

 

スイス在住の日本人篤志家を中心に若手音楽家育成と国際文化交流の促進支援活動を続けている“若手音楽家育成アヤメ基金”が主催し、日本企業3社とともに日本リヒテンシュタイン友好協会が友好101周年記念として協賛、そして在日スイス大使館と関西日本・スイス協会が2020年第17回SWISS WEEKの一環として後援された演奏会。開演に先立って、主催者(アヤメ基金理事長)が舞台に立ち“京都コンサートホールの理解を得て、仮に無観客になっても実施する覚悟で今日を迎えた。どうか演奏を聴いて、コロナに打ち勝ちましょう!皆さん、音楽を楽しんでください!”との挨拶があった。

 

500名収容のホールの中にまばらに散った観客は、私を含めてざっと40人ほど。それに対して京都コンサートホール側は、まったくの通常オペレーションで対応しており、ホール案内からクローク、さらにはビュッフェも通常メニューで営業された。せめての貢献を…と、夕食を兼ねてサンドイッチとアイスコーヒーを途中休憩でいただいた。サンドイッチは2パックがカウンターに置かれていたけど、もう一つは売れ残ったのだろうか。もし廃棄となったのなら、そちらも買って食べちゃえばよかった。

 

前半プロで、ハイドンの7番ソナタとスクリャービンの4番ソナタがベートーヴェンの30番ソナタの前後に予定されていたものを、直前に(当日に?)月光ソナタに変更。結果的にコンサート・サブタイトル“L.V.ベートーヴェン生誕250周年”に沿ったオールベートーヴェンプロとなった。音響の良いホールの同じ席位置で、作品こそ違えど同じベートーヴェンのソナタを、二人の達者なピアニストで聴くことができるという、なんとも贅沢な時間だった。

特に津田理子さんの、一音一音完璧に統一された音と響き、そして隅々にまでコントロールされた音楽に驚いた。やはり、いい響きのホールで上手いピアノストの演奏を聴くのはとても良いものだ。
どちらのピアニストもプログラム曲の後、アンコールを演奏。津田理子さんが演奏したショパンのエチュード2曲が、とても知的で端正な演奏だった。

終演後、主催者が演奏者二人とともに再度ステージ上がり、次回9月18日に世界でわずか2台、オランダとバーゼルにしかない貴重なチェンバロをもってきての演奏会を実施する、とアナウンスした後“コロナに勝ったぞ”と声をあてげてコンサートがお開きとなった。


 20200313_マティス ベロイター

20200313_マティス ベロイター_1

2020215日 イーヴォ・ポゴレリッチ ピアノリサイタル ザ・シンフォニーホール 

 

ザ・シンフォニーホール

1G21

 

ピアノ: イーヴォ・ポゴレリッチ

 

J.S.バッハ      :イギリス組曲 第3

ベートーベン    :ピアノソナタ第11

ショパン        :舟歌 嬰へ長調 OP60

                    :前奏曲 嬰ハ短調 OP45

ラヴェル        :夜のガスパール

 

バッハの組曲、ベートーベンのソナタ、ショパンの後期作品、そして超絶技巧のラヴェルと、ピアノ音楽史を一串にしたような魅力的なプログラム。ほんの五日ほど前、この日の大阪滞在が決まったことで半ばあきらめ気味にチケットサイトを覗いたら、なんとG21列目というピアノを聴くには最高の席がポッコリと空いているではないか! こりゃラッキー。ちなみに明日の東京新国オペラパレス “セビリアの理髪師” も、これまた平土間前方ど真ん中のチケットが偶然にも買えた。こりゃついているぞ。この調子でロトも当たんないかな。

 

クラシック音楽ファンといってもオーケストラ作品中心で、マーラーだのリヒャルトシュトラウスだの、さらにはワーグナーの楽劇だのを日ごろ好き好んで聴きまくっている一方で、ピアニストにもピアノソロ作品にもめっぽう疎い。膨大なピアノ作品群、そして大家と称されるピアニストから新進気鋭まで、それらを隈なく追っかけていたら、それだけで人生が終わってしまいそうなくらい。それでもショパンコンクールでの逸話、そして精神面での苦境からの復活といったストーリーとともに記憶されるポゴレリッチは、是非とも聴いておきたい。

 

そのポゴレリッチ、やはり聴いてよかった。他の著名なピアニストとは明らかに違う、とても突き抜けた存在ではないだろうか。ピアノ(一つの躯体)から、こんなにも多様な音が鳴らせるものなのだと、実のところ初めて知った。そしてその単音一つひとつがここまで研ぎ澄まされているなんて、ほんと奇跡のよう。かつてはとてもスローテンポな演奏スタイルだったらしいけど、今日の演奏はバッハもベートーベンも実直で真っ向勝負で、特異さ、異様さは一切なし。ショパンは、櫂でゆっくりと小舟を漕ぐというより、腕っ節に自信のある船頭によりグイグイ進んでいくような演奏で、また次の前奏曲も全く病んだショパンじゃなかった。そしてショパン2曲演奏の後、袖に一度引っ込むことなく演奏を始めた夜のガスパールも圧巻の一言。いや~、凄かった。すべてが記憶に残る演奏だった。

 

 
20200215_ポゴレリッチ_1


ザ・シンフォニーホールの男性トイレにある、いつもの手書きボード ~スタッフさん、日付が間違ってますよ~
20200215_ポゴレリッチ

 

202029日 長崎 出島 カピタン部屋 コンサート 長崎県オペラ協会 

 

長崎 出島 カピタン部屋 2

 

冬のメドレー

長崎の歌メドレー

ドゥ-ニ:音楽劇『二人の猟師とミルク売り娘』より“ペレットの歌”

マスカーニ:『カヴァレリア・ルスティカーナ』より間奏曲“アヴェマリア”

J・シュトラウスⅡ:『こうもり』よりアデーレの笑いのアリア“私の侯爵様”

見上げてごらん夜の星を

J・シュトラウスⅡ:『こうもり』より“シャンパンの歌”

 

妻との長崎市内観光で訪れた長崎出島で、たまたま聴くことができたカピタン部屋の2階での30分ほどのミニ・コンサート。“カピタン部屋”といっても、鎖国時代にオランダから日本の出島に赴任してきた商館長の住居兼事務所で、出島で最も大きく、日本側の役人との接待・社交の場としての役割を担っていた、2階建ての大きな建物。その2階にある豪華なダイニングスペースに続く、南側に面した20畳(?)ほどの大広間に電子ピアノを置き、畳のうえに赤い毛氈を敷いてコンサートスペースとしたもの。

 

観光中にこのコンサートのチラシや案内を見かけたわけでもなく、たまたまボランティアによる約一時間の出島紹介ツアーの後、ダイニングスペースをじっくり鑑賞したい、という妻の求めでカピタン部屋に立ち寄ったことで出会えたコンサート。観客は私たち夫婦の他にあと10名ほど。歌い手は、長崎県オペラ協会の女性歌手3名。歌手名のアナウンスもプログラム配布もない、とてもささやかなコンサート。それでも観光で訪れた地で、こうした暖かく優しい雰囲気の演奏会に出会えることは本当にうれしいものだ。


演奏された作品やその作曲者については、一切書かないことをこのブログ上でのルールにしているけど、『二人の猟師とミルク売り娘』に限っては備忘として記しておきます。

曲名だけは携帯メモに控えたものの、後で調べてみると江戸時代文政の1820年に出島で初めて、つまり日本で初めて、当時の商館長の愉しみとして、ここカピタン部屋の広間で上演されたオペレッタなのだそうだ。イタリア人 エジーディオ・ロムアルド・ドゥーニによるフランス語オペラ・コミックが、オランダ人によって上演されたらしい。それが大変うけて長崎奉行を迎えて再演されたとのことなど、クラシック音楽ファンとしては、なんとも興味深い歴史が垣間見えてきた。こうした珍しくも貴重な作品を歌って聴かせてくれた、長崎県オペラ協会の歌手の皆さんに感謝!

ちなみに、イタリア人によるフランス語オペラ・コミックがオランダ人により日本で上演…ということなのだけど、今、知人に紹介されて読んでいる石井宏著“クラシック音楽意外史”でのクラシック音楽におけるイタリアオペラの位置づけに重ねると大変興味深い。

演奏会の終了後に、ブログ掲載の許可を頂いて撮った写真がこちら。ピアニスト(左)と長崎県オペラ協会所属の歌手の方々。
20200209_出島コンサート


2020114日  人形浄瑠璃文楽 竹本錣太夫襲名披露公演 国立文楽劇場

 

国立文楽劇場

中9列16

 

七福神宝の入船

傾城反魂香       竹本津駒太夫改め6代目竹本錣太夫襲名披露狂言

曲輪文章         (文章は一文字で表記)

 

ブログ記事の書き出しで、いつものように演目をタイプ打ちし始めた早々から、あれやこれやと判らないこと・戸惑うことだらけ。それらを一つひとつ調べていたら、いつのまにか、この大阪が誇る古典芸能の奥深さにじわじわと魅了されてしまった。当日、ご本人にご挨拶をさせていだき、ご一緒の写真まで撮らせていただいた竹本津駒太夫改め6代目竹本錣太夫の〝錣(しころ)”の文字、音読みではテツで、兜の左右・後方に垂らして首筋を守る防具の意味であること(漢字検定一級の文字らしい)、曲輪文章の〝文章”は、実際は一文字で表記されるのだけど、それは無理やり3文字に納めたゲン担ぎであること、また歌舞伎の演目では廓文章と題されること(咲寿太夫氏のブログより)などなど、まったくもって興味が尽きない。

 

この日の観劇の目的であった6代目竹本錣太夫襲名披露の傾城反魂香 土佐将監閑居の段が始まって早々、なぜか舞台上手の定位置に座った太夫が竹本錣太夫ではないに当惑していると、プロローグ(序段?)が終わった途端に、くるっと忍者屋敷の隠し扉のように床が反転して、もう一人の三味線(竹澤宗助)とともに竹本錣太夫が現れた。びっくりするやら(ほんと、シートベルトを締めとかないとぶっ飛ぶんじゃないか、と心配になるくらいの勢いだった)、なるほどこういうことかと妙に納得したり。国立文楽劇場のホームページを見てみると、それは出語り床というのだそうだ。

 

2年前の “ブログ4年目を迎えて” にて、大阪で会社勤めのうちに是非観たいと書いていた人形浄瑠璃文楽をついに初体験。観る前からかなり期待していたけど、こんなにも面白く、また興味が尽きないものとは思わなかった。太夫の巧みな語りに、そして人間の感情が宿ったかのような必然かつ精緻な人形の動きに完全に魅了された。また、もう一度などと言わず何度でも観てみたい。

 
20200114_文楽_襲名披露


20200114_文楽_襲名披露_1

20191218日 関西弦楽4重奏団&豊崎泰嗣 ブラームス弦楽5重奏曲 全曲演奏会

 

日本センチュリー定期(129日)と読響大阪定期(1224日)は、やんごとなき事情でパス。特に読響は唯一の第九、かつ2019年締めくくりの演奏会とする予定だっただけにとても残念。新年を迎えて、やっとで12月に聴いた演奏会4つを備忘メモとしてアップ。

 

125_ヴェルディ『椿姫』(新国オペラパレス)

126_井上道義・読響のマーラー3番(東京芸術劇場)

127_ウィグルワース・東響の川崎73回定期(ミューザ川崎)

1218_関西弦楽4重奏(ザ・フェニックスホール)

 

 

ザ・フェニックスホール

1階C3

 

関西弦楽4重奏団

豊崎泰嗣 〈ヴィオラ〉

 

ハイドン        :弦楽4重奏曲 ニ短調『五度』

ブラームス      :弦楽5重奏曲 第1番 へ長調

ブラームス      :弦楽5重奏曲 第2番 ト長調

 

豊崎泰嗣をヴィオラ奏者として迎えての弦楽5重奏。全曲演奏といっても2作品のみなので、尺合わせでハイドンの短調作品を前プロに加えた演奏会。ハイドンがなぜか艶やかさを欠いていたように感じられたのは、次に演奏されるブラームスと何らかの関係があったのだろうか。そのブラームス、最初の第1番は第1楽章で各パートが少し溶け合わないように感じたものの、その後は安定した盤石の演奏。やはり、晩秋に聴くブラームスは良いものだ。

 
20191218_ブラームスSQ

20191121日 オーギュスタン・デュメイ オータム・スペシャルコンサート

 

ザ・フェニックスホール

1階B列4

 

シューマン      3つのロマンス 作品94

ブラームス      :ヴァイオリンソナタ第2

ブラームス      :ピアノ5重奏曲 ヘ短調 作品34

 

オーギュスタン・デュメイ

上田 晴子            :ピアノ

ギオルギ・バブアゼ     :ヴァイオリン

中島 悦子             :ヴィオラ

チェロ                 :ルドヴィート・カンタ

 

オーギュスタン・デュメイ&関西フィルハーモニー オータム・スペシャルコンサート。デュメイ&関西フィルと題されたところがミソで、春や秋に手ごろなチケット価格でデュメイのソロや関西フィルのメンバーとの室内楽を聴かせるもの。この日は、ヴァイオリンとヴィオラが関西フィルの首席で、チェロと(当然ながら)ピアノは関西フィルとは無縁の奏者。

 

関西フィルの音楽監督就任以来、大きなホールでデュメイのソロ演奏を幾度も聴いているけど、今夜のようにザ・フェニックスホールの最前列で聴くのはやはり格別(A1-4番席を取り払って広めのステージを確保したことで、私の座ったB4番は事実上の最前列)。関西フィルの紹介プロフィール“ヨーロッパの偉大な伝統の伝承者であり、今世紀最高のヴァイオリニストのひとりである”とあるが、“偉大な伝統の伝承者”は、何分にも知識不足でよくわからないけど、〝今世紀最高のひとり”については、なるほどそうに違いない、と素人ながら納得してしまう。音の芯がはっきりしていて、とてつもなく骨太、そしてとても男性的な雄弁さに満ちている。

 

休憩後のピアノ5重奏も、大君デュメイの存在が強烈。他の奏者は、出しゃばらず・逆らわずといった感じで、最後までデュメイ一色のコンサート。関西フィルフルサポートのデュメイ、オータム・コンサート、といったところだろうか。

 
20191121_デュメイ_スペシャルコンサート

2019115日 朝日カルチャーセンター中之島 『名歌手で楽しむ 心に響くオペラ名場面』 

 

朝日カルチャーセンター中之島(中之島フェスティバルタワー)

 

講師    :丸山 幸子

エットレ・バスティアニーニ研究会代表 オペラ研究家

 

朝日カルチャーセンター中之島の講座を受講したのは、5年前にヴィンシャーマン指揮・大阪フィルによるマタイ受難曲演奏(大阪フィル定期第483回)に合わせて、作品レクチャーとゲネプロ見学がセットになった『大阪フィル定期演奏会・満喫講座』以来のこと。平日の午後1時からなので、さすがにスーツ姿の現役風の参加者は私ひとり。退職後のセカンドライフで、多様な学びの機会が得られる大都市大阪が羨ましい。

 

鑑賞作品      

ワーグナー      :タンホイザー第3幕 

ヴェルディ      :シモン・ボッカネグラ 第1幕、第3

マスネ          :ウエルテル 第3幕、第4

プッチーニ      :蝶々夫人 第2

R・シュトラウス :ばらの騎士 第2幕、第3

 
20191105_朝日カルチャースクール

20191029日 土井 緑 ピアノリサイタル ~パリで煌めく作曲家達 Vol.5

 

ザ・フェニックスホール

 

ピアノ          :土井 緑

 

シャブリエ      :ハバネラ

ラヴェル        :シャブリエ風に

プーランク      :エディット・ピアフを讃えて ~15の即興曲より

大澤壽人        :『丁丑春3題』より

スクリャービン  :『2つの小品』作品57

プロコフィエフ  :ピアノ・ソナタ第3番“古い手紙から”

  休憩

セヴラック      :『休暇の日々から』第2集より ショパンの泉

ラヴェル        :『高雅で感傷的なワルツ』

ラヴェル        :『鏡』より 道化師の朝の歌

――アンコール

        ショパン        :幻想即興曲

                               12の練習曲作品25 第1番 “エオリアン・ハープ”

 

先日アップした“ブログ開設5年目を向かえて”にも記している通り、実際に接した演奏会はプロ・アマを問わず日記として記録しておくのがこのブログのルール。自分でお金を払って聴きにでかけているわけだから、プロ・アマ関係なく、そして提灯記事に惑わされることなく、感じたことを率直な言葉で書き留めることができる。

 

ただ、この演奏会は、演奏者ご本人(土井緑さん)から同じワーグナー協会員としてのご厚意でいただいた招待券で聴いたので、感想等の記載は一切無し、です。

 

などと言いながら(記しながら)…

プログラムにひねりが効いていて、聴き手を飽きさせない。シャブリエの小品につづいて、ラヴェルの“シャブリエ風に”、そしてプーランクの“エディット・ピアフと讃えて”と続く冒頭3曲が実にしゃれているではないか。

20191029_土井緑‗フェニックスホール_1

k20191023日 究極のフレンチ・バロック ~絶対王政とその栄華の極み~

 

ザ・フェニックスホール

1階B17

 

ヴィオラ・ダ・ガンバ    :酒井 淳

ヴィオラ・ダ・ガンバ    :マリオン・マルティノ

チェンバロ             :クリストフ・ルセ

 

マラン・マレ    :組曲ト短調 ~ヴィオール曲集第1巻より

フォルクレ      :クラブサン曲に直されたヴィオール曲集より組曲第1番  -チェンバロ独奏

  休憩

マラン・マレ    :二つのヴィオールのための組曲ニ短調 ~ヴィオーレ曲集第1巻より

マラン・マレ    :メリトン氏へのトンボ―

マラン・マレ    :二つのヴィオールのためのシャコンヌ ト短調

 ――アンコール 

マラン・マレ    :二つのヴィオールのための組曲ニ短調より プレリュード、アルマンド

 

長年にわたりクラシック音楽を偏りなく聴いてきているつもりでも、この演奏会を機に振り返ってみると、バロック音楽といえばドイツ・バロックとイタリア・バロック。演奏会タイトルにあるフレンチ・バロックとしてはクープランとラモーの名前を知っているだけで、精々ラベルの“クープランの墓”を連想する程度。クラブサンがチェンバロのフランス語名称であることは知っていても、ヴィオールがヴィオラ・ダ・ガンバのフランス語名称であるとは、この度初めて知った。

 

ヴィオラ・ダ・ガンバの倍音をたっぷり含んだ、ふんわりとした音に耳が慣れてくると、典雅な演奏が大変心地よい。クリストフ・ルセはバッハ平均律のCD(つまりドイツ・バロック音楽)を通じて知っていたけど、ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者の酒井淳とマリオン・マルティノは、両名とも私が単に知らないだけで、きっと名のある奏者に違いない。マレ作品ばかりの後プロは、決して(チコちゃんに叱られないように)ぼ~っとしていたつもりはないのに、気づいたらプログラム最後の曲が終わっていた。シャコンヌ”だから判りそうなものなのに、ちょっとショック・・・やはり、ぼ〜っと聞いていたのかな。

 

休憩中、ホール職員の了解を得てステージ写真を撮影。ヴィオラ・ダ・ガンバは2丁(単位は“丁”でいいのかなぁ?)とも7弦。席(前から2列目)からじっと眺めていても、どうやら7弦目は(もしかすると6弦目も)弾いていないみたい。イエペスが開発した10弦ギターの第710弦のように倍音を均等化させるためのものなのだろうか。それとも実際に弾いていたのかな?どうなのだろう。

20191023_究極のフレンチバロック

20191023_究極のフレンチバロック_2

20191023_究極のフレンチバロック_1

20191019日 前橋汀子 無伴奏ヴァイオリンソナタ&パルティータ全曲演奏会 ザ・シンフォニーホール

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1G10

 

ヴァイオリン    :前橋 汀子

 

J.S.バッハ

無伴奏ヴァイオリン・ソナタ           1番 ト短調 BWV.1001

無伴奏ヴァイオリン・パルティータ     1番 ロ短調 BWV.1002

無伴奏ヴァイオリン・ソナタ           3番 ハ長調 BWV.1005

  休憩

無伴奏ヴァイオリン・ソナタ           2  イ短調  BWV.1003

無伴奏ヴァイオリン・パルティータ     3番 ホ長調 BWV.1006

無伴奏ヴァイオリン・パルティータ     2番 ニ短調 BWV.1004

 

前橋汀子が半生を自ら語った昨年10月の日経新聞【私の履歴書】の最終話“生涯現役(第30話)”で語られていた今回の全曲演奏会、どうしても聴いておきたかった。

 

日経新聞【私の履歴書】最終回より

QUOTE- 

最初の挑戦は1988年に録音したアルバム『無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全集』。これは89年度の文化庁芸術作品賞をいただいた。

 

あれから30年。私も年齢を重ね、同じ楽譜を弾いても当時とはテンポや間の取り方などかなり違う。音符には書かれていない行間の部分に深遠な背景があるということだ。このバッハの無伴奏は演奏家のその時のすべてが現れる作品なのだ。 

 

私は1415年に国内各地で全曲演奏会を開いた。来年も夏以降に東京、大阪、横浜で全曲演奏会に挑むことが決まっている。この公演をバッハの集大成にしたいと思う。

-UNQUOTE-

 

ステージ中央の譜面台に楽譜(冊子)が置かれていたものの、一度も開かれることはなかった。バッハへの畏敬の念を示してのことだろうか。一作品の演奏が終わるたび会場からの拍手を受けると、笑顔で軽くお辞儀をした後にすぐに姿勢を整え、深い呼吸とともに次の作品に向かっていく。厳しいまでに張り詰めた雰囲気のなか、緊張の全く途切れぬ充実の3時間だった。終演後は、私のお隣の女性とともに、たまらずスタンディングオベーション。立ち上がって拍手をしたのは、20143月の大植英次の大阪フィル定期最後の公演(シンフォニーホール)以来でのことではないか。感動のバッパだった。

 
20191019_前橋汀子_バッハ無伴奏_1


20191019_前橋汀子_バッハ無伴奏_3

2019107  七吹神喇叭倶楽部演奏会 其の六 大阪フィルハーモニー会館

 

 

大阪フィルハーモニー会館

 

徳永洋明             :祝祭ファンファーレ ~令和を記念して~

追栄祥               4本のトランペットのための3つの小品

ムチンスキー         :トランペット三重奏 作品11-1

プレスティ           5本のトランペットのための組曲

団伊玖磨             :祝典行進曲 (D. シロズヴィッチ編)

津堅直弘             :胃腸薬の主題による4つの変奏曲

ロッシーニ           :猫の二重奏

ガーシュウィン       :パリのアメリカ人(山崎恒太朗編)

 ―― アンコール

       ひょっこりひょうたん島

       宝島

 

篠崎 孝      大阪フィル

小曲 俊之    日本センチュリー

白水 大介    関西フィル 

徳田 友希    大阪交響楽団

西馬 健史    京都交響楽団

稲垣 路子    京都交響楽団

神代 修      大阪教育大学

 

中桐 綾奈    ピアノ

 

年一回のペースで開催の関西プロオケのトランペット奏者を中心としたアンサンブルで、会場は大阪フィルの拠点である大阪フィルハーモニー会館。ここを訪れるのは20172月の『世界における我が国オーケストラのポジション』以来の2度目。

 

メンバーが所属するオーケストラ演奏会で盛んにチラシが折り込まれていた割には、チケットが購入できるのは梅田の楽器店2か所のみ。私のような大阪非在住の一音楽ファンには全く困ったもので、西梅田の勤務先から楽器店まで徒歩で往復1時間以上もかけてチケットをやっとで購入。あんなにチラシをバラまいて宣伝するなら、もう少しチケット購入のハードルさげてくれないかなぁ、と思いつつ会場の大阪フィルハーモニー会館へ向かうと、まあネ、ある程度予想はしていたけど、観客は大阪市内のブラバンの生徒がほとんどで、しかも当日券での入場が余裕で可能だったみたい。

 

少々期待を持ちすぎたのかもしれないけど、全体に余暇的アンサンブルの延長のような演奏。前半の4曲は聴き進むうちに飽きてくるし、ピアノ伴奏を加えた後半のメイン曲“パリのアメリカ人”も、特段にスリリングさもなく、達者なオケメンバーによる、クラシック音楽流儀の型にハマった演奏、っといった感じ。せっかくだから、自由にジャジーにやればきっともっと面白いのに…。

本来、チューバやユーホニウム・ホルンが担う中低音域をピアノが請け負った上に、ちょっとしたオブリガードまで右手がこなしてしまうと、7本のラッパの音が厚いばかりで(勿論ピッコロとバストランペットを加えて音域を広げるにしても)面白みがそがれたのではと思うのだけど、どうだろう。

アンコール2曲目で演奏された宝島が一番面白かったかな。

 

 20191007_七吹神

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