、2019年10月25日 大阪フィルハーモニー第532回定期演奏会 1日目
フェスティバルホール
前半 定期会員席
後半 1階8列(知人と席位置交換)
指揮 : 尾高 忠明
オーボエ : フィリップ・トーンドゥル
ソプラノ : ゲニア・キューマイヤー
R・シュトラウス : 13管楽器のためのセレナード 変ホ長調
R・シュトラウス : オーボエ協奏曲 ニ長調
ーアンコール ブリテン:オウィディウスによる6つの変容 より第1曲 Pan
R・シュトラウス : 交響詩『死と変容』 作品24
R・シュトラウス : 四つの最後の歌
R・シュトラウスの作品は “歌” に満ちている!改めてそう気づかせてくれた、いい定期だった。交響詩『死と変容』が引用されて曲を閉じる歌曲 “夕映えに包まれて” で終えるという誠に巧みなプログラミング。オーボエ・ソロのフィリップ・トーンドゥルも達者な奏者だったけど、なによりゲニア・キューマイヤーの “四つの最後の歌” がすばらしかった。
前夜の日本センチュリーの定期会場で偶然お会いしたオペラ愛好家の知人から、ゲニア・キューマイヤーを大阪で聴けることが如何に貴重なことであるかを、カウフマンを聴きにでかけたザルツブルクのラトル指揮『カルメン』でのミカエラ役の成功話とともにたっぷりお聞きしていた。(ビールを飲みながら聞かされた…が正しいかぁ)
そのゲニア・キューマイヤーの正確な音程と息深く深いトーン、そして目線の動きまで含めて全身に神経をいきわたらせた立ち居振る舞いも含めての “歌唱” に完全に魅了されてしまった。最後の一節“私たちはさすらいに疲れた…これが死というものだろうか?”と歌い終わった後、静かなオーケストラの後奏の間までも演奏を支配したかのようだった。
わずかに残念なことは、交響詩『死と変容』が終わったあと、まだ尾高忠明が拍手を受けて2度目にステージに現れたところなのに、終演時間を意識してか事務方がステージに上がって椅子を動かし始めたことくらいか。