あーと屋のほぼ大阪クラシック演奏会気まま日記

2019年08月

ブログ5年目を迎えて

 

拙ブログ “あーと屋のほぼ大阪クラシック演奏会気まま日誌” にお立ち寄りいただきまして、ありがとうございます。

 

還暦まであと半年ほど、そろそろ定年退職日まで〇〇日とカウントダウンが始まります。たぶん今の勤め先と継続雇用契約を結んで、平日は大阪、週末は自宅(中国地方の某都市)に戻る、といった出稼ぎモードを今後も続けることになりそうです。とはいえ、もともと、いつ “明日から来なくていいよ” と言われても、と覚悟の外資勤めなので “ぼぼ大阪・・・”  とタイトルしたこのブログをいつまで続けられるか皆目わからないのですが…。とにかく、聴いた演奏会の記録を欠かすことなく4年間も続けられたこと、まずは めでたしめでたし。

 

この一年、件のクラシック音楽バーを通じての素晴らしきクラオタの方々との出会いが人生の宝物となっております。つながりの起点となったヒロノミンさん、そして愛すべきバーの店長サタケさんに改めて感謝!それにしても、お酒とクラシック音楽、そしてクラオタの相乗効果は素晴らしい。

 

拙ブログは、音楽コマーシャルの中でドマイナーなクラシック音楽の、しかも文化発信の中心である首都東京をメインとするわけでもなく、さらには一介の勤め人である私が実際に聞いた演奏会を記録としてブログにアップする(つまり、演奏会を聴きにいかない限り更新されない)という、マイナー要素を3乗したようなもの。それでも、こうしてご訪問いただける方がいらっしゃることが励みとなっております。

 

毎回、“ブログ〇年を迎えて…” に書いておりますが、改めて私なりの決め事をお伝えさせていただきます。(な~んて、つまりは1年前、2年前のコピペです)

 

  • 演奏会は、プロ・アマ、ジャンルを問わず、ブログ対象とすること。

ただし実際に接した演奏会の記録に限定して、たとえばCDDVDBlu-ray等メディアの感想や、音楽に関係した諸事・意見は極力記さない。

 

  • 演奏者ならびに曲目の紹介・説明は記さない。

このIT社会、どんなに珍しい作品であってもその気になればインターネットを通じて誰でも入手できる。まして演奏者のプロフィールなら、ググればいつでも手に入る。

 

  • ホールのどのあたりで聴いたか、席位置についても可能な範囲で記録する。

以前、日本経済新聞日曜版にサントリーホール設計者、永田音響設計 豊田泰久氏の言葉 『ベストの席はありません、すばらしい席はあります。どんなレパートリーが、誰によって演奏されるか。さらには耳を傾ける人の好みが反映されて、その時々に最上の席が生まれる』が紹介されていました。まったくの同感です。私にとって、どの席でその演奏を聴いたのかを記録しておくことは、大変意味のあることです。

 

  • 作曲者・演奏者の名前は省略しないで記す。

ショスタコーヴィチなど、さすがに言いづらいので、会話で “ショスタコ” と略すのは致し方なしとして、ブルックナーを “ブル”、ドヴォルザークを “ドボ” となると、さすがに度が過ぎるというか、学生オケのメンバーが仲間内でクラオタ談義をしているみたいで、どうにも好きにはなれない。世間一般の感覚からみると、そもそもクラオタの会話なんてスノッブ臭プンプンだろうし、ましてや電車の中で『マラ6が好きで』なんて会話を耳にしたら、普通の人なら変態オヤジのエロ話と勘違いされそう。文学ファンが太宰治を “ダザイ” と言うことはあれ、ドストエフスキーを“ドスト” などと言わないだろうし、美大の学生がミケランジェロを “ミケラ” などと言ったりはしないでしょう(きっと)。

 

これからも “気まま” にブログを続けていきたいと思います。今後とも、“あーと屋のほぼ大阪クラシック気まま日誌” を、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

あーと屋

 
20190826 ブログ5年目を向かえて


2019818日 愛知祝祭管弦楽団 ワーグナー 楽劇『神々の黄昏』 コンサートオペラ

 

愛知芸術劇場コンサートホール 

343

 

指揮            三澤洋史

オーケストラ    :愛知祝祭管弦楽団

合唱            :愛知祝祭合唱団      

 

ブリュンヒルデ                 :基村昌代

ジークフリート                 :大久保亮

グンター                       :初鹿野剛

ハーゲン                       :成田眞

グートルーネ                   :大須賀園枝

ヴァルトラウテ                 :三輪陽子

アルベリヒ                     :大森いちえい

ヴークリンデ/3のノルン      :本田美香

ヴェルグンデ/2のノルン      :船越亜弥

フロスヒルデ/1のノルン      :加藤愛

 

まさに偉業。そして私は、幸せなるかな“ワーグナーの毒”に浸ることができた。

 

さすがに一昨年の新国“神々の黄昏”3週間連続の時のような、脳汁が溶け出したような麻痺状態が続くようことはないにしても、なにかしらリハビリテーションを無意識に求めてしまうほど、ワーグナーの毒気・魔力に浸らせてくれた演奏だった。一度の公演を聴いただけでこうなのだから、4年間全身全霊をかけて“指輪”全曲演奏に取り組んできたオーケストラメンバーなど、“指輪”の音楽に体が同期してしまって、四六時中、救済の動機やらウェルズング族の動機やらが頭の中で鳴っているのではないだろうか。どっぷりとワーグナーの毒に身を浸す…ワグネリアンの端くれとして、なんとも羨ましい限り。

 

ワーグナー指定通りにハープを6台、ホルンはアシスタントも含めて9人、一方でトランペットは3人で長丁場をこなした(別にバストランペット1人)。“私も吹きたい”、“僕ものせて…”といった安易な妥協など一切無し。シュティーアホルンは、さすがにトロンボーン(3人)で代用。東京には特殊楽器専門のレンタル屋さんがあるらしいけど(以前、タモリ俱楽部で観た)、さすがに調達の当てがなかったよう。“…なんとかシュティーアホルンをホールに響かせたかったぁ…”との情念のこもったかのような、あえて汚くつぶした音を吹かせていた。そのシュティーアホルン担当のトロンボーン奏者3名とともに、ホルンソロ奏者3名も、終演後舞台に上がって拍手を受けていた。ホルン奏者ならだれもあこがれるジークフリートの角笛ソロ、幕ごとに分担したのだろうか。

 

三澤洋史の指揮は、フレーズやモティーフ単位で、常に丁寧さを保ちながら徹底的に意味づけを行うことで、複雑に絡まった音楽を解きほぐすような演奏をオーケストラと歌手陣に終始求めていた。結果的に起伏を大きくもたせた音楽運びではないので、全体として少々緊張を逸した感もなくはない。いずれにせよ、その指揮に見事に応えていたオーケストラは、実に素晴らしい。

 

破格のチケット代4,000円とはいえ有料公演である以上、プロの歌手陣についてストレートなコメントをすると、第2幕までの安全運転から一転、“自己犠牲”での迫真の歌唱のブリュンヒルデ役の基村昌代、そして少ない出番ながらアルベリヒ役の大森いちえいが及第点。バスの成田眞はハーゲンの性格に似ず声が明かるすぎ、しかもグンターの初鹿野剛と声質が似通っていて、聴かせどころの“見張りの歌”も、ブリュンヒルデとの復讐の3重唱も鬼気迫らずじまい。軽い声質の大久保亮は声量も乏しく、いくら何でもヘルデンテノールは無理でしょう。死の場面ではスタミナも途絶えて聴いていて辛い。

 

大阪でもプロオーケストラがワーグナーの楽劇(コンサート形式)を時折プログラムするも“ワーグナーの毒”など微塵も感じられない退屈な演奏ばかり(おっと、マズイ、さすがに言が過ぎるかぁ)。そもそもワーグナーの音楽に思いれの乏しい、まして楽劇を一度も観たことがない奏者の集団であれば、とたえプロオーケストラでも、ワーグナー音楽の魔力を聴き手に伝えることなど、できやしない。それをアマチュアオーケストラが、メンバー一人ひとりの限りない情熱と並々ならぬ努力で実現されてしまったのだから、畏敬の念しかない。

 
20190818_愛知祝祭管弦楽団‗神々の黄昏


20190818_愛知祝祭管弦楽団‗神々の黄昏 バッグ‗20190818

2019731  ザ・シンフォニーホール・ストリング・クインテット  ワキタ コルディアホール

 

ワキタ コルディアホール(旧 イシハラホール)

A9

 

モーツァルト    :アイネクライネナハトムジーク ト長調 K525

貴志康一        :『日本組曲』より“花見”、"月”、"竹取物語”(恩地孝幸編)

渡邊崇          Color Singing 〔委託作品〕

ドヴォルザーク  : 弦楽5重奏曲 第2番 ト長調 作品77

 

――アンコール  モーツァルト :ディベルティメント第1" アンダンテ

 

クインテットメンバー

1stVn   田野倉 雅秋   大阪フィル首席コンマス

2ndVn   岡本 伸一郎   大阪交響楽団アソシエイトコンマス

Va      木下 雄介      大阪フィル首席奏者

Vc      北口 大輔      日本センチュリー首席奏者

Cb      村田 和幸    日本センチュリー首席奏者

 

開演に先立ち、今年春からホールオーナーとなった企業のオーナー社長、クインテットの生みの親であるザ・シンフォニーホールのゼネラル・マネージャー、そして田野倉雅秋による鼎談あり。毎度のこと、コンサート前のおしゃべりはいいから早く演奏を音楽聴かせてよ”と思う。これから演奏される曲とは関係ない話しが20分ほど続いて開演時間を10分ほど経過し、この日をもって大阪フィルと名フィルとのコンマス契約を終え日フィルのコンマスに就任した以降の活動に話題が移ったところで、プレトーク打ち切り。

 

要の田野倉さんが大阪を離れたら、他のザ・シンフォニーホール座付き弦楽アンサンブル、弦楽4四重奏と同様、こちらも自然消滅かな。鼎談のなかでザ・シンフォニーホールのゼネラル・マネージャーから“これからも大学の後輩の貴殿と・・・”と盛んに秋波を送っていたように思えたのだけど、どうなんでしょう。過去5回、終演時に必ずステージ上から田野倉さん自らマイクを持って次回コンサートの案内を行ってきたものの、この日はそれも無し。特殊な編成故の手探り状態の第1回から、この日のように充実した演奏を聴かせてくれるまでになったのに、まったくもって残念な限り。アンコールの後、全員が舞台に引っ込む際に田野倉さんが他メンバー4人と握手を交わしたのを見て、少々感傷的になってしまった。

 

1回 2017621

2回 2017928

3回 201831

第4回 901893

5回 2019318

 
20190731_ ザ・シンフォニーホール・ストリング・カ

 20190731_ ザ・シンフォニーホール・ストリング・カル



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