あーと屋のほぼ大阪クラシック演奏会気まま日記

2019年05月

2019524日 大阪フィルハーモニー第528回定期演奏会 2日目

 

フェスティバルホール

11124

 

指揮            : シャルル・デュトワ

合唱            : 大阪フィルハーモニー合唱団

 

ベルリオーズ    :序曲『ローマの謝肉祭』作品9

ラベル          :バレエ音楽『ダフニスとクロエ』第2組曲

ベルリオーズ    :幻想交響曲

 

日本ではNHK交響楽団しか指揮をしてこなかったシャルル・デュトワ故に、その演奏を聴く機会など地方在住者にとっては非常に限られていた。どうにか5年ほど前にN響定期でマーラーの3番を聴いたことがあっただけ。場所がNHKホールだったので、演奏に対してはほとんど印象に残らないまま。後日、Eテレの録画放送を視聴して、実はとても素晴らしい演奏だったことを知った記憶がある。ちなみにだけど、2017年2月に大フィル会館で行われたシンポジウム『世界における我が国オーケストラのポジション』で、日本人パネラーとして参加した音楽評論家が『NHKホールは、席で聴くライブはひどいけど、放送用に収録された音は実に素晴らしいんですよ』と語るのを聞いて、なんだかとても遣る瀬無い複雑な感情を抱いたことが忘れられない。

※ 追記
ブログ検索してみたら、一昨年の12月にN響のサントリーホール定期(B定期)でもデュトアの指揮を聴いていた。

 

おっと、のっけから脱線モードだけど、要するに大阪フィルの5月定期2公演に続き(図らずしも…だけど)再来週のサロメと、デュトアの指揮をフェスティバル・ホールで聴けるとは、なんと貴重な機会だろう。3階席を含めて完売するなんて、きっと大阪フィルがフェスに定期を移してから初めてのことじゃないだろうか。東京を中心に遠方から聴きに来た方もかなりいたようで、休憩中のフォワイエはちょっとした祝祭的雰囲気すら漂っていた。実際、終演後の件のクラシック音楽バーには、知り合いの常連のSNSを通じて東京や九州から集まった弩級クラオタが詰めかけて(私もチャッカリその輪に加わり)〝デュトア復活万歳"と祝杯をあげたほど。

 

座った席位置の違い(初日の1階ボックス席すぐ後ろの定期会員席に対して、2日目はステージから6列目)もあって、初日のほうが〝ローマの謝肉祭”でのまとまりの良い華やかさや〝ダフニスとクロエ”での陰影の微妙な変化をよく感じることができたことで、結果として演奏に深い感興を覚えた。一方で幻想交響曲では、明らかに2日目のほうが細部で演奏のクオリティーが高かった。終楽章を〝大フィルの野武士的個性”と表現した初日の演奏も、2日目はより豪快ながらも全体の均整を崩さない、とても凄みのある演奏だった。各奏者の集中と熱気もすさまじく、魔女のロンドからは興奮しきりだった。結構醒めて聞いてしまう幻想交響曲で、今日のように興奮したのは初めてかもしれない。

 

 大阪フィル_528 回定期

2019523日 大阪フィルハーモニー第528回定期演奏会 1日目

 

フェスティバルホール

定期会員席

 

指揮            : シャルル・デュトワ

合唱            : 大阪フィルハーモニー合唱団

 

ベルリオーズ    :序曲『ローマの謝肉祭』作品9

ラベル          :バレエ音楽『ダフニスとクロエ』第2組曲

ベルリオーズ    :幻想交響曲

 

ローマの謝肉祭の出だしの数小節を聴いたとたん、オッたまげた。今まで数々の指揮者のタクトの下で聴いてきた大阪フィルと明らかに音が違う。う~ん、何をして大阪フィルからこんなにも色彩豊かなサウンドを引きだせるのだろう。特に各管楽器奏者が徹底的にそのフレージングやバランス、そして音色に全神経をいきわたらせているのがダイレクトに伝わってくる。正に音の魔術師! 曲全体のテンポ運びや音量の加減、柔らかくしなやかだったり鋭く切り込んだりといった、演奏設計のこれまた素晴らしいこと。

 

定期前のわずか3日間の練習で、オーケストラの力の程度を図り、フランスものと言いながらも趣の異なる3作品それぞれの解釈を徹底し、さらには幻想交響曲の終盤のように大阪フィルの野武士的個性もしっかり際立たせたデュトア、なんとも恐るべし。明日二日目で、どこまでクオリティーを高められるのだろうか。これは楽しみ楽しみ

 

 
大阪フィル_528 回定期

2019517日 関西フィルハーモニー管弦楽団 第301回定期演奏会

 

大阪ザ・シンフォニーホール

3LLC1

 

ハイドン               :交響曲第49 『受難』

メンデルスゾーン       :ピアノ協奏曲第1番 ト短調

―アンコール リスト :〝ラ・カンパネラ”

ベートーベン    :交響曲第4番 変ロ長調

 

指揮            :オーギュスタン・デュメイ

ピアノ          :広瀬 悦子

 

コンサートサブタイトルは、ハイドンにしては珍しい暗い気分が全曲を覆う『受難』や、ピアノ協奏曲開始楽章の曲調を思えば、いつものようにクエスチョンマーク付き。それでも〝軽妙洒脱”や〝ウィット”は横においても、コンチェルト終楽章で爽快で華やかなソロ・ピアノは聴いていて、とても楽しい。

 

〝軽妙洒脱…ウィットに富んだ逸品が縦横無尽に駆け巡る”とは、恐らくベートーベンの交響曲を念頭に事務局がひねり出したワーディングだろうけど、指揮者デュメイが求める音楽は、しゃくり上げるようなフレーズの処理に特徴があるもの、かつて一世を風靡したピリオド風のアプローチや、バロックティンパニを用いた明るく乾燥した音色を目指すようなこともなく、いたって中庸。

 

 
関西フィル‗定期‗20190517

2019516日 日本センチュリー交響楽団 第235回定期

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1階定期会員席

 

指揮          :高関 健

ヴァイオリン    :竹添 恭子

 

藤倉 大               :シークレット・フォレスト

バーバー               :ヴァイオリン協奏曲

  ― アンコール J.S.バッハ : 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番 

                                  ガボット

ドヴォルジャーク       :交響曲第6番 ニ長調

 

この一月ほどは、いつにも増しての〝東へ西へ”状態で、毎朝目覚める度に〝え~っと、俺は今どこにいるんだっけ?”とベッドのなかで天井を見つめながら居所確認をするのが日課のようになっている。特にこの1週間は東奔西走だったので、ワークライフバランスのためにもこの日の演奏会を心待ちにしていた。精神バランスを維持するには音楽の生演奏を聴くのが一番。ああっ、それなのに…。

 

〝ゲンダイオンガク”なるジャンルは基本的に馴染めない。それでも先月の大阪フィル定期で聴いた藤倉大の作品が予想に反して面白かったし、題名からヒーリング音楽的なイメージを勝手に抱いていた。ところが開始早々から耳に聞こえてきたのは生理的にまったく受け付けない不快極まりない音の塊り。日本センチュリーの奏者には、誠に申し訳のないことだけど、私には20分もの時間は精神的苦痛でしかなかった。許されることなら無礼を承知で席を立って逃げ出したかった。さすがにファゴットソロの傍から、席を立って外に出るわけにはいかない。やはり、どうにも現代音楽は生理的に受けつけない。(〝音楽”とは呼びたくない)

 

精神的なリハビリテーションの時間を持つことなく聴いた次のヴァイオリン・コンチェルトも、心理的に両耳に蓋を被せたままだったのでなんの印象もなし。こちらもまたソリストとオーケストラ奏者に申し訳の無い限り。兎に角、ひたすら途中休憩を待ちわびていた。後半のドヴォルジャークのシンフォニーについても、感想はパス。1曲目の精神的ストレスはかなりのもので休憩時間20分は足りなかったみたい。今思うと、意を決して〝聞かない選択”をしてホールを出ればよかったかもしれない。

 

 
日本センチュリー‗定期‗パネル‗20190516


日本センチュリー‗定期‗20190516

2019511日 尾高忠明 大阪フィル ブラームスティクルスⅠ

 

ザ・シンフォニーホール

1G4

 

ブラームス      :ハイドンの主題による変奏曲 作品56a

                  埋葬の歌

                 交響曲第1番 ハ短調 作品68

 

指揮            : 尾高 忠明

                  大阪フィルハーモニー管弦楽団

                  大阪フィルハーモニー合唱団

 

諸事情で週末を大阪で過ごすことになったので、急きょ平土間の前ブロック左端を購入。日ごろ聴きなじんだ席位置でのホール音響では無いため、たとえば尾高忠明がどのようなサウンド構築をオーケストラに求めたのか、といった聴き方まではさすがにできない。それでも尾高忠明が振る天下の名曲第1番交響曲は綿密で外連がまったくない。緩徐楽章での嫋やかな音楽と、両端楽章での重厚さが見事にバランスさせた名演だったと思う。演奏時間は第1楽章繰り返しを行って52分ほど。

 

まず他では聴くことのないだろう〝埋葬の歌” が、これまた魅力的な作品だった。安定したピッチ(冒頭の男性陣の歌いだしなど、超ムズ)とダイナミズムを持った合唱が木管群の暗い響きと見事に溶け合っていて、歌詞が語る世界にぐっと引き込まれた。こちらも大変立派な演奏。

 

《閑話休題》

この週末は難波パークスシネマで、メットライブビューイング〝ワルキューレ”を堪能。

忘備メモとして2点ほど

 

フィリップ・ジョルダンの指揮が良い。冒頭の嵐の音楽での早いテンポを聴いての〝ああ、こんな感じね” との最初の印象と大違いで、聴き進むうちに綿密な設計で全く飽きさせることのない音楽運びに完全に魅了された。オペラ指揮者としての高い才能を感じずにはいられない。

 

巨大な舞台装置(インタビューの中で、マシンと表現されていた)と、24枚のプランク(Plank)の説明が実に興味深かった。
 ★ 各プランクごとに選任の屈強なオペレーターがいて、バランスウェイトを抜き差ししていること、端に引っ掛けたロープを彼らが引いたり緩めたりしてワルキューレの騎行のシーン(第三幕1場)を演出している。
★ コンピュータ制御されたそれぞれのプランクの位置をセンサーが正確に読み取り、その位置データをコンピュータに返している。正確な位置認識の上で、上下左右6箇所から寸分のズレもなく正確にプロジェクションマッピングを投影することで、客席からはプランク間の物理的隙間を感じさせない。(なるほど、道理で舞台上の歌手に画像が被らない)
 

 


大阪フィル‗ブラームスチクルスNEW‗20190511


メット_ワルキューレ

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