あーと屋のほぼ大阪クラシック演奏会気まま日記

2018年09月

2018926日 イル・ディーヴォ 大阪公演

 

大阪オリックス劇場

2235

 

会社の同僚に ILDIVO イル・ディーヴォの大阪公演にお誘いいただいた。2年ぶりのアルバムTIMELESS発売に合わせてのジャパンツアーの一環で、大阪は当初オリックス劇場でのこの日の公演のみだったものが、発売開始早々に SOLD OUT になり、翌日にも追加公演があるらしい。 

 

“全世界で3000万枚以上を誇る唯一無二のモンスター・ヴォーカル・ユニット” なのだそうだけど、実はお誘いいただくまでイル・ディーヴォについて、まったく知りませんでした。でも、ものすごい人気であることは、当日のホール内の雰囲気で知らされました。そりゃそうですよね、ネットで検索してみると東京では追加公演を含めて武道館4日連続公演らしい。大阪の会場も本来ならフェスティバル・ホールが相応しそうだけど、何らかの事情があるのでしょう。

 

客層は中高年の女性が8割近くだったろうか。フェスティバル・ホールでは、開演前に  “前のめりになると後ろの席の方が見えなくなるので、席に深く座ってご鑑賞ください” と(少なくともクラシックやミュージカル公演では)アナウンスがあるけど、今回のオリックス劇場での公演はそんなアナウンスもないし、そもそも客もそんなつもりなど端からない。私の前、2階最前列に座ったラテン系カップルがイチャイチャ、ノリノリで、普段  “良い行儀”  をしてステージを見入っている身としては、かなりのアウェー感あり。(苦笑)

 

歌われた曲の中でオペラのナンバーは、モーツアルト『魔笛』タミーノのアリア(たぶん、第1幕のアリアだったと思うけど、記憶が曖昧)と、レオンカヴァッロ 『道化師』 カニオの “衣装を着けろ”の2曲。メンバーの誰のソロだったか、こちらはまったく判らず。如何せん、思いっきりPAを効かせていて、4人の声の個性も聞き分けられないし、2階席はステージから遠いし、まして目の前にイタリア人(?)のカップルがいたのでメンバーが認識できなかった。

 

とにかく普段、生音になじんでいる耳にはPAガンガン効かせた音は正直、少々辛いところもあったけど、はい勿論、楽しめましたよ。全員親日家らしく、またメンバー全員、名かな日本語が達者で、アンコール2曲のあと『燃え尽きました』と言い残してコンサート終了。開演が630分。15分の途中休憩を挟んで、終演9時。

 
イル・ディーヴァ_20180926

イル・ディーヴァ_1_20180926


2018921日 大阪フィルハーモニー第521回定期演奏会 1日目

 

フェスティバルホール

1階定期会員席

 

指揮            : アンドリス・ボーガ

ホルン          : ラデク・バボラーク

 

ハイドン        : 交響曲第82番 ハ長調“熊”

パウエル        : ホルン協奏曲

  ―― アンコール  ベッリーニ: アンダンディーノ

プロコフィエフ  : 交響曲第5番 変ロ長調

 

メインが苦手のプロコフィエフだったこともあり、演奏会の興味はバボラークのホルンだった。16型の大型編成(ただしホルン無し)をバックに吹くバボラークの呆れるほどに上手いこと。吹き鳴らしたり吹かしたりといったことなく、柔らかく自然に呼吸するようにベルから音が聞こえてくる奏者が、他にどれほどいるのだろうと思う。毎度のこと、あまりにも図抜けたテクニックに唖然としながら聴いていた。改めて6月の山形交響楽団の豊中での特別演奏会に行きそびれたのは残念なことをした。

 

第1曲のハイドンのシンフォニーは弦12型だっただろうか。ヴァイオリンの不ぞろいがいささか気になった。あと、後半曲のプロコフィエフはいつものごとく感想等、一切パス。

なお、会場の入りは昨今の大阪フィル定期では珍しいほどの不入りだった。

 
大阪フィル_521回定期



2019
913日 日本センチュリー交響楽団 第228回定期

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1階定期会員席

 

指揮          ガエタノ・デスピノーザ

ピアノ          アレスセイ・ヴォロディン

 

ラヴェル        :組曲『クープランの墓』

プッチーニ      :交響的奇想曲

ブラームス      :ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調

      ――ピアニストアンコール  ブラームス:3つの間奏曲第1番 OP.117-1

 

ザ・シンフォニーホールの日本センチュリー定期会員席は、1階平土間の中央上手寄り。大阪フィルが定期公演をフェスティバルホールに移すまでの定期会員席だったあたりで、最もオーケストラの音を聴きなじんできた、お気に入りの場所。この夏、読響大阪定期、シネマティック・コンサートと巨大なフェスティバルホールでフルオーケストラサウンドに浸ってきたものの、やはりシンフォニーホールのほうが響きが格段に心地良いし、より純粋に音楽を楽しめるような気がする。

 

第1曲“クープランの墓”は、“ああっ、音楽っていいなぁ”と改めて思いながら聴いていたし、プッチーニの習作的作品も楽しめたけど、なによりブラームスのピアノ・コンチェルトが素晴らしい。少しばかり豪胆さを強く押し出した音楽の運びはピアニストの意思だったのだろうか。それをデスピノーザの指揮で日本センチュリーも見事に応えたけど、いつも通り、いやいつも以上にオーケストラの響きが充実していて、邪念無く“ブラームスの音楽”を聴く喜びを満喫さえてくれた。

 

と…演奏会当日の感想は以上の通り。ところでこの記事、いつものごとく演奏会から1週間以上経過した後に(気ままに、というよりやっと時間を割いて)書いてるのだけど、改めて演奏を思い出してみて、少し違った感想も持ち始めた。たしかに、オーケストラの演奏、上手かった。212型の古典からロマン派中期にかけての作品演奏であれば、国内でもトップクラスのサウンド…ここまでは変わらず。それでも例えば心に染入るようなブラームスだったかと言うと、なんだか少し違うような気がしてきた。

 

思うに、日本センチュリーの音の個性ってなんだろう。毎度定期での “上手い演奏” を聴けば聴くほど、どんな指揮者が振っても同じ響きが出せる “器用なオーケストラ” のようにも思えてしまうのだけど、いかがでしょう?実は、この演奏会の翌日に慌しく東京日帰り出張した後、週末土曜日から北海道美瑛のペンションに4連泊してきた。滞在したわずか5日のうちにも木々が徐々に色を変え、文字通り秋が日増しに深まっていくのを肌で感じていると、その数日前に晩夏の大阪で聴いたブラームスの演奏に、こうした色彩の移ろいに似た音の個性まで感じられただろうか、と思ってしまう。

 

夕暮れ_美瑛町美馬牛_2018917

美瑛_美馬牛


早朝_美瑛町馬場牛_2018919

 

 
美瑛_美馬牛_朝


大阪クラシック2018 第51公演_3

2018
913日 大阪クラシック2018  第51公演

 

大阪市中央公会堂 中集会室

 

モーツァルト               : 3台のピアノのための協奏曲 ヘ長調 K242

バーンスタイン              : ウエストサイド物語『シンフォニックダンス』

                            3台ピアノ版

  ――アンコール     シンフォニックダンスの“マンボ”。

 

 

指揮   : 大植 英次

ピアノ : 大植 英次、 保屋野 美和、 尾崎 有飛、 甲斐 史郎

管弦楽 : 大阪フィルハーモニー

 

ブログ管理メニューの中に、ブログを訪問された方が、どの過去記事(日記)をお読みになったかを知るツールがあって、常々こんな稚拙でニッチな内容のブログの一体、どんな記事に興味をお持ちいただいたかを知る拠り所とさえていただいております。 この1年間で、繰り返し多くの方々に再読いただいた記事(日記)は、なんとも意外なことに、昨年の “大阪クラシック2017”の“第48公演_大阪中央公会堂 ベルリオーズの幻想交響曲(ピアノ4台編曲版)” でした。たしかに、かなり変り種の日記…ではありますねぇ。ということで、新タグ “大阪クラシック” を作りましたので、もしよろしければ、この是非このタグをご利用ください。

 

さて、今年の大植監督の “真剣なお遊び” 第51公演は次の通りでした。

 

昨年と同様、中集会室入り口のドアに会場見取り図。

 
大阪クラシック2018 第51公演_1


一曲目のモーツァルトは、大阪フィルのコンマス、トップ奏者をそろえたベストメンバーによる小編成オーケストラと大植英次、保屋野美和、尾崎有飛による演奏。大阪市中央公会堂中集会室の凝った装飾の内装と高い天井の空間による、想像以上に素晴らしい音響のなかでの充実した演奏。

 

オケメンバー退席のあと、大植監督による甲斐史郎氏の紹介と『キャンディード』の演奏。

  • 大植監督と甲斐史郎氏、そして『キャンディード』については、ヒロノミンVさんのブログ “木漏れ日のシンフォニー” の2014912日の記事 “大阪クラシック第61公演 Piano Spectacular” に詳細な演奏会記録がございます。

 

休憩後は、大植監督が白いブレザーとブラックのパンツに着替えての登場。曰く『バーンスタイン先生が、亡くなる直前のタングルウット音楽祭最後の公演でベートーベンの7番を演奏した際に(病をおしての壮絶演奏として名高い1990819日の公演ですね)、本人が着ていた上着とパンツを直接譲り受けて、自分のサイズに仕立て直したもの。今日、この演奏(シンフォニックダンス)のために着替えてきました』とのこと。

 

その『シンフォニックダンス』の演奏前に、観客に例の “指パッチン” と “マンボ” の掛け声の練習と “キューだし” の確認をしてから演奏開始。大植監督は、甲斐史郎氏が座る中央ピアノの横に立ち、指揮をしたり、甲斐氏と連弾したり、フォイッスルを吹いたりマラカスをも持ち出したり、さらには “クール” でスネアドラム代わりの石を入れたペットボトルを振りながら客席を一周したりと、最高のエンタテイメントを演出。福山事務局長が “エイジ” とかかれたボードを掲げて、会場から “マンボ” のところを “エイジ” と掛け声をかけることで、雰囲気はさらにアゲアゲ。

 

ところでバーンスタイン生誕100周年にともない、たとえば昨年井上道義が畢生(という標記が正しいか?)の大作『ミサ』をフェスティバルホールで上演し、佐渡裕が8月にウエスト・サイド物語のシネマティック・フルオーケストラ・コンサートを東京・大阪の巨大会場で指揮したのに対し、大植英次が振舞う生誕100周年のイベントが、もしこの大阪クラシック第51公演だけだとしたら、ポストを持たない今の大植英次の現状を一ファンとして大いに残念に、かつ寂しく思わざるを得ない。

 

翌朝は朝7時の伊丹発で急遽、東京出張になったので、チケットを購入していた、第66公演能楽師・大槻裕一を迎えた「能」とクラシック音楽のコラボレーションは聴けずじまい。ということで、私の今年の “大阪クラシック2018” はこれでお開き。

 

大阪クラシック2018 第51公演_4


 大阪クラシック2018 第51公演_2


2018912日 大阪クラシック2018  第47公演

 

ザ・フェニックスホール 

1B列19番

 

チェロ        : 近藤 浩志

ピアノ        : 河合 珠江

 

宮川 彬良           : 風のオリヴァストロ

フランシス・レイ     : ある愛の歌

リスト               : 愛の夢

J. ウィリアムズ     : シンドラーのリスト

ラフマニノフ         : アダージョ(交響曲第2番第3楽章)

モリコーネ           : ニュー・シネマ・パラダイス

―― アンコール 

ピアソラ             : アヴェ、マリア

 

曲と曲の合間にトークで、7月から腕の故障で楽器を弾くことが出来なくなり、一週間前にやっと楽器をもてるようになったこと、当初シューベルトのアルペジオーネ・ソナタを演奏するつもりでいたけど、やむなくアンコールピースを集めたプログラムとしたこと、と言った、説明あり。そういえば、7月の大阪フィル定期ではステージ上に姿を見かけなかったなあ。

 

ということで、よく言えば気軽な、それでも(気軽に楽しむ大阪クラシックと言えど、有料公演なので、あえて辛口をご容赦いただければ)昨日の田野倉さんのコンサートと比べると、かなり物足りない内容でした。


大阪クラシック2018 第47公演



2018911日 大阪クラシック2018  第35公演

 

ザ・フェニックスホール 

1B3

 

ヴァイオリン  : 田野倉 雅秋

ピアノ        : 日下 知奈

 

ベートーベン  : ロマンス第2

ドヴォルザーク: スラブ舞曲 作品72-2 (クライスラー編)

パガニーニ    : ラ・カンパネラ(クライスラー編)

ショパン      : ノクターン第20番 遺作 (ミルシテイン編)

サラサーテ    : ツィゴイネルワイゼン

 

―― アンコール 

ラフ          : カバティーナ

ラフマニノフ  : ヴォカリーズ

クライスラー  : 愛の悲しみ

クライスラー  : 愛の喜び

 

大阪クラシック恒例の大阪フィル・コンマスのソロコンサート。今年は例年の大曲ソナタ1本勝負から一転、おなじみの名曲集。アンコール途中から大植監督が登場して“譜めくり”を、そして“愛の悲しみ”ではピアノ伴奏も。とてもハッピーな一時間でした。

 

大阪クラシック2018 第35公演


2018
910日 大阪クラシック2018 第22公演 Zepp Nanba

 

Zepp Nanba 

1H2

 

チャイコフスキー: 弦楽セレナード ハ長調 作品48
 

オーケストラ合同弦楽合奏

1stVn: 田野倉雅秋、里屋幸、三瀬麻起子、友永健二

2ndVn:  増永花恵、永嶺貴洋、横山恵理

Vl:  岩井秀樹、米田舞、飛田千寿子

Vc:  大田雄一、大町剛

Cb:  大槻健太郎

 

昨年の大阪クラシック第34公演で一度経験したZepp Nanba。とにかく日頃、まったく無縁のZeppに入ること自体、なかなかの体験。昨年と同様、“モッシュ・ダイブ・ジャンプ禁止の表示”をちゃっかり撮影。

 

昨年のパーカッション・アンサンブルではまったく気にならない箱鳴り状態の響きも、弦楽合奏となると“演奏を楽しむ場”としてはかなり厳しい。なんだか20代のころ、学生仲間が手作りしたチープなバックロード型ホーンスピーカーでSP復刻版の音を聞いているよう。(なにせ、座席が最前列の左端2番目で、間四角な空間の隅っこ)。

 

演奏前に大植監督の『コンマスの田野倉氏に、自分に振らせろと頼んだのに、ダメだしをされた』とのジョークを交えたスピーチあり。アンコールで “一番有名なメロディーをもう一度…”との紹介で終楽章コーダを演奏して、終演。

 

大阪クラシック2018 第22公演

大阪クラシック2018 第22公演_1

大阪クラシック2018 第22公演_2




2018
97日 J.S.バッハ ミサ曲ロ短調 トン・コープマン アムステルダム・バロック管弦楽団&合唱団

 

ザ・シンフォニーホール

1D25番 

Sanctusからは1N列中央(知人と席交換)

 

J.S.バッハ    フーガト短調 BWV578《小フーガ》

              ミサ曲 ロ短調 BWV232

 

指揮、オルガン              : トン・コープマン

ソプラノ             : マルタ・ボス

カウンターテナー     : マルテン・エンゲルチェズ

テノール             : ティルマン・リヒディ

バス                 : クラウス・メルメンス

 

アムステルダム・バロック管弦楽団

アムステルダム・バロック合唱団

 

いま、自宅でこの日のコンサートの余韻を末永く残すために、そして作品理解の復習のために、丁度3年前の夏にNHK Eテレで放送された鈴木雅明・BCJのロ短調ミサ曲の録画を再生視聴中です。放送内のインタビューでの鈴木雅明による“この作品を演奏する価値について”のコメントは次の通り。

 

『勿論、この曲(ミサ曲ロ短調)はキリスト教のために書かれた音楽ではあるけれど、しかしバッハは、それを私たち現代という社会において、宗教だとか文化だとか政治だとか、そういったものを超えたところにある普遍的価値を直感して作曲した』

 

例年にもまして水害、台風、地震といった自然災害に見舞われている今年だからこそ、ロ短調ミサ曲を聴くことで感じるものがある。(今朝も降り続く雨で自宅近くの河川が氾濫しそうだ、との警戒警報が発令された)。週末の出張先で東京勤務の社員に“今、日本で東京が一番安全かも”と思わず言ってしまったけど、どうか日本全体が安息に、と願う次第です。

 

ザ・シンフォニーホールの豊かな響きに満たされた中で聴くアムステルダム・バロック管弦楽団&合唱団の演奏は、クラシック音楽を聴く上での至高の時間と表現しても過言ではない。今、“ながら”視聴中の鈴木雅明・BCJ(演奏会場はサントリーホール)での、例えばHosanna(ホザンナ)で聴かれるバロック・ティンパニの打ち込みや、バロックトランペットの鋭角的な音といったものは、この日の演奏では全体を通じてかなり抑制されていたように思う。オーケストラ、独唱と合唱が最高次元で融和した、心に深く染み渡る最高のロ短調ミサ曲だった。

 

ホール常設のパイプオルガンでトン・コープマンによるフーガト短調《小フーガ》の演奏の後、オーケストラそして合唱団の入場のあとSymbolum Nicenumニケーア信条)までが連続して演奏された。コンサート開始から1時間半ほどをすでに経過したところで15分の休憩あり。てっきり最後まで休憩なしで進むものと思って聴いていたので、私も含め、恐らく京阪神在住のコアなクラシック愛好家で埋まったホール全体が、“おっと、ここで小休止なんだ”と思ったに違いない。休憩のあとのSanctus(サンクトゥス)からは、合唱団が終曲の8声二重合唱に対応して配置換えを行い、そして出番のないソプラノとバリトンは舞台に上がってこず。

 

終演は920分。ところで小フーガの演奏、演奏会としてはなんか、とってつけた様にも思える。勿論聴けてうれしいけど。


トン・コープマン_ミサ曲ロ短調_20180907




201895日 読売日本交響楽団 第21回大阪定期演奏会 

 

フェスティバルホール

2階 1列目 定期会員席

 

ベルリオーズ: 序曲『ローマの謝肉祭』

チャイコフスキー: ヴァイオリン協奏曲 二長調

ドビュッシー: 交響詩『海』

ラベル: ボレロ 【未聴】

 

 指 揮        ジョセフ・バスティアン

ヴァイオリン  : 神尾 真由子

 

先日の台風21号で被害にあわれた皆様に心からお見舞い申し上げます。私は幸いなことに、恐らく“大阪市内で最も自然災害の影響を受けない”公共交通機関、四つ橋線利用なので通勤に支障がなく、台風通過の際もただ一人オフィスで勤務していました。先日の地震のときと同様、帰宅難民など無縁でしたが、オフィスのあるビルの最上階は猛烈な風を受けて揺れに揺れ続けて、30分余り船酔状態でした。

 

それでも思わぬところに台風の余波が・・・!本社幹部を6日早朝(この演奏会の翌朝)に関空でピックアップの予定だったのが、空港閉鎖の緊急対応で成田行きに変更となったおかげで、翌朝7時半までに成田空港に行かなければならなくなってしまった。さすがにフェスティバルホール終演からでは、どう手段を講じても翌朝7時半までに成田空港に到着することは不可能。幸いなるかな、プログラムの後半演目が“海”と“ボレロ”なので、“海”を聴いた後に席を立って、どうにか東京行き最終のぞみ(923分発)に飛び乗った。もしプログラムが前回定期の“復活”のような一曲ものだったら、アウトだったあ~!。

 

さて、この日の演奏についてどのような感興を得たか、をブログに残すに先立って、記しておかなければならないことが

 

私は絶対音感を持っていません。また“このブログを始めるに当たって”に記したとおり音楽の専門教育を受けてもいません。ということで、以下に書くことについては、素人の一音楽ファンのブログ記事としてご容赦(最も、このブログの記事すべて、ですけど)のほどを….

 

と、長い前置きをしてしまったけど、実は前半のヴァイオリン・コンチェルトは、とても“不快”だった。ソロ・バイオリンの音程が余りにハズレすぎている(と私には感じた)。ピンボケ写真を凝視しつづけたような、もしくは眼鏡を外して裸眼(近視、老眼、加えて加齢による軽度の斜視)で街を彷徨っているような不快な感覚に襲われてしまった。長い第1楽章の途中、席を立ってホール外に出ようか、と半分真剣に思ったくらい。前述の台風通過時の船酔気分のほうが、ビル1階という逃げ場があるのでマシだったかも。これでは、さすがに盛んな拍手を受けてステージに呼び出されてもアンコールは“無し”でしょう。ただし第1楽章の後、拍手が起こったくらいだし、終演後は盛んにブラボーが飛んでいたので、あくまでも私個人が“そう感じた”ということ。

 

なお、オープニング曲ベルリオーズも後半のドビュッシーも、読響の各パートの実力通りの演奏。特に“海”での色彩とニュアンスに富んだ各楽器のソロ、精緻なアンサンブル、そして特に終楽章終結部での深すぎず、厚くなりすぎない深い呼吸のブラスが加わってからの、終曲までの音楽のなんと素晴らしいこと。数年前に同じフェスティバルホール(ただし席は異なるけど)で聴いた大阪フィルの演奏とは数段の違い。ラベルの“ボレロ”を聴かずに、後ろ髪を惹かれるように、ホールを後にした。

 
読響_大阪定期_20180905


201893日 ザ・シンフォニーホール・ストリング・クインテット Vol.4

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1H13

 

モーツァルト: ディベルティメント 変ロ長調 K137

ヤナーチェク: 弦楽のための組曲

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番 イ長調『クロイツェル』

               ~作曲者による弦楽5重奏版

 

―アンコール  レスピーギ:古代舞曲とアリア第3組曲 第1楽章“イタリアーノ”

              モーツアルト:ディベルティメント K136 第2楽章アンダンテ

 

クインテットメンバー

1stVn  田野倉 雅秋  大阪フィル首席コンマス

2ndVn  岡本 伸一郎  大阪交響楽団アソシエイトコンマス

Va     木下 雄介     大阪フィル首席奏者

Vc     北口 大輔     日本センチュリー首席奏者

Cb     村田 和幸   日本センチュリー首席奏者

 

クロイツェル・ソナタは、1年前の大阪クラシック201747公演でザ・シンフォニーホール・ストリング・クインテットの1stVn奏者であり、大阪フィルの首席コンサートマスターである田野倉雅秋のヴァイオリン・ソロ、ピアノ菊池裕介の演奏を聴いている。今年3月のVol.3公演で弦楽5重奏版の演奏が告知されてから、“ほとんど協奏曲のように、相競って演奏されるヴァイオリン助奏つきのピアノ・ソナタ(ウィキペディア)”と作曲者自身が称しているこの傑作ソナタが、一体どのように弦楽5重奏にアレンジされているのか興味深々だった。実は演奏会直前まで、ベートーベン本人による編曲だとは知らなかった。作曲者による編曲版が通常の弦楽5重奏であるチェロ2丁なのに対し、チェロとコントラバスによるこの日の演奏では、日本センチュリー首席村田和幸の弾くコントラバスが第2チェロ・パートをオクターブ下げて弾いていたようで、プレスト楽章など、アクロバティックでエキサイティングなことこの上ない。

 

田野倉雅秋の1stVnがオリジナルのヴァイオリン・ソロパートを、そして他の4名がピアノパートを担うのかな、との聴く前の安直な想像はまったくの間違い。ヴァイオリン・ソロのヴァルトゥオーソな一面をひとたび白紙に戻し、曲本来の楽想と綿密に設計された構成をそのままに、新たに弦楽5重奏曲として一から組み上げた、実に聴き応えのある作品だった。勿論、オリジナルを聞き込んできたわけではないけど、編曲版において、その都度に聞こえてくる旋律線が、オリジナルではソロヴァイオリンなのかピアノの右手なのか(案外に左手なのか)を想像しながら、大変面白く聴いていた。

 

ヤナーチェクの演奏も精緻で素晴らしかった。ザ・シンフォニーホール・ストリング・クインテットの公演も今回が4回目。こうした“座付き”ならではの演目を今後も大いに期待したい。もっとも次回(Vol.5)の来場者向けに先行発売をするにあたり、演奏曲目の告知が無いのはいかがなものでしょう。それとチケット代が、ちゃっかり1,000円値上がりしていたのもちょっと残念。

 

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