あーと屋のほぼ大阪クラシック演奏会気まま日記

2018年05月

2018526日 日本センチュリー交響楽団 豊中名曲シリーズ Vol. 6

 

豊中市立文化芸術センター 大ホール

1階席J31

 

ボッケリーニ    : チェロ協奏曲 ト長調 G480

モーツアルト    : 交響曲第35番 ニ長調“ハフナー” K385

ベートーベン    : 交響曲第8番 ヘ長調 OP93

  -アンコール  ハイドン: 交響曲第13番 第2楽章

 

指揮            :鈴木 秀美  

 

豊中市立文化芸術センター大ホールは2年前に杮落としをしたばかりの1,344名収容の中規模ホール。日本センチュリーが昨年から豊中名曲シリーズとして週末に演奏会を始めたことは知っていたものの、そもそも週末は通常大阪を不在にしていることに加えて、なんとなく“豊中は遠い”という勝手なイメージのもと、なかなか聴く機会を得なかった。

 

実際に出かけてみると非常にアクセスが良い。最寄の阪急曽根駅は、いつも伊丹空港に向かう際に利用する大阪モノレールの乗り換え駅である蛍池駅から3つ手前の駅で、目的の豊中市立文化芸術センターは駅舎を出て阪急線路沿いに徒歩5分。これだったら平日の演奏会でも勤務先から30分でホールにたどり着けそうだ。

 

座った席は、舞台から10列目(列番号J)。8列目(列番号H)から勾配がかかってくるので、前列の人の頭は目線にまったく被らない。ちなみに1階最後列は24列目(列番号X)で、18列目(列番号R)からは2階席が被ってくる。聞こえる音は“芳醇”と表現してもよいほどに響きが豊かで、しかも下手(センターブロック上手よりの席だったのでオケの向こう側)に位置したベースの音がステージ奥の反響版を回って、上手側からブウォン・ブウォンと聞こえてくる。

 

鈴木秀美指揮の実演を聴くのは今回が初めて(それ故に、どうしてもこの演奏会聴いておきたかった)。バロック・チェロ奏者としての勝手に抱いていたイメージとは大きくことなり、ピリオド奏法への固執などはほとんど陰を潜めて、特にベートーベンの交響曲などロマンティシズムの表出に主眼を置いた演奏のように感じられた。それにしても、毎度の記載になるけど、コアメンバーで聴く日本センチュリーは実に安定している。



2018524日 大阪フィルハーモニー交響楽団 ソアレ・シンフォニー Vol.11

 

ザ・シンフォニーホール

1階席N6

 

ベートーベン: 劇音楽『シュテファン王』序曲 作品117

チャイコフスキー: ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35

  ―アンコール  J.S.バッハ: 無伴奏パルティータ第2番ニ短調より“サラバンド” 

ドヴォルザーク: 交響曲第9番 ホ短調 『新世界より』作品95

  -アンコール  ドヴォルザーク: スラブ舞曲第10

 

指揮            :角田 鋼亮  

ヴァイオリン    : 川久保 賜紀

 

かつてLP時代にメン・チャイとして盛んにカップリングされたメンデルスゾーンとチャイコフスキーの両ヴァイオリン協奏曲も、プロによる演奏であればハズレが無いというか、大概に不満を感じることなく演奏を楽しむことが出来る前者に対して、後者のチャイコフスキーはその真逆で、これまで実演・メディア(録音・録画)を聴いて、なかなか“これぞ”と思える演奏に出会えない。この10年ほどを振り返って、思わずうなってしまった演奏はBSプレミアムで視聴した2015年ザルツブルク音楽祭でのムターとムーティ指揮ウィーン・フィルの演奏のみであったように思う。

 

さて、当夜のチャイコフスキーの演奏、どうにも私の趣味に合わない。一貫して遅めのテンポで、溶けた粗目砂糖にまみれたスイーツのような印象の演奏が延々と続く第1楽章には、ちょっと辟易。それでも、その第1楽章終了と同時に、P席あたりからブラボーがかかったのだから、私の感性の問題なのだろう。一方、後半曲のドヴォルザークのシンフォニーは、とにかく終楽章までの3つの楽章において管楽器の音量が全体的に大きすぎる。こちらはこのホールの “いつものお気に入りのエリア” での感想なので、私の感性を信じたいところ。前半2楽章では音楽の流れを重視してタクトを持たずに、そして後半2楽章ではリズムのきれと演奏の縦の線をそろえるためにタクトを持っての指揮だったが、弦と管のバランスは指揮者の技量の範疇だろうと思う。

 

= 閑話休題 =

 

思えば昨年度の大阪フィル定期ラインナップは、是が非でも聴きたい公演が目白押しだった。フェドセーエフのチャイコフスキー5準・メルクルのぺトルーシュカエリアフ・インバルのマーラー6ユベール・スダーンのシューベルト9、そしてラドミル・エリシュカのお別れ公演と続き、さらにはバッティストーニのローマ3部作、そして井上道義によるショスタコーヴィチの激レア交響曲第2番と第3番。う~ん、それに比べて今年度の定期プログラムは まったく“ワクワク感”が無い。

 

4年前に始まった“ソアレ・シンフォニー”シリーズも、まったくもって凡庸なものになってしまった。本来このシリーズは“仕事を終えてから、ゆっくりと聴きにいける休憩なし60分ほどの本格コンサート”とのコンセプトのもと、定期公演なみの3日間リハーサルをおこなうこと、すべてメインの交響曲と小品で構成されたプログラムで統一することなど、実に充実したものだった。そしてその初年度の全4回はすべてメインに“第1番”を置くことで統一感を持たせたのもユニークな企画でもあった。

 

シーズン初年度(2014年度)のラインナップ

Vol.1       ウェーバー『魔段の射手』序曲          高関健

              マーラー交響曲第1

Vol.2     エルガー『威風堂々』第1               尾高忠明

              エルガー交響曲第1

Vol.3   外山雄三自作曲                                       外山雄三

             チャイコフスキー交響曲第1

Vol.4   ブラームス大学祝典序曲                   大山平一郎

            ブラームス交響曲第1

 

来年度は “第2番” を共通テーマにするの?ブラームスとシベリウスは当確として、ラフマニノフともう一曲はステーンハンマルだったらいいな、などと夢想していたもの。それが、とうとう今年は地方公演もどきの名曲コンサートになってしまった《哀》。ちゃっかりタイトル頭に《名曲シリーズ》とまで記されている。《苦笑》……などと、ブツブツ言っても、しっかり発売早々にチケットを購入しておき、いそいそと仕事を切り上げてシンフォニーホールへ。だって音楽好きなんだからしょうがない。

 



大阪フィル_ソアレシンフォニーVol.11_20180524

2018517日 大阪フィルハーモニー ベートーベン交響曲全曲演奏会 第1

 

フェスティバルホール

3階席5列目中央ブロック

 

ベートーベン

バレエ音楽『プロメテウスの創造物』序曲

交響曲第1番 ハ長調 作品21

劇音楽『エグモント』序曲

交響曲第2番 ニ長調 作品36

 

指揮            : 尾高 忠明

 

尾高忠明の音楽監督就任とともに始まったベートーベン交響曲全曲演奏会、残念ながら第4回(7番、8番)は日本センチュリーの230回定期と日程が重なり、第5回は毎度の年末公演で大阪を離れているので、やむなく連続セット券の購入は見送りした。次回68日(3番、4番)は海外出張が確定しているので、あとは第3回(5番、6番)の7月演奏会をどうにか聴きたいところ。

 

ちょっと人気薄の感もあるけど、個人的にはとても魅力的なプログラム。全9曲の中で最も好きな第2番(第1楽章、壮大な序奏の後の最初の主題提示から転調推移して、なだれ込むように続く躍動感あふれる第2主題を聴くと、いつもワクワクし音楽を聴く喜びに浸れる)が演奏させること、そして初期作品を新音楽監督尾高忠明と大阪フィルがどのようなアプローチで演奏するのだろうか、定期会員として興味は尽きない。

 

さて、その尾高忠明・大阪フィルのベートーベン、チラシにある “原点にして頂点” の言葉に相応しい立派な演奏だった。『プロメテウスの創造物』序曲の出だしを聴いて、身構えたほどには重心が低くない音作りに一瞬戸惑いを感じたのは事実。それは『エグモント』序曲でも同じで、オーケストラの音の積み上げ方は明らかに一昨年までの井上道義と違う。ただし、それは音楽を過度に厳しいものにしないだけで、十分に剛性があり、また適度にしなやかさもあり、まったく問題ない。個人的には、前述の第2番第1楽章に限らず、第1番、第2番共通して、もう少しだけ躍動感が加われば理想なのだけど。

 

それにしてもフェスティバルホールの3回席の音響はすばらしい。

 
大阪フィル_ベートーベン_第1回パンフ_20180517


大阪フィル_ベートーベン_第1回_20180517

201858日 東京フィルハーモニー 第907回サントリー定期 歌劇『フィデリオ』演奏会形式 

 

サントリーホール

110 35

 

ベートーベン    : 歌劇『フィデリオ』 演奏会形式

 

 指 揮                  チョン・ミュンフン

 

フロレスタン                     : ベーター・ザイフェルト

レオノーレ                         : マヌエラ・ウール

ドン・フェルナンド           : 小森 輝彦  

ドン・ピツァロ                  : ルカ・ピサローニ

ロッコ                                : フランツ=ローゼフ・ゼーリヒ

マルツェリーネ                  : シルヴィア・シュヴァルツ                           

ヤキーノ                            : 大槻 孝志 

 

合唱                                   : 東京オペラシンガーズ

 

『フィデリオ』って、楽聖ベートーベン唯一のオペラ作品として有名(名前がよく知られている)でありながら、作品自体は耳にする機会がありそうで、なかなか無い。週末に自宅のCDラックを確認したら、15年ほど前に『まっ、いつか聴くでしょ』と買っていたマゼール・ウィーン国立歌劇場とクレンペラー・フィルハーモニアOの全曲セットがどちらも未開封のまま、埃を被ってた。普段は演奏会に先立ってCDで事前に聴いておくことは一切“しない派”だけど、今回だけは、事前に“予習”をしておけばよかったようだ。ミュンフン・東京フィルの実演を聴いても、どうにもピンと来なかった『フィデリオ』も、この週末にマゼールとクレンペラーの両録音を聴いて作品の魅力が多少は判ってきた気がする。

 

全曲を暗譜で指揮したチョン・ミュンフンの切れ味鋭い指揮姿と、それに応えた東京フィルの演奏がみことだったけど、なにより東京オペラシンガーズがこんなにも達者な団体だとは知らなかった。演奏会形式だとオーケストラ演奏のダイナミズムが際立つ一方で、主役・準主役級とその他歌手の実力差がはっきりとしてしまう。そんな中、第2幕序奏後のベーター・ザイフェルトの“神よ、なんと暗い闇か!”の最初の言葉 Gott! の扱いが、録音で聞くジェームズ・マクラッケン(マゼール盤)やジョン・ヴィッカーズ(クレンペラー盤)の冒頭から張り上げるような歌いっぷりと異なり、苦悶の果てに心の底から搾り出すかのような歌いだしだったのがとても印象的だった。

 

下手前方席からの“早く演奏しろ!”との叫びは論外にしても、常々ブログに書いているとおり、余分なバイアスを与えてしまう所謂“前説”は、出来れば耳を塞いででも聞きたくない。その意味では幸いなことに作品紹介に徹した単なる“お話”だったにしても、なんとも中性的な俳優の語り口は“これからベートーベンのオペラを!”と気持ちを切り替えていたところには不釣合いだった。

 

 
東京フィル_フィデリオ_20180508



20185月1日  ウィーン国立歌劇場 アイーダ

 

ウィーン国立歌劇場

平土間右2列目3

RPARKETT RECHTS REIHI2、 PLATZ 3

 

ヴェルディ : 歌劇『アイーダ』

 

 

指揮          :エヴェリーノ・ピッドー

演出          : ニコラ・ジョエル

オーケストラ  :ウィーン国立歌劇場オーケストラ

合唱          :ウィーン国立歌劇場合唱団

 

エジプト王    : アイリーン・ファスト・グリーン

アムネリス    : アニタ・ラチヴェリシュヴィリ

アイーダ      : クリスティン・ルイス

ラダメス      : ホルヘ・デ・レオン

ラムフィス    : ソリン・コリバン

アモナスロ    : パオロ・ルメッツ

 

席は平土間ピットから2列目、上手端から3番目。一昨日、昨日と大きく異なり日本人旅行客が驚くほど多い。この旅で知り合いとなったN氏(後述)をお待ちして劇場入り口に立っていると、日本人の旅行客がやたらと目に付く。新婚旅行然とした若いカップルから、数名の女性グループ、そしてもちろん壮齢のご夫婦まで。私の席の周りだけでもざっと10人は日本人だったから劇場全体で150人、もしかすると200人近くが日本人だったとしても、決しておかしくは無い。

 

3列目のほぼセンターで聴いたとき(一昨日のアンドレア・シェニエ)の身震いするほどの感興に一切ひたれなかったのは、明らかに席位置の違いだろう。目の前はヴィオラの最後尾でその奥にトランペットとトロンボーン。その直ぐ右横(上手)にはティンパニが置かれ、とにかくバランスが悪い。ただし、舞台から2列目は、特に上手よりで歌ったときの襞のような細部までとても良くわかる。全体的には歌唱パフォーマンスにバラつきがあったようで、アムネリス役のドラマチック・ソプラノ アニタ・ラチヴェリシュヴィリが一番の出来だったのに対して、アイーダ役のクリスティン・ルイスの、低域での声の弱さゆえの表現の単調さと中・高域にかけてのつながりの悪さがどうにも聞こえ悪く、実際、終演後のカーテン・コールでかなりのブーイングが浴びせられていた。そのカーテン・コールはわずか1回だけ。昨日のセヴィリアの理髪師2回、一昨日のアンドレア・シェニエがヨナス・カウフマン主演もあり平土間総立ちのスタンディング・オベーションとともに長時間続いたことを思うと、私の今回のオペラ3作品の満足度とみごとに相関する。

 

それにしてもやはり、ヴェルディは苦手だ。これまでも、お金を払ってまで聴きたいとは思わない“食わず嫌い”の作曲家。今回、初めて実演を聴いてハッキリ認識した。誰になんと言われようと、ヴェルディは私の趣向に合わない。日頃ワグネリアンを自認していてもイタリア・オペラは嫌いではないし、実際プッチーニは初期作品から晩年トゥーランドットまで、どれも楽しんできた。でも、ヴェルディはやはり、だめだ。

 

ウィーンの3日間の滞在では、素敵な出会いもあった。滞在初日のアンドレア・シェニエで偶然、隣に座られたご年配の紳士N氏とはその後のセヴィリアの理髪師、アイーダ、そしてこの日の午前11時からの楽友協会大ホールでのウィーン・ヨハン・シュトラウス・オーケストラのスプリング・コンサートともすべてご一緒で、毎回開演30分前に会場入口でお会いしてお話をさせていただいた。楽友協会を出た後、ご宿泊先であるインペリアル・ホテルで昼食までご一緒させていただき、いろいろと楽しいお話をさせていただいた。35年ほど前、ウィーン国立歌劇場でグルベローヴァのアデーレを聴いて以来のオペラファンであること、毎年、大晦日の『こうもり』とニュー・イヤー・コンサートを聴きにウィーンにいらっしゃること、そして今回はもう数日滞在しハーディング・ウィーンフィルのマーラー5番を聴いてから帰国なされること、などなど。3日間を通じ、ご人徳あふれる語り口とお人柄あふれた笑顔のN氏と演奏会の前後に会話を交わすことで、私の一人旅をさらに心豊かなものにすることができました。ありがとうございました。

 ウィーン国立歌劇場_アイーダ_20180501



ウィーン国立歌劇場_アイーダ_1_20180501



2018
51   ウィーン・ヨハン・シュトラウス・オーケストラ スプリングコンサート ウィーン楽友協会大ホール

 

ウィーン楽友協会大ホール

1階左3番ボックス席1列目5番 

3Parterre-Loge Reihe1Platz 5

 

指揮          :アルフレッド・エシュヴェ

オーケストラ  :ウィーン・シュトラウス・オーケストラ

 

ヨハン・シュトラウスⅡ             : 喜歌劇『ジプシー男爵』序曲

ヨハン・シュトラウスⅡ             : ポルカ『モルダウ川のほとり』

ヨハン・シュトラウスⅡ             : ポルカ・シュネル『さあ、踊ろう』

ヨハン・シュトラウスⅡ             : ワルツ『ウィーンのボンボン』

ヨハン・シュトラウスⅡ             : ポルカ『蜃気楼』

ヨーゼフ・シュトラウス             : ポルカ・シュネル『休暇旅行にて』

ヨハン・シュトラウスⅡ             : ワルツ『ジャーナリスト』

休憩

ヨハン・シュトラウスⅡ             : オペレッタ『ヴェネチアの一夜』序曲

ヨハン・シュトラウスⅡ             : ワルツ『東方のおとぎ話』

ヨーゼフ・シュトラウス             : ピツッカート・ポルカ

ヨーゼフ・ランナー          : タランテラ・ギャロップ

ヨハン・シュトラウスⅡ             : 喜歌劇『こうもり』からチャルダッシュ

ハンス・クリスチャン・ロンビ       : シャンパン・ギャロップ

ヨハン・シュトラウスⅡ             : ワルツ『皇帝円舞曲』

 

  アンコール      

ヨハン・シュトラウスⅡ             : ポルカ・シュネル『雷鳴と稲妻』

ヨハン・シュトラウスⅠ             : ラデツキー行進曲

 

この旅の宿泊先はケルントナー通りの基点、ホテルザッハーの向かい側にあるオペラ・スイート・ホテル。その名のイメージとは異なるわずか12室のこじんまりとしたホテル。それでも国立歌劇場まで徒歩1分、楽友協会まで5分ほどの、出張ついでの音楽三昧一人旅には申し分ない。一見、とてもホテル入り口とは思えないような扉から外に出ると、ケルントナー通りの向こう側がちょうどホテルザッハーのカフェ入り口で、夜遅くまでザッハトルテ目当ての旅行者の長蛇の列。宿泊2日目の昨日には大体様子が判り、カフェが込みだす前の朝11時前に出かけて、歌劇場に面したオープンカフェでその名物ケーキをゆったりと堪能した。

 

さて、代理店を通じて購入した席は1階左3番ボックス席1列目で、私の周りは身なりのよい地元の老夫婦ばかりで日本人は私一人。毎年51日メーデーの日に開催されるこのコンサートを地元の人も楽しみにしていることが、なんとなく聞こえてくるドイツ語の会話(もちろん会話の内容など皆目わからないけど)からも伝わってくる。

 

ステージから届く芳醇な響き、ホールの空間に満たされてた後、ふわっと減衰していく豊かな残響。3番ボックス席前列で聴くウィーン楽友協会大ホールの響きは、本当にすばらしかった。オーケストラの編成は弦が 9+5+3+3+3 、木管2管、ホルン4、トランペット1(訂正、2です)、トロンボーン1, ハープ1、ティンパニ1、打楽器1(一所懸命に数えてしまうところがオタク)。ウィンナ・ワルツは大概ファースト・ヴァイオリンが旋律線を受け持って、セカンド・ヴァイオリンもヴィオラもリズムを刻んでいることを思えば、ファースト・ヴァイオリンの人数が多いのは理にかなった構成なのかもしれない。

 

指揮のアルフレッド・エシュヴェは今年1月に新国立歌劇場で聴いた『こうもり』の指揮者だったことに、このブログ記事を書いていて気がついた。そのエシュヴェは曲が終わるたびに指揮台の上から客席側に向かって次の演奏曲目を簡単に解説(もちろんドイツ語)していくけど、当然ながら何を言っているか、さっぱり判らなかった。

 

さて、この午前11時からのウィーン楽友協会大ホールでのコンサートのあと、夕方7時からはオペラ三連荘最後のアイーダをもって、ウィーン滞在は終わりとなります。

アイーダの鑑賞記事は帰国後になります。


ウィーン・シュトラウス・オーケストラ_1_20180501




 

2018430  ウィーン国立歌劇場 セビリアの理髪師

 

ウィーン国立歌劇場

平土間左4列目10

RPARKETT LINKS REIHI4、 PLATZ 10

 

ロッシーニ : 歌劇『セビリアの理髪師』

 

アルマヴィーヴァ伯爵 : Jinxu Xiaho

バルトロ             : Martin Winkler

ロッジーナ           : Rachel Frenkel

フィガロ             : Boris Pinkhasovich

バジリオ             : Ryan Speedo Green

フィオレッロ         : Igor Onishchenko

 

指揮          :アレクサンダー・ソディー

演出          :ギュンター・レンネツト

オーケストラ  :ウィーン国立歌劇場オーケストラ

合唱          :ウィーン国立歌劇場合唱団

 

席は昨日のアンドレア・シェニエとほぼ同じ、平土間の前から4列目、中央から左に5つ下手に寄ったところ。前列に座った方の頭がまったく邪魔することなく、舞台全体が見える一方で、コンマスがちょうど右斜め前の方の陰になってしまって、誰だったか判らずじまい。

 

オーケストラはベースが3本だったから、弦は10型だったのだろうか。(昨日のアンドレア・シェニエはベース6本だった) 序曲冒頭、ベースからふわっと音を積み重ねていく音作りが、昨日とまったく違う。常に重くならず軽やかに歌い、時に大きく盛り上がる弦、柔らかなホルンの響き。さすがに昨日のように音圧に圧倒されるようなことは一切無く、ステージ上の声をまったく邪魔しない。

 

演出は、とにかく手堅く練りこまれており、特にバルトロ役のマーティン・ウィンクラーの芸達者な動きが楽しい。何人ものオーケストラ・メンバーが演奏の合間に(それこそ、指揮者が棒を振り下ろす直前まで)舞台上に組まれた3階建てのバルトロ邸で繰り広げられるコメディーをじっと見上げているのが、いかにも演奏慣れしている感じで面白かった。

 

二回ほどのカーテン・コールを持って終演。そういえば、昨日のアンドレア・シェニエは、異例なほどにカーテン・コールが続いて、最後はスタンディング・オベーションとなったこと、忘れないようにここに記しておく。

ウィーン国立歌劇場_セビリアの理髪師_1_20180430

ウィーン国立歌劇場_セビリアの理髪師_20180430


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