あーと屋のほぼ大阪クラシック演奏会気まま日記

2018年02月

2018216日 大阪フィルハーモニー第515回定期演奏会 1日目

 

フェスティバルホール

1階定期会員席

 

指揮            : アンドレア・バッティストーニ

 

レスピーギ:    交響詩『ローマの噴水』

                交響曲『ローマの祭り』

                交響曲『ローマの松』

 

バッティストーニって、まだ30歳なんだ。『噴水』弱音部のパートバランスのみごとさは息を飲むほどだし、『祭り』のカンタービレでの歌いまわしなど、いかにもラテン的でむせ返る様。煽りまくった狂乱の場面でもまったく演奏を破綻させない。いやぁ、凄い才能ですわ。また大阪フィルの定期で振ってもらえないかな。数年先だったらまだギャラ、バジェット内で収まるでしょう?

 

ところで、このブログを書くにあたり、ポスターPDF画像をダウンロードしようと大阪フィルのHPを覗いたら、なんと今日(二日目)のA席は完売で3階席の当日券販売を行うらしい。初日(昨日)も1階席がほぼ満席状態だったので、バッティストーニへの期待が如何にもの凄いかわかる。1月定期が人気曲でありながら空き空きだったことを思うと、指揮者のネームバリューとはかくも大きいのかと驚かされる。さて井上道義の3月定期、ショスタコーヴィチの第2番と第3番という、東京でもまず聴けないような超変化球プログラム、果たしてどれだけチケットが売れるだろうか。案外、日本中のショスタコ熱愛者(どれくらいいるか知らないけど)が多数はせ参じるのかも。

 
大阪フィル_第515回定期_20180216

2018213日 山田和樹指揮 樫本大進Vn 日本センチュリー交響楽団 ザ・シンフォニーホール公演

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1M35

 

サンサーンス: ヴァイオリン協奏曲第3

  ――アンコール J.S.バッハ: 無伴奏Vnのためのパルティータ第3番 ガヴォット

 

チャイコフスキー: 交響曲第4

  ――アンコール アザラシヴィリ: ノクターン

 

指揮          山田 和樹

ヴァイオリン    樫本 大進

 

昇竜のごとく世界的なキャリアを積み上げている若きマエストロとベルリンフィル第一コンサートマスターによるソロヴァイオリンを迎えてのコンサート。パンフレットの“夢の響宴”のうたい文句も素直に肯ける。春の音楽シーズン開始前といえども、超多忙な山田和樹と樫本大進の二人を良くぞブッキングできたものだと思う。ザ・シンフォニーホールを会場としたことも有難い。

 

山田和樹は、もう大阪では彼のタクトでオーケストラを聴くことは出来ないだろうと思っていた。彼の指揮する姿は、メディアで見る若き日の小沢征爾に見事に重なる。昨年はオーチャード・ホールで日フィルとのマーラーの8番を、そして夏に東京混声合唱団の大阪定期をいずみホールで聴いているが、特に東混での指揮ぶり(合唱指揮者特有の手振りではなく、オケを采配するのとまったく同じ指揮姿)と、そこから引きだされる感性豊かな音楽に大いに感嘆したことを、いまだに鮮烈に覚えている。

 

後半のチャイコフスキーの第4番交響曲は、自身のアンチ・チャイコフスキーを際立たせる作品で、わざわざお金を出して聴きたいとは思わないシンフォニーの筆頭。大概、聞いている途中で感情過多な音楽が堪らなくなってしまい、聞えてくる音楽から離れて日常のことなどを思ったりなどするもの。そこはさすが若きマエストロ山田和樹、終楽章での個性的なスローダウンからのジェットコースターのような主題提示の運びで熱狂を誘ったのも面白かったけど、なによりいつも白けたように醒めてしまう第1楽章を、一時も集中力を途切れさせること無く聴かせてくれた。

 

樫本大進のヴァイオリンは、数年前、ザ・シンフォニーホールでのソロ・リサイタルで抱いた印象のとおり、超絶技巧を売物にするヴィルトゥオーゾな演奏スタイルではなく、柔らかすぎない芯のある音とナチュラルな旋律の扱いが魅力。コンチェルト第2楽章の歌いまわしなどオーケストラのソロ・コンサートマスターの演奏スタイルそのもので、例えば数年前に同じザ・シンフォニーホールで聴いた、読響大阪定期での神尾真由子の“夢見る乙女とは欠く有り何”、といったソロ演奏とは明らかに異なる。昨年、東京文化会館で彼の演奏を聴いた際(パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルとのベートーベンのコンチェルト)には、こうした感想がまったく得られなかったことを思えば、やはり、演奏をすばらしいものにするのは豊かな音響を有するホールが絶対に必要だということなのだろう。

 

 日本センチュリー_山田和樹_樫本_20180213


2018
29日  大阪フィルハーモニー Enjoyオーケストラ ~オーケストラで聴く映画音楽の世界!~

 

ザ・シンフォニーホール

1階k列19

 

武満徹の世界

   演奏会用組曲『三つの映画音楽』

   夢千代日記

   乱

   『波の盆』組曲

2 ジョン・フィリアムズの世界

   映画『未知との遭遇』メインテーマ

   映画『ハリー・ポッターと賢者の石』メインテーマ

   映画『シンドラーのリスト』メインテーマ

   映画『E.T.』フライングシーン

   映画『ジョーズ』メインテーマ

   映画『スター・ウォーズ』メインテーマ

 

 指揮とお話     尾高 忠明

 

2年前に始まったこのシリーズも青少年向けの“入門コンサート”然とした1年前の前回から趣向を変えて、クラシック好きのマニアにもかなり聴き応えのある選曲。小・中学生には前半はきっと退屈だったに違い無いだろうけど、みんな静かに聴き続けたのはたいしたもの。

 

舞台上に幼稚園から高校生までの希望者を乗せて演奏を聴く名企画は今回、後半第1曲目の『未知との遭遇』メインテーマ。今年は、昨年よりも少なく60名くらいかな。回りのほうから“私も(舞台に)上がりたい”との大人の方の声が聞えたけど、私も同感。昨年も同じことを記したけどオーケストラの迫力を肌で感じた彼らが大人になってもクラシック音楽をなんの抵抗無く気軽に聴くようになることを願わずにいられない。

 

『スターウォーズ』演奏のあとマエストロが再びマイクを持ったとき、つい“もう一曲”を期待してしまった心清らかならぬ私めだったが、一言の挨拶とともにアンコールなしに9時ちょうどに終演。

 
大阪フィル_エンジョイオーケストラ_20180209



2018121日 新国立劇場 J・シュトラウス『こうもり』 121日公演

 

新国立劇場

1321

 

指揮:              アルフレート・エシュヴェ

演出:              ハインツ・テェドニク

オーケストラ:      東京交響楽団

 

アイゼンシュタイン   :アドリアン・エレート

ロザリンデ           :エリーザベト・フレヒル

フランク             :ハンス・ペーター・カンマーラー

オルオフスキー公爵   :ステファニー・アタナソフ

アルフレード         :村上 公太

ファルケ博士       :クレメンス・ザンダー

アデーレ             :ジェニファー・オローリン

プリント博士         :大久保 光哉

フロッシュ           :フランツ・スラーダ

イーダ               :鵜木 絵里

 

『こうもり』は、とにかく思い入れがある。20年ほど前に東京から地方都市に転勤移動の際に所有LPをディスクユニオンにまとめて叩き売った際にも、お年玉で買ったクライバー・バイエルン国立歌劇場の2枚組LPボックスだけは手放さず、今もキャビネットの中に大事にしまって残している。(売り払った中には朝比奈隆の聖マリア大聖堂ブルッナー選集ボックスセット--- 愛蔵家番号入りなど、今思えばかなりのお宝があった)それ以来、このLP盤、そしてオットー・シェンクの名演出舞台のVHSビデオ 、そしてDVDと、いったいこれまでに何回、クライバーの演奏を鑑賞してきたことだろう。ヘルマン・プライがアイゼンシュタインを歌ったコヴェント・ガーデン王立歌劇場の上演動画も素敵だけど、やはりクライバー・バイエルン国立の上演動画は何時観ても飽きない。

 

新国で数年おきに再演されている『こうもり』も、いつか機会があれば観たいと思っていた。幸いにも週明け月曜日から東京オフィスで会議が決まったこともあり、急遽新国立劇場チケットサイトを検索したら、中央ブロックど真ん中、指揮者の真後ろ3列目という思いもかけない最良席を押さえることができた。昨年の“神々の黄昏”のときもそうだったように、公演数週間前でも運さえよければ良席チケットが手に入るなんて、新国立劇場のチケット販売システムは実にフェアで有難い。

 

ただし、本来ならオペラ特等席であるはずの自席も、残念ながらこの演出には最適ではなかったようだ。左右の字幕スーパーに目をやるのが大変で、フロッシュの台詞が見づらいのは致し方ないにして、なにより安っぽい舞台装置と少々賞味期限を越えたような演出が気になってしまう。第2幕後半の舞踏会、舞台前面の役どころの一団から離れた奥のようで“雷鳴と電光”の演奏とともに合唱団がサークルを成して踊っているところなど、どうにも間の抜けた演出に感じられてしまう。中間から後方にかけての舞台を俯瞰できる場所からの鑑賞であれば、もっと違った印象を受けたのだろうか。

 

おっと、なんだが酷評しているようだけど、この最高にハッピーなオペレッタの最高傑作、たっぷりと楽しみましたよ。ロザリンデもアデーレも上手かったし、アイゼンシュタインもフランクも演技がこなれていて、長身で舞台栄えがする。少々色あせ気味の演出と舞台装置に目をつぶれば、とっても楽しい3時間だったのは間違いない。

 
新国立_こうもり_20180121


こうもり_クライバーLP

2018120日 日本センチュリー交響楽団 第222定期 2日目

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1

 

プロコフィエフ: ピアノ協奏曲第1番 変二長調

  ――アンコール  ラフマニノフ: ピアノソナタ 第2番 第3楽章

                                             ハイドン: ピアノソナタ 第47番 第2楽章

ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調『ロマンティック』

 

指揮               飯森 範親

ピアノ             アレクサンダー・ガヴァリリョク

 

クラシック音楽とカテゴリーされるものは、中世から近代までどんな作曲家でも、リュートからフル編成オケまでどんなジャンルでも、とにかく何でも聴く“雑食”だけど、(…故に“好きな作曲家は誰ですか?”と尋ねられると答えに窮してしまう…)、苦手な作曲家であれば、ラベルとプロコフィエフと即答してしまう。特にプロコフィエフは、クラシック音楽を無理やり聞かされて“これの何が楽しいの?”と言い返す、普段クラシック音楽を聞くことが無い人の反応とほとんど一緒かもしれない。

 

後半のブルックナーもなんと、エキストラなしの弦10型編成。うーん、定期会員としてこの日の演奏会をどう捕らえてよいのだろう(昨日が大阪フィル定期二日目とダブりで、事務局にお願いしての振り替え)。 後期作品に匹敵する巨大な終楽章に至っても、まったく編成の脆弱性を感じさせることなく演奏しきったのは見事。しかも飯森範親の表現したいことが全員に伝わっていることも良くわかる。それでも、奏者一人ひとりが限界まで弾ききっているが故の、例えて言えば小さなゴム風船を破裂寸前まで膨らませているような、限度いっぱいまで張り詰めた緊張感のものすごいこと。終演後の長い沈黙も音楽への感動というよりも、私には極度の緊張から開放される時間だったようにも思える。日本センチュリーは確かに上手い。 でも何故に定期でブルックナー? 中型高機能オケとして、新しい解釈、演奏アプローチを試みる、ってなことなら肯けるけど、今日のような正攻法ブルックナーは聴く方も辛い。少なくとも日本センチュリーの定期で私が聴きたいのは、もっと別の音楽なのだけど。

 
日本センチュリ_第222回定期_20180120

2018119日 大阪フィルハーモニー第514回定期演奏会 2日目

 

フェスティバルホール

2R5

 

指揮            : 角田 鋼亮

ヴァイオリン    : 竹添 恭子

 

コルンゴルド: ヴァイオリン協奏曲 ニ長調

                ―― アンコール  ヴォーン・ウィリアムス: 揚げひばり

マーラー:交響曲第1番“巨人”

 

またまた、演奏会記録の書き溜め状態。この大阪フィルの定期の数日前になる116日にNHK BSで放送された“クラシック・クラブ”の録画(竹添恭子のリサイタルで曲目はブラームスの1番、3番ソナタ)を自宅で見ていて、いよいよ重い腰をあげた。

 

とにかく公私の“公”が忙しい。日ごろより職場の同僚には“予定したコンサートには常に万難を排して出かける”と宣言していても、仕事上の事情には最後にはあがなえない。これまでも出張やら会議やら、ときには社用の会食でいけなかったインバル・大阪フィルのマーラー5番の定期二日目などあったものの、昨年12月から年始にかけては、なんと5つのコンサートを連続して聞き逃してしまった。なかでも読響の“第九”(フェスティバル・ホール)と、オーケストラ・アンサンブル金沢のニュー・イヤー・コンサート(ザ・シンフォニーホール)が聴けなかったのは、いかにも残念。大阪フィルの1月定期も初日が仕事の都合がつかずじまいで(幸いにも最近、常連さんとして認識いただいた感のあるクラシック音楽バーの店長にチケットをお譲りできた)、結局この第2日目が今年の演奏会聴き始め。

 

2階席サイドのバルコニー部分(R5列)はフル編成オケをヴィジュアル的に鑑賞するには最高で、“巨人”のスケルツォでの9本のホルンによるベルアップは見てて実に爽快。それに引きかえヴァイオリン・ソロを楽しむにはいささか難しいところがある。それでもコルンゴルドの独特な響きの音の世界を感じることができたのは竹添恭子の上手さなのだろう。(ちなみに、いま自室にながれているの前述のブラームスのソナタ3番の2楽章)

 

メインがマーラーの巨人でありながら、あまり席が埋まらなかったのは指揮者の知名度不足からだろうか。角田鋼亮の指揮は、大阪フィル実質デビューとなった昨年10月のソアレ・コンサートを聴いていないので(日本センチュリーのハイドンマラソンと重なった)、今回が昨年2月のEnjoyオーケストラ”につづいての2度目。とにかく大阪フィルのメンバーが彼の定期初登場を暖かく支えた、といったところだろうか。勿論、十分に譜を読み込んだ上での指揮台だろうけど、リスクを取ってでも個性溢れるアプローチを楽しみにしていたので、あまり面白みのない演奏というのが正直なところ。角田鋼亮の名前は今年4月からの大阪フィル定期ラインナップにも、ソアレ・マチネの両プログラムからも名前がない。

 

 
大阪フィル_第514回定期演奏会_20180119

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