あーと屋のほぼ大阪クラシック演奏会気まま日記

2016年04月

2016429日 関西フィルハーモニー管弦楽団 第273回定期演奏会

 


大阪ザ・シンフォニーホール

2DD

 


ラフマニノフ    :鐘(原曲:前奏曲嬰ハ短調OP3-2

ラフマニノフ    :ピアノ協奏曲第3

  ― アンコール  

横山幸雄:アヴェ・マリア~バッハ = グノーの主題による即興(2000

菅野 祐悟        :交響曲第1番【世界初演】

 


指揮      :藤岡 幸夫

ピアノ  :横山 幸雄

 


昨年8月の関西フィル・いずみホール「Meet the Classic」で菅野祐悟さん作曲の“琴と尺八と管弦楽のための協奏曲~Revive~”を聴いて以来、大変に楽しみにしていた演奏会です。18歳から10年間ほど琴古流尺八を習っていたこともあり、尺八やお琴といった邦楽器が西洋楽器と一緒に演奏することがいかに至難なことかをよく知っているつもりなので、その日の演奏で尺八(当然ながら都山流)と20弦奏者の演奏技術もさることながら、これら邦楽器を見事に取り込んだ作曲の才能に感服したものです。

 


さて、そのMeet the Classicのステージ上で藤岡幸夫さんから世界初演がアナウンスされた交響曲第1番ですが、“定期のメイン・プログラムに据えるに足る作品ではなかった”というのが率直な感想です。(音楽とは常に個人の感性にて受け止められ、評価されるものですから、どうか許していただきましょう)。 “吹奏楽曲のオーケストラ編曲版”を聴いたときのような曲展開のつまらなさを感じてしまった第1楽章に比べ、後半楽章はまだ聴いていて面白味はあるのですが、まるで映画や大河ドラマのサウンドトラックを聴かされているよう。ラフマニノフ風のメロディーが展開された先でピアノがアルペジオを弾きだした際には、さすがに“おいおい、シンフォニーでそれはないでしょうぉ”と思ってしまった。――繰り返しになりますが、どのように感じるかは人それぞれですので、私の演奏会日記として、ご無礼をお許しください。

 


前半のラフマニノフは凄かったなあ。それとアンコール曲は横山さんの作品集としてCDが出ていますね。この連休中に買って聴いてみることにします。

 
関西フィル_273


2016422日 延原武春 テレマン室内オーケストラ J.Sバッハ

 


ザ・シンフォニーホール

1階中央ブロックE

 


J.S.バッハ      :ブランデンブルグ協奏曲第1

                :管弦楽組曲第2

                :ブランデンブルク協奏曲第5

                 ~休憩~

                :ブランデンブルグ協奏曲第4

                :管弦楽組曲第3

―アンコール  

G.Ph.テレマン 3つのトランペットとティンパニのための協奏曲ニ長調 第12楽章

 


指揮 :延原武春

バロック・ヴァイオリン:ウッラ・ブンディース

フルート:リコーダー 森本英希

リコーダー:村田佳生

テレマン室内オーケストラ

 


延原武春さんは数年前にいずみホールでの大阪フィルとのベートーベン交響曲ティクルスでその存在を知って以来、いつか主催団体であるテレマン室内オーケストラの演奏を聴いてみたいと思っておりました。

 


正直なところ、昨年クイケン&ラ・プティット・バンドの演奏(ブランデンブルグ全曲)を聴いた後では、どうしても聴き劣りがしてしまう。特に管楽器の演奏レベルは、その演奏が非常に難しいことを十分に承知したうえでも、やはり大阪という地方をベースに活躍している演奏団体では厳しいものがある。第1曲目の3番オーボエの奏者は学生さんなのか、音を出さない時の不安げな姿は客先から見ても心配になるくらい。正直、最初の曲を聴きながら“しまった、時間とお金を無駄にしたかなぁ…?”と一瞬思ってしまったほど。

ただ、弦楽の人数を絞った編成での第2曲以降は、古楽アンサンブルを十分に楽しませていただきました。


延原武春_バッハ


2016417日 京都市交響楽団 創立60周年記念 大阪特別演奏会

 


ザ・シンフォニーホール

1階P列31

 


リヒャルト・シュトラウス: ツァラトゥストラはかく語りき

サンサーンス:交響曲第3番『オルガン付』

   アンコール  マスカーニ: カヴァレリアルスティカーナ『間奏曲』

 


指揮 :広上 淳一

オルガン:アレシュ・バールタ

 


一言“すごい!” 国内トップレベルの演奏団体のひとつと巷で評されるのも頷けます。個人的には大阪フィルの30年来のファンだけど、演奏団体のレベルは京響のほうが一ランク上でしょう。時につまらない指揮者で凡庸な演奏を聴いたときは、気付かぬうちに日常のことをふっと考えていたりするものだけど、二つの大曲とも一瞬も気持ちが離れることのない濃密な音楽体験でした。

 


実のところこれまで、シンフォニーホールのパイプオルガンについてはあまり高く評価しておりませんでした。例えば他のホールでの腹部が震えるような重低音や、いずみホールのパイプオルガン演奏で耳元の空気が微かに振動するかのような微弱音といった体験を得た記憶がまったくないのです。サンサーンスのオルガン交響曲に限っても幾度となくこのホールのパイプオルガンを聴いてきたけど、恐らく“ゴージャスな”という表現のふさわしくない中型規模の楽器なのだろうからこの程度なんだろう、と思い納得しておりました。ところが、それも今夜の演奏で覆りです。

 


2楽章後半部分で、ハ長調の和音がホール全体に圧倒的に響き渡ったのを聴いたのは今日が初めてです。まったくの素人推測ですが、ストップの選択の結果なのでしょうか。だとしたらアレシュ・バールタさんという一級のオルガン奏者を招へいしたことが大正解だった、ということでしょう。

 


毎度のこと、パイプオルガンのハ長調の和音が鳴り響いた途端に、涙腺が緩んでしまいます。この曲は“ライブ”できかないと面白さがわからないオーケストラ曲の最右翼でしょう。


京都市交響楽団_大阪特別


2016416日 諏訪内晶子 ヴァイオリン・リサイタル  

ザ・シンフォニーホール

 


ヴァイオリン: 諏訪内晶子

ピアノ      : エンリコ・パーチェ

 


モーツアルト    : ヴァイオリン・ソナタ K305

グリーグ    : ヴァイオリン・ソナタ第3

武満徹    : 悲歌(エレジー)

フランク    :バイオリン・ソナタ 

    アンコール   クライスラー:クープランのスタイルによる“才たけた貴婦人”

                ラフマニノフ:ヴォカリーズ

 


フランクのバイオリン・ソナタは、この一年ほどでも樫本大進さん、崔文洙さん、宮田大さん(Vc)と生演奏を聴く機会の多い曲だけど、こんなに集中して全曲を聴き通したのは初めてかもしれません。

 


たとえば9月にフェニックスホールで聴いた崔文洙さんの演奏では、ヴァイオリンに挑みかかるかのような強打鍵のピアニストにがっかりさせられたけど、この夜のエンリコ・パーチェさんのピアノ演奏は、十分にロマンディックでありながらも無理に主張しすぎることがなく、時に諏訪内さんのヴァイオリンに寄り添い、時に対話するかのようです。

 


モールアルトのソナタには器の大きすぎるシンフォニーホールもフランクの作品を聴くにはまったく不満の感じられない音空間の中でアンニュイで特異な音の世界に身を浸し続けることができました。

201648日 大阪フィルハーモニー第497回定期演奏会 1日目

 


フェスティバルホール

1階 定期会員席

 


ドビュッシー:交響詩「海」

吉松隆:トロンボーン協奏曲『オリオン・マシーン』

  -アンコール  モーツアルト:レクイエム トゥーバ・ミルム冒頭部分

 


プロコフィエフ:バレエ音楽『シンデレラ』抜粋

1幕より  序奏、父親、仙女のおばあさん、踊りのレッスン

2幕より  舞踏会に着いたシンデレラ、グラン・ワルツ、来客への御馳走、

王子とシンデレラのパ・ド・ドゥ、ワルツ~コーダ、真夜中

3場より  王子の最初のギャロップ、愛をこめて

 


演奏会から一週間もたってしまいました。以下、演奏会の防備メモとして。。。

 


定期演奏会の新しいシーズン開始としては、大変に変わったプログラム構成で、よく言えば従来の大阪フィルとは異なる新機軸とも言えるのでしょうか。グローフェの組曲「グランド・キャニオン」のような駄作をメインにすえるなど、首を傾げざるを得ないような昨年4月の定期演目までではないにしろ、個人的には“大阪フィルの定期で聴きたい曲目ではなかった”というのが正直なところ。

 


ドビュシーの『海』の実演に接するのは初めてで楽しみにしていたのですが、残念ながら色彩のヴァリエーションを十分に感じられず。吉松隆のトロンボーン協奏曲は、せっかくステージ両翼に広がるように配置された2群のオーケストラが、見た目ほどには音響効果を発揮せず。大阪フィル_定期497回

201646日 トヨタ・マスター・プレーヤーズ・ウィーン・プレミアム・コンサート

 


大阪ザ・シンフォニーホール

1

 


トヨタ・マスター・プレーヤーズ、ウィーン

Vn      :フォルクハルト・シュトイデ、小林美樹

Cl      :ペーター・シュミードル

P       :山本貴志

 


J.S.バッハ      2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043

ドニゼッティ    :クラリネット小協奏曲変ロ長調

モーツァルト    :ピアノ協奏曲第21番 ハ長調 K.467

ベートーヴェン  :交響曲第6番 へ長調 op.68 「田園」

  アンコール   ヨハン・シュトラウスⅡ:『ウィーン気質』

 


演奏会から10日も経過してしまいました。今日これから諏訪内晶子さんのヴァイオリンリサイタルを、そして明日は京都市交響楽団の演奏会を聴く予定であるのに、このトヨタ・マスター・プレーヤーズ、ウィーンと先週末の大阪フィル定期演奏会をやっとで記しています。時間の経過とともに、その時の共感やら感動が少しずつ薄れていきますね。やはり演奏会日記はできるだけ、その日のうちに書き留めないといけませんね。

 


ほとんどウィーンフィルのメンバーで構成された30名の室内オーケストラは全員が呆れるほど上手い。指揮者なしで田園を演奏してしまうのだから、“ウィーンフィルは時に気に入らない指揮者の際は、タクトを無視して勝手に演奏してしまう”という話も、さもありなんと思ってしまう。

 


モーツァルトのPコンで共演した山本貴志さんの小柄な体を鍵盤に覆いかぶさるようにして奏でる独特な姿は、漫画スヌーピーに出てくる天才ピアニスト・シュローダー君のよう。小編成のオーケストラをバックに一音一音を愛おしむような演奏は、10日たった今も忘れられません。

 トヨタ_マスター


2016326日 日本センチュリー交響楽団 第207定期 2日目

 


大阪ザ・シンフォニーホール

1F

 


ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第2

―アンコール シューベルト:即興曲第4

チャイコフスキー:マンフレッド交響曲

 


指揮            :飯森 範親

ヴァイオリン    :ヤン・イラーチェク・フォン・アルニン

 


週末も大阪で過ごすことになったのをこれ幸いに、マンフレッド交響曲を再度じっくりと聴いてみたいと今シーズンから始まった定期二日目を半額で聴ける “おか割” 制度を利用して今日もザ・シンフォニーホールへ出かけました。初日に2階席後方FF列席で聴いていると弦の量感がどうしても劣って聴こえるのと、ピアニストの指の動きをまじかに見てみたいと思い “おか割” 席枠の中から迷わず1階席のステージ下手6列目を選択しました。

 


ラフマニノフの協奏曲はピアノソロが導く冒頭主題が  “これからの遵法運転”  を宣言したかのような遅めのテンポに終始し、ソロが離れオーケストラのみでテーマ終結に向かうと“これはたまらん”とばかりにテンポアップするところは初日とまったく同じ。初日の“アンチロマンティシズムを信条とするピアニストが真面目に演奏するラフマニノフ”との印象は多少薄れたものの、抒情性からは数歩ひいた演奏表現で 、あまり面白味のある演奏ではありませんでした。結局、両日とも飯森さんのオケ伴のセンスに感嘆しながら聴いていました。

 


マンフレッド交響曲は、残念ながら世間一般では大変肩身の狭い “不人気曲” のようだけど、チャイコフスキーの管弦楽作品の中でもなかなかの秀作だと思うし、冒頭ファゴットとバスクラによる奇異な音色で示される “マンフレッド” の世界観が支配した連作交響詩として捉えて聴くと、大変に面白く、また60分の長さも苦痛にならない。特に曲の最後、オーケストラが沈黙したあと一呼吸おいてホールにパイプオルガンが鳴り響いてから終結までのカタルシスはこの曲を聴く一番の楽しみです。

 


ところで、度ごとにこの日記に書いているけど、この日本センチュリーはオリジナルメンバーによるチェンバーオーケストラとして編成されたときこそ、最高の演奏を聴かせてくれるようだ。今日のようにエキストラを交えて大編成の曲になると、例えばマンフレッド交響曲第2楽章の終結部、Vn4部に分かれて微細な演奏を繰り広げるところなど、目を見あって真剣勝負でアンサンブルを試みる正規メンバーの一方で、譜面を追いかけ耳だけで合わせるエキストラとが微妙なズレと濁りを生じさせてしまう。


日本センチュリー_207回定期


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