2015年11月28日 大阪フィルハーモニー 第493回定期演奏会 2日目
フェスティバルホール
2階4列目
ベートーベン:序曲「コリオラン」
ショスタコーヴィチ:交響曲7番「レニングラード」
指揮:井上 道義
二日続けてこの巨大で異様なシンフォニーを体験できたことを感謝したい。演奏会の備忘としていろいろと気付いたことを書き留めておきます。
第1楽章ドイツ軍進軍の“チーチーンプイプイ”マーチでの小太鼓の音量増大の自然さは1日目のほうが完璧だった。1日目、1階席中央のボックス席真後ろで聴いていると正確に聞こえるドラムストロークが2日目の2階席だとホール間接音により少しずれて(結果的に合奏がずれてしまったように)聞える。ちなみにフェスティバルホールでフル編成オーケストラの響きをより楽しめるのは、1階ボックス席ではなく2階席だと思っている。なお3階席は学生限定で一般に販売されていないことあり、未確認。
ブラス別部隊(Hr 4, Tr 3, Tb 3)を舞台の上手後方上段に一列に配置したのは大正解。強大なドイツ軍に向かって調性を変えて“レジスタンスのテーマ”がその上手後方上段から鳴り渡る演出は素晴らしい。大きなステージを持つ(そして素晴らしい音響の)フェスティバルホールだからこそ可能な配置。さらに第4楽章のコーダで下手に位置した正規部隊のホルン4本と上手別働隊のホルン4本が、ベルアップしてSoliによる勝利の雄叫びを挙げる場面でのサウンドとビジュアルの相乗効果は絶大。
終楽章のコーダ、曲冒頭テーマの執拗な繰り返しの終着点(fff)でブラス別部隊がスダンドアップするのだけど(いままで観たいろいろな演奏動画でスタンドアップしたのを見た記憶がない。井上さんのアイディアですね)、初日は、先に出番があるHr 4名が譜面台を高くして立ち上がり、しばらくしてからTrと Tb の6名が遅れてそれに続いていたけれど、2日目は終結部突入と同時に10名全員が一斉に譜面を高くしたのは正解。初日はTrと Tbが譜面台を持ち上げる動作に目が行ってしまい集中をそいでしまう。ちなみにスタンドアップした後は、直立不動でいてほしい。エキストラ奏者は微動だにしないのに、トップに入った正規メンバーが無駄に動いてこちらもまた注意をそがれたのは残念。
定期会員として初日を毎回同じ席で聴いているけど、このホールで聴いたなかでVnの音量・音圧はいままでで最高レベル。第3楽章ラルゴに入ってすぐのカンタービレのなんとすさまじいこと。
両日とも素晴らしかったけど、あえて言うと初日は少し力み気味なまでの演奏だったのに対し、2日目は熱演のなかにも冷静さも持ち合わせていた。例えば第1楽章終番のFgの長いソロで593小節からのフォルテの音がひっくり返りそうなまでだったけど、二日目は無理なく演奏されていた。
・・・・なんだか、きりがないのでこのあたりでおしまい。