2020年3月13日 日本・リヒテンシュタイン公国友好101周年記念コンサート 京都コンサートホール アンサンブルホールムラタ
京都コンサートホール
アンサンブルホールムラタ
ピアノ : 津田理子
マティス・べロイター
ベートーヴェン :ピアノソナタ 第14番 ハ短調『月光』 マティス・ベロイター
ピアノソナタ 第30番 ホ長調 -同上―
休憩
ピアノソナタ第3番 ハ長調 津田 理子
ピアノソナタ第18番 変ホ長調 -同上―
スイス在住の日本人篤志家を中心に若手音楽家育成と国際文化交流の促進支援活動を続けている“若手音楽家育成アヤメ基金”が主催し、日本企業3社とともに日本リヒテンシュタイン友好協会が友好101周年記念として協賛、そして在日スイス大使館と関西日本・スイス協会が2020年第17回SWISS WEEKの一環として後援された演奏会。開演に先立って、主催者(アヤメ基金理事長)が舞台に立ち“京都コンサートホールの理解を得て、仮に無観客になっても実施する覚悟で今日を迎えた。どうか演奏を聴いて、コロナに打ち勝ちましょう!皆さん、音楽を楽しんでください!”との挨拶があった。
約500名収容のホールの中にまばらに散った観客は、私を含めてざっと40人ほど。それに対して京都コンサートホール側は、まったくの通常オペレーションで対応しており、ホール案内からクローク、さらにはビュッフェも通常メニューで営業された。せめての貢献を…と、夕食を兼ねてサンドイッチとアイスコーヒーを途中休憩でいただいた。サンドイッチは2パックがカウンターに置かれていたけど、もう一つは売れ残ったのだろうか。もし廃棄となったのなら、そちらも買って食べちゃえばよかった。
前半プロで、ハイドンの7番ソナタとスクリャービンの4番ソナタがベートーヴェンの30番ソナタの前後に予定されていたものを、直前に(当日に?)月光ソナタに変更。結果的にコンサート・サブタイトル“L.V.ベートーヴェン生誕250周年”に沿ったオールベートーヴェンプロとなった。音響の良いホールの同じ席位置で、作品こそ違えど同じベートーヴェンのソナタを、二人の達者なピアニストで聴くことができるという、なんとも贅沢な時間だった。
特に津田理子さんの、一音一音完璧に統一された音と響き、そして隅々にまでコントロールされた音楽に驚いた。やはり、いい響きのホールで上手いピアノストの演奏を聴くのはとても良いものだ。どちらのピアニストもプログラム曲の後、アンコールを演奏。津田理子さんが演奏したショパンのエチュード2曲が、とても知的で端正な演奏だった。
終演後、主催者が演奏者二人とともに再度ステージ上がり、次回9月18日に世界でわずか2台、オランダとバーゼルにしかない貴重なチェンバロをもってきての演奏会を実施する、とアナウンスした後“コロナに勝ったぞ”と声をあてげてコンサートがお開きとなった。
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