2020216  新国立劇場 『セビリアの理髪師』

 

新国立劇場オペラパレス

1523

 

指揮            :アントネッロ・アッレマンディ

演出            :ヨーゼフ・E・ケップリンガー

オーケストラ    :東京交響楽団

チェンバロ      :小埜寺 美樹

 

アルマヴィーヴァ伯爵   :ルネ・バルベラ

ロジーナ               :脇園 彩

バルトロ               :パオロ・ボルドーニャ

フィガロ               :フローリアン・センペイ

ドン・バジリオ         :マルコ・スポッティ

ベルタ                  :加納 悦子

フィオレッロ           :吉川 健一

 

“セビリアの理髪師” は大好きで、いつも観終わった後、幸せな気分になる。今回のように歌手全員のバランスが取れていて、しかも演出を楽しめる公演では、終わったあとに“もう一度通して観たい”とすら思ってしまう。

 

ポップなデザインで統一された立体的な舞台装置とそれを生かし切った演出は秀逸の一言で、吊りと照明でお茶を濁す、ありがちなオペラ公演とは違う。オペラハウスはこうでなきゃね。5列目中央の席なので、計算された廻り盆と舞台上の人物の動きを、理想的な位置から鑑賞できたのは何よりだった。チェンバロは柔らかく温かい音で魅力的だったし、小型編成のオーケストラは弦が薄くならず、管楽器もふくよかな音色で良く弦とバランスして、満足のひとこと。やはりオペラは良い席で観るに限る。

 

序曲演奏の時、主要人物6人が順次パントマイムで登場しながら舞台前方の紗幕手前に整列すると、奥舞台の廻り盆の上に組まれたバルトロ邸が前にスライドしてきて、フィガロの合図とともに全員がバルトロ邸の中外に散っていくといく、という洒落た演出で、早々から虜にされてしまった。

 

1幕フィナーレで登場人物を徐々に増やしていきながら早口でセリフをまくしたて、フィガロを加えた主要登場人物6人がユニゾンとオクターブで同じ旋律を歌うまでの所謂ロッシーニ・クレッシェンドに対して、案外に第2幕の終わりがあっけなく感じるのも、また毎度のこと。兵士達がバルトロ邸内で洗濯物やら書類やらを引っ掻き回したり、空中に放り上げたりの大騒動が視覚として加わって、アドレナリンが放出されっぱなしの興奮状態を脳が覚えているため、なおさら。“あっ、終わっちゃった。もっと(この音楽に)もっと浸っていたいのに…(残念)”と思いながらの終幕。

 

いずれ再演されたら、また是非観たい。


※ オペラのタグを作りました。


20200206_新国_セヴィリアの理髪師