2019年11月20日 尾高忠明 大阪フィル ブラームスティクルスⅣ
ザ・シンフォニーホール
1階K列33番
ブラームス :大学祝典序曲 作品80
運命の女神の歌 作品89
交響曲第4番 ホ短調 作品98
指揮 : 尾高 忠明
大阪フィルハーモニー管弦楽団
大阪フィルハーモニー合唱団
秋も深まり11月も下旬となるとブラームスの4番が無性に聴きたくなる(そして、春先3月にはマーラーの大地の歌)。この曲、案外にヴィオラパートの存在感が薄く、中声部に厚みをもたせたブラームスらしい響きがあまり聞こえてこない。高音域でメロディーを受け持つヴァイオリンと轟轟と鳴るチェロ・ベースが音場の左右で鳴ったまま溶け合わず聴いていて疲れる録音があるが、コンサートでもこれはと思える演奏にはなかなか出会えない。
ティクルス第1回からの、一貫した尾高忠明の実直な作品解釈とそれに応えた大阪フィルは評価するし、特に第1番は、病気療養直前で特段に集中力の高い演奏だった。勿論、今夜の4番の演奏が劣っているというわけではないけど、それでもやはりこの曲はなかなか得心できる演奏に巡り合えない、ということか。生演奏と録音を同列に語るのはどうかと思うけど、やはりブラームスの4番はザンデルリンク・ベルリン交響楽団の録音が一番好きだ。
ティクルス最後の今回のプログラムはブラームス円熟期の50歳頃に作曲された3作品。そして明日は、フェニックスホールでオーギュスタン・デュメイのヴァイオンで、2番ソナタとピアノ5重奏を聴くことに。やはり、晩秋にはブラームスが似合う。
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