2019111日 ラザレフ指揮 日本フィルハーモニー交響楽団第715回定期 サントリーホール

 

サントリーホール

1731

 

指揮                    :アレクサンドル・ラザレフ

 

グラズノフ             :交響曲第6番 ハ短調

ストラビンスキー       :バレエ音楽『火の鳥』全曲

 

同じSカテゴリーでも、昨日の2階6列目と今日の17列目で、耳に届く音の質が全く違う。在京オケの定期会員のように常に同じ席で演奏を楽しむことのできない私のような地方在住の音楽ファンとしては、サントリーホールのどのあたりで聴くかの選択はとても悩ましい。この日のようにホールが半分ほども埋まらない人気薄の公演(週末金曜日なのに…)では、通常なかなか買えない平土間や両翼の比較的良席を含め、選択の幅が広がるのでなおさら。17列目で聴く今日の新日フィルは迫力に満ち(グラズノフ)、また演奏の細部まで際立って聞き取れる(火の鳥)。昨夜のマーラー演奏を平土間前方で聴いていたら、どんな違った印象をもったことだろうか。また、今日の火の鳥の色彩豊かな響きも、どこまでがラザレフの手腕によるものなのだろうか。

 

実はグラズノフは連日のハードワークの反動で、途中から寝落ちしてしまい、印象の無いまま終わってしまった。でも、一度寝落ちしたあとは、頭が一気にクリアーになるもので、火の鳥はしっかりと聴きましたよ。とにかく面白かった。導入部でのちょっとした乱れや、ときに縦の線が不ぞろいになるところなど、ハッキリと分かってしまう裏返しの面もあるけど、それでもストラビンスキーのオーケストレーションの巧みさを満喫することができたのは、やはり平土間7列目のおかげ。火の鳥が飛んでくる場面で、パイプオルガン前とLA1扉、RA2扉の三方に配置された3本のトランペットも、私の席ではステレオ効果抜群。2本のワーグナーチューバは、見上げても視界に入らなかったけど、どこで吹いていたのだろう。

 
20191101_日本フィル_サントリーホール