O20191030日 大阪フィルハーモニー交響楽団 マチネ・シンフォニー Vol.22

 

ザ・シンフォニーホール

2階席BB14

 

指揮            :大植 英次

ソプラノ        :秦 茂子

 

ラヴェル        :道化師の朝の歌

ラヴェル        :シェエラザード

ラヴェル        :ボレロ
 ~休憩

ムソルグスキー  :組曲『展覧会の絵』ラヴェル編

――アンコール ラヴェル :マ・メール・ロア 終曲

 

冒頭曲『道化師の朝の歌』は、昨夜の土井緑ピアノリサイタルで聴いたばかり。図らずも、日を跨いでピアノ独奏版とオーケストラ編曲版を実演で聴き比べるという得難い体験となった。様々な楽器により多彩に変化する音色、打楽器群やピッツィカートする弦による躍動など、当にラヴェルは “音の魔術師”。シェエラザードも暖かみのあるソプラノソロを抑制されたオーケストラの伴奏が良く支えていて、大変楽しめた。

 

でも…ですね、“ボレロ”と“展覧会の絵”は、どちらもルーティンワークな演奏で、いただけません。“ボレロ” は異なった楽器で同じテーマを繰り返しながら徐々に音量を増していく、そのプロセスこそがこの曲の醍醐味なのに、なぜか高揚感・陶酔感が得られない。聴いていて興奮しないボレロは初めて。“展覧会の絵” 冒頭、ファンファーレを吹いているかのような品のないトランペット・ソロも大植英次の指示なの?

 

会場で来年のマチネ・シンフォニー(春が井上道義、秋が尾高忠明)のチケットが来場者限定で先行発売されていた。まだ来シーズンの定期演奏会プログラムが発表されはいないけど、もしかするとついに定期、ソアレ、マチネの主だったコンサートすべてから大植英次の名前が消えちゃうのかなぁ。

 
20191030_大阪フィル_マチネ

20191030_大阪フィル_マチネ_1