20191024日 日本センチュリー交響楽団 第239回定期

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1階定期会員席

 

指揮            :飯森 範親

ソプラノ        :石橋 栄実

バス・バリトン  :平野 平

合唱            :ザ・カレッジ・オペラハウス合唱団、日本センチュリー合唱団

 

団 伊玖磨      :飛天繚乱

ブラームス      ;ドイツ・レクイエム 作品45

 

ウィーンからこの演奏会のために招聘した平野平の歌唱は良しとして、ソプラノ・ソロは高音部ばかりが強調されたスキャットかパレストリーナを聴いているみたい。またプロ・アマ混成の合唱は声が濁りすぎていただけない。各パート10名のザ・カレッジ・オペラハウス合唱団に対して、ソプラノ14名に対してバスがわずか4名のアマチュアが混ざった状態で完成度を追求するのは無理がある。通常、合唱付きオケ作品を振るとき巧みにオーケストラと合唱とで指揮を振り分けるものだけど(たとえば東混の正指揮者でもある山田和樹など、指揮をする後ろ姿を観ていてもその巧みさにほれぼれする)、どうも飯森範親はオケも合唱も同じにように振っている(ように見える)。そんなこんなで合唱がオケに合わないし、3楽章のフーガでは、もうあたふたしてしまい聴いていて辛くなってきた。

 

日本センチュリーはコアメンバーによる210型の中型オケとして古典派からロマン派初期の作品を演奏するときにこそ、その実力を発揮できると常々思っている(毎度、同じことをブログに書いてますね)。でも、実際はブルックナー・マーラーから、今夜のようにドイツ・レクイエムといった合唱付き作品まで定期プログラムに置いてくる。すべて飯森範親の指揮であることを思えば、きっとご本人の強い意向なのだろう。プレトークで、ドイツ語歌詞・発音の蘊蓄とか、“この作品はドイツで何度も振った…”といった自慢話にすぎる話を聞かされるより、一切のバイアス無しで演奏に向かいたいもの(こちらも、毎度同じことをブログに書いてますね)。

 
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