2019628日 ミヒャエル・ザンデルリンク ドレスデン・フィルハーモニー ザ・シンフォニーホール

 

ザ・シンフォニーホール

1階O4

 

シューベルト    :交響曲第7番 ロ短調“未完成”

ベートーベン    :交響曲第5番 ハ短調“運命”

ドヴォルザーク  :交響曲第9番 ホ短調“新世界より”

  ――アンコール     ドヴォルザーク:スラブ舞曲第1集第8

 

G20大阪サミットにともなう交通規制による思わぬ余波を被って週末大阪滞在としたことで、前日の福井敬リサイタルとともに聴きにいくことにした演奏会。日曜日のマチネ、未完成・運命・新世界よりの表題付き交響曲、ドイツのオーケストラ、そして比較的リーズナブルなチケット価格ということで、ホールは家族連れも多くみられほぼ満席。

 

ミヒャエル・ザンデルリンクとドレスデン・フィルハーモニーは、2年前の来日公演時も諸事情により東京芸術劇場で聴く機会を得たことを思えば、ちょっとした縁があるかもしれない。ただ、そのときのブログ記事を読み返しても、いつもながらにたいしたことも書いてなくて、どんな演奏だったか思い出せない。特段に惹きつけられた演奏でなかったみたい。

 

というわけで、あまり期待をしていなかった今回のコンサート、3曲ともルーティンワークなどではない、8年間にわたって首席指揮者を務めてきたミヒャエル・ザンデルリンクとこのオーケストラのとの関係性の良さが成熟した形で見事に演奏表現として発揮された、なかなかに聴きごたえのある演奏会だった。前半のシューベルトとベートーベンは、Vn両翼配置で指揮者は指揮棒なしの手振り、休憩後のドヴォルザークでは弦の配置を現代式に変えてタクトを持っての指揮。乾坤一撃のごとくの一発振り下ろしで“運命”の出だしを決めてしまうのなど、さすがの一言。

 

一曲目“未完成”が演奏解釈の際立ちとしては、一番の聴きものだった。アタッカで連続して演奏された第2楽章での木管群や弦の響きはまさに旧東ドイツからの伝統の響きなのだろう。一方で、後半ドヴォルザークで金管がかなり奔放に吹きならすので弦や木管群の響きとのミスマッチが気になったのと、ティンパニの音が時に大きくズレたり(頻繁なマレットの持ち替え作業に一所懸命すぎか?)だったのが残念。

ドレスデンフィル_20190630