2019511日 尾高忠明 大阪フィル ブラームスティクルスⅠ

 

ザ・シンフォニーホール

1G4

 

ブラームス      :ハイドンの主題による変奏曲 作品56a

                  埋葬の歌

                 交響曲第1番 ハ短調 作品68

 

指揮            : 尾高 忠明

                  大阪フィルハーモニー管弦楽団

                  大阪フィルハーモニー合唱団

 

諸事情で週末を大阪で過ごすことになったので、急きょ平土間の前ブロック左端を購入。日ごろ聴きなじんだ席位置でのホール音響では無いため、たとえば尾高忠明がどのようなサウンド構築をオーケストラに求めたのか、といった聴き方まではさすがにできない。それでも尾高忠明が振る天下の名曲第1番交響曲は綿密で外連がまったくない。緩徐楽章での嫋やかな音楽と、両端楽章での重厚さが見事にバランスさせた名演だったと思う。演奏時間は第1楽章繰り返しを行って52分ほど。

 

まず他では聴くことのないだろう〝埋葬の歌” が、これまた魅力的な作品だった。安定したピッチ(冒頭の男性陣の歌いだしなど、超ムズ)とダイナミズムを持った合唱が木管群の暗い響きと見事に溶け合っていて、歌詞が語る世界にぐっと引き込まれた。こちらも大変立派な演奏。

 

《閑話休題》

この週末は難波パークスシネマで、メットライブビューイング〝ワルキューレ”を堪能。

忘備メモとして2点ほど

 

フィリップ・ジョルダンの指揮が良い。冒頭の嵐の音楽での早いテンポを聴いての〝ああ、こんな感じね” との最初の印象と大違いで、聴き進むうちに綿密な設計で全く飽きさせることのない音楽運びに完全に魅了された。オペラ指揮者としての高い才能を感じずにはいられない。

 

巨大な舞台装置(インタビューの中で、マシンと表現されていた)と、24枚のプランク(Plank)の説明が実に興味深かった。
 ★ 各プランクごとに選任の屈強なオペレーターがいて、バランスウェイトを抜き差ししていること、端に引っ掛けたロープを彼らが引いたり緩めたりしてワルキューレの騎行のシーン(第三幕1場)を演出している。
★ コンピュータ制御されたそれぞれのプランクの位置をセンサーが正確に読み取り、その位置データをコンピュータに返している。正確な位置認識の上で、上下左右6箇所から寸分のズレもなく正確にプロジェクションマッピングを投影することで、客席からはプランク間の物理的隙間を感じさせない。(なるほど、道理で舞台上の歌手に画像が被らない)
 

 


大阪フィル‗ブラームスチクルスNEW‗20190511


メット_ワルキューレ