2019411日 日本センチュリー交響楽団 第234回定期

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1階定期会員席

 

指揮          :飯森 範親

 

ワーグナー      : 交響曲 ホ長調 第1楽章

ブルックナー    : 交響曲第9番 ニ短調 コールス改訂版

 

平日の演奏会の後は、大概オフィスに戻ってやり残しの仕事を片付けるか、将又、西成のクラシック音楽バーに直行するかなので、演奏会の当日にブログ記事を書きとめることはまずしない(できない)。時間の経過とともに演奏の詳細が記憶から徐々に薄れていくのと引き換えに、演奏に対する自分なりの捉え方が整理されていくもので、大概はそれで良いのだけど、その翌日に強烈な音楽的体験をしてしまうと少々困った事になる。

 

昨年11月の日本センチュリー230回定期が良い例で、翌日の土曜日に封切り早々のボヘミアン・ラプソディーを観たおかげで、記憶に留めておいた演奏の印象が完全に吹っ飛んでしまった。同じように翌日の尾高忠明・大阪フィルのマーラー9番のあまりに鮮烈な演奏を聴いてしまった今、前日の日本センチュリーの内容を振り返られないでいる。このブログ記事を書くにあたり当日の演奏を辿りあれこれと思い出すことにより、マーラー9番の奇跡的な演奏の記憶の詳細をかき消してしまうのではないか、と心配でたまらない。

 

ブルックナーは “完全” には至らないものの、なかなかの秀演。終楽章の最後の最後、ワーグナー・チューバがバテてしまったのが残念。得心がいかないのはプログラミング。ブルックナーの前にワーグナー未完のホ長調交響曲の第1楽章を、休憩を挟まずに連続して演奏する意図は何なんだろう? 唯一完全な形で残された第1楽章はもっとハツラツと軽快であってほしいのに、重くシンフォニックに演奏をしてしまってまで、ブルックナーの9番につなげる必然が私には感じられない。せっかくなら断章となった4分半ほどの2楽章アダージオ・カンタービレまで演奏したうえで休憩を挟み、気持ちを切り替えてからブルックナー9番を聴かせてほしかった。

 

コールス改定は、通常耳にする版と、どのような違いがあるあるのだろう。第1楽章第2主題提示直前の和音やら、第2楽章中間部での木管のパッセージなど、おやっと思ったところなど…おっと、ここまで。これ以上続けると、昨日のマーラー9番の記憶が忘却の彼方に…。



 日本センチュリー‗定期‗20190411