2019年3月26日 ベルリン・フィルのメンバーによる室内楽 ~ピアノ四重奏の夕べ ザ・フェニックスホール
ザ・フェニックスホール
1階C列18番
ヴァイオリン : ノア・ベンディックス=バルグリー
ヴィオラ : アミハイ・グロス
チェロ : オラフ・マニンガー
ピアノ : オハッド・ベン=アリ
マーラー :ピアノ四重奏曲 イ短調(断片)
シューマン :ピアノ四重奏 変ホ長調
ブラームス :ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調
もし、“凄い”に英語のMORE、MOSTといった比較級、最上級表現があったとしたら“凄い”を最上級にするための接頭語は “とてつもなく” だろうか、それとも “恐ろしいまでに” だろうか…、などとクダラナイことから書き出してしまったのだけど… いやはや、もの凄いメンバーによる、モノスゴイ演奏を聴いてしまった。
ベルリン・フィルの第1ソロコンサートマスターのノア・ベンディックス=バルグリー、第1ソロ・ヴィオラ奏者のアミハイ・グロス、ソロ・チェロ奏者のオラフ・マニンガーがアンサンブルを組むのだから超一級の演奏になるのは、当然といえば当然。ピアニストのオハッド・ベン=アリがまた素晴らしかった。ザ・フェニックスホールのスタンウェイが、過去に聴いてきた室内楽演奏でのピアノの音と全く違う。あのような粒立ちが良く、決して固すぎず音の芯のしっかりした音は、いったいどうやったら出せるのだろう。ピアノの左手がオラフ・マニンガーの弾くチェロと同じ旋律線を奏でるとき、発音の仕組みが全く異なる二つの楽器がどうしてこんなにも音楽的に調和するのだろうか。ピアノのタッチ、チェロのピッチ、そして奏者の息の完全なる一致。まったく見事としか表現できない。
このコンサート、なぜか “東京・春・音楽祭2019” と題されている。入場時に手渡された音楽祭のパンフレットを見ると、翌日(3月27日)には東京文化会館小ホールで、音楽祭の一公演として、同じプログラムを演奏するらしい。当然ながらパンフレットには、この大阪ザ・フェニックスホールの演奏会については一切の記載がない。パンフレット裏表紙にホールオーナーのあいおいニッセイ同和損保が見当たらないのに、どうして?とちょっと思ったものの、経緯はどうあれ、こんな奇跡的な体験(最高の演奏を、客席数301の贅沢な空間で聴くことができた)を大阪で得られたことを、ただただ感謝!
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