2019年2月3日 関西シティーフィルハーモニー交響楽団 第66回定期演奏会 

 

ザ・シンフォニーホール

1階L列目16

 

指揮: ギオルギ・バブアゼ

関西シティフィルハーモニー管弦楽団

 

ベートーベン           :交響曲第1

ショスタコーヴィチ     :交響曲第7番『レニングラード』

  ―  アンコール    ショスタコーヴィチ: 『馬あぶ』より “ロマンス”

 

このブログ、プロ・アマを問わず…としながら、アマチュア・オーケストラの演奏会を聴きに行く機会がない…というよりも、正直に言えばなかなか重い腰があがらない。“どうしてもやってみたい” との幹部メンバーだか事務局だかの心の叫びが聞こえてきそうなマーラーやらブルックナーの大曲が演目だと、さらに腰が重くなる。ところが今回のようにショスタコーヴィチ7番となると、熱い情熱と相当な覚悟がないと挑めないはず。実際、この団体のホームページで過去の演奏会記録を見てみると、昨年12月にシベリウス2番をメインに置いた定期演奏会を行いながら、その練習もそこそこに、かなり前からレングラードに取り組んでるではないか。

 

演奏は、立派なもの。ベートーベンの第1番から弦楽器は16型。その弦群、特にコンサートミストレスとフォアシュピーラーの2人がグイグイと牽引するヴァイオリンパートが力強く安定している。レニングラードの3楽章、コラールに続くロシアの荒涼とした大地を連想させるメローディもなかなか堂に入ったもの(そうそう、3年ほど前の井上道義指揮で聴いた大阪フィルの音圧は凄かったなぁ)。アマチュアオケの泣き所、ヴィオラ群もかなりしっかりしていて、全体の響きが中抜けせずまとまっていたのはさすが。

 

なにより感嘆したのが、アマチュア演奏会とは思えないほどしっかりした作りのコンサートパンフレット。特に『レニングラード』に関する紹介文には、思わず唸ってしまった。

 

==QUOTE

ときは平成初頭、バブル期真っ只中。衝撃的なCMが世間の話題をさらっていた。それは栄養ドリンク「アリナミンV」のCMで、「ちーちーんヴィヴィ(VV)!だいじょうブイ(V)」

~ 中略 (楽曲解説)~

この交響曲が作曲された昭和の時代、戦争に勝利し、覇権を握るという意味の「Victory」が【V】でした。平成の時代、世の中をさらに便利で豊かにすることに価値を見出すという意味の「Value(価値)」が【V】だったように思います。本日は私たち関西シティフィルにとって平成最後の定期演奏会です。音楽を純粋に音楽として演奏できる時代に生きている喜びを感じながら、次の時代の【V】 を探して演奏したいと思います。(上手い! 記:あーと屋)

==UNQUOTE

 

日ごろプロの演奏会プログラムで、曲目紹介を請け負う音楽評論家や音楽研究者といった人たちによる作品紹介を読むたびに原稿書きの大変さが感じられるのだけど(毎回同じ繰り言を書こうものならクラオタからすぐ指摘がありそう)、この紹介文はそんなプロライターに負けず劣らずの内容の濃い曲目解説と、著者(バイオリン奏者が寄稿されている)の込められた熱いメッセージがしっかりと伝わってくる達意に満ちたもの。こうした団員に支えらえた関西フィルハーモニー交響楽団の演奏は、聴く者にもその熱い気持ちが伝わっていくに違いない。

 

とてもいい演奏を聴かせていただきました。関西フィルハーモニー交響楽団のご活躍を心から祈念いたします。

 
関西シティーフィルハーモニー交響楽団‗20190203