2019年2月2日 新国立劇場 オペラ『タンホイザー』
新国立劇場
1階9列28番
指揮: アッシャー・フィッシュ
演出: ハンス=ペーター・レーマン
オーケストラ: 東京交響楽団
領主ヘルマン :妻屋 秀和
タンホイザー :トルステン・ケール
ヴォルフラム :ローマン・トレーケル
ヴァルター :鈴木 准
ビーテロルフ :荻原 潤
ハインヒリ :与儀 巧
ラインマル :大塚 博章
エリーザベト :リエネ・キンチャ
ヴェーヌス :アレクサンドラ・ペーターザマー
牧童 :吉原 圭子
この週末の東京出張の予定がほぼ固まってきた約1カ月まえ、チケットぴあを覗いたら、なっなっなんと平土間9列中央の席がポッコリ空いてるではないですか。もう、即買い! とにかくピットに入った東京交響楽団の鳴りっぷりのみごなこと。金管は太く安定してるし、弦もけっしてブラスの響きに埋もれない。最終幕ではうねるようなワーグナーの音楽を堪能した。1888年板(パリ版)によるヴェーヌスベルグの場面での新国バレエのパフォーマンスが素晴らしかったし、また巡礼の合唱を感動的に聴かせてくれた新国合唱団も本当に上手い。
タイトルロールのトルステン・ケールは声の抜けが悪く、歌合戦の場面では歌唱そのものもヴォルフラム(ローマン・トレーケル)どころかビーテロルフ(荻原潤)にも歌い負け。エリーザベトの命乞いの歌唱に続く“ああっ、なんて哀れななこの身よ”の叫びなど、完全にオーケストラに埋もれてしまってる。それでも、第3幕の“ローマ語り”で圧倒的な盛り返しにより、終わりよければ全てよし、といったところだろうか。
それにしても、高さ8 meter以上ありそうなパイプを装した半円形の舞台装置は、考えてみると実に凄い。剛性と安定性を確保しながらも舞台上で黒子1人が動かせるほどに軽量で、かつ再演に備えて分解・組立できる構造でないといけない。
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