2019116日 フォルクハント・シュトイデ ヴァイオリン・リサイタル ザ・フェニックスホール

 

ザ・フェニックスホール

1階4

 

ヴァイオリン    : フォルクハント・シュトイデ

ピアノ         : 三輪 郁

 

モーツァルト           : アダージョ ホ短調 K261

ベートーベン           : ヴァイオリンソナタ 第10番 ト長調

モーツァルト           : ロンド ハ長調

  ~ 休憩 ~

ブラームス             : ヴァオイリンソナタ 第1番 op78 “雨の歌”

クライスラー           : ウィーン奇想曲  op 2

アルベニス             : 組曲『スペイン』より“タンゴ”op165-2(クライスラー編)

ドヴォルザーク         : スラヴ舞曲 ホ短調 op72-2 (クライスラー編)

クライスラー           : ウィーン小行進曲

  ―― アンコール

  クライスラー       : 真夜中の鐘

  クライスラー       : 愛の喜び

 

ザ・フェニックスホールの公演チケットをピアで購入すると、なぜかいつもステージ向かって斜め左(時に右)の第3列目あたりになることが多く、結果的にこれまで結構な回数、ヴァイオリン・ソロをほぼ定位置で聴いていることになる。そうした定点鑑賞ではっきり言えることは、ウィーン・フィル第一コンサートマスターであるフォルクハント・シュトイデの音は、やはり抜きんでて魅力的だということ。艶やかすぎることなく、しっとりと柔らかな音で弾かれた、詩情に満ちた“雨の歌”ソナタのなんとも素敵なこと。演奏終了と同時に、思わず “ふーっ” と深いため息をついてしまう。

 

伴奏を務めた三輪郁のピアノがまた実に素晴らしい。“ライナー・キュッヒル、フォルクハント・シュトイデ、そしてウィーン・フィルの首席クラスから大きな信頼を得ており…”というエージェントの言葉に、たしかにそうに違いない、と納得してしまう。ベートーヴェン・ソナタ第3楽章で、右手が音楽の主導権を握り強く音楽を主張する場面でも、同時に左手はヴァイオリニストとまったく同じ息遣いで副旋律を奏でるといったところなど、完全に魅了されてしまった。そして、なにより音の粒立ちがよく、また聴いて疲れない。これまでヴァイオリンソナタのピアノ伴奏を煩わしく感じたことが幾度もある。同じ席位置、同じホール備えのスタンウェイなわけだから、これは間違いなくピアニストの実力差なのだろう。

 

ほんとうにいい演奏だった。それにしても、アルベニスの ”タンゴ” や、ドヴォルザークのスラブ舞曲までウィーンの香りを感じてしまうのは、どうしてだろう。

 

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