2018620日 大阪フィルハーモニー交響楽団 マチネ・シンフォニー Vol.19

 

ザ・シンフォニーホール

一階席N

 

ビゼー: 歌劇『カルメン』前奏曲

ワックスマン:カルメン幻想曲

マルケス:タンソン第2

サン=サーンス: 序奏とロンド・カプリチオーソ イ短調

 ―アンコール  イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第5番 第2楽章“田舎の踊り”

バーンスタイン:ミュージカル『ウエストサイド物語』より“シンフォニックダンス”

 

指揮    : 井上 道義

ヴァイオリン: 成田 達輝

 

先日(618日)の大阪北部を直撃した大地震に被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

 

その日、私はすでに早朝の新幹線で大阪まで来ており、梅田地下街のカフェでモーニングを食べている最中でした。携帯のアラートが地震発生の警報を発したのが、すでに地下街全体が轟音を立てて揺れだした後だったこともあり、さすがに“ついに来たか!?”と...それでも、なぜか照明が点り続け、座った席からガラス越しに見える地下街もなぜか整然としたまま。その後、すべての交通機関が止まったことで地下街の人通りがいっきに途絶え、私の勤務する一帯はゾンビ映画に出てくるゴーストタウンのような、一種異様な静けさに包まれていました。

 

地震のあった日の梅田
淀川を越えたわずか数キロ先では、通勤・通学途上の人であふれ返っていたとは思えない、不気味なほどの静けさ。
大阪フィル_マチネコンサートVol.19_大阪_20180620



地震の影響で十分な練習時間が確保出来なかったため、との理由で当初予定されていたカルメン第1組曲を前奏曲のみとしたうえで、ワックスマンのカルメン前奏曲を連続して演奏、またマルケスのコンガ・デル・ヌエボが取りやめとなった。

 

後半のシンフォニック・ダンスが、時に艶めかしく、また時にキレッキレなリズム感ありの、実に生き生きとした演奏だった。この曲は聞き栄えがするからなのだろう、数年おきに実演に接する機会があって、ブログ記事を振り返ってみると2年前に墨田トリフォニーで新日本フィルの演奏を聴いているし、たしかその前年には大阪フィルの定期でもヒメノの指揮で聴いたはず(こちらはブログ開始前のことで、演奏の記憶も曖昧)。いつも実演を聴く度に、“日頃クラシック音楽どっぷりのオーケストラ奏者にこの曲を楽しく聴かせるのは所詮無理な話、と決め付けていたけど、間違いでした。すべて“指揮者の実力”次第です。この曲振ったら、井上道義が日本人で一番ではないか。

 

このマチネ・シンフォニーVol.19 のブログを書くにあたり、過去のマチネ・シンフォニーの記事を見直していていたら、先週の大阪フィル519回定期で聴いたシェエラザードも、丁度一年前のマチネ・シンフォニーVol.17で井上道義の指揮で聴いていたことが判った。改めてそのときのブログ(演奏会記録)を読み直すことでそのときの演奏が蘇ってきた。それも冒頭の音の厚みから始まって、最後のヴァイオリンソロの表情まで、かなり鮮明に(これが私にとってのブログの効用です)。そして気づいたことは、どうやら昨年のマチネ・シンフォニーでの井上道義との演奏が、先週の519回定期での演奏より魅力的だった、ということ。ちなみにコンサートマスターはどちらも田野倉雅秋だったので、先週のヴァイオリンソロが比較的淡々としたものだったことを思えば、ソロの味付けは指揮者の意向によるところも大きい、というとこのようだ。

 

 
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