2018321日 ライナー・ホーネック指揮ザ・オーケストラ・ジャパン ファーストリサイタル ザ・シンフォニーホール

 

シンフォニーホール

1R 32

 

リムスキー=コルサコフ: 歌劇『ラムダ』より“貴族たちの行進”

モーツアルト: 交響曲第25

マーラー: 交響曲第1番“巨人”

 

指揮                   : ライナー・ホーネック

 

シンフォニーホールのホームページで知ったこの演奏会、当初は完全にスルー。“唯一無二” の定冠詞THEをつけたザ・オーケストラ・ジャパンって、いったいどんな団体なのか。平土間J列から最後列まで、何処に座っても音響的にさほど優劣の無いシンフォニーホール公演で、“より音の良い席”としてプレミアムチケットなるものを、S席のさらに倍近い値段で売りつける商法にも違和感を抱いていた。

 

メンバー表を見てもホルンのトップ奏者以外は、知らない名前ばかり。先日の “がんばろう日本スーパーオーケストラ” が読響などの主要オケのメンバーによるボランタリーな団体だったのに対し、どうやらこちらはフリーランスの寄せ集め集団なのだろうか。パンフレットの自己紹介文“この3年間、「ディズニー・オン・クラシック」をはじめとして多くの公演に参加し、=中略=、本日始めてのクラシック公演を実施 =後略” を読んでもナンジャラホイでよくワカラン。

 

それでも聴きにでかけたのは、確実に大阪にいる水曜日(春分の日で祭日)の公演であること。そして、指揮者がクラシックファンなら誰でもしっているライナー・ホーネックだから。客席は3階バルコニーまで満席。スーバーシートも完売の様子。普段のクラシック・コンサートとは違って家族ずれも多く華やかな雰囲気があって、それはとても良いことだけど、演奏の最中いたるところで飴の包み紙を開ける耳障りな音が聞こえてくるのは困ったもの。さらには、スマホでステージ写真を撮影するご婦人もいたりする始末。

 

演奏は、想像していた以上に良い。なによりライナー・ホーネックの意図がみごとに伝わっている。“巨人”第3楽章中間部の “彼女の青い目が” の旋律や終楽章第2主題の弦楽の歌わせ方など、いかにもウィーンのヴァイオリニストならでは、と思わずにいられないほどの優美さだった。

 

ところでこのオーケストラ、どこで公演前の練習をしてるのでしょう?モーツアルトの第25番交響曲など、2年前にインバルを迎えた大阪フィルの第502回定期でのヘタレ演奏より、ずっと立派。なりよりホルンのTOP奏者、山岸博氏の存在が大きい。開演が夕方5時、終演はアンコール無しで7時。明日はサントリーホールでも同じプログラムでの公演があるので、100名ほどのメンバー全員、夜の新幹線で東京へ移動なのだろう。ご苦労さまです。

 
ザ・オーケストラ・ジャパン_20180321

ザ・オーケストラ・ジャパン・2_20180321