20171213日 NHK交響楽団 1875回定期演奏会 1日目

 

サントリーホール

1階 215

 

ハイドン: 交響曲第85番『女王』

細川俊夫: ソプラノとオーケストラのための『嘆き』

                            ―ゲオルク・トラークルの詩による

メンデルスゾーン: 交響曲第3番『スコットランド』

 

指揮:シャルル・デュトワ

ソプラノ: アンナ・プロハスカ

 

夏以降ほぼ毎週東京出張となるなか、今週は久々に月―金を通して大阪オフィスの予定で、水曜日の小林研一郎・大阪フィルのオービック・コンサート(ザ・シンフォニーホール)を避けるように月・火・木・金と仕事関連の会食・忘年会の連荘にしていたのに、よりによって水曜日に朝から東京出張せざる得なくなってしまった。急遽、チケットは知人にお譲りできたものの、結果的に先週、東フィル定期での小山実稚恵、そして今週の清水和音と2週連続でチャイコフスキーのピアノ協奏曲を聞き逃したことになる。その知人によると、コバケン節たっぷりで特に後半曲チャイコフスキー5番がとても“アツかった”とのこと。オーケストラアンコールは“ダニーボーイ”とオービック・コンサート定番の“ふるさと”、そして清水和音はショパンのノクターンだったそうな。

 

コバケンを聴きそびれたものの、激務のなかワーク・ライフ・バランス維持の源泉として、クラシック音楽については“転んでもただでは起きない”のが私のポリシー。前日火曜日にN響サイトでサントリーホールB定期の残席販売を見つけて、すかさず購入(セブンイレブン発券)しておき、さも“大阪に戻ります”といった体で東京オフィスを出たその足で、そのまま溜池山王へ。翌朝7時羽田発で伊丹に戻り、そのまま(さも前日に日帰出張したかのように)朝9時から大阪オフィスに出社。おかげで今週はいつも以上に疲労困憊。

 

かろうじて購入できた席は、どうやら“超”がつく不人気席の1階後方(後ろから3列目で2階が被さっている)。12型で演奏されたハイドンは、ステージ上のN響は恐らく非常に精緻な演奏をしているだろうのに、とにかく音が遠くて前方に広がる巨大なホール空間で鳴っている音を、2階席下になったホール後奥からじっと耳を欹てて聞いている感じ。これでS席なの?ご冗談はよし子さん、ですね。N響定期でも最後まで売れ残っているわけだ、と妙に納得してしまった。

 

メンデルスゾーンになると16型で音もそれなりに聞えてくるようになっても、ホール音響空間の外に身を置いた状態は変わらず、全感覚を落ち着かせて向こうで鳴っている音を聞きにいかなければならない。そんなこんなでも、やはりN響の抜群の上手さは十分に判る。メンデルスゾーンは、豊かに鳴る弦(良席で聴いたら、きっとこんなものじゃないはず)、ニュアンス豊かな木管(こちらは最後方席でも良くわかる)、そして安定した金管のバランスの見事なこと。それに加えて、シャルル・デュトワの指揮は歌謡性を強調したりテンポを巧みに変化させたりと、作曲者がスコットランドを旅した際に着想を得たとされる曲題名のイメージよりも、よりラテン的明るさを持った解釈を聴かせてくれた。東京でN響を聞く度に(残念ながら、聴く…ではない)思う、“ああっ、いつかサントリーホールの良席でN響を聴きたい”。

 

 
NHK交響楽団_1875回定期_20171214