2017年10月21日 日本センチュリー交響楽団 第220定期 2日目
大阪ザ・シンフォニーホール
1階I列中央ブロック
ブラームス: 大学祝典序曲
ブラームス: ヴァイオリン協奏曲 ニ長調
―アンコール バッハ: 無伴奏ヴァイオリンの為のパルティータ第2番“サラバンド”
シベリウス: 交響曲第1番 ホ短調
指揮 秋山 和慶
ヴァイオリン アリーナ・イブラギモヴァ
序曲とコンチェルト、そして後半に交響曲を置いた王道のプログラム。フルートとファゴットにN響主席奏者二人を客演主席に迎えた12型2管編成の日本センチュリーが、毎度のこと実にいい。
日本センチュリーの定期に迎えるコンチェルト・ソリストは毎回、今“聴いてみたい”と思わせる実に巧みなブッキングだけど、その中でも個人的に最も聴いてみたいソリストが、今回のイブラギモヴァ。エリシュカ+大阪フィルとのお別れ公演と重なり、事務局にリクエストして第2日目に振り替えた。
そのイブラギモヴァのヴァイオリンソロが鮮烈にして繊細。音色を変化させながら、切り込むところは徹底的に鋭角でありながら、メロディーを甘美にねっとりと歌わせるなど、その表現は円熟したもの。指揮者との音楽の振幅を一致させる呼吸もまた見事。それにしても、かなり高いピンヒールを履いたうえで、あれだけ全身をくねらせていたら、演奏中に捻挫するんじゃないかと勝手な心配をしてしまった。
後半の交響曲も前半ブラームスから引き続いたロマン派然としたアプローチだったのではないか。結果的にこの曲を聴くといつも感じる、シベリウスのまだ未成熟な個性とシンフォニーの形式美のアンバランスさが際立ってしまう。ただし、秋山和慶はオケを豪快に鳴らすので、割り切って聴いてしまえば、暗すぎず、沈痛すぎずで、それはそれでよい。
どうやら、三週連続の“神々の黄昏”でワーグナーの毒が全身にまわってしまっていて、デトックスに時間がかかるみたい。昨晩までのドヴァルザークでは効果薄だったけど、今夜のイブラギモヴァのブラームス・コンチェルトは効果抜群。どこか頭の片隅で鳴り続けていたワーグナーの音楽がやっとで消えた。
コメント
コメント一覧 (2)
センチュリー、今回も良かったんですね。そして何よりイブラギモヴァが見事な演奏だったとのこと。去年のイザベル・ファウストも聞き逃し、今回のイブラギモヴァを聞き逃し、非常に悔しい思いをしています。
次回の関西遠征はおそらく2月の京響→大フィルの定期になりそうです。
本当に素晴らしい演奏会でしたので、ヒロノミンさんに申し訳ないない気分でした。
またお会いできることを楽しみにしておりましたので、とても残念でした。
では2月大フィルのフェスティバルホールか、それとも広響の福山定期でお会いできると良いですね。