2017年9月1日 ザ・シンフォニーホール・ストリング・カルテット Vol.1

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1J34

 

バーバー      : 弦楽四重奏曲第1番 第2楽章『アダージョ』

マンシーニ    : ムーンリバー

S・ジョプリン : ラグタイム

ガーシュイン・メロディー

ドヴォルザーク       : 弦楽四重奏曲第12番 へ長調『アメリカ』

   アンコール  チャイコフスキー :アンダンテ・カンタービレ

 

カルテットメンバー

Vn     松浦 奈々   日本センチュリー コンマス

Vn     森下 幸路   大阪交響楽団首席ソロ・コンマス

Va     飯田 隆      日本センチュリー

Vc     北口 大輔     日本センチュリー首席奏者

 

この演奏会も新ホールオーナーによる新機軸のひとつ。メンバーは4名中3名が日本センチュリーのメンバーのため、休憩後のドヴォルザークで松浦奈々が1stを務めると、聴く前から“どうぞ気心のあった仲間で達者な演奏を聴かせてください”といった雰囲気で収まってしまう。その意味では、森下幸路が1stを務めた前半が面白い演奏になりそうなものだったのだけど….

 

前半メインのガーシュインをバックに行われた関西在住の画家によるアートパフォーマンスがいただけない。日本センチュリーのホルン奏者である三村総徹氏がこの日のために趣向を凝らしてアレンジしていたというのに、彼は曲調の変化や、各声部が寄り添ったり重なりあったりといった弦楽4重奏の持つ面白みや醍醐味など見事なまでに無視して、ただメロディーにあわせたような、とりとめのない線をマジックで描いていただけ。

 

それでも最初のうちは、この “画家” がどういったインスピレーションを演奏から得ているのかを探ろうと真剣に眺めていたけど、そのうち “何の共感もインスピレーションも無い” ことに気づいてからは、ひたすらじっと目を閉じて聴いていた。目障りなパフォーマンスを延々と見せつけられるのは迷惑極まりない。氏が “画家” としてどれほどの評価と知名度を得ているかなど皆目存ぜぬし興味もないけど、すくなくともコラボレーション企画としては、完全にミスキャスト。

 

次回は “ロシア” がテーマとのこと。せっかくのホール付き弦楽四重奏なのだから、余計なことはせずに “音楽” を聴かせてくださいね。都合がつけば是非聴きにいきますから。

ザ・シンフォニーホール・ストリング・カルテット_20170901