2017
621日 ザ・シンフォニーホール・ストリング・クインテット Vol.1

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1J

 

モーツアルト         : アイネ・クライネ・ナハトムジーク K525

ロッシーニ           : チェロとコントラバスのための2重奏曲 ニ長調

コダーイ             : 2つのヴァイオリンとヴィオラのためのセレナード OP12

ドヴォルザーク       : 弦楽5重奏曲 第2番 ト長調 OP77

    ――アンコール レーガー:叙情的アンダンテ“愛の夢”

 

クインテットメンバー

1stVn  田野倉 雅秋  大阪フィル首席コンサートマスター

2ndVn  岡本 伸一郎  大阪交響楽団アソシエイト・コンサートマスター

Va     木下 雄介     大阪フィル首席奏者

Vc     北口 大輔     日本センチュリー首席奏者

Cb     村田 和幸   日本センチュリー首席奏者

 

呼び込みチラシの裏面に次のように書いてある・・・・

2017年、開館35周年を迎えるザ・シンフィニーホールから新たにThe Symphony Hall String Quintetが始動。クラシック喫茶のように気楽に、でも心から音楽を堪能する至福のひとときをお贈りするとともに、さまざまなコンサートの楽しみ方を追求・提案していきます。 ――中略―― ザ・シンフォニーホールの音響空間を存分に生かした美しい音色、見事に息の合ったアンサンブルはシンプルに音楽の楽しさを感じさせてくれるでしょう。』

 

この演奏会も数年前にホールのオーナーシップが朝日放送から慈慶学園グループに移ってから矢継ぎ早に繰り出される新機軸のうちのひとつ。すでに同じ趣旨で始まった弦楽アンサンブル(The Symphony Chamber Ensemble)、弦楽4重奏(The Symphony String Quartet)は都合がつかなかった・・・と言うより、ありきたりのプログラミングであまり魅力を感じず都合をつけて聴きにいかなかった。対してこの在阪オケのトップ奏者を集めた弦楽5重奏は、2nd.Vaでも2nd.VcでもなくCbを加えたユニークな編成で “何か面白いことをしてくれそう” との期待感を抱かせる。翌木曜日の関西フィル定期、金曜日の大阪フィル定期(準・メルクルがペトルーシュカを振る)、さらには週末をはさんで月曜日に読響の大阪定期(シモーネ・ヤングがアルプス交響曲を振る)とコンサートが続くというのにチケットを買ってしまった。

 

休憩を挟んで2時間20分のコンサートを聴き終えての感想は、“ホール常設の5重奏団としてのコンセプトがまだ定まっていない” ということ。2Vn+Va+Vc+Cbで書かれた作品がほとんど無いなか(今後どんどん歴史に埋もれた無名の作品を掘り起こすなら話は別だけど)、その限られたオリジナル作品を入念に仕上げて聴かせるのか(今日のドヴォルザーク)、それとも極小オーケストラとして演奏するのか(例えばアイネ・クライネ・ナハトムジーク)? 本日のアプローチはどっちつかずなままで、アイネ・クライネ・ナハトムジークは1st Vn田野倉が遠慮し過ぎていて、眠たくなるくらいつまらない演奏。一方でコダーイは(2Vn ,Va3重奏)、逆にその恭謙さが上手くバランスさせて曲の持つ深みを引き出すことに。

 

ドヴォルザークの室内楽はStamits Quartetの全集CD10枚セットをiPadに入れていて日ごろ新幹線で移動のときに良く聴く。有名曲12番に限らず多くの曲はその中間に置かれた暖徐楽章が翳りと郷愁に満ちていて大変魅力的なのだけれど、今日始めて聴いた5重奏曲はポコ・アンダンテの第3楽章が明るく平和で慈愛に満ちており、5名の名手による演奏はこの日の最高の聴き所だった。

 

ロビーで928日のVol.2のチケット先行販売がされたので、後先の都合も考えずに最前列の席を購入してしまった。後で確認したら、大阪フィル9月定期(26日、27日:ユベール・ズダーンがシューベルトの未完成とザ・グレートを振る)の翌日でなないか!。また連荘になってしまった。(ところで、コンマスとVaトップも定期翌日の演奏なんだけど、練習してる時間、あんのかなぁ)

 
シンフォニーホール弦楽5重奏_20170621