2016年11月11日 大阪フィルハーモニー第503回定期演奏会 1日目
フェスティバルホール
1階 定期会員席
ブラームス:悲劇的序曲 作品81
ブラームス:運命の歌 作品54
ブラームス:交響曲第2番 作品73
指揮: シモーネ・ヤング
合唱:大阪フィルハーモニー合唱団
タクトを振る後ろ姿を見ていると大きな腕の振りで颯爽としたシモーネ・ヤングは、じっと目を閉じて聴いていると、第2番交響曲などかなり大きな緩急をつけてパッションに満ちた音楽運びであることに驚かされる。“運命の歌”は大変よく準備された大阪フィルハーモニー合唱団による合唱が素晴らしく、冒頭曲での正確な音程とコントロールされた弱音でのアルトパートの歌い出しのところではちょっと身震いした。
井上道義が2014年に首席指揮者に就任して以来、大阪フィルのレパートリー幅をドイツ・オーストリアから広げようと取り組んでいるものの、“大阪はラテン系だ”との意味不明な掛け声とともにグローフェの“大渓谷”やらドビュシーの“海”やら、オーケストラの特性にマッチしたとは思えない曲を定期のメインプロに置いているけど、その演奏を聴く限りどうにも成功しているようには思えない。不器用な象(巨象とまでは言わないが)のような大阪フィルの魅力は、やはり今夜のようなドイツ・オーストラリアものでしょう。
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