2016年10月9日 ゲルギエフ指揮 マリインスキー歌劇場管弦楽団 兵庫芸術文化センターKOBELCOホール
兵庫芸術文化センター KOBELCOホール
1階X列
プロコフィエフ: 古典交響曲 ニ長調
ショスタコーヴィチ: 交響曲第9番 変ホ長調
ストラヴィンスキー: 『春の祭典』
―― アンコール
メンデルスゾーン: 真夏の夜の夢 “スケルツォ”
ストラヴィンスキー: 組曲『火の鳥』から“子守唄”と“終曲”
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
昨日、京都のローム・シアターでマリインスキー歌劇場によるエフゲニー・オネーギンの公演のあと、今日は西宮で“春の祭典”をメインに置いた唯一のプログラムを行い、明日2時からは東京文化会館でドン・カルロ初日公演に臨むのですから、SuperというかTougherな指揮者とオーケストラですよね。終演後、楽屋出口にチャーターバスが数台、横づけされていました。
その京都と東京のオペラ公演に挟まれた一日だけのプログラムですので、恐らく短時間でさらっただけだったはずなのに、ショスタコーヴィチもストラヴィンスキーも指揮者の意図に完全に答えた見事な演奏。ロシアのオケと言えば、例えば昔のレニングラードフィルを聴いたときのようなゴツゴツした音やベルのめくれ上がったようなプラスの響きといった旧ロシア時代のあか抜けないサウンドイメージがいまだにつきものだけど、少なくともこのオーケストラには皆無です。別に“ロシアものはロシアのオケで”とは思わないけど、常日頃から自国の作曲家をプログラムのメインに据えているからこそ、強硬ツアーでも一日だけの“春の祭典”を演奏できちゃうのでしょうか。それにしても、ピアノを弾くかのようにひらひらさせた指の動きもよく眺めていると、“う~ん、すごい”と唸ってしまうほど見事なもので、拍を取る腕の振りと合わせて見事にオーケストラにキューを出しています。生贄の踊りの最後の最後、“こんな音の構成でございます”と解説してくれたかのような、超スロー演奏など、“うわっ、すげえ”と唸っちゃいました。
自治体の手厚いサポートがあってかチケット代は東京よりはるかに割安だけど、このホールはオーケストラを聴くにはまったく不向きで、個人的には東京文化会館などのほうがまだずっと良い。購入したX列はA席ながら二階席が完全に頭上に被ってしまい、遠くの舞台上で鳴っている音を聞きに行く感じで、音が席まで飛んで来ないし、“春の祭典”ですら曲中でもホールが鳴らない。しかも、そのステージの音を“聞きにいっている”最中(ストラヴィンスキーの第2楽章)で、後方1C扉から杖を突いた老人が音を立てながら入場して来たり、“春の祭典”開始早々にその1C扉付近で缶か何かを転がしたような音を立てたりで、どうにも“聞きにいく”ことを妨げられる。ついでにホールマネジメントについて“愚痴”を書いちゃうと、“春の祭典” 開始直前にスーツ姿の男女が1C扉から入ってきて “一緒にすわってもいいですか?” “いいよ、好きなところにすわりなよ” “じゃ、私、前に座ります” てな、会話をしながら女性が私の列にきた。おいおい、スタッフなら観客に意識されないように最後列でこっそり聞きなさいよ。お金出して聴きに来ている方に失礼でしょ。
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