2016年5月21日 大阪フィルハーモニー第498回定期演奏会 2日目
フェスティバルホール
2階 中央ブロック5列目
チャイコフスキー: 幻想序曲『ロメオとジュリエット』
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
-アンコール チャイコフスキー:『四季』April. The Snow-drop
ルトスワフスキ:管弦楽のための協奏曲
指揮:クシシュトフ・ウルバンスキ
ピアノ:アンナ・ヴィニツカヤ
今、まさにメジャーへの階段を駆け上がり始めた若手指揮者ウルバンスキを聞き逃したら、後々に大変後悔しそうな気がして、公演日前日に急遽チケットを購入して聴きに出掛けました。どうやら1、2階席ともほぼ完売に近かったようです。ウルバンスキの知名度がある程度貢献したかもしれないにせよ、フェステバル・ホールに会場を移して3シーズン目の今年、毎定期かなりの席が埋まるようになってきましたね。
3年前、まだ31歳だったこの指揮者が大阪フィルの定期で『春の祭典』を指揮した姿をいまだ鮮烈に記憶しています。さらにその1年前の2012年2月定期で、当時の音楽監督を務めていた大植さんのいつもながらの自己主張ごり押しの指揮のもと、特に2日目で一瞬演奏が破たんするのではと思うほど危うい演奏をしたこのオーケストラを、この才能あふれる若者は見事にコントロールし均整のとれた『春の祭典』を聞かせてくれました。
今夜の演奏も暗譜で振る指揮姿は前回と同じですが、見た目にもスマートな指揮ぶりは一層洗練された様子で、大阪フィルから引き出す音楽もまた、まったく奇を衒うことがなくオーケストラを全く混沌とさせることがありません。本当にいい指揮者ですね。これから40歳、50歳と年を重ねていくことで、どのような指揮者になっていくことでしょう。いずれ関西では迎えることのできないマエストロに成長しているかもしれませんが、もし再び大阪フィルが定期でブッキングすることができるのなら、ドイツ古典派・ロマン派の交響曲作品を聴いてみたいものです。
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