2016年6月8日 大阪フィルハーモニー交響楽団 マチネ・シンフォニー Vol.15
ザ・シンフォニーホール
リムスキー=コルサコフ: スペイン奇想曲
マルコーニ: バンドネオン協奏曲
――アンコール ピアソラ:アディオス・ノニーノ
ハチャトゥリアン: バレエ組曲『ガイーヌ』より
絨毯の刺繍 / レスギンカ / 間奏曲 / バラの乙女たちの踊り
ヌーネとカレンの踊り / アイシャとガイーヌの情景 / アルメンの不幸
ガイーヌとアルメンの情景 / ガイーヌとアルメンの愛のデュエット
山の若者たちの踊り / 剣の舞
――アンコール バレエ組曲『ガイーヌ』より 収穫祭の踊り
指揮: 井上道義
バンドネオン: ネストル・マルコーニ
朝、横浜で早朝の会議を済ませた後、新幹線で東京に移動して開演直前にホールに飛び込みました。マチネーコンサートは特にここ数年、一流ソロ奏者を迎えての挑戦的なプログラムで楽しませてもらっています。午後2時の開演にむけて私のように時間調整をして聴きに来る(来ることができる)現役世代は稀で(あたりまえですね)シニアの御夫婦をたくさん見かけます。平日の午後に、このような良質のフルオーケストラ・コンサートを三千円で聴くことができるのは本当に素晴らしいことです。大阪在住の方々がうらやましい。
やはり『ガイーヌ』は、コンサートのメインには向かないキワモノですね。聴きなじんだ(というより一度聴いたら忘れられない)チェクナヴォリアン・アルメニアフィルの爆演CDを思い比べると、今日のような節度をわきまえた大変にまっとうな演奏では、かえって曲自体の深みの無さが際立って感じられてしまいます。いっそのことならアンコールの“収穫祭の踊り”くらいは超ハイテンションの爆裂演奏をしてくれたら面白かったろうのに。
ネストル・マルコーニさんのバンドネオンは楽器左右から鳴る音がそれぞれホール下手、上手の空間に伝わって、一階席中央の自席からはステージ両翼いっぱいに広がった巨大な楽器のようです。てっきりPAを使っているものと思い込んでしまうほどの音量と響きで、たとえば昨年のマチネーでのロドリーゴのギター協奏曲のようにソロ楽器がオケに埋もれることも全くありません。ただし残念ながら、演奏者自作の協奏曲自体は決して面白味のあるものではありませんでした。