あーと屋のほぼ大阪クラシック演奏会気まま日記

2020327日 片桐仁美・堅田京子ジョイントリサイタル ザ・フェニックスホール

 

ザ・フェニックスホール

1階B7

 

アルト                  :片桐 仁美

ピアノ                  :堅田 京子

ギター                  :増井 一友

 

リスト                  :楽に寄す D547

                              死と乙女 D531

                              夜 WoO

                              さすらい人の夜の歌 D768

 

リスト                  :ピアノ・ソナタ第18番 ト長調『幻想』 D894

 

       ~ 休憩

ブラームス              :ピアノのための4つの小品集

 

ヨーゼフ・マルクス     :風車

                                         窓辺にて

                                         煙

                                        雨

フーゴ・ヴォルフ       :ミニヨンの4つの歌

  ――アンコール

        ピチカート・ポルカ J・シュトラウスⅡ  ※ 堅田京子

        ウィーン・我が夢の街  ※ 片桐仁美、堅田京子、増井一友

 

今年は日本国内のワーグナー楽劇上演の当たり年だと思っていたら、主要公演は“神々の黄昏”(びわ湖ホール)に続いて“トリスタンとイゾルデ”(東京音楽祭・春)も中止となり、6月の“マイスターマイスタージンガー”だけとなってしまった。こうなってくるとワーグナーというワードに飢えてくる。この日の演奏会はクブファー演出バレンボイム指揮のバイロイト公演でジークルーネを歌った実績を持つ片桐仁美が、音大同級生の堅田京子とのジョイント・リサイタル。

 

都度に書いているとおり、このブログは作品説明は一切しないことをルールとしているけど、最初にシューベルトの有名リート3曲とともに歌われた“夜”(WoO:作品番号なし)については、ネット検索しても情報が得られなかったので、プログラム記事を以下に抜粋。

 

==QUOTE

今回取り上げる曲は、~略~、そして全く無名な「夜」です。この「夜」は長い間プライベートに所属されていたもので、初演は1989年です。ギター伴奏で書かれていて、ピアノ伴奏の楽譜は1990年に作らえて出版されています。今日は増井さん(今日の伴奏者:アート屋)所有の、19世紀前半の三大ギター名工の一人、ルイ・パノルモが1839年に作ったギターで演奏いたします。

==UNQUOTE

 

最初のシューベルトのリート4曲は、もともとピッチの曖昧さが魅力のギター伴奏ということもあったのだろうか、なんだか歌いにくそうで、また中域音程が時に喉に引っかかるようなころとがあって、少々不調気味。それでも後半は持ち直して、最後のヴォルフ“ミニヨンの4つの歌”は、感情をたっぷりとのせた貫禄の歌唱だった。

 

シューマンが形式的にも精神的にも完璧と絶賛したとされるシューベルトの幻想ソナタは、私には冗長に過ぎて、あまりに長すぎる。ワーグナー楽劇の5時間を全く長いなんて感じないのに、幻想ソナタの40分を聴きとおすのは結構キツイ。これを暗譜で弾くなんてプロは凄い。ブラームスのラプソディー“ピアノのための4つの小品集の4曲目”が一番聴いていて面白かった。やはり、ピアノ独奏曲は全般に聴きなれていない。

 
20200328_ジョイントリサイタル_フェニックスホール

 

2020316日 "東京・春・音楽祭2020" ベルリン・フィルのメンバーによる室内楽  ~ピアノ四重奏の夕べ ザ・フェニックスホール

 

ザ・フェニックスホール

1階B18

 

ヴァイオリン    : ガイ・ブラウンシュタイン

ヴィオラ        : アミハイ・グロス

チェロ          : オラフ・マニンガー

ピアノ          : オハッド・ベン=アリ

 

モーツァルト    :ピアノ四重奏曲 第1番ト短調K478

フォーレ        :ピアノ四重奏曲 第1番ハ短調

ドボルジャーク  :ピアノ四重奏曲 第2番変ホ長調

 

"東京・春・音楽祭2020"HP上で、この“いずみホール公演”は実施予定と継続してアナウンスされてはいたものの、直前まで中止発表を覚悟していた。演奏会当日の夜(ちょうど演奏会が行われている頃)、ついにEUの欧州委員会がシェンゲン協定加盟国に対してEU域外から域内への不要不急の移動制限案を提示しており、この公演の決行はメンバー帰国手配を進めながらのギリギリの判断のなかでのことだったのでは、と思う。よくぞ実施してくれたものだ。いちクラシックファンとして感謝の言葉しかない。

 

昨年と同様、演奏に大変感銘を受けた。おそらく大阪で聴くことのできる最も優れた室内楽演奏ではないだろうか。完全な調和の上で、ダイナミックに個を主張していく弦楽器とピアノ。演奏に対する感想は昨年と全く同じ。あれこれ字面をならべるより、昨年のブログ記事を一部再掲。なお、昨年の同団体のいずみホール公演メンバーからヴァイオリンが、ノア・ベンディックス=バルグリーからガイ・ブラウンシュタインに変更となっている。

 

昨年の同団体の演奏会のブログ記事の一部を再掲

~~ 
ピアニストのオハッド・ベン=アリがまた素晴らしかった。同じフェニックスホールのスタンウェイが、過去に聴いてきた室内楽演奏のピアノの音と全く違う。あのような固すぎず音の芯のしっかりした音は、いったいどうやったら出せるのだろう。ピアノの左手がオラフ・マニンガーの弾くチェロと同じ旋律線を奏でるとき、発音の仕組みが全く異なる二つの楽器がどうしてこんなにも調和するのだろうか。ピアノのタッチ、チェロのピッチ、そして奏者の息が完全に一致している。
~~

 

欧州委員会による渡航禁止が発表された時点である程度覚悟はしていたものの、今週半ばに、ついにトリスタンとイゾルデの公演も中止となってしまった。指揮者や歌手が来日できなのではどうにもならない。2日と5日の両方のチケットを押さえていたのに…。

 

 

 

 
20200316_ベルリンフィルのメンバーによる室内楽

20200316_ベルリンフィルのメンバーによる室内楽_1

2020313日 日本・リヒテンシュタイン公国友好101周年記念コンサート 京都コンサートホール アンサンブルホールムラタ

 

京都コンサートホール

アンサンブルホールムラタ

 

ピアノ        津田理子

マティス・べロイター

 

ベートーヴェン  :ピアノソナタ 第14番 ハ短調『月光』 マティス・ベロイター

                 ピアノソナタ  30  ホ長調                -同上―

休憩

                 ピアノソナタ第3番 ハ長調            津田 理子

                 ピアノソナタ第18番 変ホ長調           -同上―

 

スイス在住の日本人篤志家を中心に若手音楽家育成と国際文化交流の促進支援活動を続けている“若手音楽家育成アヤメ基金”が主催し、日本企業3社とともに日本リヒテンシュタイン友好協会が友好101周年記念として協賛、そして在日スイス大使館と関西日本・スイス協会が2020年第17回SWISS WEEKの一環として後援された演奏会。開演に先立って、主催者(アヤメ基金理事長)が舞台に立ち“京都コンサートホールの理解を得て、仮に無観客になっても実施する覚悟で今日を迎えた。どうか演奏を聴いて、コロナに打ち勝ちましょう!皆さん、音楽を楽しんでください!”との挨拶があった。

 

500名収容のホールの中にまばらに散った観客は、私を含めてざっと40人ほど。それに対して京都コンサートホール側は、まったくの通常オペレーションで対応しており、ホール案内からクローク、さらにはビュッフェも通常メニューで営業された。せめての貢献を…と、夕食を兼ねてサンドイッチとアイスコーヒーを途中休憩でいただいた。サンドイッチは2パックがカウンターに置かれていたけど、もう一つは売れ残ったのだろうか。もし廃棄となったのなら、そちらも買って食べちゃえばよかった。

 

前半プロで、ハイドンの7番ソナタとスクリャービンの4番ソナタがベートーヴェンの30番ソナタの前後に予定されていたものを、直前に(当日に?)月光ソナタに変更。結果的にコンサート・サブタイトル“L.V.ベートーヴェン生誕250周年”に沿ったオールベートーヴェンプロとなった。音響の良いホールの同じ席位置で、作品こそ違えど同じベートーヴェンのソナタを、二人の達者なピアニストで聴くことができるという、なんとも贅沢な時間だった。

特に津田理子さんの、一音一音完璧に統一された音と響き、そして隅々にまでコントロールされた音楽に驚いた。やはり、いい響きのホールで上手いピアノストの演奏を聴くのはとても良いものだ。
どちらのピアニストもプログラム曲の後、アンコールを演奏。津田理子さんが演奏したショパンのエチュード2曲が、とても知的で端正な演奏だった。

終演後、主催者が演奏者二人とともに再度ステージ上がり、次回9月18日に世界でわずか2台、オランダとバーゼルにしかない貴重なチェンバロをもってきての演奏会を実施する、とアナウンスした後“コロナに勝ったぞ”と声をあてげてコンサートがお開きとなった。


 20200313_マティス ベロイター

20200313_マティス ベロイター_1

2020228日 関西フィルハーモニー管弦楽団 第307回定期 

ザ・シンフォニーホール

2LLC6

 

指揮                    : ゴロー・ベルク

ピアノ                 : ダナエ・デルケン

 

シューマン             :序曲、スケルツォとフィナーレ 作品52

クララ・シューマン     :ピアノ協奏曲 イ短調 作品7

―― アンコール  ブラームス :間奏曲 変ロ長調 作品764

ブラームス             :交響曲第4番 ホ短調

 

たった今しがた(37日 午後1時)神々の黄昏(びわ湖ホール)のライブストリーミング放送(YOUTUBE)が始まった。無観客公演・ライブストリーミング実施という英断にいちワグネリアンとして感謝の限り。今日、そして明日の両日、視聴します。

 

なんだか、神々の黄昏の公演中止を知ってから、まったくブログ記事アップに気がいかなかった大阪フィルと関西フィルの2演奏会について備忘として、簡単にアップします。

 

 

実際の演奏が始まるまで、てっきりローベルト・シューマンのイ短調が演奏されるものだと思い込んでいた。耳に聞こえる曲がまったく異なるので、慌てて足元に投げ置いていたプログラムをこっそり拾い上げて確認してビックリ。なんとクララ・シューマンのピアノ協奏曲だった。こりゃまた大変珍しい作品が聴けたものだ。ソリストアンコールでブラームスの間奏曲が演奏されたので、ローベルト・シューマン=クララ・シューマン=ブラームスと見事にプログラムがつながったことになる。ただ珍しい作品であっても、歴史に埋もれているのも致し方なし、かな。

 

ブラームスのシンフォニーでの指揮にはちょっと首を傾げるところあり。各フレーズの終わりを点で止めず、そのまま流すように音を残すので、音楽が弛緩してしまったし、弦が不揃いで音が濁る。

 

さてと、大阪フィルと関西フィルの定期演奏会のブロブ記事をアップしたので、神々の黄昏(びわ湖ホール)のライブストリーミングをじっくり鑑賞します。。。

―― 今、ジークフリートとグンターが血の誓いの盃を交わしてる・・・いよいよ、ハーゲンの見張りの歌が始まる。。。これからワーグナーの毒に浸ります。

 

 
20200228_関西フィル定期

20200228_関西フィル定期_1


2020221日 大阪フィルハーモニー第535回定期演奏会 1日目

 

フェスティバルホール

定期会員席

 

指揮                    : 秋山 和慶

ヴァイオリン            : 辻 彩奈

 

ハチャトゥリアン       : 組曲『仮面舞踏会』

プロコフィエフ         : ヴァイオリン協奏曲 第2

チャイコフスキー       : 交響曲第1番ト短調 〝冬の日の幻想"

 

たった今しがた(37日 午後1時)神々の黄昏(びわ湖ホール)のライブストリーミング放送(YOUTUBE)が始まった。無観客公演・ライブストリーミング実施という英断にいちワグネリアンとして感謝の限り。今日、そして明日の両日、視聴します。

 

なんだか、神々の黄昏の公演中止を知ってから、まったくブログ記事アップに気がいかなかった大阪フィルと関西フィルの2演奏会について備忘として、簡単にアップします。

―― 今、第三のノルンが神々の未来を歌ってる。。。

 

いつもブログに書いている通り、ラベルとプロコフィエフはどうにも苦手でつい敬遠してしまう。そんな意識が先に立ってしまったこともあり、協奏曲は開始早々から寝落ち。まったく記憶なし。

 

チャイコフスキーはお行儀が良すぎ。ロシアの土臭い演奏でないと、曲構成の弱さが目立ってしまう。

 

―― 今、ステファニー・ミュター(ブリュンヒルデ)とクリスティアン・フランツ(ジークフリート)がジークフリート終幕と同じ岩場で抱擁している・・・沼尻さんの指揮、過去3作品と違ってかなり落ち着いたテンポ運び、京響もネット回線で聴く限りだけど、とても調子が良さそうだぁ(会場で観たかったぁ!)

 

 

2020216  新国立劇場 『セビリアの理髪師』

 

新国立劇場オペラパレス

1523

 

指揮            :アントネッロ・アッレマンディ

演出            :ヨーゼフ・E・ケップリンガー

オーケストラ    :東京交響楽団

チェンバロ      :小埜寺 美樹

 

アルマヴィーヴァ伯爵   :ルネ・バルベラ

ロジーナ               :脇園 彩

バルトロ               :パオロ・ボルドーニャ

フィガロ               :フローリアン・センペイ

ドン・バジリオ         :マルコ・スポッティ

ベルタ                  :加納 悦子

フィオレッロ           :吉川 健一

 

“セビリアの理髪師” は大好きで、いつも観終わった後、幸せな気分になる。今回のように歌手全員のバランスが取れていて、しかも演出を楽しめる公演では、終わったあとに“もう一度通して観たい”とすら思ってしまう。

 

ポップなデザインで統一された立体的な舞台装置とそれを生かし切った演出は秀逸の一言で、吊りと照明でお茶を濁す、ありがちなオペラ公演とは違う。オペラハウスはこうでなきゃね。5列目中央の席なので、計算された廻り盆と舞台上の人物の動きを、理想的な位置から鑑賞できたのは何よりだった。チェンバロは柔らかく温かい音で魅力的だったし、小型編成のオーケストラは弦が薄くならず、管楽器もふくよかな音色で良く弦とバランスして、満足のひとこと。やはりオペラは良い席で観るに限る。

 

序曲演奏の時、主要人物6人が順次パントマイムで登場しながら舞台前方の紗幕手前に整列すると、奥舞台の廻り盆の上に組まれたバルトロ邸が前にスライドしてきて、フィガロの合図とともに全員がバルトロ邸の中外に散っていくといく、という洒落た演出で、早々から虜にされてしまった。

 

1幕フィナーレで登場人物を徐々に増やしていきながら早口でセリフをまくしたて、フィガロを加えた主要登場人物6人がユニゾンとオクターブで同じ旋律を歌うまでの所謂ロッシーニ・クレッシェンドに対して、案外に第2幕の終わりがあっけなく感じるのも、また毎度のこと。兵士達がバルトロ邸内で洗濯物やら書類やらを引っ掻き回したり、空中に放り上げたりの大騒動が視覚として加わって、アドレナリンが放出されっぱなしの興奮状態を脳が覚えているため、なおさら。“あっ、終わっちゃった。もっと(この音楽に)もっと浸っていたいのに…(残念)”と思いながらの終幕。

 

いずれ再演されたら、また是非観たい。


※ オペラのタグを作りました。


20200206_新国_セヴィリアの理髪師
 

 

2020215日 イーヴォ・ポゴレリッチ ピアノリサイタル ザ・シンフォニーホール 

 

ザ・シンフォニーホール

1G21

 

ピアノ: イーヴォ・ポゴレリッチ

 

J.S.バッハ      :イギリス組曲 第3

ベートーベン    :ピアノソナタ第11

ショパン        :舟歌 嬰へ長調 OP60

                    :前奏曲 嬰ハ短調 OP45

ラヴェル        :夜のガスパール

 

バッハの組曲、ベートーベンのソナタ、ショパンの後期作品、そして超絶技巧のラヴェルと、ピアノ音楽史を一串にしたような魅力的なプログラム。ほんの五日ほど前、この日の大阪滞在が決まったことで半ばあきらめ気味にチケットサイトを覗いたら、なんとG21列目というピアノを聴くには最高の席がポッコリと空いているではないか! こりゃラッキー。ちなみに明日の東京新国オペラパレス “セビリアの理髪師” も、これまた平土間前方ど真ん中のチケットが偶然にも買えた。こりゃついているぞ。この調子でロトも当たんないかな。

 

クラシック音楽ファンといってもオーケストラ作品中心で、マーラーだのリヒャルトシュトラウスだの、さらにはワーグナーの楽劇だのを日ごろ好き好んで聴きまくっている一方で、ピアニストにもピアノソロ作品にもめっぽう疎い。膨大なピアノ作品群、そして大家と称されるピアニストから新進気鋭まで、それらを隈なく追っかけていたら、それだけで人生が終わってしまいそうなくらい。それでもショパンコンクールでの逸話、そして精神面での苦境からの復活といったストーリーとともに記憶されるポゴレリッチは、是非とも聴いておきたい。

 

そのポゴレリッチ、やはり聴いてよかった。他の著名なピアニストとは明らかに違う、とても突き抜けた存在ではないだろうか。ピアノ(一つの躯体)から、こんなにも多様な音が鳴らせるものなのだと、実のところ初めて知った。そしてその単音一つひとつがここまで研ぎ澄まされているなんて、ほんと奇跡のよう。かつてはとてもスローテンポな演奏スタイルだったらしいけど、今日の演奏はバッハもベートーベンも実直で真っ向勝負で、特異さ、異様さは一切なし。ショパンは、櫂でゆっくりと小舟を漕ぐというより、腕っ節に自信のある船頭によりグイグイ進んでいくような演奏で、また次の前奏曲も全く病んだショパンじゃなかった。そしてショパン2曲演奏の後、袖に一度引っ込むことなく演奏を始めた夜のガスパールも圧巻の一言。いや~、凄かった。すべてが記憶に残る演奏だった。

 

 
20200215_ポゴレリッチ_1


ザ・シンフォニーホールの男性トイレにある、いつもの手書きボード ~スタッフさん、日付が間違ってますよ~
20200215_ポゴレリッチ

 

202029日 長崎 出島 カピタン部屋 コンサート 長崎県オペラ協会 

 

長崎 出島 カピタン部屋 2

 

冬のメドレー

長崎の歌メドレー

ドゥ-ニ:音楽劇『二人の猟師とミルク売り娘』より“ペレットの歌”

マスカーニ:『カヴァレリア・ルスティカーナ』より間奏曲“アヴェマリア”

J・シュトラウスⅡ:『こうもり』よりアデーレの笑いのアリア“私の侯爵様”

見上げてごらん夜の星を

J・シュトラウスⅡ:『こうもり』より“シャンパンの歌”

 

妻との長崎市内観光で訪れた長崎出島で、たまたま聴くことができたカピタン部屋の2階での30分ほどのミニ・コンサート。“カピタン部屋”といっても、鎖国時代にオランダから日本の出島に赴任してきた商館長の住居兼事務所で、出島で最も大きく、日本側の役人との接待・社交の場としての役割を担っていた、2階建ての大きな建物。その2階にある豪華なダイニングスペースに続く、南側に面した20畳(?)ほどの大広間に電子ピアノを置き、畳のうえに赤い毛氈を敷いてコンサートスペースとしたもの。

 

観光中にこのコンサートのチラシや案内を見かけたわけでもなく、たまたまボランティアによる約一時間の出島紹介ツアーの後、ダイニングスペースをじっくり鑑賞したい、という妻の求めでカピタン部屋に立ち寄ったことで出会えたコンサート。観客は私たち夫婦の他にあと10名ほど。歌い手は、長崎県オペラ協会の女性歌手3名。歌手名のアナウンスもプログラム配布もない、とてもささやかなコンサート。それでも観光で訪れた地で、こうした暖かく優しい雰囲気の演奏会に出会えることは本当にうれしいものだ。


演奏された作品やその作曲者については、一切書かないことをこのブログ上でのルールにしているけど、『二人の猟師とミルク売り娘』に限っては備忘として記しておきます。

曲名だけは携帯メモに控えたものの、後で調べてみると江戸時代文政の1820年に出島で初めて、つまり日本で初めて、当時の商館長の愉しみとして、ここカピタン部屋の広間で上演されたオペレッタなのだそうだ。イタリア人 エジーディオ・ロムアルド・ドゥーニによるフランス語オペラ・コミックが、オランダ人によって上演されたらしい。それが大変うけて長崎奉行を迎えて再演されたとのことなど、クラシック音楽ファンとしては、なんとも興味深い歴史が垣間見えてきた。こうした珍しくも貴重な作品を歌って聴かせてくれた、長崎県オペラ協会の歌手の皆さんに感謝!

ちなみに、イタリア人によるフランス語オペラ・コミックがオランダ人により日本で上演…ということなのだけど、今、知人に紹介されて読んでいる石井宏著“クラシック音楽意外史”でのクラシック音楽におけるイタリアオペラの位置づけに重ねると大変興味深い。

演奏会の終了後に、ブログ掲載の許可を頂いて撮った写真がこちら。ピアニスト(左)と長崎県オペラ協会所属の歌手の方々。
20200209_出島コンサート


202024日 読売日本交響楽団 第25回大阪定期演奏会 

 

フェスティバルホール

2階 定期会員席

 

マーラー               :花の章

ハチャトゥリアン       :ヴァイオリン協奏曲

  ―― アンコール     J.S. バッハ:パルティータ第2番 サラバンド

マーラー               :交響曲第1番 『巨人』

  ―- アンコール      J.S.バッハ:アリア (マーラー編)

 

指揮            :山田和樹

ピアノ          : ネマニャ・ラドゥロヴィチ

 

日本人若手指揮者のなかでもFAST TRACKを突き進むかのように着実に実績を積み上げている山田和樹。指揮台での身のこなしは、もうすでに貫禄十分で、ハチャトゥリアン独特のリズム変化に満ちたコンチェルトでの一心不乱に弾きとおすラドゥロヴィチにオーケストラをぴたりと添わせるバトンテクニック、そしてマーラー『巨人』での、颯爽と進めていく全体の構成力とオーケストラの統率力はさすが。

 

“花の章”でのホルン4本に対し、“巨人”交響曲では楽譜指定通りの4菅編成でホルン7本(さらに終楽章コーダー時のTrTb各1本)。1楽章、2楽章での反復は無し。“あれっ、こんなんだっけかぁ?”といった耳慣れない(聴きなじみのない)響きのする箇所が幾つもあったのだけど、私の気のせい?それとも指揮者による指示? マーレリアンの友人がお聴きであれば、是非尋ねたいところ。

 

中学生1年にお年玉で最初に買ったクラシック音楽のLPがオーマンディ・フィラデルフィア管のマーラー“巨人”花の章付き(CBSソニー盤)。還暦の誕生日をあと数日で迎えようとしているこのタイミングで、おそらく数十年ぶりに“花の章”を聴くとは、中学生時代がフラッシュバックして、なんとも感慨深い。

 

20200204_読響_大阪定期
 

2020130日 日本センチュリー交響楽団 第242回定期

 

大阪ザ・シンフォニーホール

1階定期会員席

 

指揮            :小泉 和裕

 

シューマン      :交響曲第1番 変ロ長調 作品38『春』

フランク        :交響曲 ニ短調 

 

小泉和裕の指揮するシューマンと言えば、一昨年11月の大阪フィル第523回定期の第2での各パートの音量・音色に神経をいきわたらせた全体に抑制のきいた演奏だったと記憶している。それ故に今回の“春”も同様な音楽を想像し期待していたものの、あに図らんや、オーケストラを開放的に鳴らした演奏。日ごろ、この210型のオーケストラが後期ロマン派のオーケストラ作品を演奏するときのようなパワー全開のいつものサウンドで、私が期待していたシューマン像とちょっと違うな、と思いながら聴いていいた。

 

一方で後プロのフランクは、そうしたアプローチが見事にハマった、快演。このオーケストラの特徴である明るめの音で、いつもながら思いっきり鳴りながらもしっかりと均整が保たれていてうるさくならない。フランクのニ短調交響曲って、ほんと何時ぶりだろう。こんな魅力的な曲だったっけ。

 

 
20200130_日本センチュリー定期

20200130_日本センチュリー定期_1

2020126日 関西シティー・フィルハーモニー交響楽団 第68回定期演奏会 

 

ザ・シンフォニーホール

1階J列目12

 

指揮: ギオルギ・バブアゼ

関西シティ・フィルハーモニー管弦楽団

 

ワーグナー             :歌劇『リエンツィ』序曲

エルガー               :エニグマ変奏曲

ブラームス             :交響曲第3

  ――   アンコール      ブラームス :セレナード第1番よりメヌエット

                               ブラームス :ハンガリー舞曲第21

 

一年前2月の、ラスボスめがけて全員が一心不乱に立ち向かっていくかのような“レニングラード交響曲”の熱演で大いに楽しませてくれた関西シティー・フィルハーモニー管弦楽団の今回の定期演目は、オケの実力がダイレクトに問われる作品ばかり。ブラームスをブラームらしく聴かせることは、なかなかに難しいもののようだ。

20200126_関西シティフィル

20200126_関西シティフィル_ 1


2020125日 大植英次指揮 大阪フィルハーモニー管弦楽団 ベートーベン7番と英雄の生涯

 

ザ・シンフォニーホール

1階O

 

指揮            : 大植 英次

 

ベートーベン           :交響曲第7

R・シュトラウス        :交響詩『英雄の生涯』

 

先週に続きこの週末も大阪滞在、そしてこの土曜日のコンサートは芸文のサロネン・フィルハーモニーかザ・シンフォニーホールの大植・大阪フィルの二択。平土間のスカスカな音響で“春の祭典”を聴くよりもと、大阪フィルの“英雄の生涯”を聴くことにした。その夜の件のクラシック音楽バーでお会いした常連A氏との酔っ払い談義によれば、“春の祭典”はバーバリズムとは一線を画しながら土臭い、かなりの好演だったとこのと。う~ん、私の選択は失敗だったみたい。

 

前週の本チャン定期、そして続いてのサントリーホールでの真剣勝負(火曜日)の後、水曜日に大阪に戻って木・金で合わせての本番というスケジュールを思えば、なんとなくこうなるような予感はしていた。指揮者のひとり相撲に突き合わされた感のあるオーケストラは、ベートーベンはしゃにむに突っ走るし、R・シュトラウスに至っては近年の定期でのクオリティーを思えば、かなり物足りない。唯一気を吐いていたのは“英雄の伴侶”での崔文洙のソロで、冒頭“英雄のテーマ”でのチェロ・コントラバスとホルンの不揃いで始まり、ニュアンスを欠いた“英雄の敵”での木管群や、第2稿を用いた終結部でのTpの学生レベルの音など、かつてチグハグとした演奏を繰り返していたころの大阪フィルが思い出されて、少し悲しくもなった。

 

2年前の“大阪フィル70周年 X ザ・シンフォニーホール35周年特別コンサート”と題して行われた重量級プログラムコンサートから、明らかに集客に陰りを見せた昨年よりもさらに客の入りは悪い。埋まっているのはポデュウム席のみで、平土間も、バルコニー席も半分程度しか売れてない。スペクタクルなら大植英次といった主催側の目論見も空回り、という感じだろうか。

 
20200125_大植英次_英雄の生涯_1

20200125_大植英次_英雄の生涯

2020119日 京都市交響楽団 第641回定期演奏会 2日目

 

京都コンサートホール

2P 627

 

指揮            : ジョン・アクセルロッド

フルート        : アンドレアス・ブラフ

 

ベートーヴェン  :『アテネの廃墟』序曲

バーンスタイン  :『ハリル』独奏FLと弦楽オーケストラ・打楽器のためのノクターン

  ― アンコール  ドビュッシー :シリンクス

ショスタコーヴィチ: 交響曲第7番 ハ長調『レニングラード』

 

昨日の3階バルコニー席からポデュウム(P席)に場所を移しての2日目。席はチケット購入時の狙い通りHr4本、Tr3本、Tb3本のブラス別動隊(バンダ)がちょうど頭上に位置していて、爆音に身を浸すには最高の席位置。

 

レニングラードの印象は初日とおなじ。アクセルロッドのアプローチは過度な音楽の緊張感を求めることを避けながら、オーケストラ全体のハーモニーと音色の統一に徹した演奏。頭上のバンダも見事にステージ上のオーケストラ本体と音楽的に同期していた。でも、それじゃブラスパートの半分を切り取ってパイプオルガン横に置いたようなもので『この作品が求めるブラス別動隊ではないんじゃないのかなぁ』などと思いながら、まとまりの良い終楽章を聴いていた。

 

昨日は3階席後方からエンディングの余韻をかき消すようなブラボーがかかっていたけど、この日は私のいるポデュウム席から、またもやフライングぎみの盛大なブラボーの声にびっくり。

 

 20200118_京響_ショスタコーヴィチ_1

2020118日 京都市交響楽団 第641回定期演奏会 1日目

 

京都コンサートホール

3LD12

 

指揮            : ジョン・アクセルロッド

フルート        : アンドレアス・ブラフ

 

ベートーヴェン  :『アテネの廃墟』序曲

バーンスタイン  :『ハリル』独奏FLと弦楽オーケストラ・打楽器のためのノクターン

  ― アンコール  ドビュッシー :シリンクス

ショスタコーヴィチ: 交響曲第7番 ハ長調『レニングラード』

 

ちょうど1年前の関西シティーフィルの好演が記憶に新しい中、この週末を大阪で過ごすことになったので、“レニングラード”の正常な精神状態ではいられなくなるような音楽の渦に浸りたい、そんなマゾ的な期待をもって京響定期を2日続けて聴くことにした。

 

その“レニングラード”の演奏は、よく言えば〝純器楽的アプローチ”というのだろうか、破壊的な展開をあえて避けたかのような、まったく疲労感を覚えない演奏。第3楽章の木管によるコラールの後、ヴァイオリンの喉を掻きむしるような痛切な祈りのメロディーは、自分にとって最も聴きどころなのだけど、アクセルロッドの指揮は楽譜指定通りのフォルティシモ止まり。ここは渾身の最強奏であってほしい。“レニングラード”といえば、これまでの実演体験やメディア音源を聴いてきた中で、井上道義が首席指揮者だった大阪フィルとの2016年11月定期での暖かみを徹底的に排した冷酷で壮絶な演奏に止めを打つ。やはりショスタコーヴィチなら井上道義(井上道義といえば、ショスタコーヴィチ)ということか。

 

前プロ2曲は、たぶんどこかで実演を聴いたはずなのに一向に思い出せない。ブログ記事内検索をかけてもヒットしないので、この5年ほどのうちではないようだ。5分ほどの序曲はベートーヴェン・イヤーということで取って付けたようだし、ゲンダイオンガクの“ハリル”はいつもブログ記事で書いている通り、なんだかワカラナイのでパス。

 
20200118_京響_ショスタコーヴィチ_1

2020117日 大阪フィルハーモニー第534回定期演奏会 2日目

 

フェスティバルホール

2L 14

 

指揮            : 尾高忠明

チェロ          : スティーヴン・イッサーリス

 

エルガー        :チェロ協奏曲 ホ短調

  ― アンコール  ティンツァーゼ :チョングリ

ブルックナー    : 交響曲第3番 ニ短調 『ワーグナー』(第3稿)

 

嫌な予感が見事に的中して、定期会員になっている前日(1日目)に会食がブッキングされてしまった。チケットを2日目に振り替えた結果、今期最後の(そして、ザ・シンフォニーホール最後の)日本センチュリー・ハイドンマラソンをパスすることに。今期4回のハイドンマラソンのうち11月演奏会しか聴けなかったのは、まったくもって残念。

 

エルガーのチェロ協奏曲といえば、決して幸福だったとは言えないだろう人生に重ねるように、命を削るかのようなデュ・プレの演奏が一番に思い浮かぶ一方で、イッサーリスといえば最初に聴いたノリントン・ヨーロッパ室内管と録音したハイドンの協奏曲の演奏が記憶に残っていて、エルガーの協奏曲とイッサーリスがどうにも頭の中でつながってこなかった。初めて実演を聴いたイッサリーシスは、深刻すぎたり重すぎたりしない、とても品のある音。― 後で調べてみたら、ガット弦を用いているらしい。なるほど、だからだったのね。

 

ブルックナー3番の前にイッサーリスとのエルガーのコンチェルトを置くという贅沢なブログラムなのも、週明けに東京定期としてサントリーホールでも演奏するからだろう。大阪フィルの演奏はコンチェルトの伴奏のときから〝おおっ、かなり仕上げてきてるなぁ”と唸ってしまったほどに見事なもの。後プロのブルックナーなど、まったく隙がない。いつの通り十分に分厚くて重心の低い弦、そしてかつてとは大違いの安定した管楽器群。なによりホルンセクションが盤石なのがいい。東京の耳の肥えたブルオタの皆さんは、どのように評価したのだろう。

 
20200116_大阪フィル定期

2020114日  人形浄瑠璃文楽 竹本錣太夫襲名披露公演 国立文楽劇場

 

国立文楽劇場

中9列16

 

七福神宝の入船

傾城反魂香       竹本津駒太夫改め6代目竹本錣太夫襲名披露狂言

曲輪文章         (文章は一文字で表記)

 

ブログ記事の書き出しで、いつものように演目をタイプ打ちし始めた早々から、あれやこれやと判らないこと・戸惑うことだらけ。それらを一つひとつ調べていたら、いつのまにか、この大阪が誇る古典芸能の奥深さにじわじわと魅了されてしまった。当日、ご本人にご挨拶をさせていだき、ご一緒の写真まで撮らせていただいた竹本津駒太夫改め6代目竹本錣太夫の〝錣(しころ)”の文字、音読みではテツで、兜の左右・後方に垂らして首筋を守る防具の意味であること(漢字検定一級の文字らしい)、曲輪文章の〝文章”は、実際は一文字で表記されるのだけど、それは無理やり3文字に納めたゲン担ぎであること、また歌舞伎の演目では廓文章と題されること(咲寿太夫氏のブログより)などなど、まったくもって興味が尽きない。

 

この日の観劇の目的であった6代目竹本錣太夫襲名披露の傾城反魂香 土佐将監閑居の段が始まって早々、なぜか舞台上手の定位置に座った太夫が竹本錣太夫ではないに当惑していると、プロローグ(序段?)が終わった途端に、くるっと忍者屋敷の隠し扉のように床が反転して、もう一人の三味線(竹澤宗助)とともに竹本錣太夫が現れた。びっくりするやら(ほんと、シートベルトを締めとかないとぶっ飛ぶんじゃないか、と心配になるくらいの勢いだった)、なるほどこういうことかと妙に納得したり。国立文楽劇場のホームページを見てみると、それは出語り床というのだそうだ。

 

2年前の “ブログ4年目を迎えて” にて、大阪で会社勤めのうちに是非観たいと書いていた人形浄瑠璃文楽をついに初体験。観る前からかなり期待していたけど、こんなにも面白く、また興味が尽きないものとは思わなかった。太夫の巧みな語りに、そして人間の感情が宿ったかのような必然かつ精緻な人形の動きに完全に魅了された。また、もう一度などと言わず何度でも観てみたい。

 
20200114_文楽_襲名披露


20200114_文楽_襲名披露_1

202019日  ウィーン・リング・アンサンブル いずみホール

 

いずみホール

1Q3

 

ライナー・キュッヒル(ヴァイオリン)

ダニエル・フロシャウアー(ヴァイオリン)

ハインリヒ・コル(ヴィオラ)

ロベルト・ナジ(チェロ)

ミヒャエル・ブラデラー(コントラバス)

カール=ハインツ・シュッツ(フルート)

ダニエル・オッテンザマー(クラリネット)

アレックス・ラドシュテッター(クラリネット)

ロナルド・ヤネシッツ(ホルン)

 

J.シュトラウス       :オペレッタ『ジプシー男爵』序曲

ヨーゼフ・シュトラウス  :ワルツ「うわごと」                  

J.シュトラウス       :ジプシー・ギャロップ

J.シュトラウス       :エジプト行進曲

C.M.ツィーラー         :「ウィーン娘」

ヨーゼフ・シュトラウス  :ジョッキー・ポルカ

ベートーヴェンメドレー (生誕250年記念)

J.シュトラウス       :ワルツ「酒・女・歌」

C.M.ツィーラー         :ぶどう畑のギャロップ

J.シュトラウス       :謝肉祭のための大カドリーユ

J.ライナー             :ワルツ「求婚者たち」

ヨーゼフ・シュトラウス  :スポーツ・ポルカ

 

 ―― アンコール ――

  ヨーゼフ・シュトラウス     :おしゃべりな可愛い口

J.シュトラウス           :ワルツ「美しき青きドナウ」

J.シュトラウス           :ラテツキー行進曲

 

一昨年からANAが羽田・ウィーンの直行便を飛ばしているので、以前ほどではなくなっただろうにせよ、恐らく3日早朝に羽田に到着した翌4日からツアーを開始するという、いつもながらのハードスケジュールの日本ツアー。

 

例年と違ってちょっとだけ違和感を覚えたのは、特に編曲ものやギャロップといったワルツ以外でライナー・キュッヒルのヴァイオリンが、特に4人の管楽器奏者との間で細かいニュアンスの不揃いと言うか、なんとなくしっくりいってないこと。もともと個性の強いライナー・キュッヒルが際立っているのがこの団体のいい意味での特徴だけど、ウィーンフィルのコンサートマスターを退いてから時間が経っていることが理由なのだろうか。

 

それでもやっぱり、この団体の演奏するウィンナ・ワルツは、ほんと素敵。ヴァイオリン2丁とヴィオラ、ダブルベースの4人で演奏されたJ.ライナーの“求婚者たち”が一番よかったな。

 

 20200109_ウィーンリングアンサンブル_1

20200109_ウィーンリングアンサンブル_2

202018日 京都大学交響楽団 第206期定期演奏会 ザ・シンフォニーホール

 

ザ・シンフォニーホール

1I8

 

指揮    :尾高忠明

京都大学交響楽団

 

芥川也寸志              :交響管弦楽のための音楽

ボロディン              :オペラ『イーゴリ公』より“だったん人の踊り”

チャイコフスキー       :交響曲第6番『悲愴』

 

いやはや、参りました。クラシック音楽を聴き始めて50年近くもなると、チャイコフスキーのシンフォニーは食傷気味状態などとっくに通り越してしまっていて、よほどのことでもないと演奏会に足を運びたいとは思わない。それでもたまに聴くプロ・オケの演奏は、大概に慣れ切ったルーティン演奏で、ますます辟易としてしまう。それが、学生オケの京大交響楽団の演奏にこんなにも心震わされるなんて! 悲愴交響曲で感動したのって、いつ以来?もしかしたら生まれて初めての体験かも。

 

演奏会開始早々は、自席のI8番からちょうどヴァイオリン後方プルトが正面に見えることで、失礼ながらも耳をそばだてて“実力診断”をするかのように演奏する姿を眺めてました(まったく失礼なクラオタオヤジですね)。ところが、悲愴の第1楽章展開部突入の直前、クラリネットソロ冒頭のリスク覚悟のpppで完全に魅了され、それからはただただ演奏に聴きいっておりました。全団員が徹頭徹尾、妥協無しで真剣に演奏をする姿は、その若さがなんとも羨ましく、また愛おしくもある、そんな心が熱くなる演奏会でした。

 
20200108_京大オケ

20200108_京大オケ_1

20191218日 関西弦楽4重奏団&豊崎泰嗣 ブラームス弦楽5重奏曲 全曲演奏会

 

日本センチュリー定期(129日)と読響大阪定期(1224日)は、やんごとなき事情でパス。特に読響は唯一の第九、かつ2019年締めくくりの演奏会とする予定だっただけにとても残念。新年を迎えて、やっとで12月に聴いた演奏会4つを備忘メモとしてアップ。

 

125_ヴェルディ『椿姫』(新国オペラパレス)

126_井上道義・読響のマーラー3番(東京芸術劇場)

127_ウィグルワース・東響の川崎73回定期(ミューザ川崎)

1218_関西弦楽4重奏(ザ・フェニックスホール)

 

 

ザ・フェニックスホール

1階C3

 

関西弦楽4重奏団

豊崎泰嗣 〈ヴィオラ〉

 

ハイドン        :弦楽4重奏曲 ニ短調『五度』

ブラームス      :弦楽5重奏曲 第1番 へ長調

ブラームス      :弦楽5重奏曲 第2番 ト長調

 

豊崎泰嗣をヴィオラ奏者として迎えての弦楽5重奏。全曲演奏といっても2作品のみなので、尺合わせでハイドンの短調作品を前プロに加えた演奏会。ハイドンがなぜか艶やかさを欠いていたように感じられたのは、次に演奏されるブラームスと何らかの関係があったのだろうか。そのブラームス、最初の第1番は第1楽章で各パートが少し溶け合わないように感じたものの、その後は安定した盤石の演奏。やはり、晩秋に聴くブラームスは良いものだ。

 
20191218_ブラームスSQ

2019127日 東京交響楽団 第73回川崎定期演奏会 ミューザ川崎シンフォニーホール

 

日本センチュリー定期(129日)と読響大阪定期(1224日)は、やんごとなき事情でパス。特に読響は唯一の第九、かつ2019年締めくくりの演奏会とする予定だっただけにとても残念。新年を迎えて、やっとで12月に聴いた演奏会4つを備忘メモとしてアップ。

 

125_ヴェルディ『椿姫』(新国オペラパレス)

126_井上道義・読響のマーラー3番(東京芸術劇場)

127_ウィグルワース・東響の川崎73回定期(ミューザ川崎)

1218_関西弦楽4重奏(ザ・フェニックスホール)

 

 

ミューザ川崎シンフォニーホール

2階2CA546

 

マーク・ウィグルスワース

マーティン・ジェームズ・バートレット

 

モーツァルト    : ピアノ協奏曲大24番 ハ短調 K491

 ―― アンコール J.S.バッハ : 無伴奏パルティータ第2番よりカプリッチョ

マーラー        :交響曲第1番『巨人』

 

この日の目的はミューザ川崎の音を楽しむこと。もったいないことにモーツァルトのコンチェルトは連日のハードワークで早々に寝落してしまい、全く記憶がない。後プロの巨人についてもEvernoteには、たいしたことをメモっていない。第1楽章、溶け合わずにいたオーケストラも2楽章からまとまってきたこと、3楽章冒頭をコントラバスのソロでなく8本のユニゾンで弾かせたこと、ホルン8本で終楽章は指定通りコーダで立ち上がったこと(トロンボーン無し)くらいかな。

 

マリス・ヤンソンスの訃報を受けての追悼のボード
20191208_東響_ミューザ川崎_1

20191208_東響_ミューザ川崎


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